Category:レポート
炭素排出がユーティリティ企業の環境的懸念事項の第3位に浮上
エンジニアリング及びコンサルティング会社のブラック&ビーチ社(Black & Veatch)が発表した報告書によれば、電力ユーティリティ企業の環境的懸念事項として、「物理的な炭素排出(Physical carbon emissions)」が第3位となっている。これは、昨年の6位からの浮上となっている。同社が電力ユーティリティ企業を対象に調査を行い毎年発表している同報告書において、ユーティリティ企業が環境的懸念事項として挙げているのは、過去6年間にわたり、1位が「炭素排出法案(carbon emissions legislation)」、2位が「水の供給問題(water supply issues)」となっている。また今回の報告書によれば、回答者の90%が「再生可能エネルギーにより消費者価格は5~30%上昇する」と考えているという。一方、世界銀行(World Bank)が発表した報告書によれば、世界における炭素市場は2011年に11%増加して1,760億ドルに成長したという。炭素市場で最も大きな部分を占めているのは欧州連合(European Union: EU)排出枠制度(EU Allowances)で、1,480億ドル相当となった。 Environmental Leader “Global Carbon Market Up 11%; Carbon Emissions No. 3 Among Utilities’ Environmental Concerns” (6/5/12)
科学・工学分野における大学院入学者数が過去10年間で大幅に増加
米国科学財団(National Science Foundation: NSF)が発表した報告書「科学・工学における大学院生及びポスドク調査(Survey of Graduate Students and Postdoctorates in Science and Engineering)」によれば、2010年秋に科学・工学・医療系のプログラムに入学した大学院生の数は63万2,700人で、これは2000年の49万3,000人から30%の大幅増加となった。フルタイムの大学院生数においては増加率が更に上昇し、2000年の7万8,400人から2010年には約11万8,500人と50%増加した。科学・工学分野で大学院生数が急上昇しているのは生物医学工学(biomedical engineering)部門である。 National Science Foundation “NSF Releases Report Detailing Substantial Growth in Graduate Enrollment in Science and Engineering in the Past Decade” (6/1/12)
IMDが2012年世界競争力順位を発表
スイスの国際経営開発研究所((International Institute for Management Development: IMD)は5月31日、2012年の世界競争力年鑑(World Competitiveness Yearbook: WCY)を発表した。対象となった59カ国・地域のうち、1位は香港で、次いで米国、スイスとなっている。米国は様々な問題を抱えているにもかかわらず、その独特な経済力、事業のダイナミズム、イノベーション能力ゆえ、世界競争力の要として存在し続けている。欧州では、スイス(3位)の他、スウェーデン(5位)、ドイツ(9位)が上位となった他、アイルランド(20位)、アイスランド(26位)、イタリア(40位)が昨年から順位を上げた。一方、新興経済地域も世界的不安の影響を受け、中国(23位)、インド(35位)、ブラジル(46位)が昨年から順位を下げた。アジア経済地域では、香港、マレーシア(14位)、韓国(22位)以外は皆順位を下げた(カッコ内は全て2012年度の順位)。 IMD “IMD announces its 2012 World Competitiveness Rankings” (5/31//12)
MBA卒業生の就職見通しが改善
大学院経営学入学評議会(Graduate Management Admission Council: GMAC)が5月21日に発表した調査結果によれば、経営学修士(Master of Business Administration:M.B.A.)の新卒者を採用する企業が増えているという。GMACが世界で800社以上の企業を対象に行った調査の結果によれば、2012年度のMBA新卒者の採用を計画している企業は79%で、これは2011年度の72%、2010年度の62%を上回る。また、技術系やエネルギー系の企業においてMBA新卒者を積極的に採用する傾向が見られ、金融サービス系やコンサルティング系企業は慎重になっているという。 Wall Street Journal “Job Prospects Improve for M.B.A. Students” (5/21/12)
「製造業の警鐘」報告書発表
ミシガン大学(University of Michigan)タウバー・グローバル・オペレーション研究所(Tauber Institute for Global Operations)の研究者らがコンサルティング会社のブーズ社(Booz & Company)と共同で発表した研究報告書「製造業の警鐘(Manufacturing’s Wake-Up Call)」によれば、米国の製造工場は現在、国の消費の約75%を生産しており、企業や政治家の正しい判断が行われればこの数値を最高95%まで引き上げることが可能であるという。しかし、多くの米国製造業が不安定な状態にあり、政治的決定によってこれらの企業が国内にとどまるか、海外に移転するかが決まると考えられている。報告書は、米国製造業を強化するためには、教育政策、労働者訓練、税制、規制環境、そしてメキシコとの関係が鍵になると指摘している。 PHYS.ORG “A wake-up call for manufacturing” (5/24/12)
オバマ政権、「デジタル政府」ロードマップを提示
オバマ大統領は5月23日、連邦省庁の長官に向けて、主要政府サービスを携帯電話から利用可能とするよう指示を出し、連邦最高情報責任者(Federal Chief Information Officer)のスティーブン・バンロエケル氏(Steven VanRoekel)に、21世紀型デジタル政府を構築するための包括的戦略を開発するよう命じた。これにあわせて「デジタル政府戦略:米国民のためのサービス向上を目的とした21世紀型プラットフォームの構築(Digital Government: Building a 21st Century Platform to Better Serve the American People)」も発表された。同戦略の中核は、協調的で情報及び顧客中心型のアプローチにより、政府の機能や国民へのサービス提供方法を変えていくことである。オープンデータを政府のITシステムの基準としたり、ウェブAPIを活用するなど、オープン性を基本とすることで、複数のチャンネルを通じて情報やサービスをより容易に提供できるようになると共に、より良い政府を構築するために国民やアントレプレナーとパートナーを組むことが可能になるとしている。 White House “Roadmap for a Digital Government” (5/23/12)
OECDが技能戦略イニシアチブを開始
経済協力開発機構(Organisation for Economic Co-operation and Development: OECD)は「教育、技能、トレーニングへの投資増大は、未来における堅実で持続可能的かつ共用の成長の鍵である」として、各国政府が経済的柔軟性を構築し、雇用創出を拡大し、社会的団結を強化することを支援するためのイニシアチブ「技能戦略(Skill Strategy)」を開始した。そしてこれにあわせて、報告書「技能・雇用・生活の改善:技能政策への戦略的アプローチ(Better Skills, Better Jobs, Better Lives. A Strategic Approach to Skills Policies)」を発表した。報告書は、「多くの国で重点とすべきことは、若者が労働市場で必要とされる技能を取得することを支援することである」と指摘している。現在、高失業率が問題となっているものの、技能労働者が不足しているため、多くの雇用主が適切な人材を確保できずにいる。OECDの技能戦略は、国がそれぞれの強みと弱みを分析するための枠組みを示すとともに、労働者の技能開発に関する様々な勧告を行っている。 OECD “OECD launches Skills Strategy to boost jobs and growth” (5/21/12)
44%の企業幹部が「持続可能性はビジネスにとり重要」と回答
アクセンチュア社(Accenture)が米国、日本、ドイツ、中国、ブラジル、インドなどの上級企業幹部250名を対象に行ったアンケート調査の結果によれば、回答者の44%が「持続可能性はビジネスにとり重要である」と回答していることが分かった。新興市場国においてはその数値は64%となっている。「企業の今後の成長にとり、持続可能性は重大である」と回答した者は78%で、その回答が70%を下回ったのは日本のみであった。アクセンチュア社による報告書では、その他のキーファインディングとして、①顧客からの需要が持続可能性イニシアチブへの投資の主たる要因となっている、②持続可能性への投資は主に「ビジネス成長の一助となっている」と回答した者の割合(41%)は、「経費削減につながっている」と回答した者の割合(22%)のほぼ2倍となっている、などが挙げられている。また、持続可能な製品及びサービスへの対応に関する勧告として、①急速に変化する顧客の期待をより良く理解・推測するため、分析論能力などの強化、②顧客との関与を深めるため、ソーシャル・メディアを基盤とするプラットフォームの構築、③事業及びサプライチェーン能力の見直し、を挙げている。 Environmental Leader “Accenture: 44% of Senior Execs say Sustainability ‘Critical’ to Business” (5/23/12)
諸外国、米国生物薬剤企業を積極的に誘致
米国研究製薬工業協会(Pharmaceutical Research and Manufacturers of America: PhRMA)の委託を受けてバテル技術パートナーシップ・プラクティス社(Battelle Technology Partnership Practice)が作成した報告書によれば、世界の各国は厳しい予算環境にもかかわらず、イノベーションを推進する政策やプログラムに大型投資を行い、米国から生物薬剤企業を誘致しようと努力しているという。報告書は生物薬剤企業が既に存在する国(日本、カナダ、ドイツなど)及び新興国(ブラジル、チリ、中国など)を対象に調査を行っており、多くの国々が公的支出を削減している一方で、生物薬剤企業の存在を誘致及び成長させるために研究開発のインセンティブを拡大し続けているという。PhRMAのジョン・カステラニ社長兼最高経営責任者(John J. Castellani)は、「各国政府は、生物薬剤研究企業がもたらす経済及び雇用創出の潜在的効果を認識している。米国は同様のイノベーション推進政策を講じなければ、医療イノベーションにおける世界的リーダーシップが危機にさらされるであろう」と述べている。 PR Newswire “New Study Details Foreign Efforts To Lure Biopharmaceutical Companies” (5/17/12)
学問分野ベースの教育研究が大学の科学・工学教育を向上させる可能性
米国研究評議会(National Research Council: NRC)が発表した報告書によれば、学問分野ベースの教育研究(Discipline-based education research: DBER)から得られる見識は、大学における科学・工学の教育向上の一助となる可能性があるものの、未だ、教育方法改善に向けた広範な導入にはつながっていないという。「科学・工学部門の教員や機関、社会などは高品質なDBER及びそこから生まれる証拠ベースの教育戦略を支持すべきである」と、報告書はまとめている。DBERは、特定の学問分野で学生がどのように学習するかという点に関する調査研究を総合的にまとめ、教育方法の改善策を見付け出すことを目的とした研究である。 National Academies “Findings From Discipline-Based Education Research Could Improve Undergraduate Science and Engineering Teaching But Are Not Yet Widely Used” (5/21/12)