胚性幹細胞研究への連邦助成給付を巡る訴訟でNIHが勝訴

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)による胚性幹細胞研究への助成は、ヒト胚が破壊される研究への連邦助成を禁じたディッキー-ウィッカー修正条項(Dickey-Wicker Amendment)に違反するとして提訴し、ロイス・ランバース連邦判事(Royce Lamberth)が仮差し止め命令を出していた件(その後コロンビア特別区連邦控訴裁判所(U.S. Court of Appeals for the D.C. Circuit)がランバース判事が本訴訟について最終決定を下すまでは研究継続を認める決定を下した)で、ランバース判事は7月27日、NIHに圧倒的に優位となる最終裁定を下した。ランバース判事の裁定は、「同修正条項における『研究』の定義は曖昧である」という控訴裁の判断に恭順したものである。本件は最高裁まで持ち込まれる可能性があるが、現状はNIHに有利となっているようである。 ScienceInsider “Stem Court Ruling a Decisive Victory for NIH” (7/27/11)

<速報>ジョン・マーバーガー前OSTP長官死去

ブッシュ政権時代に科学顧問を務めたジョン・マーバーガー氏(John Marburger)が7月28日に逝去。「Science of Science Policy」の旗振り役となる一方で、幹細胞研究制限や地球温暖化懐疑などのブッシュ政権方針が科学コミュニティーから大きく批判されていた。 USA Today, Bush science advisor Jack Marburger dies at 70

オバマ大統領、エネルギー省ポストに2人を指名

オバマ大統領は7月27日、エネルギー省(Department of Energy: DOE)の人事に関し、2人を指名した。1人は、エネルギー効率・再生可能エネルギー局担当次官補(Assistant Secretary for Energy Efficiency and Renewable Energy)に指名されたデイビッド・ダニエルソン氏(David Danielson)である。同氏は2009年以来、エネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy:ARPA-E)のプログラム・ディレクターを務めている。さらに、マイノリティー経済影響局の局長(Director of the Office of Minority Economic Impact)としてドット・ハリス氏を指名している。同氏は現在、エネルギーや情報技術、医療を中心としたコンサル会社のジャボ・インダストリー社(Jabo Industries, LLC)で社長兼最高経営責任者を務めている。 White House “President Obama Announces More Key Administration Posts” (7/27/11)

不況の中、再生可能エネルギーは2010年も成長

パリを拠点とする「21世紀のための再生可能エネルギー政策ネットワーク(Renewable Energy Policy Network for the 21st Century: REN21)」は、報告書「2011年再生可能エネルギーの世界現状報告(Renewables 2011 Global Status Report)」の中で、「継続的な景気低迷、インセンティブの削減、天然ガスの低価格化にもかかわらず、再生可能エネルギー部門は好調な成長を維持している」と報告した。また、再生可能エネルギーは2010年に世界の最終エネルギー消費の16%(試算)を供給し、世界全体で電力の20%近くを供給したという。さらに、再生可能エネルギーの成長を支える主要素は、世界各国における再生可能エネルギー政策であるとしている。 WORLDWATCH INSTITUTE “Renewable Energy Continued Growth in 2010 Despite Recession” (7/27/11)

グリーン・ブランド企業調査でトヨタ、3M、シーメンスがトップ3に

インターブランド社(Interbrand)が7月27日に発表した「2011年ベスト・グローバル・グリーン・ブランド(Best Global Green Brands 2011)」調査では、一位がトヨタ自動車となっている。同調査結果は、環境に優しいグリーン・ブランドとしての企業イメージのみならず、グリーンイニシアチブにより業績をあげていることも重要な要素となっている。トヨタ自動車は、ハイブリッド電気自動車のプリウスの成功や全電気自動車テスラ社(Tesla)との提携のみならず、エネルギー消費や水消費、廃棄、有害排気の削減努力において1992年以来大きく前進していることが評価された。2位は3M社、3位はシーメンス社(Siemens)となっている。 cnet “Toyota, 3M, Siemens top green brands in survey” (7/27/11)

中国でベンチャーキャピタルが急成長

ラックス・リサーチ社(Lux Research)は7月20日、中国におけるベンチャーキャピタル(VC)に関する報告書を発表した。それによれば、2010年の中国でのVC活動は、2009年の31億ドルから80%増となる54億ドルに達したという。そしてそのうち40%が化学やエネルギー、医療などの新興技術に投じられているという。2007年の調査ではこれらの新興技術に投じられた割合は20%だったことから、大きな変化となっている。54億ドルという金額は米国の218億ドルのわずか4分の1ではあるが、米国VCは経済危機の後ようやく2004年レベルに戻った一方、中国は成長し続けており、その格差は縮小しつつある。 nature.com “China’s venture capital booms” (7/26/11)

農務長官、再生可能エネルギー開発の推進を目的としたバイオマス生産プロジェクトを発表

トム・ビルサック農務長官(Tom Vilsack, Secretary of Agriculture)は7月26日、バイオマス穀物支援プログラム(Biomass Crop Assistance Program: BCAP)に関して新たに4件のプロジェクト地域を設定したと発表した。BCAPは、農場主や森林地所有者などが暖房や電力、バイオベース製品などに転化する非食用のエネルギー穀物を植えることを支援するプログラムである。今回新たに発表されたのは、カリフォルニア、カンザス、モンタナ、オクラホマ、オレゴン、ワシントンに広がる4地域で、計画通りの生産水準が実現した場合、年間200万ガロン以上のバイオ燃料を生産するのに必要な作物が生産される見込みである。 USDA “Secretary Vilsack Announces Biomass Production Projects to Promote Renewable Energy Development and Create Jobs in Rural America” (7/26/11)

MIT、医療電子機器実現センター(MEDRC)を新設

マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)は、アナログ・デバイス社(Analog Devices, Inc.)、GEグローバル・リサーチ社(GE Global Research)と共同で、患者にとり安価でアクセス可能な医療ケアの提供を実現するための技術開発を行うことを目的とて、「医療電子機器実現センター(Medical Electronic Device Realization Center: MEDRC)」を新設した。MEDRCは、患者モニタリング機器やポイントオブケア機器、患者と介護者をつなぐ通信技術の開発などに取り組む。また、プロトタイプ機器の製造や知的財産の創出に重点を置き、大手企業やベンチャー企業、医療コミュニティを結ぶ中心点として機能することを目指す。 EE Times ” MIT prof pedicts medical device revolution” (7/26/11)

大統領府、ライトトラックの燃費基準として1ガロンあたり54.5マイルを提示

大統領府は先月自動車メーカーに提示した新燃費案の中で、2025年におけるライトトラックの燃費規制を1ガロンあたり56.2マイルとしていたが、自動車メーカーとの交渉により、同54.5マイルで妥協したと伝えられている。自動車メーカーとの最終合意がまとまれば、政権は今週末にも最終決定内容を発表する可能性がある。燃費規制に関する最終的な枠組みは9月30日までに発表される予定で、政権は自動車メーカーに対してこの枠組みに合意するよう要請している。 Bloomberg Businessweek “White House Said to Offer 54.5 MPG Goal, Light Truck Deal” (7/26/11)

米国地質調査所(USGS)がピアレビュー規則を緩和

米国地質調査所(US Geological Survey: USGS)は、内部科学者が自身の研究を外部出版する際に課せられているピアレビュー規則を改定した。USGSは2006年に、研究成果の出版を行う際は、2件の内部ピアレビューを行い、さらに上級レベルの担当官から承認を得ることを義務付けていたが、今回の改訂により、外部出版する場合は内部ピアレビューは1件行えばよいことになった。ただし、科学的品質・インテグリティー局(Office of Science Quality and Integrity)の担当官による最終レビューは引き続き義務付けられる。 nature.com “US federal agency loosens peer-review rules” (7/26/11)