バイデン政権、革新的でクリーンな建築マテリアル支援に向けた新たなコミットメント発表

建築マテリアルの製造は、主要な汚染源であり、コンクリートや鉄鋼の製造だけで世界の排出の15%以上を占める。こうした課題に対処し、市場への強力な発信として、バイデン政権は、RMIと天然資源防衛協議会(Natural Resources Defense Council: NRDC)という2つの非営利組織と協力し、米国内で一連の地域会合を開催してきた。これらの会合の結果として、政権は10月16日、よりクリーンな建築マテリアルのための市場を強化することへの官民の新たなコミットメントを発表した。それらは次の通り。①州及び地方自治体は、インフラ・プロジェクトでよりクリーンな建築マテリアルを採用することを誓約、②複数の企業が、連邦バイ・クリーン・イニシアチブ(Federal Buy Clean Initiative)に基づき、よりクリーンな建築マテリアルのための強力で耐久性のある市場を支援することにコミット、③大手技術企業は、最先端技術のパイロット事業にコミット、④不動産企業は、建造物によりクリーンなマテリアルを使用することにコミット。 White House “FACT SHEET: Biden-⁠Harris Administration Announces New Commitments to Bolster Innovative and Clean Construction Materials Across the United States” (10/16/24)

電池活用により、送配電の制約がある地域で再生可能エネルギーの価値は81%増加

ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory: LBNL)が発表した報告書「制約のある電力市場における再生可能と電池のハイブリッド発電プラント(Renewable-Battery Hybrid Power Plants in Congested Electricity Markets)」によれば、送配電に制約がある地域の風力発電もしくはソーラー発電プラントに、1時間のエネルギー貯蔵を追加することで、エネルギー価値は上昇する。リアルタイムの電力市場価格に基づき、負荷センター(load centers。高い電力需要と高い価格で、エネルギーを地域へ移送する際の送電制約がある地域)近くのプラントでは49%、資源が豊富な地域にあるプラントのエネルギー価値は81%以上上昇するという。ハイブリッド式プラントの貯蔵能力を、1時間から4時間へ高めることで、エネルギーの価値は、負荷センター近くで更に23%、資源豊富な地域で32%上昇する。その一方、報告書の執筆者達は、4時間を超える貯蔵では、負荷センター近く及び資源豊富な地域のいずれにおいても、エネルギー価値の恩恵は最小限であることに驚きを示した。 Utility Dive “1-hour batteries can increase transmission-constrained renewable energy values 81%: LBNL” (10/15/24)

グーグル社とカイロス・パワー社、500MWの先端原子炉契約を締結

グーグル社(Google)は、カイロス・パワー社(Kairos Power)との間で、500メガワット(MW)の先端原子炉フリートのプラントを2035年までに開発、建設、運用する契約を交わした。最初の稼働は2030年までに行われる予定。両社が10月14日に発表した。カイロス社によれば、グーグル社は、「グーグル・データ・センターにクリーン電力を供給する適切なサービス領域に所在するプラントから、電力、付随サービス、環境特性を購入する」という。AIモデルやその他のデータ集約型用途によるコンピューティング需要により、データ・センターの電力需要は今後数年の間に急増すると予測されている。グーグル社は去る3月、ニューコア社(Nucor)、マイクロソフト社(Microsoft)と共に、クリーンで確実な電力源(先端原子炉を含む)に関する情報の要請(request for information: RFI)を発表していた。グーグル社とカイロス社の発表は、原子炉プラントの建設場所や建設される原子炉の数に関する情報には言及していない。 Utility Dive “Google, Kairos Power ink 500-MW advanced nuclear reactor deal” (10/15/24)

バークレー国立研究所、2023年における過去最高のソーラー導入を分析

ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)による「ユーティリティ規模のソーラー(Utility-Scale Solar)」(2024年版)が発表された。5メガワットの交流電力を供給できる能力を持つ、地上設置型太陽光発電(PV)、PVと電池(PV+battery)、集光型太陽熱発電(concentrating solar-thermal power : CSP)プラントによる実証的なプラント・レベルのデータに関する分析を示したものである。報告書は、導入や技術、資本、運用費用、能力要素、太陽光エネルギーの平準化コスト(levelized cost of solar energy: LCOE)、電力購入協定(power purchase agreement:PPA)価格、卸売電力市場価、相互接続キューに関するトレンドを探索している。報告書の主要なハイライトとして、①2023年は、過去最高のユーティリティ規模のPV導入となり、市場は増大的に全国規模になりつつある、②設置費用は2023年も下落が続いた、③プラント・レベルの設備利用率は7%~35%と幅広く(ACベース)、サンプル中央値は24%、などが挙げられている。 Berkeley Lab “Berkeley Lab’s latest “Utility-Scale Solar” report analyzes record deployment in 2023” (10/15/24)

商務省、炭化ケイ素製造に関し、ウルフスピード社との予備的規約を発表

10月15日、商務省(Department of Commerce)は、ウルフスピード社(Wolfspeed, Inc.)との間で、CHIPS・科学法(CHIPS and Science Act)の下、7億5,000万ドルの直接資金を提供することを目的として拘束力のない予備的規約覚書(preliminary memorandum of terms: PMT)に署名したと発表した。これを通じて、ノースカロライナ州サイラー・シティにおける新たな炭化ケイ素製ウェハー製造施設「ジョン・パーマー製造センター(John Palmour Manufacturing Center)」の建設を支援し、将来のエネルギー経済や人工知能(AI)ブームを下支えする半導体の確実な国内供給を確保する一助とする。ウルフスピード社は、1987年にノースカロライナ州に設立され、炭化ケイ素によるウェハー及び機器の製造で世界的なリーダー企業である。 Department of Commerce “Biden-Harris Administration Announces Preliminary Terms with Wolfspeed to Solidify U.S. Technological Leadership in Silicon Carbide Manufacturing” (10/15/24)

NIST、標準化COE設立に1,500万ドルを助成

商務省(Department of Commerce)傘下の米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は、重要新興技術(critical and emerging technologies: CETs)の国際標準における米国の関与を支援するため、センター・オブ・エクセレンス立ち上げに1,500万ドルを助成することを発表した。この新しい標準化センター・オブ・エクセレンス(Standardization Center of Excellence)は、ASTMインターナショナル(ASTM International)が主導し、標準開発エコシステム内の複数のパートナーが参加する。標準化センター・オブ・エクセレンスは、①国際的な標準化の取り組みに民間部門主導の参加を奨励、確実にするための標準化前の関与、②専門職のパイプラインを創出するための労働力の能力強化、③特定のCETに必要とされる業界主導の標準開発を加速させるため、NISTとの協調的なパイロット・プログラムを実施、④標準化にかかわる全ての関係者のための中央資源として機能する情報及びデータ共有ハブの創出、の4点に焦点を当てる。 National Institute of Standards and Technology “NIST Awards $15 Million to ASTM International to Establish Standardization Center of Excellence” (10/15/24)

エネルギー省、送配電プロジェクトの環境分析レベルに関し、パブコメ受付

エネルギー省(Department of Energy)のグリッド配備局(Grid Deployment Office: GDO)は10月15日、エネルギー省に大統領許可(Presidential Permit)の取得を申請している送配電プロジェクト計画について、パブコメ受付を開始した。具体的に、ベイズン電力共同組合(Basin Electric Power Cooperative)が、ノースダコタ州とカナダのサスカチュワン州の間の国境で送配電設備の建設/接続/運用/維持管理に関する大統領許認可を申請している。同社が提案する「タンデ・アンド・ウィーロック・トゥ・サスカチュワン送配電プロジェクト(Tande and Wheelock to Saskatchewan Transmission Project)」は、ノースダコタ州の既存のサブステーションからカナダの国境までをつなぐ230キロボルトの送配電線を2本建設する。これらのプロジェクトによる環境への潜在的な影響を理解するため、エネルギー省は、環境評価(Environmental Assessment: EA)または環境影響声明(Environmental Impact Statement: EIS)のいずれかを作成する。これに関して、環境審査で対処すべき問題の判断と、EAまたはEIS分析の適切なレベルについてパブコメを募集している。エネルギー省はこの送配電プロジェクトについて、対面式のスコーピング会議を2回実施する。 Department of Energy “DOE Opens Public Comment Period and Announces Scoping Meetings to Determine Level of Environmental Analysis Needed for Transmission Project Seeking Presidential Permit” (10/15/24)

エネルギー省、プエルトリコの太陽光発電建設に8億6,000万ドル以上を融資

エネルギー省(Department of Energy)は融資プログラム局(Loan Programs Office: LPO)を通じて、プエルトリコで、電池貯蔵を装備した太陽光発電ファーム(2件)と、独立型電池エネルギー貯蔵システム(battery energy storage systems: BESS)(2件)を建設するための資金として、8億6,130万ドルの融資保証を発表した。これらの施設は、グアヤマ(ジョボス)とサリナスの自治体に位置し、プエルトリコ全体のコミュニティに、クリーンで信頼性があり、手頃な費用の電力を供給することを支援する。借り手企業は、クリーン・フレキシブル・エネルギー社(Clean Flexible Energy, LLC)で、AES社(The AES Corporation)とトータルエネルギー・ホールディングスUSA(TotalEnergies Holdings USA, Inc.)の間接的な子会社。プロジェクトは集合的に「プロジェクト・マラフ(Project Marahu)」と呼称され、200メガワット(MW)の太陽光発電と、最大2854MW(1,140メガワット時)の独立型BBES能力で構成される。 Department of Energy “Biden Harris Administration Announces More Than $860 Million Loan Guarantee to Support Construction of Utility-scale Solar and Battery Storage in Puerto Rico” (10/15/24)

NSFとドイツ、イノベーションの加速で協力

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の技術・イノベーション・パートナーシップ総局(Directorate for Technology, Innovation and Partnerships: TIP)は、ドイツの連邦ディスラプティブ・イノベーション局(Federal Agency for Disruptive Innovation: SPRIND)との間で、主要技術分野での画期的なイノベーションの加速を目的としたパートナーシップを発表した。両機関のリーダーは、ドイツで開催されたSPRINDの設立5周年記念イベントで覚書(memorandum of understanding: MOU)に署名した。MOUは、TIPとSPRINDが協力して国際的な規模でトランスレーショナルな研究を選出及び実施するタイムラインを加速させることに取り組む。具体的に、SPRINDの革新的なコンペであるチャレンジ・モデルを活用する形で、NSFとSPRINDは合同で米国と欧州のイノベーション・エコシステムを接近させ、大きな社会的問題を解決し、発見を具体的な用途や製品へと発展させる非伝統的な手法を実現することを目指す。 National Science Foundation “NSF and Germany’s Federal Agency for Disruptive Innovation join forces to accelerate innovations” (10/11/24)

米国の現行のエネルギー移行状況は、摂氏2.5度の気温上昇に沿ったもの

ブルムバーグ社(Bloomberg)のニュー・エネルギー・ファイナンス(New Energy Finance)が9月26日に発表した報告書によれば、米国の現在のエネルギー移行状況は、費用ベースの経済シナリオに沿ったままで進み、「決定的な行動」を取らない限り、更に摂氏2.6度の気温上昇へ向かう軌道上にある。このため、2050年までの正味ゼロ排出を達成に向けては、「地球の気温上昇は摂氏2度を大幅に下回るレベルに維持する」というパリ気候協定(Paris Agreement)に基づき、摂氏1.75度上昇に抑制することに相当し、そのためには電力部門からの排出を極めて迅速かつ劇的に削減し、エネルギースステムの全部門が完全な炭素フリー資源へと移行することが求められるとしている。なお、米国は現在、2030年までに炭素排出をわずか22%削減する軌道上にあるという。これに対して、2015年のパリ協定に関する米国のコミットメントを達成するには、米国は炭素排出を50%削減する必要性がある。 Utility Dive “US energy transition path currently in line with 2.6 degrees Celsius temperature rise: BNEF” (10/10/24)