STEMM機会同盟(SOA)、2050年までにSTEMM労働力を多様化、拡大する国家戦略を発表

STEMM機会同盟(STEMM Opportunity Alliance: SOA)は5月1日、「2024年STEMMの公平性と卓越性に関するホワイトハウス・サミット(2024 White House Summit on STEMM Equity and Excellence)」において、「STEMM公平性と卓越性 2050年:進展と繁栄のための国家戦略(STEMM Equity and Excellence 2050: A National Strategy for Progress and Prosperity)」と題する文書を発表した。サミットは、大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)との共同主催で開催された。国家戦略の総合的な目標は、歴史的に排除、疎外されてきたコミュニティの2,000万人の人々が、STEMM(科学・技術・工学・数学・医学)分野に参入し、貢献し、繁栄することを支援することである。SOAのパートナー機関は、2022年12月の発足以来、倍増して200件以上となり、国家戦略のビジョンを実現するため、集合的に20億ドル以上をコミットしている。 STEMM Opportunity Alliance “STEMM Opportunity Alliance Releases National Strategy at White House Summit to Diversify and Expand STEMM Workforce by 2050” (5/1/24)

エネルギー省、水素ガス排出の検知・定量化のためのアプローチ開発支援で最高2,000万ドルを助成

エネルギー省(Department of Energy)は4月25日、水素ガス排出の検知・定量化のための革新的アプローチの開発を支援するために、最高2,000万ドルを助成することを発表した。エネルギー高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency-Energy:ARPA-E)が管理する本イニシアティブは、環境に優しい水素の展開促進のために政府全体で取り組むというバイデン政権の取り組みを支援するもので、生産から最終用途に至るまで、水素サプライチェーン全体での排出検知に重点を置いている。水素は赤外光を吸収しないため、直接的には温室効果ガス(GHG)のような働きをしないものの、大気中のGHGの残存期間を延長するため、間接的GHGと考えられている。ARPA-Eは、①100メートル四方の区域において1時間あたり最低10kgの水素を検知・定量化、②検知区域あたりのコストが1万ドル以下、という技術を求めている。 ARPA-E “U.S. Department of Energy Announces $20 Million to Develop Cost-Effective, Highly Accurate Hydrogen Detection and Quantification Technologies” (4/25/24)

米宇宙軍、最先端戦闘領域における米国の競争力優位性維持のために商業セクタとの協力強化

米宇宙軍(U.S. Space Force)戦略・計画・プログラム・要件担当宇宙作戦部長代理のショーン・ブラットン中将(Shawn N. Bratton)は4月23日、最先端戦闘領域における米国の競争力優位性を維持するために、宇宙軍は商業セクタとの強力なパートナーシップを基盤とすることを目指すと発言した。宇宙軍は、商業宇宙戦略(Commercial Space Strategy)を4月8日に発表しており、①協力的透明性、②運用・技術統合、③リスク管理、④確実な未来に向けた前向きな関与、という4つの方針に基づき、商業宇宙能力の軍事作戦への統合についての概要を提示している。また、国防総省(Defense Department)は、宇宙軍に先立ち、商業宇宙統合戦略(Commercial Space Integration Strategy)を4月2日に発表しており、国防総省の戦略では、商業パートナーとの統合を達成する優先事項として、1)必要な時に利用可能な商業ソリューションを確保するために、契約における国防総省の要件の概要を提示、2)紛争時に備えて平時から商業ソリューションを国防アーキテクチャに統合、3)米国国家安全保障宇宙資産の保護及び同資産への脅威に対する防衛が要件、4)新たな商業宇宙ソリューション開発支援のために、あらゆる財政・契約・政策ツールを活用、の4項目を挙げている。 United States Space Force “Space Force official outlines roadmap for commercial partnerships” (4/24/24)

2024年の水力発電による年間総発電量、前年比6%増の見込み

エネルギー情報局(Energy Information Administration:EIA)は、2023年の年間総発電量が2001年以来最低であった水力発電に関し、EIAの「短期エネルギー展望(Short-Term Energy Outlook:STEO)」に基づくと、2024年は2023年から6%増となり、年間総発電量は2,500億キロワット時になる見込みであることを明らかにした。地域別でみると、米国内ほぼ全域で水力発電による発電量は増加見込みで、特に、米国南東部地区(13%増)及び北西部・ロッキー山脈地区(3%増)において大幅増が見込まれる一方、カリフォルニア州地区ではほぼ横ばい(1%減)の見込みとされている。米国北西部・ロッキー山脈地区は、2023年には米国全体での水力発電による発電量の43%を占めたが、同地区に限定すると、5月にあった熱波の影響を受けて雪解けの時期が早まり、残りの年の水供給量が減少したため、発電量は2010年以来最低となった。なお、南東部地区では、特に原子力発電による発電量が飛躍的に増加の見込みとしている。 U.S. Energy Information Administration “U.S. hydropower generation expected to increase by 6% in 2024 following last year’s lows” (4/18/24)

包含的なクラスターを構築する上での重要な要素を概説した報告書発表

「包含的なクラスターというのは、公平性に明確な焦点を置き、クラスター内の経済格差につながる問題を正確に把握し、そうした格差を縮小するための的を絞った戦略を有している」-これは、最近発表された「包含的クラスターの開発(Developing Inclusive Clusters)」の要点である。報告書は、「新成長イノベーション・ネットワーク(New Growth Innovation Network: NGIN)」とRTIインターナショナル(RTI International)が作成した。報告書は、「ハイテク産業は高賃金の産業で、その恩恵は女性や有色人種、非都市型コミュニティが排除される傾向にある」と指摘している。更に、クラスターの包含性に影響する主要な判断事項について列記、議論している。それらには、①意思決定に多様な人々を含めたガバナンス構造を創出すること、②社会的に疎外されたグループに機会を創出する可能性が高い産業クラスターに焦点を当てること、などが挙げられている。 SSTi “Report from NGIN and RTI describes critical elements for building an inclusive cluster” (5/2/24)

ITIF、「米国の多くの業界は更なる再編が必要である」との報告

情報技術・イノベーション財団(Information Technology & Innovation Foundation: ITIF)は5月6日、「米経済はなぜ更なる再編が必要なのか(Why the US Economy Needs More Consolidations, Not Less)」と題する報告書を発表した。報告書によれば、現在の一般的な見方に反して、多くの米国業界は更なる再編と規模経済から恩恵を受けると考えられる。ITIFは、5部門(銀行、建設、農業、診療所、通信)で12の業界を調べたところ、従業員が500名以上の企業は、500名未満の企業よりも生産的で、それは一人当たりの売上によって明らかとなっている。しかし、これら5部門の企業の大半は、中小企業である。報告書の執筆者は、「今回の分析が焦点を当てたのは、わずか5部門12業界である。その結果は、大規模企業の方が生産的であることを示しているが、その一方で中小企業の方が数が多いことを示している。つまり、これらの業界の再編を通じて生産を高める大きな機会が存在している。その他の業界でも同じことが言える可能性は高いだろう」と語る。 Information Technology & Innovation Foundation “Many US Industries Need More Consolidation, Not Less, New Report Finds” (5/6/24)

PNNL、炭素原子を再利用することで経済の脱化石化を目指すロードマップを策定

正味ゼロ炭素排出を達成するための有力な手法の一つは、乗用車や煖房など、経済の様々な部分を再生可能資源由来の電力で稼働させることであるが、社会の全てから炭素を排除することはできない。例えばプラスチックは炭素ベースの分子から作られており、脱炭素化することができない。エネルギー省(Department of Energy)傘下のパシフィック・ノースウェスト国立研究所(Pacific Northwest National Laboratory: PNNL)の化学者、ウェンディ・シャウ氏(Wendy Shaw)は、エネルギー省のSLAC国立加速器研究所(SLAC National Accelerator Laboratory)を含む複数機関の活動を主導し、経済において電気化が難しい部門で排出を削減するための新たなロードマップを作成した。ロードマップは、炭素が再使用され、使い捨て資源ではなく、貴重なコモディティとして扱われる無駄のない未来を提示している。ロードマップの中核となるアイデアは、脱化石化、つまり、電気化が難しい部門で炭素を引き続き使用しつつ、化石燃料を排除するという点である。そのために、研究者は、非炭素燃料の開発、非化石炭素資源の発見、炭素が一度経済に入ったらこれを維持し、理想的には各炭素原子を複数回使用することの手法について、概説している。 SLAC National Accelerator Laboratory “Researchers develop roadmap to defossilize economy by reusing carbon atoms” (5/1/24)

カリフォルニア州のキャップ・アンド・トレード、過去10年間で280億ドルを気候投資に

カリフォルニア州が5月8日に発表した「カリフォルニア気候投資:2024年年次報告(California Climate Investments- 2024 Annual Report)」によれば、カリフォルニア州の気候投資により、過去10年間で、州内のガソリン自動車の80%を路上から排除したのと同等の排出が削減された。同州のキャップ・アンド・トレード・プログラム(Cap-and-Trade Program)により、280億ドルが気候投資に充当された。既に110億ドルが、気候変動対策や汚染削減に取り組む50万件以上のプロジェクトに充当された。残りの170億ドルは、今後数年間に更に多くのプロジェクトに資金を提供する。カリフォルニア州のキャップ・アンド・トレード・プログラムは、汚染排出者が州内で発生させる炭素排出に課金をし、収集されたお金はカリフォルニア気候投資(California Climate Investments: CCI)プログラムへ送られ、州内のコミュニティへ向けて配分される。過去10年間に50万件以上のプロジェクトにCCIが提供された結果、①カリフォルニア州民に42万件のゼロ排出またはプラグイン式ハイブリッド自動車の販売奨励措置が実施された、②都市及び自然地域に2,200万本の新しい樹が植樹された、③2万9,800件の雇用が創出された、などの成果が上がっている。 California Air Resources Board “California’s Cap-and-Trade Program funds $28 billion in Climate Investments in last decade” (5/8/24)

EPA、石油・天然ガス部門のメタンガス排出削減に向けた最終規則を発表

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は5月6日、EPAの温室効果ガス報告プログラム(Greenhouse Gas Reporting Program)の下、石油及び天然ガス・システムのメタンガス排出報告要件を強化、拡大、更新する最終規則を発表した。この最終改訂により、石油・天然ガス施設からのメタンガス汚染に関して、その年間排出報告の正確性を改善し透明性と説明責任能力の強化を図る。温室効果ガス報告プログラムを更新する最終規則は、インフレ低減法(Inflation Reduction Act)のメタンガス排出削減プログラム(Methane Emissions Reduction Program)の主要な要素であり、州政府や業界、コミュニティが、最近最終取りまとめされた大気清浄法(Clean Air Act)のメタンガス標準を実践し、石油・天然ガス部門からのメタンガス排出を削減することを手助けするよう、議会によって設定されたものである。 Environmental Protection Agency “Biden-Harris Administration Announces Final Rule to Cut Methane Emissions, Strengthen and Update Greenhouse Gas Emissions Reporting for the Oil and Gas Sector” (5/6/24)

環境保護庁、食品医薬品局、農務省が、バイオテクノロジーの合同規制計画を更新

バイデン大統領の大統領令(14081号)「持続可能で安全でセキュアな米国バイオ経済のためのバイオテクノロジーとバイオ製造イノベーションの進展(Advancing Biotechnology and Biomanufacturing Innovation for a Sustainable, Safe, and Secure American Bioeconomy)」への返答として、環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)、食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)、農務省(U.S. Department of Agriculture: USDA)は、バイオテクノロジー製品を巡る規制と監督のメカニズムを更新、合理化、明確化するための計画を策定し、「バイオテクノロジー規制のための調整的枠組み(The Coordinated Framework for the Regulation of Biotechnology)」として発表した。EPA、FDA、USDAは、次のような取り組みを合同で実践する意向である。①遺伝子組み換え植物、動物、微生物の規制監督を明確化及び合理化する、②改変された微生物の監督に関するコミュニケーションと調整を向上、拡大するため、覚書(MOU)を通じた情報共有を更新、拡張する、③改変された微生物に焦点を当てたパイロット・プロジェクトを実施し、「どの当局が特定の製品カテゴリーを規制するか」について開発者に情報提供するウェブ・ベースのツールを開発することの実行可能性及び費用について、模索及び検討する。 Environmental Protection Agency “EPA, FDA and USDA Issues Updates to the Joint Regulatory Plan for Biotechnology” (5/8/24)