米国零細企業のR&D拠出は57億ドル(2022年)

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の米国科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics: NCSES)の発表によれば、零細企業(国内の従業員が1~9名)が2022年に実施した研究開発(R&D)費は76億ドルで、そのうち88%(67億ドル)は国内で実施され、75%(57億ドル)は零細企業自身によって実施された。NCSESは、R&D活動(企業によって実施されたR&D活動のみの費用)と、R&D非活動(他組織へのR&D支払い)で区別している。国内R&D活動(Total domestic R&D performance)の合計は、2018年の45億ドルから2022年の57億ドルへ26%増加し、同期間におけるR&D費の合計(total R&D costs)は18%、国内R&D費(domestic R&D costs)は16%、それぞれ増加した。2022年の国内R&D費のうち、55%は給与、賃金、福利厚生費に充当された。製造部門の企業ではその割合は39%、非製造企業では57%であった。国内R&D費のその他の内訳は、他組織へのR&Dの支払い(15%)、マテリアル及び供給品(9%)、機械・設備支出(3%)などとなっている。記事ではこの他に、R&D事業のための資本支出、零細企業によるR&D活動の特徴(業界別、R&Dの種別、資金源別、州別)について記述している。 National Center for Science and Engineering Statistics “Microbusinesses Performed $5.7 billion of R&D in the United States in 2022” (10/29/24)

バイデン政権、癌の予防・治療・診断研究に600万ドル

バイデン癌ムーンショット(Biden Cancer Moonshot)は10月29日、11名のキャリア早期研究者及びその研究チームを対象に、癌の予防/治療/診断に対する革新的な手法に資金を提供すると発表した。バイデン政権は、国立癌研究所(National Cancer Institute)を通じて、癌ムーンショット学者プログラムの第2次コホートに600万ドル以上をコミットしている。受益する学者は、新たな診断や効果的な治療の提供、患者のケアとアウトカムの向上に関するプロジェクトを有し、進展に向けて包含的な取り組みを行う。バイデン大統領は、癌ムーンショット学者プログラムを2022年に開始し、癌ムーンショットは2023年夏に最初の学者コホートを発表した。このイニシアチブは、癌を終結させるための進展の加速を目指し、米国の多様性を代表するキャリア早期の学者を支援する。 White House “Biden Cancer Moonshot Announces New Cohort of Cancer Moonshot Scholars and Awards $6 Million to the Next Generation of Innovators in Cancer Prevention, Treatment, and Diagnosis” (10/29/24)

風力及びソーラー、再生可能エネルギー均等化発電原価(LCOE)低下を加速

ウッド・マッキンゼー社(Wood Mackenzie)の報告によれば、均等化発電原価(levelized cost of electricity: LCOE)は世界的に低下しており、それは風力とソーラー・エネルギーが先導している。同社によれば、北米において、再生可能技術のLCCOEは2024年に4.6%減少しており、資本費用の4.2%減がこれを下支えしている。また、北米におけるユーティリティ規模のソーラーのLCOEは、太陽電池技術の進歩とポリシリコンなどの部品の生産能力が強化されるのに伴い、2060年までに平均60%低下する見通しである。ウッド・マッキンゼー社は、陸上の風力発電のLCOEは2060年までに42%減少し、オフショア風力発電の費用は最大67%の大幅な削減を予測している。 Utility Dive “Wind and solar lead accelerating LCOE drop for renewable energy: WoodMac” (10/28/24)

エネルギー省、リチウム・アメリカス社に22億6,000万ドルを融資

エネルギー省(Department of Energy)の融資プログラム局(Loan Programs Office: LPO)は10月28日、リチウム・アメリカス社(Lithium Americas Corp)の子会社であるリチウム・ネバダ社(Lithium Nevada Corp.)に対する22億6,000万ドルの融資を締結したと発表した(19億7,000万ドルの元本と2億8,970万ドルの資本化された利息)。ネバダ州ハンボルト郡にあるサッカー・パス(Thacker Pass)でのリチウム・プロセス施設の建設費用の一部を支援する。プロジェクトは、北米最大のリチウム資源であることが確認されている鉱山拠点に隣接しており、本格的に運用開始されれば、年間約4万トンの電池級の炭酸リチウム生産が見込まれている。これは、良好賃金かつ良質の雇用を支援すると共に、クリーンエネルギーの未来へ向けて必要とされる重要鉱物の急増に対応する一助となる。本プロジェクトを通じて、約1,800件の建設雇用と360件の恒久的なフルタイム運用雇用の創出が期待されている。 Department of Energy “DOE Announces $2.26 Billion Loan to Lithium Americas Corp.” (10/28/24)

IARPA、ソルスティス(SOLSTICE)プログラム公示

情報高等研究開発活動(Intelligence Advanced Research Projects Activity: IARPA)は10月28日、「ソルスティス(SOLSTICE)」と題するプログラムについて、公示(Broad Agency Announcement: BAA)を行った。ソルスティス・プログラムは、既存の技術より大幅に高い電力密度を有する新規のソーラー発電及びハイブリッド型ソーラー発電システムの開発を目指す。これらのシステムは、遠隔で困難な用途においてミッションが実施されている間のパフォーマンスを維持する能力を有する。プログラムには、地球-軌道環境(トラック1)と、地球の表面上(トラック2)が含まれる。 Intelligence Advanced Research Projects Activity “SOLSTICE BAA” (10/28/24)

原子力規制委員会、先端原子炉のライセンス規則案から「定量的な健康目的」を除外

原子力規制委員会(Nuclear Regulatory Commission: NRC)は、先端原子炉を対象に、リスク情報に基づき、技術包含型で、パフォーマンス・ベースの新たなライセンス取得経路に関する提案規則を連邦広報(Federal Register)(10月31日付)に掲載した。新たに提案されているライセンス取得経路は、「10 CFR Part 53」として知られ、従来のバージョンを更新して、原子力プラントのリスク分析のための「定量的な健康目的(quantitative health objectives)」を除外する。NRCが作成した規制分析草案によれば、Part 53は、既存のPart 50及びPart 52のライセンス取得経路に比べて、ライセンス申請1件につき、業界とNRCに5,360万~6,820万ドルの正味節約をもたらし、ライセンス・プロセスにおける規制の安定性や予測可能性、明確さ、柔軟性を高めるという。2019年1月に施行された「原子力エネルギー・イノベーション及び現代化法(Nuclear Energy Innovation and Modernization Act)」は、NRCに対して、2027年末までにPart 53の規則策定プロセスを完了するよう義務付けている。 Utility Dive “NRC removes ‘quantitative health objectives’ from proposed advanced reactor licensing rules” (10/25/24)

マサチューセッツ州、量子コンピューティング複合施設の設立に500万ドル

マサチューセッツ州のヒーリー=ドリスコル政権(Healey-Driscoll)は、同州ホリヨークに「マサチューセッツ・グリーン高性能コンピューティング・センター(Massachusetts Green High Performance Computing Center: MGHPCC)」を設立するため、499万4,520ドルを提供した。MGHPCCは、本グラントで業界パートナーのQuEraコンピューティング社(QuEra Computing Inc.)と共に、最先端の中性原子量子コンピュータの導入を目的とした2年間のプロジェクトに取り組む。複合施設は、州内でのオープンアクセスの研究と応用開発を促進し、量子ハードウェアのイノベーションを可能にし、学生に直接的な訓練やインターシップの機会を提供する。2年間のプロジェクトの費用は合計1,600万ドルで、1,100万ドルはQuEra社からのマッチング・ファンドである。「本プロジェクトは、マサチューセッツ州西部の地元の量子産業の成長を促進し、業界に新たなキャリア経路をもたらし、バイオメディカル研究や金融サービスなど複数の部門でイノベーションを促進するだろう」と、州のイボンヌ・ハオ経済開発担当長官(Yvonne Hao)(Economic Development Secretary)は語った。 HPC Wire “Massachusetts Awards $5 Million to Establish a Quantum Computing Complex” (10/28/24)

QED-C、GPS等のPNT機器の欠点を軽減する量子センサー使用を報告

量子経済開発コンソーシアム(Quantum Economic Development Consortium: QED-C)が発表した報告書「位置とナビゲーションとタイミングの使用事例のための量子センシング(Quantum Sensing for Position, Navigation and Timing Use Cases)」によれば、量子センサーによって位置/ナビゲーション/タイミング(position, navigation, and timing: PNT)機器の正確性と信頼性を向上させることが可能である。PNTツールは特に、防衛、輸送、通信、エネルギー、財務、医療ケアで普及している。報告書は、「時計、磁力計、重力計、慣性センサーなどの量子センサーは、従来の手法では不可能なレベルの正確さを提供し、PNTの能力を向上させる」としている。こうした能力は、信号が弱い場合や衛星に不具合が生じるなどしてGPSが使用できない(または信頼できない)場合に、ナビゲーションを可能にする。報告書は、量子センサーの開発を加速させ、PNT用途の導入を強化するための4つの勧告を提示している。 HPC Wire “QED-C Report on Use of Quantum Sensors to Mitigate Shortcomings of GPS and other PNT Devices” (10/28/24)

癌ムーンショット、小児癌医薬品不足を軽減

数十年にわたり、癌治療薬及び医薬のサプライチェーン不足は、患者のケアに深刻な影響を及ぼしてきた。これは特に、成人よりも治療の選択肢が少ない小児癌患者にとって重大である。バイデン政権は、米国は癌に直面している全ての小児が、医療チームが最良と判断した治療へのアクセスを確実に得られるよう取り組む必要があり、またそれが可能であると強く信じている。このような中、バイデン癌ムーンショット(Biden Cancer Moonshot)は10月28日、事前に選出された7件の小児癌治療薬への途切れる事のないアクセスを維持することを目的として、民間部門が新たなパイロット・プログラムを実施することを発表した。パイロット・プログラムの参加機関は、不足リスクの特定や、透明性のある在庫認識の推進、患者ケアの混乱を防ぎ、癌に直面している小児と家族への一貫した医薬品の提供を維持するための効果的手法の育成に焦点を当てた管理基準を策定する。パイロット・プログラムは年末までに開始され、2025年まで実施される。終了時点で報告書が発表され、そこには主要な学習や拡大の機会なども盛り込まれる。 White House “Biden Cancer Moonshot Announces New Pilot to Mitigate Pediatric Cancer Drug Shortages” (10/28/24)

ファイブ・アイズ、技術スタートアップ向けガイダンス発表

ファイブ・アイズ(Five Eyes)のメンバー国(豪、加、ニュージーランド、英、米)の諜報パートナーシップは10月28日、セキュア・イノベーション(Secure Innovation)を開始した。これは、新興の技術企業を様々な脅威(特に国家当事者による脅威)から保護する一助となる共通のセキュリティ・ガイダンスである。昨年10月には、ファイブ・アイズ5カ国の安全保障及び諜報当局のトップが結集して初のサミットが行われ、技術企業を守るための「5つの共通原則(Five Shared Principles)」が発表された。今回の合同の保護的セキュリティ・ガイダンスの立ち上げはそれに続くもの。セキュリティ・イノベーションは、技術部門の企業に、企業が自社のアイデアや評判、将来の成功をより良く保護するために即時実行できるコスト効果に優れた一連の措置を提示している。今回の発表は、ファイブ・アイズ5カ国が共通の脅威に対して協調的に取り組むというコミットメントの強化を示すものである。 Office of the Director of National Intelligence “Five Eyes Launch Shared Security Advice Campaign for Tech Startups” (10/28/24)