米国クリーンエネルギー業界、第1四半期に力強い成長を示す

米国クリーン電力協会(American Clean Power Association: ACP)が発表した「クリーン電力四半期市場報告(2024年第1四半期)(Clean Power Quarterly Market Report I Q1 2024)」によれば、米国の実用規模のソーラー、風力、貯蔵の各部門は、2024年第1四半期に、合計5,585メガワット(MW)の新規能力を追加し、前年同期比28%増と、目覚ましい一年の始まりを記録した。この追加分は100万世帯にクリーンエネルギーを供給するのに十分な発電量である。更に、実用規模のソーラーの設置済み能力は初めて100ギガワット(GW)を超え、連邦水域で初となるオフショア風力プロジェクトは、132MWのクリーンで信頼性の高い電力をグリッドへ供給し始めるなど、大きなマイルストーンを達成した。 American Clean Power Association “NEW REPORT: US Clean Energy Industry Reports Milestones, Strong Growth in Q1” (5/7/24)

エネルギー省、安全で信頼できる二酸化炭素輸送システムの構築に5億ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)の化石エネルギー及び炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon Management: FECM)は5月2日、米国内で二酸化炭素排出削減の一助となる二酸化炭素輸送インフラを拡大するプロジェクトに最高5億ドルを提供すると発表した。「二酸化炭素輸送インフラのファイナンスとイノベーションの将来成長グラント(Carbon Dioxide Transportation Infrastructure Finance and Innovation Future Growth Grants)」と題する資金提供公募(FOA)で、エネルギー省の「二酸化炭素輸送インフラのファイナンスとイノベーション(Carbon Dioxide Transportation Infrastructure Finance and Innovation: CIFIA)」プログラムの下、将来の成長グラントを提供する。将来の成長グラントは、二酸化炭素輸送能力の設計、開発、構築に、事前の経済的援助を提供するもので、将来の炭素捕獲、直接空気回収施設、追加の二酸化炭素貯留及び転換拠点のために利用される。本FOAの下、輸送システム(パイプライン、鉄道、トラック、荷船、船舶など)は、2つ以上の二酸化炭素排出源と1つ以上の転換拠点もしくはセキュアな地層貯蔵施設とが、直接的または間接的に結びついていなくてはならない。エネルギー省は、異なる地域を拠点とするプロジェクトに関心があり、それによって二酸化炭素輸送の費用や輸送モード、輸送ネットワーク仕様、技術的/規制的/商業的な検討事項について理解を高めることができると期待している。        Department of Energy “DOE Announces $500 Million to Build a Safe and Reliable Carbon Dioxide Transportation System” (5/2/24)

エネルギー省、エネルギー貯蔵製造の課題に関して意見を募集

エネルギー省(Department of Energy)の電力局(Office of Electricity: OE)は5月6日、エネルギー貯蔵技術の製造プロセス初期段階における設計上の課題を見つけるため、情報の要請(Request for Information: RFI)を発表した。OEは、学術機関や業界、研究ラボ、政府当局、その他の関係者から意見を募集することで、エネルギー貯蔵技術の製造に影響する設計の判断についてより良い理解を得る。このRFIを通じて得られた情報は、最終的に全国的な産業規模の貯蔵製造につながるソリューションを特定する一助となり、信頼性と対応力があり、セキュアで手頃な費用の電力の供給につながるだろう。OEは、国内のエネルギー貯蔵技術開発者が、生産製造の前段階で直面する課題の情報収集に関心を持っている。 Department of Energy “DOE Seeks Input on Energy Storage Manufacturing Challenges” (5/6/24)

エネルギー省、科学合成プライズの開始を発表

エネルギー省(Department of Energy)の電力局(Office of Electricity: OE)は5月8日、「科学合成プライズ:再生可能統合の主要な障害を特定する(Science Synthesis Prize: Identifying Key Barriers to Renewable Integration)」と題する新たなプライズを開始した。再生可能技術の電力グリッドへの統合が進む中で、機械と課題に対処することを目指すコンペ(フェーズは1段階のみ)。参加者は、再生可能エネルギーの統合に関する理論と慣行を分析する。OEは、学生、研究者、科学者、工学者が学際チームを形成し、大規模な統合における潜在的な問題点や投資分野に対処する研究を開発し、その他の業界の関係者に主要な考察点を拡散することを呼びかけている。最大10チームに1万ドルの賞金と、卓越した分析の提出を行った5つのチームに追加で5,000ドルが授与される。科学合成プライズは、OEによる新しいプログラム「グリッド資源統合技術プライズ・シリーズ(Grid Resource Integration Technologies (GRIT) Prize Series)」の一部。 Department of Energy “U.S. Department of Energy Announces Science Synthesis Prize Launch” (5/8/24)

フォーグル発電所、ユニット4原子炉の商業運用を開始

ジョージア発電所(Georgia Power)は今週、ジョージア州ウェインズボロ近郊のフォーグル発電所(Plant Vogtle)にある1,114メガワット(MW)のユニット4(Unit 4)原子炉が商業運用を開始したと発表した。同原子炉は2024年3月に電力グリッドと接続された。ユニット4の商業運用開始により、フォーグル発電所における11年間の拡張プロジェクトが完了する。現時点で米国内に建設中の原子炉は他にない。フォーグル発電所のユニット3は、2023年7月に商業運用を開始しており、最初の2つの原子炉(銘板容量で合計2,430MW)は1987年と1989年に運用を開始している。ユニット3及び4の原子炉は、より新しい原子炉設計であるウェスチングハウス社(Westinghouse)のAP1000を使用している。 Energy Information Administration “Plant Vogtle Unit 4 begins commercial operation” (5/1/24)

NTIA、無線機器のイノベーション促進を目的として4億2,000万ドルを発表

商務省(Department of Commerce)傘下の米国電気通信情報局(National Telecommunications and Information Administration: NTIA)は5月7日、米国内外でオープン・ネットワークの導入を進展させるために必要な無線機器を構築するため、最大4億2,000万ドルの資金が有用であると発表した。本件は、「公共無線サプライチェーン・イノベーション基金(Public Wireless Supply Chain Innovation Fund)」による2回目の資金機会通知(Notice of Funding Opportunity: NOFO)で、オープン無線ユニットの商業化とイノベーションを促進することを狙いとしている。無線ユニットとは、携帯電話用の電波塔の頂上にあって信号を送受信するもので、電話会社のネットワークで最大かつ最も高額な部分である。オープン無線ユニットの普及を進めることは、オープン・ネットワークの導入を促進する上で重要である。今回のNOFOの資金は、2022年CHIPS及び科学法(CHIPS and Science Act of 2022)によって創設された無線イノベーション基金(Wireless Innovation Fund)から拠出される。 National Telecommunications and Information Administration “Biden-Harris Administration Announces $420M Funding Opportunity to Promote Wireless Equipment Innovation” (5/7/24)

エネルギー省、加速的送配電拡大のトップ優先地域の初期リストを発表

対応力と信頼性のある電力グリッドの構築を迅速化させる継続的取り組みの一環として、エネルギー省(Department of Energy)は5月8日、「国家的利益の送配電コリドー(National Interest Electric Transmission Corridors: NIETCs)」の候補地域として、10か所の予備的リストを発表した。送配電の拡大が急務となっている地域での送配電プロジェクト開発を加速させることが目的。エネルギー省はまた、「送配電施設ファイナンス(Transmission Facility Financing: TFF)」プログラムの下、直接融資を受けるための最低限の適格要件を発表した。TFFプログラムにより、NIETCに指定された地域における数十億ドルの送配電プロジェクトの資金を調達することが可能になる。エネルギー省は、NIETC候補地域の予備的リストと、TFFプログラムの申請及び評価プロセスの双方について、一般からの意見を募集している。NIETC候補地域には、ニューヨーク=ニューイングランド、ミッド・アトランティック=カナダ、ノーザン・プレインズ、マウンテン=ノースウェストなどが含まれる。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces Initial List of High-Priority Areas for Accelerated Transmission Expansion” (5/8/24)

エネルギー省、「海外の懸念事業体」の定義に関する最終的な解釈ガイダンスを発表

エネルギー省(Department of Energy)は5月3日、超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law: BIL)40207条における「海外の懸念事業体(foreign entity of concern: FEOC)」の法定定義の解釈ガイダンスを最終取りまとめした。FEOCの解釈ガイダンスは、FEOCが国内の電池サプライチェーンに参入することを制限し、国内及び友好地の電池マテリアル加工・製造の成長を強化することを意図している。今回発表されたエネルギー省のガイダンスに拠れば、対象国(中国、ロシア、イラン、北朝鮮)に本社がある、対象国で組織化されている、または該当する活動を行っている場合;投票権、役員会の席、もしくは株式の25%以上が対象国の政府によって占められている場合;またはFEOCとのライセンスもしくは契約を通じてFEOCに実質的に管理されている事業体の場合、その事業体はFEOCとみなされる。また、財務省(Department of Treasury)及び内国歳入庁(Internal Revenue Service: IRS)が発表した30D条クリーン自動車税クレジット(30D Clean Vehicle Tax Credit)の最終規則に基づき、FEOCによって製造もしくは組み立てられた電池部品を含むEVは、2024年から税クレジットを受益する資格がなくなる。 Department of Energy “DOE Releases Final Interpretive Guidance on the Definition of Foreign Entity of Concern” (5/3/24)

エネルギー省傘下国立研究所、エネルギーインフラを変革するAIの可能性を調査

アルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)、アイダホ国立研究所(Idaho National Laboratory)、国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory)、国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory)は今般、「エネルギーのためのAI:2023年冬の作業部会に関する報告(AI For Energy: Report on Winter 2023 Workshops)」と題する報告書を発表した。報告書は、米国のエネルギー・インフラが直面する5つの分野(原子力発電、電力グリッド、炭素管理、エネルギー貯蔵、エネルギー・マテリアル)について大きな課題を特定している。そうした上で、共通するニーズとして、①早急かつ高度で信頼性のあるコンピュータ支援によるマテリアル及びシステムの設計と試験、②予測における不確実性とシステムのパフォーマンスを正確に特定する科学者の能力の向上、③AIによって複数のソースならびに形態のデータを統合すること、を挙げている。米国がこれらの課題を克服できれば、大きな恩恵がもたらされる可能性がある。 Argonne National Laboratory “How artificial intelligence can transform U.S. energy infrastructure” (4/29/24)

PCAST、AIを活用した研究の促進について報告

大統領科学技術諮問委員会(President’s Council of Advisors on Science and Technology: PCAST)は4月29日、「研究の促進:人工知能を育成して世界的課題に対処する(Supercharging Research: Harnessing Artificial Intelligence to Meet Global Challenges)」と題する報告書を発表した。米国が責任ある形で人工知能(AI)のパワーを活用し、科学的発見を加速させるための新たな措置を勧告した内容となっている。報告書は、人間の研究者に力添えし、科学的可能性を探求し、増大的なデジタル世界でのリスクを軽減するため、安全で効果的なAIの使用を進展させる先見的手法を概説している。PCASTは具体的に、①国家人工知能研究資源(National Artificial Intelligence Research Resource: NAIRR)のパイロット・プログラムなど、既存の取り組みを拡大し、多様な人々・組織が恩恵を受けられるよう基礎的なAI資源を広くかつ公平に共有する、②重要な研究ニーズのために、適切な保護措置を講じて匿名化された連邦データ・セットへのセキュアで責任あるアクセスを拡大する、などが挙げられている。 White House “PCAST Releases Report on Supercharging Research: Harnessing Artificial Intelligence to Meet Global Challenges” (4/29/24)