Day: January 9, 2026

国防総省、省の資金を受益した研究の保護を強化

国防総省(Department of Defense)は1月8日、同省の資金を受けて行われる研究が、悪意のある外国の影響や知的財産窃盗、その他の米国の安全保障及び経済的利益を脅かす搾取の対象にならないよう保護するため、「基礎研究の安全保障イニシアチブ(Fundamental Research Security Initiatives)」を発表した。本イニシアチブには、①基礎研究への助成金が、米国内で活動する中国系軍事企業を特定した国防権限法(National Defense Authorization Act: NDAA)第1260H条に記載されている企業へ給付されることを禁止、②省全体の「基礎研究リスク評価レポジトリ(Fundamental Research Risk Review Repository)」を創設し、省全体での情報収集及び共有を強化、③海外の影響リスクを検知、軽減する自動精査及び継続的監視能力の特定・開発、といった点が含まれる。 Department of Defense “The War Department Strengthens Measures to Protect DOW Funded Research” (01/08/26) https://www.war.gov/News/Releases/Release/Article/4373247/the-war-department-strengthens-measures-to-protect-dowfunded-research/

アルゴンヌ国立研究所、より安全で迅速な航空宇宙部品検査向けAIツールを開発

アルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)は、スピリット・エアロシステムズ社(Spirit AeroSystems Inc.)、ノーザン・イリノイ大学(Northern Illinois University)、テキサス研究所(Texas Research Institute)との共同研究で、製造事業者による重要な航空宇宙部品の検査方法に変革をもたらす新たな人工知能(AI)支援型ツールを開発した。この検査ツールは、AIを用いて超音波スキャンデータの中からより詳細な検査が必要となる部分を迅速に特定する。超音波スキャンの中で問題のある可能性を高い部分を浮き彫りにすることで、検査担当者は、それらの部分に焦点を当てることができ、データセット全体を調査する必要がない。このAI支援型検査ツールは、初期の運用段階で、厳格な安全及び性能基準を満たしつつ、人間による検査時間と比べて時間を7%短縮できたという。 Argonne National Laboratory “Argonne AI tools power safer, faster aerospace inspections” (01/07/26) https://www.anl.gov/article/argonne-ai-tools-power-safer-faster-aerospace-inspections

エネルギー省の産業技術検証プログラム 申請受付を開始

エネルギー省(Department of Energy)は、影響力の高い産業技術の商業化を進展させ、米国を産業イノベーションにおける世界的リーダーとして位置付けることを目的として、産業技術検証(Industrial Technology Validation: ITV)プログラムを開始した。事業運営に恩恵をもたらし、業績を最適化し、競争力を強化することを意図した新興技術について、検証の対象となる機器・技術を提供する技術開発業者とその評価を実施する受け入れ機関を支援する。選出された開発業者と受け入れ機関は、ローレンスバークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)、エネルギー省と協力しながら技術評価に取り組む。最大40万ドルの助成金が開発業者と受け入れ機関へ提供され、受益チームには50%の費用分担が求められる。 Department of Energy “Energy Department Announces Industrial Technology Validation Program is Accepting Applications” (01/08/26) https://www.energy.gov/eere/ito/articles/energy-department-announces-industrial-technology-validation-program-accepting

防衛請負業者との契約で兵士を優先付け

トランプ大統領は1月7日、防衛請負業者が、自社の生産能力やイノベーション、米軍への納期遵守よりも、自社株買いや過度な企業配当を優先することを阻止するための大統領令に署名した。大統領令は、国防長官に対して、十分な成果を上げていない/自社の生産能力への投資が不十分/米政府との契約の優先付けが不十分/適切な生産速度を維持していないといった状況にもかかわらず、本来であればこれらの重要な目的のために充当すべき資金を自社株買いや企業配当に支出している業者を特定するよう指示している。特定された業者には、是正計画を提出する機会や国防長官と共に問題解決に取り組む機会が提供される。長官は、その計画が不十分であると判断した場合や両者の協議で問題が解決しない場合には、直ちに様々な是正策を講じることができる。 White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Prioritizes the Warfighter in Defense Contracting” (01/07/26) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2026/01/fact-sheet-president-donald-j-trump-prioritizes-the-warfighter-in-defense-contracting/

トランプ大統領、2027年度国防予算を1.5兆ドル提案

ディフェンスニュース(DefenseNews)は1月8日、トランプ大統領が2027年度の国防予算を1兆5,000億ドルへ引き上げる提案を行なったと報じた。ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領(Nicolas Maduro)を拘束・移送する軍事作戦を命令した直後に提案したという。2026年度の国防予算9,010億ドル(議会案)からの大幅な増額で、「困難で危険な時代」を理由に挙げている。大統領はデンマーク領グリーンランドの取得やコロンビアでの軍事作戦の可能性にも言及しており、マルコ・ルビオ国務長官(Marco Rubio)もキューバに対して警告を発した。財源に関しては、関税収入の増加によるものと説明しているが、国防への割り当てには民主党や共和党の財政保守派からの反発が予想されている。大統領はまたトマホーク巡航ミサイルなどを製造する主要防衛企業のレイセオン社(Raytheon)に対し、自社株買いを停止して製造能力への投資を増やさなければ国防総省(Department of Defense)との取引を打ち切ると言及し、これを受け防衛関連株は軒並み下落した。 DefenseNews “Trump proposes massive increase in 2027 defense spending to $1.5T” (01/08/26) https://www.defensenews.com/news/pentagon-congress/2026/01/07/trump-proposes-massive-increase-in-2027-defense-spending-to-15t/

ノースロップ・グラマン社とクラトス社、海兵隊向け自律型ドローン僚機開発で提携

ディフェンスニュース(DefenseNews)は1月9日、ノースロップ・グラマン社(Northrop Grumman)とクラトス・ディフェンス・アンド・セキュリティ・ソリューションズ社(Kratos Defense and Security Solutions)が海兵隊向け自律型僚機ドローン開発で提携すると報じた。「海兵隊空地任務部隊無人遠征戦術航空機(Marine Air-Ground Task Force Uncrewed Expeditionary Tactical Aircraft: MUX TACAIR)」と呼ばれる協調戦闘機(CCA: Collaborative Combat Aircraft)計画で、第1段階として24カ月で2億3,150万ドルを投入する。海兵隊が2025年に正式採用したクラトス社の自律型ドローン「バルキリー(Valkyrie、正式名称XQ-58)」を海兵隊の有人戦闘機と共に高脅威環境下で運用するもので、CCAは最小限の指示で飛行し、攻撃任務、電子戦による敵信号の妨害、偵察、おとりとしての役割を担う。ノースロップ社はセンサーやソフトウェアを含む先進的な装備セットと、自社開発の自律ソフトウェア「プリズム(Prism)」を提供する。 DefenseNews “Space Force looks to expand West Coast heavy launch capabilities” (01/09/26) https://www.defensenews.com/unmanned/2026/01/08/us-marine-corps-taps-northrop-kratos-to-build-valkyrie-drone-wingmen/

宇宙軍、西海岸の大型ロケット打上げ能力拡大へ

ディフェンスニュース(DefenseNews)は1月9日、宇宙軍(U.S. Space Force: USSF)による西海岸における大型ロケットの打上げ能力拡大計画について報じた。国家安全保障上の回復力強化に向けた取り組みで、バンデンバーグ宇宙軍基地(Vandenberg Space Force Base)を管轄する第30発射デルタ(Space Launch Delta 30)は、第14発射施設(Space Launch Complex-14: SLC-14)を開発・リースする商業事業者を募る情報提供依頼書(Request For Information: RFI)を発行した。同基地には現在、大型及び超大型ロケット専用の射場がなく、SLC-14が整備されれば西海岸初の専用施設となる。この能力増強により、大型の軍事衛星の配備やミサイル警戒・偵察衛星に最適な極軌道への迅速なアクセスが可能になり、また、打上げ拠点を多様化することで、ロケットの打上げ能力向上につながり、衛星群の再構築を加速させるという。同軍が推進する宇宙における優位性維持に向け、関心のある事業者に対し、2026年2月12日までに回答するよう求めている。 DefenseNews “Space Force looks to expand West Coast heavy launch capabilities” (01/09/26) https://www.defensenews.com/space/2026/01/08/space-force-looks-to-expand-west-coast-heavy-launch-capabilities/

NIST、自律型AIの安全ガイドライン策定で意見公募

FEDSCOOPは1月7日、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology: NIST)傘下の人工知能(AI)標準イノベーションセンター(Center for AI Standards and Innovation: CAISI)が、自律的にタスクを遂行する「エージェントAI」のセキュリティに関する一般からの情報提供を求めていると報じた。AI技術の評価とガイドライン作成支援が目的で、エージェントAIは業務の完全自動化で期待される一方、人間の介入なしに自律行動するため、ハイジャック攻撃などの深刻なセキュリティリスクも懸念されていることから、連邦官報(Federal Register)を通じて情報提供依頼書(Request For Information: RFI)を公開する。具体的には、AIエージェントに存在する脅威や脆弱性、セキュリティに関するベストプラクティス、リスクの評価・軽減策などについて情報を求めており、この取り組みにより公共の安全を守り、消費者の信頼を確保しながら、最新AI技術の導入を促進することを目的としている。締め切りは、正式な公開日から60日後となっている。 FedScoop “NIST AI center looks for input on agentic AI security, best practices” (01/07/26) NIST AI center looks for input on agentic AI security, best practices

超党派、国家量子イニシアチブ再承認を提案

NEXTGOV/FCWは1月8日、量子科学分野のリーダーシップ維持と人材育成の強化を目的とした国家量子イニシアチブ再承認法案(National Quantum Initiative Reauthorization Act)が超党派議員により提出されたと報じた。2023年に期限が切れた法律を再承認し、予算の有効期限を2034年12月まで延長し、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology: NIST)や航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)などの連邦機関による研究開発を強化する内容となっている。具体的には、量子センシングや通信の研究、人材育成、実証実験を推進する複数の新たなハブ設立を盛り込んでおり、量子アニーリング(Quantum annealing、量子揺らぎを利用して最適化へ導くアルゴリズム)やゲートモデル計算も支援対象として明文化された。また、科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)が同盟国との国際協力戦略を主導し、公的機関と民間部門が連携して量子アルゴリズムを開発するための賞金制度も確立されるという。 NEXTGOV/FCW “Sens. Young, Cantwell introduce National Quantum Initiative Reauthorization” (01/08/26) https://www.nextgov.com/emerging-tech/2026/01/sens-young-cantwell-introduce-national-quantum-initiative-reauthorization/410550/

トランプ大統領、気候変動枠組条約から離脱表明

アクシオス(Axios)は1月9日、トランプ大統領が国連気候変動枠組条約(United Nations Framework Convention on Climate Change: UNFCCC)及び気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change: IPCC)からの離脱を表明したと報じた。世界第2位の温室効果ガス排出国であり、科学的知見の中核を担う同国の離脱は世界の協力体制を根底から揺るがす事態であり、欧州連合(EU)も条約が活動を支える不可欠な基盤であると強調している。科学者らは世界最多の科学者を擁する同国の知見喪失につながるとし、パリ協定離脱時を上回る深刻な事態であると訴えている。国際的地位の低下は中国へ主導権譲渡につながると危惧される中、マルコ・ルビオ国務長官(Marco Rubio)は組織を反米的と断じ、さらなる見直しを示唆しているという。同措置の適法性を問い、法的措置への発展も予想される一方、民主党はこれを地域への裏切りと非難し、11月の中間選挙の新たな争点になる見通しであると記事は伝えている。 Axios “Trump’s UN climate exit will set back progress, advocates warn” (01/09/26) https://www.axios.com/2026/01/08/trump-climate-change-un-exit-unfccc