NSF、量子ナノ製造インフラに2,000万ドルの投資を発表

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、コロラド大学ボールダー校(University of Colorado Boulder)にナノスケールの製造施設を建設することを支援するため、約2,000万ドルのアワードを提供すると発表した。原子光子量子機器の共同設計と開発を加速させ、米国を量子科学工学の世界的リーダーと位置付けることが目的である。NSFの国家量子ナノ製造(National Quantum Nanofab: NQN)は、量子コンピュータ及びネットワークから原子時計、先端量子センターに至るまでの幅広い用途を進展させる上で重要な量子機器の製造/特徴付け/梱包能力を可能にするものである。資金は、NSFの「中規模研究インフラ1(Mid-Scale Research Infrastructure 1: Mid-scale RI-1)」の一環として拠出される。NQNは、産官学のユーザーを対象としたオープン・アクセスの国立施設となる他、多様な学生層や労働力開発イニシアチブにとって包含的な教育ハブとしての役割も担う。 National Science Foundation “NSF announces $20 million investment in quantum nanofabrication infrastructure” (6/20/24)

技術エコシステムにおける公的サービスへのコミットメントの育成

バイデン大統領は昨秋、人工知能(AI)を職業とする人々(以下、「AIプロフェッショナル」)をリクルートし、その経験や専門性、ビジョンを政府に取り入れることを目的とした「全国AI人材急増(National AI Talent Surge)」を開始した。この「人材急増」のゴールは、安全でセキュアで信頼できるAIの開発と使用を推進することを目的とした大統領令で概説された大胆な優先事項を実行することである。数千のミッションに触発され、AIプロフェッショナルが既に要請に応え、連邦政府での仕事に応募している。連邦当局や連邦の技術人材プログラムは、連邦機関内で重要なAI優先事項を支援するため、数百人のAIプロフェッショナルを雇っており、こうしたAI人材の流入は、バイデン=ハリス政権のAI議題を進展させる上で鍵となる。これらの新しい連邦職員は、政府内での安全で信頼できるAIの使用に関する政策の策定を手伝っており、電力グリッドの対応力向上と許認可の迅速化を目的としたAIの使用に情報を提供している。 White House “Growing the Commitment to Public Service in the Technology Ecosystem” (6/14/24)

再生可能エネルギー・プロジェクトに対する地元の反対は広範かつ増大

コロンビア大学(Columbia University)の気候変動法サビン・センター(Sabin Center for Climate Change Law)は6月11日、「再生可能エネルギー施設に対する反対の展開:2023年12月まで(Developments in Opposition to Renewable Energy Facilities Through December 2023)」を発表した。本件に関する報告書は今回が第4版となる。それによれば、47州で378件の再生可能エネルギー・プロジェクトが大幅な制限に直面している。また、「地元の自治体による395件の規制(41州)と19件の州レベルの規制(7州)は極めて厳しく、再生可能プロジェクトの実質的な阻止となり得る」と報告している。報告書は、制限や論争の規模や性質を分類しており、その分類結果は、再生可能エネルギー施設に対する地元の反対は、広範かつ増大しており、気候目標の達成において大きな障害となる可能性があることを示している。報告書の執筆者は、制限(restrictions)について、①一時的モラトリアム、②完全な禁止、③極端に抑制する要件もしくは高さ制限、④厳格な規制による事実上の禁止、⑤特定の計画プロジェクトを阻止するためのゾーニング改正、と定義している。報告書によれば、厳しい規制もしくは重大な論争が特定されなかった州はアラスカ州のみで、同州とユタ、テネシーの3州は、論争的な再生可能エネルギー・プロジェクトが特定されなかった。一方、バージニア、ミシガン、ニューヨーク、オハイオの各州は、論争的な再生可能エネルギー・プロジェクトが18件以上特定された。 Utility Dive “Local opposition to renewable energy projects ‘widespread and growing’: Columbia University report” (6/12/24)

NSTC、先端コンピューティング・エコシステム開拓に向けた進捗を報告

大統領府の国家科学技術会議(National Science and Technology Council: NSTC)は2020年、「将来の先端コンピューティング・エコシステム開拓:戦略的計画(Pioneering the Future Advanced Computing Ecosystem (FACE): A Strategic Plan)」と題する報告書を発表し、将来の先端コンピューティング・エコシステムに関するビジョンを概説した。NSTCは今般、「2021-2023年度 将来の先端コンピューティング・エコシステム開拓に関する進捗報告:戦略的計画(FY 2021-2023 Progress Report on Future Advanced Computing Ecosystem (FACE) Strategic Plan)」を発表し、2020年の報告で列挙したFACEの目的達成へ向けた重要な進捗を報告した。進捗報告書は主要なメッセージとして、①連邦政府は、FACEの目的を実現するために、戦略的投資を行い、業界や学術機関との主要なパートナーシップを策定し、頑強なFACE国家資産の構築へ向けて大幅な進展をしている、②米国は、科学工学や経済競争力、国家安全保障において、現行のFACE資産から大きな恩恵を得ている、などが挙げられている。 Networking and Information Technology Research and Developmen “FY 2021 – 2023 PROGRESS REPORT ON PIONEERING THE FUTURE ADVANCED COMPUTING ECOSYSTEM: A STRATEGIC PLAN” (6/14/24)

増大する再生可能グリッドの運用に気候が及ぼす影響について研究報告

国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)はシャープリー・フォーカス社(Sharply Focused, LLC)及びエネルギー省(Department of Energy)と共に、「多様で高水準の再生可能エネルギーを有する米国電力システムに影響を及ぼす異常気象事象の役割の進化(The Evolving Role of Extreme Weather Events in the U.S. Power System with High Levels of Variable Renewable Energy)」と題する報告書を発表した。暴風雨や過去最大の寒波・熱波などの異常気象事象は、電力ユーティリティ機関やグリッド運用者、ひいては消費者にかつてないほどの影響を及ぼしている。その一方で、グリッドの電力源は進化し、再生可能資源の割合が増加している。本報告書は、①異常気象事象が発生している間、風力やソーラーの増加は、信頼性の高い電力システム運用にとって大きな負担をもたしているか?②グリッドの運用に及ぼす影響という点で、我々が考える「異常気象」の種類に変化が生じているか? という2つの疑問点について調査している。報告書によれば、我々が現在考えているような日常生活に大きな混乱をもたらす「異常気象」の場合、風力とソーラーによるグリッドへの電力供給は維持・追加されるため、異常気象が電力グリッドに及ぼす影響は悪化しないと考えられる。一方で、異常とは言えず、「中程度の深刻さ」と考えられる気象でも、風力やソーラー資源の減少が長期にわたる場合、電力システム運用への影響という意味では、「異常気象」と考えることができる。このように、「異常気象」に関する我々の認識の変化は、風力及びソーラー発電の割合が大きく、信頼できるシステムを計画する際の補助となり得る。 National Renewable Energy Laboratory “’Moderate’ Is the New ‘Extreme’: Weather’s Impact on Growing Renewable Grid Operations” (6/12/24)

フェルミ国立研究所、新たな地下量子情報科学ラボ、QUIETを開設

フェルミ国立加速器研究所(Fermi National Accelerator Laboratory)の100メートル地下に、新たに量子センサー及びコンピューティング研究センターの「量子地下器具実験的試験場(Quantum Underground Instrumentation Experimental Testbed: QUIET)」が設立された。フェルミ国立研究所は最近、この地下ラボをオープンし、科学者は、宇宙放射線から隔離された量子ビットの性能を研究することが可能になった。QUIETは、量子情報科学専用の地下施設として設立された施設の一つとして、量子情報科学の用途を目的とした研究開発を支援する。QUIET の主たる目標は、ガンマ線、エックス線、ミューオン、ベータ粒子が超伝導量子ビットにもたらす影響の違いについて理解することである。 Fermi National Accelerator Laboratory “Fermilab opens new QUIET underground quantum information science laboratory” (6/12/24)

一般調達局(GSA)、11名の新たな大統領イノベーション・フェローを発表、AIに焦点

一般調達局(General Services Administration: GSA)は6月17日、大統領イノベーション・フェロー(Presidential Innovation Fellows)の第2次コホートとして、11名の選出を発表した。人工知能(AI)技術に焦点を当てる最初のフェローとなる。11名のフェローは、民間の企業や組織から選出され、1年間の業務を通じて、AIが公的部門の事業において担う現在及び将来の役割について理解することを目指す。第2次コホートのプロジェクトには、司法・正義へのアクセスを拡大すること、消費者への有害性を最小限にすること、そして電力グリッドのインフラを向上させてクリーンエネルギーの更なる支援や混乱のないサービスを行うことを目的として、AIの可能性を増幅させることが含まれる。フェローは、司法省(Department of Justice)や国防総省(Department of Defense)、連邦住宅金融庁(Federal Housing Finance Agency)など8つの省庁で、戦略的上級顧問として連邦のリーダーシップを支える。 Nextgov “GSA announces 11 new Presidential Innovation Fellows to focus on AI” (6/17/24)

2024年イヤーマーク(特定用途向け予算)のトレンド

歳出法案において、議員が特定の地区や地元、機関のために支出を充当する方法があり、これは「イヤーマーク(earmarks)」と呼ばれている。連邦議会は2011年にこれを禁止したが、議員は2022年にこれを復活させた。下院では「コミュニティ予算プロジェクト(community funding projects)」、上院では「議会の指示に基づく支出(congressionally directed spending)」と改称され、透明性を強化する規則が設定されているが、米国科学振興協会(American Association for the Advancement of Science: AAAS)は双方を「イヤーマーク」と総称し、報告を行った。それによれば、2024年度に法制化までこぎつけ、予算を獲得したイヤーマーク事案(全体)は8,097件(146億ドル)となっている。これに対して2023年度は、7,234件(153億ドル)となっており、件数では12%増、金額では4.6%減となった。また、このうち、STEM(研究開発)に関するものは、2024年度は356件(6億5,000万ドル)、2023年度は656件(15億7,000万ドル)となっている。AAASは、「2024イヤーマーク:STEMプロジェクトのトレンド(Earmarks 2024: Trends in STEM Projects)」と題する報告書も発表している。 American Association for the Advancement of Science “Trends In Earmarks 2024″ (6/6/24)

国立半導体技術センター、ジャンプ・スタート・プロジェクトのR&Dトピックを発表

国立半導体技術センター(National Semiconductor Technology Center: NSTC)は、最近行ったNSTCのウェブセミナーで、研究開発(R&D)に関する最初の資金提供機会の詳細を発表した。資金提供の対象となるR&Dプロジェクトは、「ジャンプ・スタート・プロジェクト(Jump Start Projects)」と呼称され、①「人工知能を活用した無線周波数集積回路設計の実現(Artificial Intelligence Driven Radio Frequency Integrated Circuit Design Enablement: AIDRFIC)」と、②試験手段(Test Vehicles)の2つ。前者は、無線周波数集積回路(radio frequency integrated circuit: RFIC)の設計のためのAIベースの電子設計オートメーション・ツールの開発を模索する。ウェブセミナーでは、経験豊富なRFIC設計者が不足している点が指摘された。②は高度な試験手段(テスト・チップ設計や高度なテスト・チップ・プロセスなど)の不足に対処することを目指す。 SSTi “National Semiconductor Technology Center (NSTC) reveals R&D topics for Jump Start Projects” (6/13/24)

NETL、炭素貯蔵評価ツールの改訂版を発表

国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory: NETL)は、地下の地質環境における潜在的な二酸化炭素貯蔵の試算をする際に利用できる、ユーザーフレンドリーで高度なデータベース「二酸化炭素貯蔵の見込み資源予測卓越分析(Carbon Dioxide Storage prospeCtive Resource Estimation Excel aNalysis: CO2-SCREEN)」の改訂版(第5版)を発表した。関係者が、二酸化炭素貯蔵事業の効率性と安全性と長期的な安定性を向上させるために、より多くの情報に基づいた意思決定をできるよう支援する。今回の改訂版では、貯蔵の効率性に関する新たな要素が複数加えられた。 National Energy Technology Laboratory “Carbon Storage Assessment Tool Upgraded, Released by NETL” (6/11/24)