気候変動懐疑派がEPAを離脱

3月30日に明らかになった所によれば、環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)に所属する保守派エコノミストのデイビッド・クロイツァー氏(David Kreutzer)がEPAを3月31日付けで退職し、古巣である保守派シンクタンクのヘリテージ財団(Heritage Foundation)に戻ることになった。クロイツァー氏は、ドナルド・トランプ次期大統領(当時)のEPA担当政権移行チームのメンバーで、そのままEPAに所属していた。数週間前には、同じようにトランプ政権下でEPAに参加していた保守派のデイビッド・シュネア氏(David Schnare)がEPAを去っている。両者はいずれもオバマ政権の批判者で、エネルギー業界及びその他の民間部門の活動に対する連邦規制を撤廃するよう主張していた。クロイツァー氏は、「人的行為による排出が地球温暖化の主たる原因であるというコンセンサスは存在しない」との考えを表明している。 < a href="https://www.washingtonpost.com/news/energy-environment/wp/2017/03/30/a-second-climate-change-skeptic-is-leaving-the-epa-and-will-return-to-heritage/?utm_term=.c30c97085884"> Washington Post “A second climate-change skeptic is leaving the EPA and will return to Heritage” (3/30/17)

パリ気候協定に留まるべきか否かで意見が分かれる石油業界

石炭業界は、ドナルド・トランプ大統領がパリ気候協定から米国を撤退させるべきか否かを巡り、分裂している。一部の生産業者は、協定に留まることで経済的機会を獲得できることを望んでいる。米国石炭生産者の上位3社(ピーボディ・エネルギー(Peabody Energy)、アーチ・コール(Arch Coal)、クラウド・ピーク・エネルギー(Cloud Peak Energy))は、最近行われた大統領府高官との会合で、政権が石炭使用による汚染を削減する技術に更なる金銭的支援を確保できる場合、国際協定に留まることに公的な反対はしないことを示唆した。一部の政権高官はこうした戦略を視野に入れている。しかしこうした手法に石油業界の別の一部は抵抗している。トランプ大統領は、5月26~27日に行われる先進7カ国首脳会議(G-7)までにパリ気候協定に留まるか否かを最終判断する見通しである。 Politico “Why some coal companies want Trump to stay in Paris climate deal” (3/30/17)

CARB-X、抗生物質耐性菌による感染症の治療と診断の開発加速を目的として最高4,800万ドルを投資

「抗生物質耐性菌対策バイオ製薬アクセラレーター(Combating Antibiotic Resistant Bacteria Biopharmaceutical Accelerator: CARB-X)」は3月30日、致死的な抗生物質耐性菌による感染症の新たな治療及び診断法の開発を加速させることを目的として、米国と英国における11のバイオテクノロジー企業及び研究チームに2,400万ドルの投資を行うと発表した。さらに、マイルストーンに基づき、今後3年間で最高2,400万ドルの追加投資を行う計画である。これは、企業の民間資金とあわせて、合計最大7,500万ドルの投資につながる可能性がある。受益プロジェクトは、初期段階の研究プログラムで、そのうち3件は、新種の小分子抗生物質の可能性があり、4件は革新的で非在来型の製品である。さらにこれらの潜在的な医薬品は、最も急務とされている「スーパーバグ(強力な抗生物質耐性菌)」をターゲットとしている。CARB-Xは、厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)、バイオ医療先進研究開発局(Biomedical Advanced Research and Development Authority: BARDA)、国立アレルギー・感染症研究所(National Institute of Allergy and Infectious Diseases: NIAID)が開始したイニシアチブである。 CARB-X “CARB-X injects up to $48 million to accelerate first Powered by CARB-X portfolio of drug discovery and development projects to tackle antibiotic resistance” (3/30/17)

エネルギー省の気候局、「気候変動」という用語の使用を禁止

情報筋によれば、エネルギー省(Department of Energy)の国際気候・クリーン・エネルギー局(Office of International Climate and Clean Energy)の職員は3月28日に行われた会議で、「気候変動」「排出削減」「パリ気候協定」の用語を使用しないよう求められたという。これは、トランプ大統領が環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)にオバマ前大統領の気候規制イニシアチブの多くを見直すよう指示した行政命令に署名したのと同じ日である。国務省(Department of State)やエネルギー省のその他の機関の高官は、このような禁止用語リストは受け取っていないというが、メモや書類の中で気候関連の用語の使用は避け始めているという。国際気候・クリーン・エネルギー局は、エネルギー省の中で唯一「気候」が名称に使われている局である。エネルギー省の広報官は、用語の禁止命令があったことを否定している。 Politico “Energy Department climate office bans use of phrase ‘climate change” (3/29/17)

GEのイメルトCEO、トランプ大統領の気候問題への姿勢を批判

ゼネラル・エレクトリック社(General Electric)のジェフ・イメルト最高経営責任者(Jeff Immelt)は、気候変動科学やオバマ前大統領が署名したパリ気候協定を支持しないトランプ大統領を批判し、他社に、政権が置き去りにしている空白を埋める努力をするよう呼び掛けている。イメルト氏は3月29日、社内ブログで、「企業は世界中の政治的変動に対応する柔軟性を身に付け、その手法を学ぶ必要がある。企業は自社の外交政策を持ち、顧客と社会の地域的ニーズに対応する技術とソリューションを作り出す必要がある」と書いた。イメルト氏がトランプ大統領による政策に言及したのはこれが初めてではない。大統領が最初の渡航禁止令を発表した際、イメルト氏は別のブログで、「この命令の潜在的な影響を強く懸念している人は多い。私もその懸念を理解する」と書いた。 Politico “GE CEO Immelt knocks Trump on climate” (3/29/17)

アップル社やウォルマート社は気候対策へのコミットを継続

トランプ大統領は、オバマ前大統領による環境政策を骨抜きにしようとしているが、アップル社(Apple Inc.)やウォルマート・ストア社(Wal-Mart Store Inc.)など多くの米国企業大手は、気候変動対策へのコミットメントを維持している。これらの企業は、「(オバマ前政権の下で調整された)自分たちの誓約は、エネルギー費用削減に対する自社の取り組みを反映している」と述べ、環境派による圧力を回避し、将来的なリスクに対処する姿勢を示した。ウォルマート社は、2015年のパリ気候協定に向けて排出削減を誓った81社の一つであり、昨年11月にはその目標を引き上げ、2025年までに電力の半分を再生可能源由来にすると誓った。 Bloomberg “Apple, Wal-Mart Stick With Climate Pledges Despite Trump’s Pivot” (3/30/17)

アシュ・カーター氏、ハーバード大学ケネディ・スクール、ベルファー・センターの所長へ

ハーバード大学ケネディ・スクール(Harvard Kennedy School)は3月28日、元国防長官(Secretary of Defense)のアシュ・カーター氏(Ash Carter)を、科学・国際関係ベルファー・センター(Belfer Center for Science and International Affairs)の所長及びベルファー教授(技術・世界関係)として迎え入れると発表した。カーター氏は、グラハム・アリソン現所長(Graham Allison)の後任となる。物理学者であるカーター氏は、国防長官として、敵との軍事戦や同盟の強化方法について、「型にはまらない考え方」を推進したことで知られている他、省の予算と人材の管理、技術の開発に尽力した。今後はベルファー・センターの所長として、国内外の課題への対処におけるイノベーションと技術の役割に焦点を当てた活動を行う計画である。 Harvard gazette “Ash Carter to head Belfer Center” (3/28/17)

アーネスト・モニツ氏、核脅威イニシアチブ(NTI)の新CEOへ

元エネルギー長官(Secretary of Energy)のアーネスト・モニツ長官(Ernest J. Moniz)は、核脅威イニシアチブ(Nuclear Threat Initiative: NTI)の次期最高経営責任者(chef executive officer)及び理事会共同委員長(co-chairman of the Board of Directors)に指名された。2017年6月1日に就任する。発表は3月23日、現CEO兼共同委員長のサム・ヌン氏(Sam Nunn)と共同委員長のテッド・ターナー氏(Ted Turner)によって行われた。両者は今後もモニツ氏と共に共同委員長として残る。 Nuclear Threat Initiative “Ernest J. Moniz Named New CEO of NTI” (3/23/17)

トランプ大統領、オバマ前大統領の気候政策を撤回する行政命令に署名

トランプ大統領は3月28日、オバマ前大統領による気候変動対策を無効にし、石炭業界を復活させることを目的とした行政命令に署名した。大統領はパリ気候協定については具体的に触れていないものの、実質的に米国は国際的な地球温暖化対策におけるリーダーシップから退くことになる。トランプ大統領は、前任者が約束した二酸化炭素排出削減目標を達成する意思はないことを明確にした。大統領は、行政命令を通じて環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)にオバマ前大統領によるクリーン電力計画(Clean Power Plan)を撤回、書き直すための複雑かつ長期的な法的プロセスを開始するよう指示した。 < a href="https://www.nytimes.com/2017/03/28/climate/trump-executive-order-climate-change.html?_r=0"> New York Times “Trump Signs Executive Order Unwinding Obama Climate Policies” (3/28/17)

バイオエネルギー技術局、代替航空燃料に関する報告書を発表

エネルギー省(Department of Energy)のバイオエネルギー技術局(Bioenergy Technologies Office: BETO)は3月28日、「代替航空燃料:課題と機会と次のステップに関する概要(Alternative Aviation Fuels: Overview of Challenges, Opportunities, and Next Steps)」と題する報告書を発表した。代替航空燃料の現状をまとめたもので、ピアレビューによる論文、科学的な作業部会、先に行われた代替航空燃料ワークショップの際にBETO関係者から寄せられたインプットを基に作成された。航空機は乗用車のように電力で駆動することはまだできないため、バイオ燃料の必要性は高い。米国では現在、バイオベースの航空ジェット燃料/グリーン燃料を生産する施設が3か所あり、近いうちにさらに5か所の同施設が計画されている。 Department of Energy “BETO Publishes Alternative Aviation Fuels Report” (3/28/17)