カリフォルニア州、キャップ・アンド・トレード制度の導入へ

カリフォルニア州の大気資源局(California Air Resources Board:CARB)は12月16日、米国で最も包括的な炭素取引システム(キャップ・アンド・トレード制度)の導入を決定した。同制度は、温室効果ガスの排出を2020年までに1990年レベルまで削減することを目指した、カリフォルニア州地球温暖化対策法(2006年成立)の中核となる。採択されたキャップ・アンド・トレード制度では、2012年からセメント製造業者や発電所、製油所など600件の大手産業施設に排出量の制限が課され、その後8年間でその制限は徐々に厳しくなる。カリフォルニア州の制度で論争の的となっている点は、排出枠は最初からオークションすべきであるとの勧告を無視して、当初は無料で割り当てられることと、企業は義務付けられた排出量の最大49%をその他の排出削減策に投資して相殺することが認められた点である。 latimes.com “California air board set to adopt cap-and-trade program” (12/16/10)

エネルギー省、革新的でコスト競争力のあるソーラーエネルギー技術の実証に最高5,000万ドルの資金提供へ

エネルギー省(DOE)のスティーブン・チュウ長官(Steven Chu)は12月16日、コスト競争力のあるソーラーエネルギー技術につながる革新的技術の試験および実証に最高5,000万ドルを提供する意向と発表した。本件に関する資金提供公募(Funding Opportunity Announcement)は来年早期に発表される予定である。対象技術候補としては、集光型太陽熱発電(Concentrating Solar Power)システム(反射鏡を使って熱を吸収する液体に太陽光を集めた後、最終的に発電に利用する)と集光型太陽光発電(Concentrated Photovoltaic Power)システム(レンズを使って太陽光を集め、従来型の太陽光発電の効率を高める)などが含まれる。実証には、ネバダ国立安全保障用地(Nevada National Security Site:NNSS)が利用される。 U.S. DEPARTMENT OF ENERGY “DOE to Fund up to $50 Million to Demonstrate Innovative, Cost-Competitive Solar Energy Technologies” (12/16/10)

オバマ政権、西部におけるソーラーエネルギー開発の青写真を発表

政府は12月16日、国内西部の国有地におけるソーラーエネルギー開発に向けたガイドライン草案「ソーラー計画の環境的影響に関する報告の草案(Draft Solar Programmatic Environmental Impact Statement)」を発表した。同草案は、アリゾナ、カリフォルニアなど西部6州における24の国有地を、環境的に健全でユーティリティ規模のソーラーエネルギー生産に最も適した「ソーラーエネルギー・ゾーン(solar energy zones)」として特定している。現在、ソーラー事業の申請処理は大幅に遅れているが、今回の草案で特定された地域ではソーラーエネルギー事業の許可を迅速に得られる可能性が高くなる。本草案については、今後90日間にわたってパブリックコメントの受付が行われる予定である。 The Washington Post “Obama administration unveils blueprint for solar energy development in West” (12/16/10)

バイオ倫理委員会、合成生物学にゴーサイン

大統領バイオ倫理問題研究委員会(Presidential Commission for the Study of Bioethical Issues)は12月16日に発表した報告書の中で、現在の合成生物学はまだ初期の段階であることからその技術はリスクをほとんど呈しておらず、現時点で研究を一時的に停止したり、新たな規制を実施する必要はないとの結論を示した。その代わり、合成生物学者による自己規制や、大統領府が連邦省庁を調整して同研究の様々な側面を監督することなどを勧告した。これを受けて、合成生物学の反対派や環境団体は、「報告書は空虚で臆病」「無責任な勧告」と厳しく非難する一方、バイオ産業協会(Biotechnology Industry Organization: BIO)や合成生物学研究者は「報告書は合理的、賢明である」と評価している。 The New York Times “U.S. Bioethics Commission Gives Green Light to Synthetic Biology” (12/16/10)

NIST、電子機器、バイオ、ナノにおける先端製造研究事業に2,200万ドル交付

米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)は12月15日、技術イノベーションプログラム(Technology Innovation Program:TIP)を通じて、生物薬剤や電子機器、再生可能エネルギー、エネルギー貯蔵といった分野で革新的な製造技術を狙いとした9つの研究プロジェクトに合計2,200万ドル以上の資金を交付すると発表した。いずれのプロジェクトもその他の資金源からマッチングファンドを受け、研究費総額は今後3年間で4,600万ドルに達すると試算されている。9件のプロジェクトは、4月に公示された「製造業およびバイオ製造:原料の進展と重要なプロセス(Manufacturing and Biomanufacturing: Materials Advances and Critical Processes)」を受けて提出された応募書類110件の中から選出された。 NIST “NIST Announces $22 Million in Funding for Advanced Manufacturing Research in Electronics, Biotechnology and Nanotechnology” (12/15/10)

エネルギー省の融資保証プログラム担当者、2011年の投資分野について語る

エネルギー省(DOE)の融資保証プログラム(Loan Guarantee Program)のエグゼクティブ・ディレクター(Executive Director)であるジョナサン・シルバー氏(Jonathan Silver)がインタビューで語ったところによると、DOEの融資保証プログラムは、民間部門が見過ごしている分野、あるいは投資先としての信頼を確立していない分野に投資することを意図しており、今後は、これまでに比較的成長してきた陸上風力といった分野への投資は少なくなっていくという。同氏はまた、DOEが今後支援していく分野として、①蓄熱、②バイオ燃料およびバイオマス、③電池およびエネルギー貯蔵技術、④クリーンコールおよび炭素捕捉、を挙げた。 GreenBeat “DOE loan chief: Where we’ll invest in 2011” (12/15/10)

2009年、米国のソーラーパワー製品輸出が輸入を7億2,300万ドル上回る

GTMリサーチ社(GTM Research)が作成した報告書「米国ソーラーエネルギー貿易評価2010(US Solar Energy Trade Assessment 2010)」によると、米国において、2009年にソーラーパワー製品の輸出が輸入を7億2,300万ドル上回り、同製品の純輸出国となったことが分かった。米国はPVモジュールでは純輸入国(輸入が輸出を約2億3,200万ドル上回った)であるが、ポリシリコンでは純輸出国(輸出が輸入を11億ドル上回った)である。また、2009年にソーラーパワーの設置が米国にもたらした直接的経済価値は26億ドルに上ると試算されている。 treehugger “US Exported $723M More Solar Power Products Than It Imported in 2009: New Trade Balance Report” (12/14/10)

オバマ政権、中小企業向け融資保証プログラムを発表

中小企業庁(Small Business Administration:SBA)のカレン・ミルズ長官(Karen Mills)は12月15日、中小企業向けに最高25万ドルの融資を提供している銀行および地域の融資団体を対象に、迅速的に融資保証を行う2つのプログラムを発表した。1つは最高25万ドルの融資に対してSBAが75~85%の保証を行い、保証の承認決定は1日で行われるというものである。もう1つは、同じ条件を小口融資仲介者や宗教関連団体、地域開発団体などにも適用するというものである。いずれも、中小企業の資金調達を促進するための取組みであり、来年3月15日までには実施される予定である。 Bloomberg Businessweek “Small-Business Lending Pledged by U.S. as Obama Meets Executives” (12/15/10)

オバマ大統領と企業幹部ら、経済分野等での協力を約束

オバマ大統領と米国企業20社の幹部らは12月15日にホワイトハウスで会合を行い、経済分野等での相互関係の修復に向けて協力することを約束した。オバマ大統領のこうした動きは、中間選挙で民主党が大敗した後、共和党議員らと密接に協力していくことを誓ったことと同調しており、2年前の政権発足後から緊張状態に陥っていた関係機関との関係修復への取組みの一環となっている。企業幹部らとの会合で、オバマ大統領は幅広い問題について協議し、米国輸出の拡大や教育の向上、予算赤字の削減といった目標で合意に達したが、具体的な点では正式合意に至っていない。会議では、オバマ大統領に近い財界関係者も参加していた一方、大手銀行の幹部や、6月に大統領の政策を批判したベライゾン社(Verizon)の最高経営責任者の参加は見られなかった。 The Washington Post “Obama, business leaders promise to work together on economy and relationship” (12/15/10)

シリコンバレーNGOが電気機器におけるナノ原料に関するパンフレットを発表

NGOのシリコンバレー毒性同盟(Silicon Valley Toxics Coalition:SVTC)は、消費者用電気機器におけるナノ原料について紹介したパンフレット「電気機器におけるナノテクノロジー:人体と環境へのリスク(Nanotechnology in Electronics: The Risks to Human Health & the Environment)」を発表した。パンフレットは、ナノテクノロジーの特徴や電気機器におけるナノテクノロジーのライフサイクル、人体や環境への潜在的影響などについて記述した上で、消費者に対して、①自分の携帯電話やラップトップPC、テレビなどにナノ原料が含有されているかどうかを確認する、②含有されている場合は、製造企業に対してそのことをラベル表示するよう働きかける、③製造企業にナノ原料含有製品の適切な処分方法について問い合わせる、といった行動を起こすよう呼びかけている。 Nanotechnology Industries Association “‘Nanotechnology in Electronics’ – Silicon Valley NGO publishes booklet” (12/10)