米国競争法案、下院で可決

下院は12月21日、上院で大幅に内容が縮小された米国競争法案(America COMPETES Act)を可決した。法案は今後、オバマ大統領の署名を待つが、146名の共和党下院議員のうち16名しか同法案を支持しなかったことから、連邦政府の大幅支出につながる同法案を次期議会の共和党指導部が快く思わないであろうことが予想される。米国競争法案は上院案で400億ドル削減されて460億ドル規模となったが、次期議会で下院科学技術委員会(Science and Technology Committee)の委員長に就任するラルフ・ホール議員(Ralph Hall、テキサス州選出共和党)は、「それでも74億ドルもの新たな支出が盛り込まれている」と批判し、同法案の今後の改正の可能性を示唆している。 ScienceInsider “Comprehensive Science Legislation to Become Law” (12/21/10)

バークレー国立研究所、中国のデータセンターにおけるエネルギー効率向上に協力へ

中国における情報技術および通信業界の成長、そしてスパコン大国としての台頭を受けて、中国のデータセンター能力は拡大し続けている。こうした中、エネルギー省のローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory: LBNL)は、中国エレクトロニクス研究所(China Institute of Electronics)および中国エレクトロニクス標準化研究所(China Electronics Standardization Institute)と協力し、中国の業界におけるデータセンターのエネルギー効率を向上させるための取り組みを行うことを発表した。両国の関係機関は今後、ベストプラクティスやケーススタディ、その他の資料を共有していくという。LBNLの担当者は、「エネルギー効率向上策は全てが難しいわけではなく、ただその方策を知らないことが業界の遅れにつながっている」と述べている。 PHYSORG.COM “Berkeley lab to help China improve energy efficiency of data centers” (12/21/10)

下院、連邦省庁のパフォーマンス強化を狙いとした法案を可決

下院は12月21日、連邦省庁による業務の追跡および向上の強化を狙いとした「2010年政府業績成果現代化法案(2010 Government Performance and Results Modernization)」を可決した。同法案は1993年に成立した「政府業績成果法(Government Performance and Results Act:GPRA)」の主要改正版である。法案では、各省庁の上級高官から、最高業務責任者(chief operating officer)と業務改善責任者(performance improvement officer)を任命することの他、毎年議会に提出している業務報告を、今後は四半期ごとに専用のウェブサイトに掲載することを義務付けている。同法案は上院で可決されており、今後はオバマ大統領の署名を待つ。 GOVERNMENT EXECUTIVE “House passes bill to improve agency performance” (12/21/10)

胚性幹細胞研究の多くは州政府の助成により実施

ジョージア工科大学(Georgia Institute of Technology)のアーロン・レバイン准教授(Aaron Levine)が執筆した論文によれば、米国における胚性幹細胞研究の多くは、州政府からの助成金によって実施されているという。ただし幹細胞研究全体で見た場合は、連邦政府による助成金の方が多い。同准教授によれば、カリフォルニア、コネチカット、イリノイ、メリーランド、ニュージャージー、ニューヨークの6州による胚性幹細胞研究への助成金は、連邦政府による助成金を上回っていたという。また、州政府によって助成された胚性幹細胞研究の多くは、連邦政府による助成の対象にもなり得る内容であるという。この論文は12月7日ネイチャー・バイオテクノロジー誌(Nature Biotechnology)のオンライン版に掲載されている。 Bloomberg Businessweek “States Now Fund Most Embryonic Stem Cell Research in U.S.” (12/14/10)

下院共和党、オバマ政権の科学政策を精査する意向を示す

次期議会で下院科学技術委員会(House Science and Technology Committee)の調査・監督小委員会(Investigations and Oversight subcommittee)の委員長となるポール・ブロウン議員(Paul Broun、ジョージア州選出共和党)は12月20日、オバマ政権による科学的完全性に関する政策を精査する計画であると発表した。大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy:OSTP)は最近、連邦省庁向けに科学的完全性に関する政策ガイダンスを発表したばかりである。ブロウン議員はこれまで、温室効果ガス排出は公衆衛生や生活を脅かしているとの環境保護庁(Environmental Protection Agency:EPA)の見解や、大統領府気候・エネルギー政策調整官による活動を強く批判してきている。 THE HILL “House Republican promises to scrutinize administration’s policy on science ” (12/20/10)

BRIMCS諸国によるエネルギーの研究・開発・実証投資額、IEA加盟国を上回る

ハーバード大学のエネルギー技術イノベーション政策研究グループ(Energy Technology Innovation Policy research group)が発表した分析報告書によれば、BRIMCS(ブラジル、ロシア、インド、メキシコ、中国、南アフリカ)諸国の中央政府および政府完全所有の事業体は、2008年にエネルギー技術の研究・開発・実証に少なくとも138億ドルを投資しており、これは、国際エネルギー機関(International Energy Agency:IEA)加盟国による同投資(127億ドル)を上回ったという。また、BRIMCSによる投資金額の82%を中国の政府系事業体が占めたと報告されている。報告書の執筆者らは、「この分析結果は、エネルギー技術イノベーションおよび協力に関する国際議論の場にBRIMCS諸国を加えるべきであることを強く示している」と述べている。 Green Car Congress “BRIMCS countries, and especially China, outspending IEA countries in energy RD&D” (12/17/10)

PCAST、政府ネットワークの進展を加速させるよう提言

大統領科学技術諮問委員会(President’s Council of Advisors on Science and Technology:PCAST)は12月16日に発表した報告書の中で、政府のネットワーキング及び情報技術研究開発プログラム(Networking and Information Technology Research and Development:NITRD)について、「ネットワーキング及びITにおける発展は、社会的および経済的原動力であり、多くの分野での発見のペースを加速するとともに、開かれた政府という目標の達成において重要な役割を果たし、経済的競争力において鍵となるものである」と述べている。その上で、NITRDに関する提言をいくつか行っている。例えば、ネットワーキングやITによる変革が十分に進んでいない業界(エネルギー、教育、運輸、医療ケア)を改善するよう提言している他、スパコンはIT研究の重要な側面ではあるが、コストが高く国にとり最大の優先事項ではないかもしれないとして、現在の性能指標(1秒間あたりの浮動小数点数演算回数)重視傾向を見直すよう提言している。 Federal Computer Week “President’s Council seeks to accelerate government network advances ” (12/17/10)

NSFによる地下研究所建設計画が頓挫、今後はDOE単独実施に期待

国立科学財団(National Science Foundation:NSF)の政策を決定する米国科学審議会(National Science Board:NSB)は11月30日、サウスダコタ州にあるホームステーク鉱山(Homestake mine)に地下深部科学工学研究所(Deep Underground Science and Engineering Laboratory:DUSEL、8億7,500万ドル規模)を建設するための追加開発費用を求めたNSFの要請を却下した。NSBは、「現行計画は受け入れ難い」とし、NSFと共同機関であるエネルギー省(DOE)が責任と費用を分割するという点に疑問を呈した。また、大規模なインフラ建設事業がNSFのミッションに適切であるのかという点にも懸念を示している。NSBがNSFの追加資金要請を却下したことにより、今後はDOEが単独でDUSEL計画を続行する可能性が出てきた。 Science “NSF Won’t Build Underground Lab; Scientists Hope That DOE Will” (12/17/10)

OSTP、科学的完全性に関するガイダンスをようやく発表

大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy:OSTP)は12月17日、発表が予定より大幅に遅れていた、連邦政府における科学的完全性(scientific integrity)に関する政策のガイダンスをようやく発表した。ガイダンスは、各省庁の政策が網羅すべき4つの分野(政府における科学的完全性の基礎、科学に関する公的コミュニケーション、諮問委員会の利用、科学の専門的開発)を提示している。そして具体的なガイダンスとして、①高官の政治的意図によって科学的または技術的ファインディングを抑圧または修正してはならない、②政策決定に利用されるデータは、可能および適切な場合は適した専門家による独立したピアレビューを実施すること、などが盛り込まれている。 ScienceInsider “White House Releases Long-Awaited Guidance for Scientific Integrity” (12/17/10)

エネルギー長官、先端自動車研究開発に最高1億8,400万ドルの助成を発表

エネルギー省(DOE)のスティーブン・チュウ長官(Steven Chu)は12月16日、外国石油への依存度を低下させ、ドライバーに節約をもたらし、炭素汚染の減少につながる、新たな高効率自動車技術の開発および導入の加速を目的として、今後3~5年間で最高1億8,400万ドルの助成を行うと発表した。電気自動車は既に市場に登場しているものの、真に競争的になるには、電池やパワーエレクトロニクス、軽量素材といった分野での進展が求められている。今回の公募の対象となっているのは、①先端燃料および潤滑油、②軽量材料、③軽量自動車の設計、製造およびテスト、④性能とコストで既存の技術を大幅に上回る電気自動車を目的とした先端電池および技術、など8点となっている。 U.S.DEPARTMENT OF ENERGY “Secretary Chu Announces up to $184 Million Available for Advanced Vehicle Research and Development” (12/16/10)