米国有権者の3分の2が「気候変動の影響を直接受ける」と考える

クインアピアク大学(Quinnipiac University)が行った世論調査結果によれば、米国有権者の66%が、気候変動は自分あるいは自分の家族に直接影響を及ぼすことを「非常に懸念している」あるいは「多少懸念している」と考えている。回答者の56%が、「米国は環境的懸念から石炭の使用を削減するべきである」と考えている一方、36%が「雇用と経済的恩恵から石炭使用を奨励すべきである」と考えている。有権者は、76%対19%の割合で「気候変動が偽りであるとは思わない」と考え、62%対28%の割合で「トランプ大統領は気候変動対策を狙いとした規則を排除すべきではない」との見解を示している。 Quinnipiac University “Two-Thirds Of U.S. Voters Take Climate Personally, Quinnipiac University National Poll Finds; Opposition To The Wall Hits New High” (4/5/17)

航空旅行の革命を図るズナム・アエロ社

2013年にワシントン州に設立されたズナム・アエロ社(Zunum Aero)は4月5日、米国内であまり使用されていない数千の空港を使い、10~50席のハイブリッド型電気航空機を用いて人々が最高700マイルを航空移動できるシステムを2020年代初頭から開始すると発表した。2030年までには飛行距離を1000マイルまで拡大する計画であるという。現在、国内には5000の空港があるが、飛行機の95%以上はそのうちわずか2%の空港から発着している。ズナム社の長期的な狙いは、地域的な電気航空機ネットワークを構築し(地上の長距離バス路線のようなもの)、ドアツードアの移動時間を40%削減し、80%の排出削減を実現することである。同社の発表によれば、社内の事業コストも低く、渡航費用は最大80%安くなるという。ズナム・アエロ社によれば、同社はボーイング社(Boeing)などから資金提供を受けている。地上では自動走行車や電気自動車が話題になっているが、航空分野でもその波は静かに押し寄せている。エアバス社(Airbus)は今年初めに自律操縦する飛行車(self-piloted flying car)のプロトタイプの試験計画を発表し、ウーバー社(Uber)は都市型航空輸送に関する白書を発表するなどしている。 Venture Beat “How Zunum Aero plans to revolutionize air travel with electric planes and regional airports” (4/5/17)

トランプ大統領が「石炭との戦争」に終結宣言をするも、ユーティリティ企業は耳を貸さず

トランプ大統領は先週、オバマ前大統領による気候変動規則を一掃する行政命令に署名し、「米国による石炭との戦争に終止符を打つものとなるであろう」と述べたが、石炭の最大消費者である発電企業はその言葉に動かされていないようである。オバマ前政権によるクリーン発電計画(Clean Power Plan)を阻止すべく提訴していた32のユーティリティ企業を対象にロイター社(Reuters)が行った調査によれば、その大半は現在巨額を投じて長期的に進行している石炭離れを変更する計画はないという。これは、トランプ大統領の努力にもかかわらず、石炭需要は減少し続けることを示唆する。ユーティリティ企業はその理由として、①天然ガス(石炭の競合)が安価で豊富である、②ソーラー及び風力発電の費用は低下し続けている、③州の環境規則は依然続いている、などを挙げている。 Reuters “Trump declares end to ‘war on coal,’ but utilities aren’t listening” (4/5/17)

連邦助成を受けたR&Dセンターの資金、2015年度に回復

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の米国科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics: NCSES)の発表によれば、42件の連邦助成を受けている研究開発センター(federally funded research and development centers: FFRDC)のR&D支出は2015年度に185億ドルとなり、ここ数年減少あるいは横ばいだった支出に回復が見られた。連邦政府はこうしたFFRDCのR&D支出の98%以上を拠出している。2015年度において、FFRDCのR&D支出の22%は基礎研究、39%は応用研究、38%は開発に充当された。長期的な傾向として、航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)のジェット推進研究所(Jet Propulsion Laboratory)とエネルギー省(Department of Energy)傘下の6つの国立研究所がFFRDCの合計R&D支出の半分以上を占めている。 National Science Foundation “Federally funded R&D center funding rebounded in FY 2015” (4/4/17)

米国エネルギー・イノベーション評議会が報告書を発表

米国エネルギー・イノベーション評議会(American Energy Innovation Council)は、「イノベーションのパワー(The Power of Innovation)」と題する報告書を発表した。報告書は、「過去1世紀にわたり、イノベーションは米国の経済成長の主たる牽引者であり続けた。しかし、その他の多くの技術部門とは異なり、エネルギー部門はいくつかの理由から研究開発(R&D)の投資不足に苦しんでいる」とした上で、エネルギー部門のイノベーションを促進するために連邦政府が講じることができる6つの具体的な勧告を提示している。具体的には、①米国のエネルギー部門の包括的評価及び戦略的方向性を策定する努力を強化する、②先端エネルギー・イノベーションに年間160億ドルを投資する、③エネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)に年間10億ドルを充当する、などが含まれている。 American Energy Innovation Council “The Power of Innovation” (4/5/17)

大統領府、2つの論争的な税案の検討を否認

大統領府は4月4日、抜本的な税制見直しにおいて、2つの論争的な税案(付加価値税と炭素税)は否認すると発表した。同日の早くには、トランプ政権の高官が、「トランプ大統領のチームは、政府の歳入を引き上げるため、付加価値税の可能性を模索している」と述べたばかりであった。政権高官の一人はまた、「大統領府は炭素税の導入を検討している」と述べていたが、トランプ政権の広報官は後に、「そのアイデアは検討の対象から外れた」と発言した。こうした急速な展開は、トランプ政権がまだ税制見直し計画の初期段階にあることを浮き彫りにする。大統領府高官は、政権は、医療保険制度改革法(Affordable Care Act)の撤廃に向けた当初の取り組みで失敗した時よりも、税制見直し計画に深く関与する見通しであると述べたが、先述した2つの税はいずれも強い反発にあうとみられている。炭素税はガソリンや石炭、その他の化石燃料を燃焼する際に排出される二酸化炭素及びその他の温室効果ガスを狙いとしたもので、多くの民主党議員は気候変動対策として炭素税を支持しているものの、同党が政権と議会の双方を支配していた時でさえ、合意を取りまとめることはできなかった。以来、多くの共和党議員は、炭素税を追求する民主党を批判し続け、かかる税は経済を悪化させると主張している。 Washington Post “White House disavows two controversial tax ideas hours after officials say they’re under consideration” (4/4/17)

トランプ政権、中国によるウェスチングハウス社買収の阻止に努力

情報筋によれば、ウェスチングハウス・エレクトリック社(Westinghouse Electric Company, LLC)が3月29日に破産法11条の適用を申請したことを受け、トランプ政権は中国投資家が同社の原子力事業の買収に乗り出すのではないかと懸念している。中国の事業体は長年、原子力開発業者に関心を持っており、ウェスチングハウス社はたびたび中国のスパイ行為の対象となってきた。親会社である東芝は同社の売却先を模索している。こうした中、トランプ政権は、ウェスチングハウス・エレクトリック社を買収する米国企業あるいは同盟国の企業を見つけようとしているという。複数の米高官によれば、リック・ペリーエネルギー長官(Rick Perry)、スティーブン・ムニューチン財務長官(Steve Mnuchin)を含む閣僚が、中国関連企業によるウェスチングハウス社買収の阻止について協議しているという。いかなる中国投資家による買収案件も対米外国投資委員会(Committee on Foreign Investments in the United States: CFIUS)の審査の対象となるとみられている。 Bloomberg Politics “Trump Team Takes Steps to Keep Chinese From Westinghouse” (4/5/17)

フェイスブック社、マイクロソフト社などが再生可能エネルギー・マイクログリッドに5,000万ドルを活用

フェイスブック社(Facebook)、マイクロソフト社(Microsoft)は、投資会社のアロトロープ・パートナーズ(Allotrope Partners)と共同で、社会的に十分なサービスを受けていない世界中のコミュニティにおける再生可能エネルギーのマイクログリッドへの投資を促進する金融組織を立ち上げる。新しく設立されるのはマイクログリッド投資アクセラレーター(Microgrid Investment Accelerator: MIA)で、2018年から2020年の間に約5,000万ドルの資金を活用しながら、インドやインドネシア、東アフリカの一部でエネルギー・アクセスの拡大に取り組む。MIAは国連の「全ての者に持続可能なエネルギー・フォーラム(U.N. Sustainable Energy For All Forum)」で4月3日に開始された。「MIAは、マイクログリッドの商業機会を探り、譲許的資金によってリスクが発見、価格付け、緩和されていく中で民間資本をどのように拡大していくかを実証していく」と、MIAの最高経営責任者は述べている。手頃に利用できる金融手段へのアクセスは、マイクログリッド・ソリューションを実践していく上での大きな障害となっている。 Green Tech Media “Facebook, Microsoft Mobilize $50 Million for Renewable Energy Microgrids” (4/4/17)

米墨間の国境壁に様々な案が提出される

トランプ大統領が提案しているメキシコとの国境壁の設計に関する提案は4月4日に締め切られた。米国税関・国境警備局(U.S. Customs and Border Protection)は、複数の入札者にサンディエゴでプロトタイプの設計を求める計画である。政府が公表するのは最終的な落札企業のみであるが、複数の企業は自らのアイデアを公表している。例えば、ラスベガスにあるグリーソン・パートナーズ社(Gleason Partners LLC)は、壁全体をソーラー・パネルで覆う案を提出している。ソーラー・パネルを通じて、照明、センサー、警備拠点の電力が供給される仕組みである。イリノイ州のクライシス・レゾルーション・セキュリティ・サービス社(Crisis Resolution Security Services Inc.)は、高さ17メートルで天井部分の幅7メートルの壁を作り、観光客が砂漠の光景を楽しめるような作りになっている。ピッツバーグにあるクレイトン・インダストリーズ社(Clayton Industries Inc.)は、国境壁沿いにある溝に核廃棄物を貯蔵する計画を提出している。 AP “Border wall bids include tourist attraction, solar panels” (4/5/17)

米国の原油生産者、2016年第4四半期に投資を拡大

米国の石油生産企業(オンショア型)44社の資本支出は、2015年第4四半期から2016年第4四半期の間に49億ドル(72%)増加した。これは、2012年第1四半期以来、最大の増加である。原油高価格が米国生産社の上流部門での収益増につながっており、これを受けて一部の企業は投資予算を拡大している。この傾向は2017年第1四半期も継続する見込みである。米国の石油リグ稼働数は2016年末の525基から2017年3月31日時点の662基に増加した。 Energy Information Administration “U.S. oil producers increased investment in fourth quarter of 2016” (4/3/17)