2030年までに米国の自動車運転の25%が自動運転になる可能性

自動運転車が公道で一般的になるのはまだ先のように見えるが、ボストン・コンサルティング・グループ(Boston Consulting Group)の発表によれば、一度登場すれば急速に普及する可能性がある。報告によれば、2030年までに、米国内における自動車走行の最高25%が、都市における共有サービス車両としての自動運転電気自動車となる可能性があるという。その大きな理由は、都市型ドライバーに大幅な金銭的節約がもたらされることである。そしてその背景には、自律走行技術への関心の高まりと電気自動車の増加がある。また、都市においては、渋滞緩和策としての代替輸送手段を見つけなくてはならないという圧力もある。 Tech Crunch “25% of U.S. driving could be done by self-driving cars by 2030, study finds” (4/10/17)

米国科学研究部門は研究の完全性を保護するための行動を起こすべきとの報告

米国アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)は、「研究における完全性の育成(Fostering Integrity in Research)」と題する報告書を発表し、科学研究部門におけるすべての関係者(研究者、機関、出版社、資金提供者、科学コミュニティ、連邦機関)は、研究の完全性への脅威に対応するための慣行と政策を維持すべきであると述べた。①研究の再現に必要なデータの有用性を確実にする、②著者基準を明確にする、③内部告発者を保護する、④否定的ならびに肯定的な研究ファインディングが報告されることを確実にする、などの策が実施されるようにするための行動が必要であると指摘している。報告書はまた、あらゆる学問分野及びセクターで研究の完全性を育成するための課題に統一的なフォーカスを持って対処するため、独立した非営利組織「研究の完全性に関する諮問委員会(Research Integrity Advisory Board)」を設立するよう要請している。 National Academies “U.S. Scientific Research Enterprise Should Take Action to Protect Integrity in Research; New Advisory Board on Research Integrity Should Be Established” (4/11/17)

DARPA、ハードウェアにハッキングへの抵抗力を付ける取り組み

軍事及び非軍事のあらゆる技術システムは、ソフトウェア・システムへの依存をますます強めているが、ソフトウェアは本質的に電子侵入者に脆弱である。国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)はソフトウェアをよりセキュアにするための数多くの技術進展に取り組んでいるが、「ハードウェアの役割を大きくすることはできないのか?」という疑問が浮上している。それへの回答を狙いとしたのが「ハードウェア及びファームウェアを通じたシステムセキュリティ統合(System Security Integrated Through Hardware and Firmware: SSITH)」プログラムである。SSITHプログラムは具体的に、ハードウェアの7種の脆弱性(許可と特権、バッファー・エラー、リソース管理、情報漏洩など)に対処することを目的としている。 Defense Advanced Research Project Agency “Baking Hack Resistance Directly into Hardware” (4/10/17)

エネルギー省、イリノイ州での産業炭素捕獲・貯留プロジェクトがマイルストーンを達成と発表

エネルギー省(Department of Energy)は4月7日、イリノイ州で進められている「イリノイ産業炭素捕獲・貯留(Illinois Industrial Carbon Capture and Storage: ICCS)」プロジェクトが、二酸化炭素を大規模塩性貯留槽に注入する作業を開始したと発表した。本プロジェクトは、エネルギー省から1億4,100万ドルの投資を受益し、コスト分担金として民間部門が6,600万ドルを投じている。アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド社(Archer Daniels Midland Company: ADM)が主導する大規模実証プロジェクトで、エタノール生産工場から発生する二酸化炭素を収集し、地下深い砂岩貯留槽に二酸化炭素を貯留する総合システムの実証に取り組んでいる。エネルギー省の化石燃料担当高官は、「本日の発表は、産業規模での二酸化炭素捕獲・貯留技術の進展に向けた大きな一歩である」と述べた。 Department of Energy “DOE Announces Major Milestone Reached for Illinois Industrial CCS Project” (4/7/17)

DARPA、多種多様かつあいまいなメディア情報を整理して大きな意味をつかむことを目指す

米国政府は常に、世界の出来事、状況、トレンドの戦略的理解を開発及び維持することに関心を持っているが、近年は極めて様々な情報源から膨大な情報が得られることから、アナリストが有意義あるいは実用的な洞察を収集することが難しくなっている。こうした中、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、時によっては意図的に作為されることにもある現在のデータ環境を克服することを目的として、「異種代替策の積極的な解釈(Active Interpretation of Disparate Alternative: AIDA)」プログラムを開始する。AIDAの目標は、膨大なソースから得られたデータを基に、複数の仮説にあてはめながら、実世界の出来事や状況、トレンドの明示的な代替解釈あるいは意味をつかむ「意味エンジン(semantic engine)」を開発することである。 Defense Advanced Research Project Agency “DARPA Wades into Murky Multimedia Information Streams to Catch Big Meaning” (4/6/17)

FDA、23アンドミー社に遺伝子試験を消費者に直接販売することを許可

食品医薬品局(Food and Drug Administration: FDA)は4月6日、企業がパーキンソン病やアルツハイマー病などを罹患するリスクを調べる遺伝子試験を消費者に直接販売することを許可すると発表した。FDAは2013年に、同試験を開発した23アンドミー社(23andMe)にモラトリアムを課していたが、同試験の直接販売を認めた今回の発表は、FDAにとって転機となる。今後は、疾病のリスクを調べる試験を消費者に直接販売する企業が増加することが予想される。これまでの所、消費者がこうした遺伝子試験を受けるには、医療専門家に相談する必要があったが、23アンドミー社の試験方法は簡単で、「先祖と健康(Ancestry and Health)」試験キットを購入後、試験管に唾液を入れて送付すると、23アンドミー社がDNAを抽出、試験し、6~8週間後に利用者に結果の通知が送られる。 New York Times “F.D.A. Will Allow 23andMe to Sell Genetic Tests for Disease Risk to Consumers” (4/6/17)

NIHの研究助成の意外な経済的効果

サイエンス誌(Science)誌に3月30日に掲載された報告書によれば、1980年から2007年の間に国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の助成を受けた研究プロジェクトを対象とした調査によれば、特許に直接つながったのはそのうちの8.4%であるが、その3倍以上となる30.8%が後に医薬品や機器、その他の医療技術の商業特許の中で引用された科学的論文につながっているという。この間接的な恩恵は米国内で販売されている医薬品に関連した特許においてはより明白で、特許に直接つながったNIHのグラントは1%であるのに対し、5%の論文が後に市販化された医薬品に関連した特許で引用されている。政治家は、研究活動がどのぐらいの特許取得や起業につながったかという点に関心を寄せがちだが、「本調査結果は、NIHの支援を受けた研究が特許活動に予想外に大きな間接的をもたらしていることを示す」と、ある専門家は指摘する。 Nature “NIH research grants yield economic windfall” (3/30/17)

電力グリッドの未来を形成するため、2つの組織が合併

サンショット・イニシアチブ(SunShot Initiative)の助成を受けてソーラー業界における統一的なデータ基準作りを行う「オレンジ・ボタン(Orange Button)」イニシアチブが別の組織と合併することになった。オレンジ・ボタンを運営管理しているスマート・グリッド・インターオペラビリティ・パネル(Smart Grid Interoperability Panel: SGIP)の会員は、スマート・エレクトリック・パワー同盟(Smart Electric Power Alliance: SEPA)と合併し、ユーティリティ及び分散型エネルギー資源提供事業者のクリーン・エネルギーへのスマートな移行を支援する単一の情報・協力源を創出することを承認した。二つの組織の合併は4月3日に発表された。SEPAのミッションがそれまでのソーラー・エネルギーからエネルギー貯蔵、需要対応、その他の実現技術を含めるべく拡大されたこことから、合併相手の模索が始まり、オレンジ・ボタン・イニシアチブが対象となった。SEPAのミッションには、SGIPの活動も含まれる。会員企業数はSEPAのほうが多いため、合併はオレンジ・ボタン・イニシアチブの活動に肯定的な影響をもたらすと期待されている。 Department of Energy “Merging of the Minds: Two Organizations Join Forces to Shape the Future of the Grid” (4/5/17)

カナダのトルドー首相、人工知能研究で世界的リーダーを目指す

カナダのジャスティン・トルドー首相(Justin Trudeau)は3月30日、人工知能と深層学習の研究開発でカナダが世界的リーダーとなることを目指すという希望を明らかにし、カナダ政府はトロントに新設される人工知能研究所、ベクター研究所(Vector Institute)に4,000万カナダドル(3,000万米ドル)を投資すると発表した。オンタリオ州政府も同研究所に5,000万カナダドルを提供する。ベクター研究所を主導するジェフリー・ヒントン氏(Geoffrey Hinton)は英国生まれのカナダ人でトロント大学(University of Toronto)の認知心理学者及びコンピュータ科学者であり、グーグル社(Google)の幹部でもある。 Phys.org “Trudeau looks to make Canada ‘world leader’ in AI research” (3/30/17)

元ARPA-E局長がCO2サイエンスの理事に就任

CO2サイエンス(CO2 Sciences)は、エネルギー省(Department of Energy)傘下のエネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)の元局長であるエレン・ウィリアムズ氏(Ellen Williams)がCO2サイエンスの理事会(Board of Directors)に加わることになったと発表した。ウィリアムズ氏はエネルギー省に加わる前は、BP社の主席科学者(Chief Scientist)として、研究及びプログラム開発を担当していた。CO2サイエンスはグローバルCO2イニシアチブ(Global CO2 Initiative: GCI)の非営利部門で、適格な研究申請者に研究開発助成を行い、イノベーション技術の創出に取り組む。GCIは、1兆ドルの二酸化炭素製品業界の開発と商業化を目的として設立されたイニシアチブで、これらの製品は二酸化炭素のリサイクルを主要な材料とする。 Global CO2 Initiative “Former U.S. Department of Energy Official Joins CO2 Sciences Board” (April 2017)