エネルギー省、クリーンで低費用の水素生産を目的として、固体酸化物燃料電池技術を進展

エネルギー省(Department of Energy)の化石エネルギー及び炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon Management: FECM)は9月26日、クリーン水素の有用性を高め、より手頃な費用とすることで、発電や産業の脱炭素化、輸送に役立てることを目的として、最大400万ドルの連邦資金を提供する資金提供公募(FOA)を発表した。FOAの件名は「水素生産を目的とした酸素電導性固体酸化物燃料電池及び固体酸化物電解セルの研究開発(Oxygen-conducting SOFC and SOEC Research and Development for Hydrogen Production)」。固体酸化物燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell: SOFC)の用途多様性と適用性を拡大し、可逆固体酸化物燃料電池(reversible solid oxide fuel cell: R-SOFC)システムに焦点を当てる研究開発(R&D)プロジェクトを支援する。FECMによるR-SOFCプログラムには、分散型用途での天然ガスや水素を使用したSOFCの試験や、水素生産を目的とした高温の固体酸化物電解セル(solid oxide electrolysis cells: SOECs)の様々な側面が含まれる。 Department of Energy “DOE Announces $4 Million to Advance Solid Oxide Fuel Cell Technology for Clean, Low-Cost Hydrogen Production” (9/26/24)

エネルギー省、国内の重要鉱物・マテリアルを使って新規・代替製品を開発

エネルギー省(Department of Energy)は9月26日、米国内で重要鉱物及びマテリアルを生産及び精製することを目的として、費用効果に優れ、環境的に責任のあるプロセスを進展させる6件のプロジェクトに550万ドルを提供すると発表した。超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から資金拠出され、主に国内で調達できる重要鉱物及びマテリアルを使い、海外からの調達への依存を削減する新規技術の開発及び技術改良を目指す。「重要鉱物のイノベーションと効率と代替(Critical Material Innovation, Efficiency, and Alternatives)」と題する資金提供公募(FOA)の下、複数のラウンドを通じて選出されたプロジェクトに最大1億5,000万ドルを提供する(今回選出されたプロジェクトは6件)。本件以外にも、エネルギー省の化石エネルギー及び炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon Management: FECM)は、2021年以来、米国内の伝統的な採鉱及び化石燃料生産コミュニティにおける重要鉱物及びマテリアルの抽出、資源の特定と生産と加工を支援するプロジェクトに1億7,100万ドル(試算)をコミットしている。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Invests $5.5 Million to Develop New and Alternative Products Using our Nation’s Supplies of Critical Minerals and Materials” (9/26/24)

初の米英豪オーカス・ピラーIIプライズ・コンペが完了

米英豪の3か国間で初めて行われたオーカス電子戦争チャレンジ(AUKUS Electronic Warfare Challenge)で、米国、オーストラリア、英国の企業は、電子戦争(electric warfare: EW)向けの新規ソリューションを提供した。本チャレンジは、敵の電磁標的能力に対してターゲティングと保護の双方で戦略的優位をオーカス(AUKUS)諸国に提供する電磁スペクトル技術ソリューションの特定を模索するもの。2024年3月に米国の国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit: DIU)、オーストラリアの先端戦略能力アクセラレータ(Advanced Strategic Capabilities Accelerator: ASCA)、英国の国防及び安全保障アクセラレータ(Defence and Security Accelerator: DASA)が、3か国間の国防及び安全保障パートナーシップであるオーカス・ピラーII(AUKUS Pillar II)の一環としてEWチャレンジを開始した。このパートナーシップは、国家・地域・世界の安定を確実にするため、合同の国防能力を強化できる可能性を秘めている。米英豪の代表は9月26日、英国ロンドンで行われた国防大臣会合で、EWチャレンジの各国の受賞者を発表した。 Defense Innovation Unit “First Trilateral AUKUS Pillar II Prize Competition Completed” (9/26/24)

JFK空港の新ターミナルで米国最大の空港マイクログリッド設立へ

ニューヨーク市で最大の太陽光発電アレイの建設が始まった。この太陽光発電アレイは、JFK国際空港(John F. Kennedy International Airport)の新たなターミナル・ワン(Terminal One)の屋根上に設置される1万3,000個以上のソーラー・パネルで構成され、12メガワット(MW)のマイクログリッドの一部となる。12MWのマイクログリッドは、ソーラー、燃料電池、電池エネルギー貯蔵で構成され、ターミナル・ワンの日常業務の半分の電力供給が可能になるという。ニューヨーク及びニュージャージー州の港湾オーソリティ(Port Authority of New York and New Jersey: PANYNJ)とJFK国際空港のターミナル・ワン(Terminal One)の合同発表によれば、このマイクログリッドの建設と運用と維持管理を担当するのは、アルファストラクチャー社(AlphaStruxure)で、パネルによって生成される6.63MWの太陽光発電をマイクログリッドと結びつけるケーブル用レースウェイを設置している。JFK国際空港に設置される太陽光発電アレイは、全国の空港ターミナルに設置されているアレイとしては最大規模のものになるという。 Utility Dive “JFK International Airport’s new Terminal One to host largest airport microgrid in US” (9/25/24)

連邦機関、大統領府のAIメモの順守計画を発表

連邦政府機関は、人工知能(AI)のガバナンスに関する行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)によるメモを順守するための計画を発表しており、行政府におけるリスク管理や報告慣行がどのようになるかを垣間見ることができる。これは、OMBが3月28日に、「連邦当局による人工知能の使用に関するガバナンス、イノベーション、リスク管理の進展(Advancing Governance, Innovation, and Risk Management for Agency Use of Artificial Intelligence)」と題する通達を行い、連邦機関に180日以内に順守計画を発表するよう求めていたものである。順守計画は、内部方針を更新する際や、AI使用事例のインベントリについて情報を収集する際、AIツールの責任ある使用における障害を排除する際、その使用が適切か否かといった点や安全性に関する影響について判断する際などに講じるステップを概説している。各連邦機関は、初期の順守計画を10月1日までに公表することが義務付けられ、計画は2036年まで2年ごとに更新される。 Fedscoop “U.S. agencies publish plans to comply with White House AI memo” (9/25/24)

中国の科学者、自国の論文の引用度が高い

中国は近年、科学的影響力を示す主要な指標で世界的なリーダーとなっており、具体的には、中国の研究者が作成した学術論文でその他の科学者から広く引用された論文数(被引用数)が増加している。こうした中、こうした被引用数の増加の一助となっている可能性がある一つの要素を特定する調査が2件発表された。それは、「中国で作成された論文の異例に高い引用は、同じく中国を拠点とする学者によるものである」という点である。分析報告の1つは、日本の科学技術・学術政策研究所が8月に発表した報告書で、それによれば、中国の論文で被引用数が最も多い上位10%の論文の半分以上(62%)は中国国内の科学者による引用であるという。もう1つの分析は、ミュンヘン・ルートヴィヒ=マクシミリアン大学(Ludwig Maximilians University of Munich)の学者によるもので、こちらも同じようなトレンドを特定しており、「中国の世界的な研究ランキングは表面上の順位よりも実際には低い」との見解を示唆している。 Science “China’s scientists often cite work from their own nation. Is that skewing global research rankings?” (9/25/24)

バイデン政権、米国気候部隊の継続的進展を発表

気候危機対策の一環として、バイデン大統領は、米国気候部隊(American Climate Corps: ACC)を立ち上げて、次世代のクリーンエネルギー/保護/気候対応力の労働者の育成・活用を促進し、「イニシアチブの1年目に2万人の若者がクリーンエネルギー及び気候対応力経済で就労する」ことを目標として掲げていた。このような中、9月25日に気候週間(Climate Week)を祝う一環として、大統領府は、ACCを通じて、1万5,000人の若者が、質が高く良好賃金のクリーンエネルギー及び気候対応力の労働力訓練及びサービス機会に従事していると発表し、バイデン大統領の1年目の目標へ向けて予定より早く順調に達成へ向けた軌道上にあることを示した。バイデン政権はまた、次のような追加発表もした。①環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)とアメリコー(AmeriCorps)は、新たに環境正義気候部隊(Environmental Justice Climate Corps)プログラムを発表、②住宅都市開発省(Department of Housing and Urban Development: HUD)は、ACC省庁間イニシアチブ(ACC Interagency Initiative)への参加を発表、③ACCは連邦と州のパートナーシップを育成、④ACCはオンライン式ジョブフェアを年内に開催。 White House “FACT SHEET: During Climate Week, Biden-⁠Harris Administration Announces Continued Progress on the American Climate Corps” (9/25/24)

CNAS、国防総省のイノベーション加速に関し報告

新米国安全保障センター(Center for a New American Security: CNAS)は9月25日、「イノベーションの統合:CNAS国防技術タスクフォースの報告(Integration for Innovation: A Report of the CNAS Defense Technology Task Force)」と題する報告書を発表した。報告書の執筆者は、国防イノベーション・ユニット(Defense Technology Task Force)の元長官であるマイケル・ブラウン氏(Michael Brown)など4名。報告書は、国防総省(Department of Defense)が急務のニーズがある際に、米国兵士向けの新技術を迅速に革新、提供できるようにする主要な要素を特定した上で、なぜ国防総省がそれを定期的に実施できずにいるのかについて模索している。報告書は、的を絞った政策勧告を提示しつつ、早急なイノベーション、戦略的なリスク・テイキング、人材開発は、新たな能力を実現する上で必須であると強調している。 Center for a New American Security “Top Former Defense Officials Release New Report on Accelerating DoD Innovation” (9/25/24)

GAO、SBIRの商業化パイロット・プログラムについて報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は9月25日、「中小企業技術革新制度:多くの当局が義務付けられている商業化パイロットを実施しなかった(Small Business Innovation Research (SBIR): Most Agencies Did Not Implement Required Commercialization Pilot)」と題する報告書を発表した。中小企業庁(Small Business Administration: SBA)のデータによれば、2023年度に、連邦当局は5,000件以上のSBIRアワード(約40億ドル)を授与し、中小企業が革新的な技術を開発、商業化することを支援した。SBIRプログラムに参加している11の連邦当局は全て、2018年から「商業化支援パイロット・プログラム(Commercialization Assistance Pilot Program: CAPP)」を実践するか、その免除措置を2019年8月までに取得することが義務付けられていた。CAPPは、2回目のフェーズII(Phase II)アワードを受益した中小企業が、3回目のフェーズIIアワードを同じ当局から受益することを認め、技術開発と商業化へ向けた取り組みを継続できるようにするものである。しかし、GAOの調査によると、CAPPを実施し、アワードを提供したのは、エネルギー省(Department of Energy)の科学局(Office of Science)のみであった。また、SBAがパイロット活動に関する報告を行っていないこともわかった。GAOは、議会がCAPPの再承認をする場合は、その内容を明確にすることを検討すること、CAPPプログラムが再承認された場合、SBA長官はCAPPに関する情報を収集し、報告するようSBIRプログラム局に指示することを勧告した。 Government Accountability Office “Small Business Innovation Research: Most Agencies Did Not Implement Required Commercialization Pilot” (9/25/24)

エネルギー省、頑強で信頼性の高い電力グリッドを研究

エネルギー省(Department of Energy)科学局(Office of Science)の)先端科学コンピューティング研究(Advanced Scientific Computing Research: ASCR)プログラムと、電力局(Office of Electricity: OE)は、複数のディスラプティブな電力事象への備えを強化し、米国のグリッド運用者にとって危機的状況となった際に迅速な応答を可能にすることを目的とした研究プロジェクトに600万ドルを提供した。ASCRとOEは、新たなパートナーシップを通じて、5つの国立研究所における研究をガイドする。風力やソーラー発電などの再生可能エネルギーの成長は、米国の消費者や業界、環境に恩恵をもたらすが、これらの分散型発電資源は極めて変動的で予想が難しく、これらを統合することは、電力グリッドに新たな課題となっている。グリッドの送配電ネットワークは数百万のエレメントで構成されており、その状況はミリ秒単位で変化するため、シミュレーションが極めて複雑である。「今回のアワードは、より優れた信頼性とディスラプティブな出来事への頑強さと効率性を確実にするために、ユーティリティ機関が必要とするより早くてより正確なグリッドのシミュレーションを可能にするコンピュテーショナル・アルゴリズムについて我々の理解を深める助けとなる」と、エネルギー省の高官は述べる。 Department of Energy “Department of Energy Announces $6 Million for Research Toward a More Robust and Reliable Electric Grid” (9/25/24)