DARPA、AIにすべきこととすべきでないことを教える取り組み

大規模言語モデルの急成長により、人工知能(AI)は日常生活の様々な側面で急速に統合されている。しかし、AIの返答の正確さや適切さを検証することは常に容易とは限らない。AIシステムが、安全で倫理的な判断が重要となる状況で人間の信頼できるパートナーとなるには、人間の意図や法、政策、基準に関する知識を効率的にAIに伝える必要がある。こうした目標に向け、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は「デオンティック推論に関する人間とAIのコミュニケーションのデブオプス(Human-AI Communications for Deontic Reasoning Devops: CODORD)」プログラムを発表した(デオンティクとは哲学用語で、義務、許可、禁止を意味する。デブオプスはソフトウェア開発(development)とIT運用(operations)を組み合わせた造語)。CODORDプログラムは、人間のデオンティク知識を自然言語を介して自動的に高度な表現力を持つ論理プログラミング言語に伝えることを目指す。成功すれば、CODORDによって、義務や許可、禁止に関して人間が生成した膨大な量の知識を論理言語に移行するために必要な費用と時間を大幅に削減できる。 Defense Advanced Research Project Agency “Teaching AI What it Should and Shouldn’t Do” (9/27/24)

ニューヨーク州北部の労働力ハブ、平等な労働力開発を促進

商務省(Department of Commerce)のジーナ・レモンド長官(Gina Raimondo)、ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事(Kathy Hochul)、米国教員連盟(American Federation of Teachers: AFT)のランディ・ウェインガーテン会長(Randi Weingarten)、マイクロン社(Micron)、AFTのニューヨーク州関連組織は9月26日、シラキュースにおいて、AFTによる先端技術枠組み(Advanced Technology Framework)の導入について発表した。この枠組みは、生徒が半導体業界における数千の新たな技術キャリアへ向けて準備できるよう支援するものである。レモンド長官はまた、アップステート・ニューヨーク労働力ハブ(Upstate New York Workforce Hub)の導入拡大と支援を目的として、バイデン大統領の「米国への投資(Investing in America)」議題から新たな資金が提供されることを発表した。マイクロエレクトロニクス製造部門全般で見られる基礎的及び技術的スキルに基づき、カリキュラム枠組み、教員訓練、職務ベースの学習機会によるパイロット・プログラムが、ニューヨーク州内の10件の学校区で開始される。バイデン政権は、全ての米国民が、大統領の「米国への投資」議題によって創出された数十万件の良好賃金雇用にアクセスできることを確実にするための訓練パイプラインを作ることに強い焦点を当てており、その目的のため、国内で9件の「米国への投資労働力ハブ(Investing in America Workforce Hub)」を立ち上げている。 Department of Commerce “FACT SHEET: Upstate New York Workforce Hub is Maximizing Federal Investments in the Region by Driving Commitments to Equitable Workforce Development” (9/27/24)

NITRD、ソフトウェア工学及びAI工学に関するワークショップの報告を発表

ソフトウェア工学及び人工知能(AI)工学における米国のリーダーシップを構築、維持するためのコミュニティ戦略への情報提供として、カーネギー・メロン大学(Carnegie Melon University)のソフトウェア工学研究所(Software Engineering Institute)と、ソフトウェアの生産性/持続可能性/品質(Software Productivity, Sustainability, and Quality: SPSQ)省庁間作業部会は、2023年6月20~21日に、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)でワークショップを共催した。今般、その報告書として、「ソフトウェア工学とAI工学における米国リーダーシップ:重要ニーズと優先事項に関するワークショップ報告(U.S. Leadership in Software Engineering & AI Engineering: Critical Needs & Priorities Workshop Report)」が発表された。ワークショップには、連邦研究資金提供機関、研究所、ミッション局、商業機関の思考リーダーが集い、直接的な関連性のある研究分野の特定や、ソフトウェア工学及びAI工学を巡る現在の試練的な状況において機会と課題の中で進展していくための新しい手法のニーズについて議論するなどした。 Networking and Information Technology Research and Development “U.S. LEADERSHIP IN SOFTWARE ENGINEERING & AI ENGINEERING: CRITICAL NEEDS & PRIORITIES WORKSHOP REPORT” (9/27/24)

エネルギー省、部族用地におけるクリーンエネルギーの計画・導入に約4,400万ドル

エネルギー省(Department of Energy)は9月27日、クリーンエネルギー・ソリューションを導入してエネルギー安全保障と対応力をもたらし、エネルギー費用低減の一助とすることに取り組む部族コミュニティに約4,400万ドルを提供すると発表した。5州に所在する6つのアメリカン・インディアンとアラスカ先住民コミュニティが、ソーラー及び風力エネルギー・インフラを導入するための資金として1,880万ドルを受益する。インフラを通じて、100件以上の部族建造物に5.6メガワットのクリーンエネルギー発電と電池貯蔵が提供される。また、エネルギー省のインディアン・エネルギー局(Office of Indian Energy)は、部族の建造物または部族用地でクリーンエネルギーの計画と評価と開発を支援するプロジェクトに合計2,500万ドルを提供する資金提供公募(FOA)を発表した。エネルギー省は、20~40件のアワード(各10万ドル~250万ドル)を予定している。 Department of Energy “U.S. Department of Energy Announces Nearly $44 Million for Clean Energy Planning and Deployment on Tribal Lands” (9/27/24)

NBER、移民のアントレプレナーシップに関し報告

全米経済研究所(National Bureau of Economic Research: NBER)において最近発表された論文「移民のアントレプレナーシップ:新たな試算と研究議題(Immigrant Entrepreneurship: New Estimates and a Research Agenda)」は、米国内で移民が設立した企業の成長と特性に新たな洞察を示す。論文はまた、この分野での将来の研究の方向性についても概説している。執筆者の分析によれば、次のようなキーファインディングが挙げられている。①サンプルの25州で新企業における収入上位者の中で移民が占める割合は、2003年の22.5%から2020年の28.9%に上昇した、②この成長の約3分の2は、サンプル州全体での移民アントレプレナーシップの一般的な上昇から発するもので、一部の州に集中しているものではない、③移民のアントレプレナーシップが全体に占める割合は、2007年の18.7%から2019年の24.2%に増加した。 SSTI “Recent Research: New insights into immigrant entrepreneurship” (9/26/24)

GAO、気候対応力について報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は9月26日、「気候対応力:気候経済情報を強化し、連邦財政の負担を制限するには議会の行動が必要(Climate Resilience: Congressional Action Needed to Enhance Climate Economics Information and to Limit Federal Fiscal Exposure)」と題する報告書を発表した。気候変動は政府に数十億ドルの負担をもたらしている。温室効果ガス排出を削減する取り組みは行われているものの、その経済的負担は増加する見込みである。連邦政府は現在、こうした現実を管理する上で良い位置づけにいない。GAOは、連邦政府が気候変動リスクをより良く管理できる複数の分野を特定し、議会に対して4つの検討事項を提案した。それらは、①連邦の組織的調整を確立し、気候対応力プロジェクトへの投資の優先付けを行うこと、②国家気候対応力戦略計画を策定する連邦事業体を指定すること、③国家気候情報システムを確立及び維持管理すること、④気候変動の潜在的な経済負担に関する情報を開発し、連邦機関による使用を支援する連邦事業体を指定すること、の4点。 Government Accountability Office “Climate Resilience: Congressional Action Needed to Enhance Climate Economics Information and to Limit Federal Fiscal Exposure” (9/26/24)

GAO、バイオメディカル研究における国防総省等の貢献について報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は9月26日、「バイオメディカル研究:国防総省と退役軍人省が医薬開発にもたらした寄与に関する情報の質に改善が必要(Biomedical Research: Improvements Needed to the Quality of Information About DOD and VA Contributions to Drug Development)」と題する報告書を発表した。国防総省(Department of Defense)及び退役軍人省(Department of Veterans Affairs: VA)は、バイオメディカル研究開発に資金提供しており、それらは新たな医薬品や医療機器に繋がる可能性がある。しかし、GAOの調査によれば、同2省が資金提供して行われた研究から生じた特許は必ずしも義務付けられた連邦資金の開示をしていない。一例として、GAOが調べたバイオメディカル特許の18%が国防総省による支援について開示していたものの、国防総省のアワード番号を正しく記載していなかった。これでは、連邦資金がイノベーションにもたらした影響を評価することが難しくなる。GAOは、国防総省のスタッフが、資金の受益者が特許の中で国防総省の支援を正しく開示することを確実にするよう訓練を改善すること、国防総省と退役軍人省は資金提供した臨床試験がClinicalTrials.govに迅速に報告されるようにするための策を講じることを勧告した。 Government Accountability Office “Biomedical Research: Improvements Needed to the Quality of Information About DOD and VA Contributions to Drug Development” (9/26/24)

エネルギー省、エネルギー安全保障と対応力の強化に約2,300万ドルを発表

エネルギー省(Department of Energy)は9月26日、エネルギー・システムをよりセキュアで対応力と信頼性があるものにする一助となる10件のプロジェクトに約2,300万ドルを発表した。プロジェクトは、エネルギー省のサイバーセキュリティ/エネルギーセキュリティ/緊急応答局(Office of Cybersecurity, Energy Security, and Emergency Response: CESER)が選出したもので、エネルギー部門に対する様々な脅威(サイバー及び物理的な脅威、気候ベースの危険性、自然災害など)の軽減戦略を進展させる研究に取り組む。受益機関とプロジェクトには、①ブリガム・ヤング大学(Brigham Young University)による分散型エネルギー資源インフラの通信向上とゼロ・トラスト・アーキテクチャ内でのその実践を目的とした量子ベース技術の開発及び実証、②ニューヨーク大学(New York University)による分散型光ファイバー検知技術を使った変電所の物理的セキュリティ監視システムの改良などがある。 Department of Energy “DOE Announces Nearly $23 Million to Bolster Energy Security and Resilience” (9/26/24)

ARPA-H、AIを使って新たな抗生物質の発見を加速

厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)傘下の医療高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency for Health:ARPA-H)は9月26日、「新興の脅威を阻止するための生成AIを使った抗生物質R&Dの変革(Transforming Antibiotic R&D with Generative AI to stop Emerging Threats: TARGET)」プロジェクトへの資金提供を発表した。TARGETプロジェクトは、AIを使って新種の抗生物質の発見と開発を加速させる取り組みで、画期的なイノベーションや国際共同作業などを通じて、抗菌耐性(antimicrobial resistance)対策に取り組む米国の長期的なコミットメントを支える新たな行動である。TARGETプロジェクトは、ファール・バイオ(Phare Bio)が、マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)のコリンズ・ラボ(Collins Lab)及びハーバード大学(Harvard University)のウィス研究所(Wyss Institute)と共に先導する。ARPA-Hから拠出される資金は最高2,700万ドル。研究チームは、①生成AIを使って抗生物質候補の数を拡大する、②深層学習を使って候補薬の適性を検査する新たな方法を開発する、③発見を検証する、の3つの主要分野に焦点を当てる。 Advanced Research Projects Agency for Health “ARPA-H project to accelerate the discovery of new antibiotics using AI” (9/26/24)

NITRD、サイバー・フィジカル・システム対応力に関する国家計画へ情報提供を要請

ネットワーキング・情報技術研究開発(Networking and Information Technology Research and Development:NITRD)の国家調整局(National Coordination Office)は、大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)に代わり、「サイバー・フィジカル・システム対応力研究に関する国家計画(National Plan for Cyber-Physical Systems Resilience Research)」の作成について、一般からの情報を要請(request for information: RFI)した。本計画のゴールは、地元や地域、もしくは全国レベルのシステムにおけるサイバー・フィジカル対応力に関連する政府全体の研究開発(R&D)計画を形成することである。NITRDは、「サイバー・フィジカル対応力」の定義について、大統領科学技術諮問委員会(President’s Council of Advisors on Science and Technology: PCAST)の報告書「サイバー・フィジカル対応力戦略:デジタル世界のための米国の重要インフラの強化(Strategy for Cyber-Physical Resilience: Fortifying Our Critical Infrastructure for a Digital World)」などの定義を示しているが、今回のRFIでは、サイバー・フィジカル・システムがそれぞれの業界または分野で異なる意味を持っている場合は、具体的な使用事例及びその科学的合根拠と共に、代替の定義を提供することも歓迎されている。「サイバー・フィジカル・システム対応力研究に関する国家計画」は2025年に発表される予定である。 Networking and Information Technology Research and Development “Networking and Information Technology Research …
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