2023年の米国風力発電年間発電量、90年代半ば以降初めて前年を下回る

エネルギー情報局(Energy Information Administration:EIA)は4月30日、EIA作成の「発電所運用報告書(Power Plant Operations Report)」のデータから、2023年の米国における風力発電年間発電量が、1990年半ば以降初めて、前年の発電量を下回ったことを明らかにした。2023年の風力発電総発電量は42万5,235ギガワット時で、2022年の43万4,297ギガワット時から2.1%減となった。また、2023年の風力発電設備利用率は33.5%で、過去最高となった2022年の35.9%を下回り、過去8年間で最低であった。2023年の風力発電減少は、数十年に及ぶ急成長の後に風力がエネルギー源として成熟したためと分析されている。また、風力発電による発電量は米国全域で減少傾向にある訳ではなく、中西部北部地域に含まれる国勢調査中部北東地区及び北西地区でそれぞれ前年比6%減、8%減となった一方、テキサス州では同4.4%増であった。 U.S. Energy Information Administration “Wind generation declined in 2023 for the first time since the 1990s” (4/30/24)

エネルギー省、オフショア風力報告書と、技術・製造加速に向けた4,800万ドルの資金を発表

エネルギー省(Department of Energy)は4月24日、「商業化発進への経路(Pathways to Commercial Liftoff)」シリーズの最新版、「商業化発進への経路:オフショア風力(Offshore Wind)」を発表した。報告書は、米国のオフショア風力部門が様々な課題に対応しつつ、数万件の良好賃金の新規雇用を創出し、数百万人のクリーンエネルギーへのアクセスを拡大し、2050年までに100ギガワット以上を導入するために、継続的な進展をする位置付けにあるかを説明している。報告書の考察点・洞察点として、①米国オフショア風力市場は転換点にある、②米国オフショア風力部門は発進へ向けて位置づいている、③過去数年間に費用は増加したが、今後は費用低下へ向かう道筋がある、④オフショア風力には、魅力的かつ独自の価値提案がある、などが示されている。エネルギー省はまた、オフショア風力発電の加速を支援するため、オフショア風力の主要ニーズ分野に対処する研究プロジェクトに4,800万ドルを提供する資金提供機会(FOA)を発表する意向を表明した。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Releases Offshore Wind Liftoff Report and $48 Million in New Funding to Accelerate Technology and Manufacturing” (4/24/24)

エネルギー省、セルリンク社に3億6,200万ドルを融資

エネルギー省(Department of Energy)の融資プログラム局(Loan Programs Office: LPO)は4月24日、セルリンク社(CelLink Corporation)(本社:カリフォルニア州)への3億6,200万ドルの融資が成立したと発表した。電気自動車(EV)の組み立てに重要な部品を生産する同社の国内製造施設の建設資金を援助する。施設は、テキサス州ジョージタウンに所在し、軽量で効率的かつ柔軟な電気回路ワイヤリング・ハーネスの開発に取り組む。全面操業となった後は、年間約270万台のEV生産を支援するのに十分なワイヤリング・ハーネスを生産する見込みで、165件の建設雇用と、1,200件以上の正規雇用を創出すると期待されている。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces $362 Million Loan to CelLink to Support Domestic Manufacturing of Key Electric Vehicle Supply Chain Components” (4/24/24)

エネルギー省、「住宅エネルギー奨励金」(88億ドル)を受益する最初の州を発表

エネルギー省(Department of Energy)は4月18日、インフレ低減法(Inflation Reduction Act)の下で実施される「住宅エネルギー奨励金(Home Energy Rebates)」プログラムが、ニューヨーク州の申請を承認し、米国世帯がエネルギー効率に優れた電化製品でお金を節約することを支援するための資金として1億5,800万ドルを提供したと発表した。同州は、申請が承認され、資金を受益する最初の州となる。また、エネルギー省によれば、他に11州(アリゾナ、カリフォルニア、コロラド、ジョージア、ハワイ、インディアナ、ミネソタ、ニューハンプシャー、ニューメキシコ、オレゴン、ワシントン)が住宅エネルギー奨励金プログラムの申請を行っている。このプログラムでは、ヒートポンプや電気パネルなどの措置をより安価に導入できるようにすることで、米国家庭のエネルギー費用の低減とエネルギー効率の強化に取り組む州、準州、部族に、合計88億ドルが提供される。消費者は年間最大10億ドルのエネルギー費用を節約でき、住宅建設や製造、その他の部門で5万件(試算)の雇用が支援される。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Awards First State Funding and Announces Progress on Historic $8.8 Billion Home Energy Rebate Programs to Lower Utility Bills” (4/18/24)

エネルギー省、正味ゼロ経済へ向けグリッド準備に1億ドル以上を投資へ

エネルギー省(Department of Energy)のエネルギー効率・再生可能エネルギー局(Office of Energy Efficiency and Renewable Energy: EERE)は4月25日、複数の資金提供機会(FOA)を発表する意向であることを表明した。それらの合計は1億ドル以上となり、電力グリッドのより良い計画と運用を支援する現場実証やその他の研究を支援する。脱炭素化されたクリーン・エネルギー未来への移行には、電力システム全般の変革が必要であり、これには、建造物や業界、輸送、再生可能、貯蔵、電力グリッドが接する「グリッド・エッジ(grid edge)」も含まれる。今後発表が計画されているFOAには、①「コネクテッド・コミュニティ2.0(Connected Communities 2.0)」(既存のコネクテッド・コミュニティ・プロジェクトの基本的な手法を活用して、グリッド・エッジのソリューションを進展させる)、②「エネルギー・システムのためのソーラー技術の早急な統合及び検証(Solar Technologies’ Rapid Integration and Validation for Energy Systems: STRIVES)」(ソーラーや風力、エネルギー貯蔵を含む分散型エネルギー資源のより良い統合を目的として、技術と市場ツールを開発、実証する)、③「スーパートラック・チャージ(SuperTruck Charge)」(自動車とグリッドの統合及び中大型トラックのための大規模充電設備の設置に伴う課題への対処)、の3件が含まれる。 Department of Energy “U.S. Department of Energy to Invest Over $100 Million to Prepare the Grid for a Net-Zero Economy” (4/25/24)

2023年の米国エネルギー関連CO2排出量、前年比3%減

エネルギー情報局(Energy Information Administration:EIA)は4月29日、最新の「米国エネルギー関連二酸化炭素排出量(U.S. Energy-Related Carbon Dioxide Emissions)」報告書に基づくと、2023年の米国エネルギー関連二酸化炭素(CO2)排出量は前年比3%減で、約1億3,400万トン削減されたことを明らかにした。CO2排出量削減の80%超は電力セクタにおけるもので、石炭を使用する火力発電の減少によるものと分析され、代わりに太陽エネルギー及び天然ガスによる発電が増加している。具体的に、電力セクタにおけるCO2排出量は約14億2,500万トン減少し、2022年から約7%減となった。この他、①2023年の住宅・商業セクタにおけるCO2排出量は前年比6%減で、合計約5億6,100万トンが減少、②工業・輸送セクタにおけるCO2排出量は、2022年と比較して違いは1%未満、などが明らかにされている。 U.S. Energy Information Administration “U.S. energy-related CO2 emissions decreased by 3% in 2023″ (4/29/24)

半導体エネルギー効率向上を目的とするエネルギー省作成の「EES2」誓約、合計65組織が署名

エネルギー省は4月23日、半導体のエネルギー効率向上を目的として同省が作成した「20年間に亘るエネルギー効率性拡大(Energy Efficiency Scaling for 2 Decades:EES2)」誓約に、グーグル社(Google)、ロサンゼルス職業技術大学(Los Angeles Trade-Technical College)、フロリダ半導体研究所(Florida Semiconductor Institute)などが新たに署名し、合計65組織が同誓約に署名したことを発表した。これらの署名組織は、急速に拡大する半導体利用において、エネルギー消費削減に向けて協力することになる。「EES2」イニシアティブは、エネルギー省先進マテリアル・製造技術局(Advanced Materials and Manufacturing Technologies Office:AMMTO)が主導しており、AMMTOは、パートナー組織と協力し、米国の半導体及び関連製品の効率性・持続可能性・競争力を向上させる総合戦略をまとめた半導体ロードマップを2023年に作成しており、同ロードマップは、パブコメ募集のため5月に発表される予定である。 Department of Energy “Department of Energy Announces New Signatories to Semiconductor Efficiency Pledge” (4/23/24)

内務省、海上再生可能エネルギー開発に関する最終規則を発表

内務省(Department of the Interior)のデブ・ハーランド長官(Deb Haaland)は4月24日、海洋エネルギー管理局(Bureau of Ocean Energy Management:BOEM)と安全性・環境規制局(Bureau of Safety and Environmental Enforcement:BSEE)が、米国連邦大陸棚(U.S. Outer Continental Shelf:OCS)における再生可能エネルギー開発に関する最終規則を作成したことを発表した。最終規則は、規制の最新化、過度に複雑な手続きの簡略化と不要な手続きの排除、不明瞭な規制条項の明確化、コンプライアンス要件の強化などを通して、確実性を高め、海上風力発電プロジェクト展開に伴うコストを削減するものとなる。また、同規則は、今後20年間で海上風力発電業界のコスト約19億ドルを節約する見込みとしている。さらに、同規則には5年間の海上風力エネルギーリーススケジュールを定期的に更新する手順が含まれており、ハーランド長官は、2028年までに最高12件の海上風力エネルギーリース権を売り出す可能性を含む最新の5年計画を発表している。 Department of the Interior “Interior Department Finalizes Rule to Streamline and Modernize Offshore Renewable Energy Development” (4/24/24)

内務省、石油・ガス海上施設閉鎖コスト負担から米国民を保護する最終規則を発表

内務省(Department of the Interior)は4月15日、石油・ガス業界が海上プラットフォームを閉鎖する際に要するコストの負担から納税者を保護するために、海洋エネルギー管理局(Bureau of Ocean Energy Management:BOEM)が作成した最終規則「OCSリース・助成義務のためのリスク管理・財務保証(Risk Management and Financial Assurance for OCS Lease and Grant Obligations)」を発表した。本規則は、米国連邦大陸棚(U.S. Outer Continental Shelf:OCS)で事業展開する海上石油・ガス業界に対する財務保証要件を大幅に強化するものとなる。石油・ガス施設閉鎖コストは、当該企業が負担すべきものであるが、企業が閉鎖義務を果たさない場合、米国民が税金でコストを負担していたため、新たな規則では、運用者が事前に提供する財務保証レベルを大幅に引き上げ、国民の懸念とOCS開発に関連する財務リスクに対応した。BOEMは、新規則の下、①企業の財務健全性、②蓄積された石油・ガスの価値、という2つの基準に則り、企業が米国民にもたらす可能性のリスク評価を行うことになる。 Department of the Interior “Interior Department Takes Action to Protect Taxpayers from Offshore Oil and Gas Decommissioning Costs” (4/15/24)

世界の知識・技術集約産業が創出する付加価値、米国と中国がそれぞれ全体の4分の1超

米国科学委員会(National Science Board:NSB)は4月22日、世界の知識・技術集約産業(knowledge- and technology-intensive industries:KTI)に関する報告書「知識・技術集約産業における生産・貿易(Production and Trade of Knowledge- and Technology- Intensive Industries)」を発表した。これによると、2022年に全世界でKTIが創出した付加価値は11.1兆ドルで、このうち、米国が3兆ドル、中国が2.9兆ドルを占め、米国と中国は、それぞれ全世界で創出したKTI付加価値の4分の1超を占めることとなった。中でも、米国が創出したKTI付加価値は全世界の40%に到達したが、その一方で、半導体イノベーション及び研究開発では世界1位であったものの、半導体生産量は世界の18%で、中国の32%に後れを取った。その他の結果には、①米国は、KTIサービス創出に関して世界最大であるのに対し、中国は、KTI製造における世界最大の生産国家、②米国は、航空・宇宙機(57%)及び医科・歯科機器(37%)の2つのKTI製造業界において、2022年の付加価値が世界最大、③米国は、2021年にKTI関連サービス1,930億ドルを輸出し、これらのサービスによる貿易黒字は1,020億ドル、④米国における2021年のKTI生産による付加価値は、全体の約半分が、カリフォルニア州(25%)、テキサス州(8%)、ワシントン州(6%)、ニューヨーク州(5%)、マサチューセッツ州(5%)の上位5州に集中、などが含まれる。 National Science Board “New report shows U.S. and China are world’s top producers of Knowledge-and tech-intensive industries” (4/22/24)