NSF、2012年科学工学指標を発表

米国科学審議会(National Science Board:NSB)は1月17日、米国及び世界における科学・工学・技術労働力・教育への取り組みについて総合的にまとめた「2012年科学工学指標(Science and Engineering Indicators 2012)」を発表した。それによれば、米国は科学技術の研究開発努力で依然として世界的リーダーであるものの、他地域との差はわずかであり、知識集約型経済への投資を積極的に行っているアジアに直に追い抜かれる可能性があるという。報告書によれば、1999年から2009年の間に、世界の研究開発に占める米国の割合は38%から31%へ低下したのに対し、アジア地域のそれは24%から35%へ上昇した。国立科学財団(National Science Foundation: NSF)のスブラ・スレシュ長官(Subra Suresh)は、「報告書は、これまでの『世界において米国の科学技術力は優越している』という前提について見直す必要があることを明示している」と述べた。 National Science Foundation “New Report Outlines Trends in U.S. Global Competitiveness in Science and Technology” (1/17/12)

オバマ大統領、NOAAの内務省への移行を計画

オバマ大統領は1月13日に商務省(Department of Commerce)の再編計画を提案した。その多くは商務省内で中小企業を対象とする業務部門が中心であったが、大統領は国立海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration:NOAA)を内務省(Department of the Interior)へ移行する意向も発表している。内務省には陸上を対象とする同様の科学機関として米国地質調査所(U.S. Geological Survey:USGS)がある。この移行が実施された場合、連邦政府は30億ドルを節約できると試算されている。再編の詳細は今後数ヶ月以内に発表される見通しである。 American Institute of Biological Sciences “Obama Proposes Moving NOAA to Interior” (1/17/12)

加州バイオ医療企業CEOの8割が成長鈍化の要因としてFDAを挙げる

カリフォルニア医療研究所(California Healthcare Institute)、ベイバイオ(BayBio)、PwC社がカリフォルニア州内のバイオ医療企業の最高経営責任者(CEO)を対象に調査を行った結果、回答者の8割が「食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)の煩雑な規制承認プロセスは企業の成長を鈍化させており、米国医療技術部門の成長にとって最大の脅威の一つとなっている」と考えていることが分かった。更に、回答者の75%が「FDAの面倒なプロセスのために、バイオ医療分野における米国のリーダーシップは危機にさらされており、5年以内に他国が米国と同様のエコシステムを再現するかもしれない」と述べている(本件は、報告書の予備結果として発表されたもので、最終的な報告書は2月に公表される予定)。 Mass Device “Survey: 8 in 10 California CEOs blame FDA for slowing growth” (1/10/12)

新興バイオ・クラスター、先行クラスターへの挑戦で苦闘

不動産会社のジョーンズ・ラング・ラサール社(Jones Lang LaSalle: JLL)は、6つの基準(ハイテク研究・医療雇用が全体の雇用に占める割合、科学・工学大学院卒業生の割合、NIH資金、バイオテク・医療機器ベンチャーキャピタル資金、研究開発費がGDPに占める割合、大学・研究施設の規模)に基づいてバイオクラスターの順位付けを行った結果をまとめた。これによると、「新興バイオ・クラスター」の上位は、ミネアポリス、ローリー・ダーラム、シアトル、シカゴ、デンバー、ヒューストン、フロリダ、アトランタ、インディアナポリスの順となっているという。ただし上位3地域については、「新興」というよりは既知のクラスターともいえることも指摘されている。一方、別の不動産会社CBリチャード・エリス社(CB Richard Ellis: CBRE)のある幹部は、「現在、製薬大手やバイオテク大手間で行われている再編統合は、マサチューセッツ州ケンブリッジとサンフランシスコ・ベイエリアに集中しており、新興クラスターに影を落としている。近いうちに新興クラスターが急成長することはないであろう」と指摘している。 Genetic Engineering & Biotechnology News “New Biotech Clusters in the U.S. Are Scrambling to Challenge Established Regions” (1/3/12)

雇用評議会が報告書「更新へのロードマップ」を大統領に提出

大統領雇用・競争力評議会(President’s Council on Jobs and Competitiveness、通称「雇用評議会(Jobs Council)」)は1月16日、「更新へのロードマップ(Road Map to Renewal)」を公表した。雇用評議会は、オバマ大統領が1年前に、短期的な雇用創出と長期的な米国の競争力強化について勧告を行うよう求めて発足させたもので、これまでに「短期的に雇用創出を促進するアイデア」(6月)、「2~5年間で雇用創出と米国競争力を加速させる方法」(10月)について報告書を作成している。今回の報告書では米国の繁栄及び競争力に影響するより広範な要素について考察、勧告しており、①未来への投資(Invest in Our Future)、②強さの強化(Build on Our Strengths)、③勝利への行動(Play to Win)を、米国が今世紀において競争力を更新し続けるためのマントラとしている。そして、教育、イノベーション、エネルギー、製造業、規制、税制改革の分野で具体的な勧告を行っている。 Jobs Council “Jobs Council Releases “Road Map to Renewal” Year-End Report to the President” (1/16/12)

アストラゼネカ社、パートナーシップの模索を目的とする研究チームを新設

製薬大手のアストラゼネカ社(AstraZeneca)は、他企業や大学、政府、慈善団体との提携により新薬開発を行う科学技術統合部(Science and Technology Integration Office)を新設した。製薬会社はパートナーシップを組むことで研究費を抑えながら新薬の開発を行うことに取り組んでおり、アストラゼネカ社の今回の動きもそれを反映している。廉価な後発医薬品との競争に直面している同社はパートナーシップの構築に積極的で、先月には大学研究と潜在的医薬品を無償で共有する画期的な契約を交わしている。 The Telegraph “AstraZeneca creates research team to pursue partnerships” (1/15/12)

オバマ大統領、政府組織を改革・再編・統合する計画を発表

2011年の一般教書演説で連邦政府の再編を示唆したオバマ大統領は、連邦政府を再編・統合できる大統領権限を復活させるよう議会に要請した。大統領は、「より効率的でより良いサービスをもたらし、より小さな政府につながる計画のみにこの大統領権限を使う」と述べている。そしてこの権限の最初の利用提案として、現在米国ビジネスや貿易を中心に扱っている連邦政府の6機関を、競争力や輸出、米国ビジネスを推進する1つの連邦機関に統合する計画であると概説した。具体的には、商務省(Department of Commerce)の主力部門、中小企業庁(Small Business Administration: SBA)、米通商代表部(Office of the U.S. Trade Representative: USTR)、輸出入銀行(Export-Import Bank)、海外民間投資公社(Overseas Private Investment Corporation)、貿易開発局(U.S. Trade and Development Agency)の6機関である。 White House “President Obama Announces proposal to reform, reorganize and consolidate Government” (1/13/12)

USGS、予算削減により生物多様性プログラム閉鎖

米国地質調査所(U.S. Geological Survey:USGS)の全国生物学情報インフラストラクチャー(National Biological Information Infrastructure)プログラム及びそのウェブサイトは、2012年度歳出法におけるプログラムの廃止決定を受け、1月15日をもって終了した。同プログラムは1994年に内務省(Department of the Interior)の全国生物学サービス(National Biological Service)として発足したもので、生物多様性情報に関する様々なリンクを提供し、研究者や関係者の間で広く活用されていた。ユーザーは、数回のクリックを行うだけで動植物の分類情報から野生動物の疾病に関する報道など、様々な環境データにアクセスすることができ、その利便性が高い評価を得ていた。同プログラムが支えてきた一部のデータベースについては、アーカイブ化が検討されているものの、今後の予定については不明となっている。 The Chronicle “Budget Cuts Force Biodiversity Program to Close” (1/12/12)

連邦政府、海洋課題への対処を示した行動計画草案を公開

連邦政府は1月12日、海洋や海岸、五大湖の資源が直面する急務の課題に対処することを目的として作成された国家海洋政策の行動計画草案「国家海洋政策実施計画草案(Draft National Ocean Policy Implementation Plan)」を公開した。草案では、国立科学財団(National Science Foundation: NSF)を中心とする国家海洋評議会(National Ocean Council)が海洋や海岸、五大湖の健全性を向上させるための行動について記述されており、これに対するコメントを求めている。この中では優先案件として、①科学的情報を提供し、漁業、再生可能エネルギー、農業、バイオなどにおける持続可能な資源利用を支援する、②地方の意思決定者や海洋利用者、関係者、国民に向け、連邦政府が有するデータや情報へのオープンアクセスを提供する、③地域の優先案件を支援するグラントやパートナーシップ機会を特定かつ有用化する、などが挙げられている。 National Science Foundation “Federal Government Releases Action Plan to Address Ocean Challenges” (1/12/12)

大統領府、雇用創出を支援する新ウェブサイトを立ち上げ

オバマ政権は、失業率の改善及び雇用創出支援を目的として、企業が必要とする情報や資金調達を提供するウェブサイトを新たに立ち上げる。新ウェブサイト、Business.USA.govは、輸出入業務を行う連邦機関や商務省(Commerce Department)の事業部門、さらに中小企業庁(Small Business Administration)など様々な連邦機関から必要なリソースを収集し、統合するものである。利用者は現在、事業に必要な情報を取得するにあたっては、関連する連邦機関のあらゆるウェブサイトにアクセスし、様々な検索を試みる必要があるが、Business.USA.govの最大の利点は、利用者の個人的状況に応じて最も有益なデータを引き出せるようになるということである。今後数週間以内に試験版が開始される予定であるという。 White House “White House hopes new website will help create jobs” Forum” (1/13/12)