Category:その他
国土安全保障省の科学技術総局、国家生物・農業防衛施設を建設
国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)の科学技術総局(Science and Technology Directorate: S&T)は、カンザス州マンハッタンでの国家生物・農業防衛施設(National Bio and Agro-Defense Facility: NBAF)の建設と試験的稼働を予算内で完了し、1,008万2,355.80ドルの余剰寄付金をカンザス州へ返還したと発表した。総額12億5,000万ドルの施設は、連邦政府、カンザス州、マンハッタン市のユニークな共同投資によって資金が調達された。DHS主導で3年かがりで行われた拠点選出プロセスの後、2009年にNBAFの建設拠点としてマンハッタン市が浮上した。同市とカンザス州は、入札の一環として、プロジェクトを経済的に支援することを誓約し、州政府は合計3億700万ドルを、市は500万ドルを寄付、余剰金は州政府へ返還されると規定された。S&TはNBAF建設及び試験的稼働プロジェクトを先導し、2022年12月に完了、2023年5月に除幕式が行われた。施設の建設及び試験的稼働は初期の立案から最終的な完了まで17年に及び、様々な技術的・運営管理的課題に直面したが、S&Tは予算内で実施し、カンザス州に1,000万ドル強を返還することができた。 Department of Homeland Security “News Release: S&T Builds National Bio and Agro-Defense Facility Under Budget, Returns Gift Funds to State of Kansas” (6/20/24)
国土安全保障省、重要インフラ安全保障及び対応力に関する今後2年間の国家優先事項を概説
国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)のアレハンドロ・マヨルカス長官(Alejandro Mayorkas)は6月20日、連邦機関、重要インフラの所有者及び運用者、その他の官民の関係機関による重要インフラの安全保障と対応力に関する取り組みの導きとなる戦略的ガイダンスを概説した。このガイダンスは、バイデン大統領による「重要インフラの安全保障と対応力に関する国家安全保障メモ(National Security Memorandum (NSM-22) on Critical Infrastructure Security and Resilience)」に基づき、米国民が日々頼りとしている重要インフラ・システムを確実にするため、今後2年間の社会全体による取り組みにおいて優先付けられるべき具体的なリスク分野を示したものである。優先分野には、①中国が呈するサイバー及びその他の脅威に対処、②人工知能やその他の新興技術によって呈される進化的リスクと機会を管理、③サプライチェーンの脆弱性を特定、軽減、など5点が挙げられている。 Department of Homeland Security “Secretary Mayorkas Outlines National Priorities for Critical Infrastructure Security and Resilience for Next Two Years” (6/20/24)
財務省、懸念国における国家安全保障技術・製品への米国投資に対処する規則案を発表
財務省(Department of Treasury)は6月21日、2023年8月9付けの大統領令14105号(Executive Order 14105)「懸念国における特定の国家安全保障技術及び製品への米国投資への対処(Addressing United States Investments in Certain National Security Technologies and Products in Countries of Concern)」(アウトバウンド令(Outbound Order))の実践を目的として、提案規則通知(Notice of Proposed Rulemaking: NPRM)を発表した。バイデン大統領は、懸念国が軍事や諜報、偵察、もしくはサイバーに基づく次世代能力に重要な機密の技術や製品の開発を目指し、米国のアウトバウンド投資を搾取することを防ぐ策を講じている。アウトバウンド令は、財務長官に対し、「米国人が、特に急性の国家安全保障脅威を米国にもたらす特定の技術や製品が関与する特定の取引に関与することを禁止すること」などを目的とした規則を通達するよう指示している。アウトバウンド令は、本プログラムの対象となる国家安全保障技術及び製品について、①半導体及びマイクロエレクトロニクス、②量子情報技術、③人工知能、の3つのカテゴリーを特定している。今回発表されたNPRMは、アウトバウンド令を実践するための提案規則を提示し、一般市民が新たなプログラムの形成に寄与できる機会を提示している。パブコメは8月4日まで受け付けている。 Department of Treasury “Treasury Issues Proposed Rule to Implement Executive Order Addressing U.S. Investments in Certain National Security Technologies and Products in Countries of Concern” (6/21/14)
NSF、中小企業向けファスト・トラック開発パイロットを発表
米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は6月24日、スタートアップ及び中小企業を対象に、これまでにNSFの資金提供を受けた研究を基に新たな製品やサービスの開発を支援するパイロット・イニシアチブ「中小企業技術革新制度及び中小企業技術移転制度ファスト・トラック(Small Business Innovation Research SBIR)/Small Business Technology Transfer (STTR) Fast-Track」」を開始した。適格の企業は、完了までに最高3年を要する研究開発活動を支える「ファスト・トラック」アワードとして、200万ドル以上を受益できるプロポーザルを1件提出することができる。従来のSBIR/STTRプログラムは、同等額のアワードを得るために一般的に2つのフェーズで複数のプロポーザルの提出が必要であるが、SBIR/STTRファスト・トラックは、3年間で200万ドル以上をコミットされた資金への直接的な経路を提供する。SBIR/STTRファスト・トラックに応募するには、ファスト・トラックのプロポーザルを提出するよう正式な招待を受けることや、応募する研究開発活動は過去5年以内にNSFの資金を受けた研究から発生したものであることなど、一定の条件を満たす必要がある。 National Science Foundation “NSF announces pilot for startups and small businesses to ‘fast-track’ successful development of technological innovations” (6/24/24)
NSF、SBIR/STTRのフェーズ1及び2プログラムの資金を増額
米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、中小企業技術革新制度(SBIR)及び中小企業技術移転制度(STTR)プログラムの新たな資金提供機会を発表した。フェーズ1の最大アワード金額を30万5,000ドルに、フェーズ2の最大アワード金額を125万ドルに引き上げ、米国内のスタートアップや中小企業から発信される創造的なアイデアの開発支援を強化する。SBIR/STTRプログラムは、米国の「シード・ファンド(Seed Fund)」とも呼ばれ、ディープテックを前向きな社会的影響を持つ製品やサービスへと開発することに取り組むスタートアップに非希釈型資金を提供する。受益を目指す場合、スタートアップはまず、3頁のプロジェクト・ピッチ(Project Pitch)をSBIR/STTRチームへ提出する。プロポーザル・ピッチのイノベーションがNSFのSBIR/STTRの審査基準に合致すると認められた場合、正式なプロポーザルを提出するよう招待を受ける。招待を受けたスタートアップは規定された2つの締め切り日のいずれかまでに正式なプロポーザルを提出しなくてはならない。 National Science Foundation “NSF boosts funding amounts for SBIR/STTR Phase I and Phase II programs to better support the nation’s innovation and entrepreneurship community” (6/17/24)
エネルギー省、次世代の軽水型小型モジュラー原子炉の開発加速に9億ドルを発表
エネルギー省(Department of Energy)は6月17日、バイデン大統領の「米国への投資(Investing in America)」議題の一環として、米国における第3世代プラス(Generation III+)となる小型モジュラー原子炉(Small Modular Reactor: SMR)技術の初期導入を支援するため、最高9億ドルを資金提供する「意向通知(Notice of Intent: NOI)」を発表した。資金の一部は、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から拠出され、米国の国内原子力産業の強化と、後続の原子炉プロジェクトの促進を支援する。エネルギー省は、「第3世代プラスの小型モジュラー原子炉の導入経路プログラム(Generation III+ Small Modular Reactor Pathway to Deployment Program)」と題する公募を2024年夏~秋に発表する予定である。エネルギー省はまた、適格な応募チームどうしのパートナーシップを促進するため、8月に対面式の業界デー(Industry Day)を開催する計画である。 Department of Energy “DOE Announces $900 Million to Accelerate the Deployment of Next-Generation Light-Water Small Modular Reactors” (6/17/24)
商務省、労働省、教育省によるセレクト人材USAのパートナーシップを新たな海外市場に拡大
商務省(Department of Commerce)は6月24日、労働省(Department of Labor)及び教育省(Department of Education)と共に行っている合同イニシアチブ、セレクト人材USA(SelectTalentUSA)の海外市場を拡大し、海外企業が米国労働者を対象としたリクルート活動や訓練プログラムを実施するための技術援助を提供すると発表した。セレクト人材USAは2023年5月に、オーストリア、ドイツ、リヒテンシュタイン、スイスの市場で初めてパイロット事業として行われたもので、登録見習い制度(Registered Apprenticeships)に焦点を当て、協力と情報交換を強化することを目的としている。そして今回新たに、日本、韓国、台湾の市場へと拡大された。それぞれの国において、米国での事業を確立もしくは拡大を目指すサプライチェーン企業やその他の企業のニーズに対応する。セレクト人材USAは、海外の投資企業が、地域や州とのパートナーシップを構築し、それぞれの人材開発手法を米国に適用させ、米国における「多様かつ有技能の労働力」という優位性を活用することを支援する。 Department of Commerce “U.S. Departments of Commerce, Labor, and Education Expand SelectTalentUSA Partnership to New International Markets, Increasing Quality Jobs and Apprenticeships through FDI” (6/24/24)
USPTO、イノベーターとアントレプレナー支援に向けた国家戦略を発表
商務省(Department of Commerce)傘下の米国特許商標庁(United States Patent and Trademark Office: USPTO)は、イノベーションとアントレプレナーシップを促進するため、より多くの米国民を資源と結びつける「包含的イノベーションのための国家戦略(National Strategy for Inclusive Innovation)」を発表した。USPTOと包含的イノベーション評議会(Council for Inclusive Innovation: CI2)との協力に基づいて策定された同戦略は、経済を成長させ、質の高い雇用を創出し、若い世代や歴史的に恵まれないコミュニティの人々のSTEMや発明活動、イノベーションへの参加を増大させることで、世界的な課題に対処にすることを目指す。戦略は、4つの礎石に基づいて構築されており、それぞれが米国の繁栄を最大限化する上で重要である。4つの礎石とは、①小中高の教育的不均衡に対処し、あらゆる背景を持つ若者がイノベーターになることを意欲付ける上で必要なニーズに対処にする、②高等教育における学生と教員の格差に焦点を当てる、③組織の包含性を推進する、④全ての米国民を対象に、イノベーションの商業化機会を高める。 Department of Commerce “Commerce’s USPTO Announces National Strategy to Empower Innovators and Entrepreneurs from All Communities” (6/21/24)
原子力発電所の費用低減と溶融塩燃料開発のためGAINバウチャーを2社に提供
「原子力におけるイノベーション加速のためのゲートウェイ(Gateway for Accelerated Innovation in Nuclear: GAIN)」プログラムは6月20日、原子力発電所での運用費用を低減し、先端原子炉における溶融塩燃料の更なる開発につながる可能性がある先端原子力技術のイノベーションと応用を加速させるため、2社にバウチャーを提供すると発表した。受益企業はバウチャーを通じて、エネルギー省(Department of Energy)傘下の国立研究所複合施設における包括的な原子力研究能力及び専門性へのアクセスを得る。受益するのは、オーク・リッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory)と共に取り組むエンタージー・オペレレーションズ社(Entergy Operations, Inc.)と、パシフィック・ノースウェスト国立研究所(Pacific Northwest National Laboratory)と共に取り組むテレストリアル・エネルギーUSA社(Terrestrial Energy USA, Inc)。GAINバウチャーの受益者は、経済的なアワードは受けない。資金はエネルギー省傘下の研究所に提供され、企業が技術的及び商業化の重要な課題を克服することを助ける。 Department of Energy “2 Companies Awarded GAIN Vouchers to Lower Costs for Nuclear Plants and Further Develop Molten Salt Fuel” (6/20/24)
米エネルギー貯蔵市場、第1四半期の導入量は過去最大
ウッド・マッキンゼー社(Wood Mackenzie)と米国クリーン電力協会(American Clean Power Association: ACP)が6月18日に発表した「米国エネルギー貯蔵モニター(US Energy Storage Monitor)」(四半期報告)によれば、米国のエネルギー貯蔵市場は、2024年第1四半期に、全体で過去最大となる1,265メガワット(MW)の能力を導入した。これは、前年同期比84%増となる。モニター報告によれば、グリッド規模部門の導入能力は993MWで、同部門は過去最大の第1四半期の新規能力導入となる。ネバダ、カリフォルニア、テキサス州がその90%を占めた。住宅部門が第1四半期に導入した能力は250MWで、前年同期比8%増。前年同期比24%増の導入となったカリフォルニア州が、住宅部門の成長を先導した。同州は、コミュニティ/商業/産業部門でも先導役となり、19.4MWを導入したが、これは前期比43%減である。ニューヨーク及びマサチューセッツ州も、同部門で近年における最大の鈍化を記録した。 American Clean Power Association “NEW REPORT: US Energy Storage Market Sets Q1 Capacity Installation Record” (6/18/24)