エネルギー省、クリーンエネルギー労働力促進に2,700万ドル以上を発表

バイデン政権の「米国への投資(Investing in America)」議題の一環として、エネルギー省(Department of Energy)の州及びコミュニティ・エネルギー・プログラム局(Office of State and Community Energy Programs: SCEP)は10月24日、「エネルギー監査訓練(Energy Auditor Training: EAT)」グラント・プログラムを通じて最初のラウンドの選出者を発表した。超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law: BIL)から資金拠出を受けて行われ、15の州エネルギー局(State Energy Offices: SEOs)及びアメリカン・サモア領エネルギー局(American Samoa Territorial Energy Office: TEO)に最大2,798万ドルが分配される。国内で環境に優しい建造物労働力を増加し、BIL及びインフレ低減法(Inflation Reduction Act)が契機となって行なわれる全国的なエネルギー効率改善措置の実践を支援する。EATは、商業及び住宅建造物のエネルギー監査担当者が、エネルギー消費を削減し、エネルギー効率を推進し、住宅や企業に省エネを提供する方策を特定できるようにする。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces Over $27 Million to Catalyze the Clean Energy Workforce as Part of Investing in America Agenda” (10/24/24)

AIやデータ・センターにより、米国の電気代が急上昇か

コンサルティング会社のバイン社(Bain & Company)が10月10日に発表した新たな分析によれば、米国内の一部のユーティリティ機関は、データ・センターや人工知能(AI)が中心となって引き起こされる電力需要の増加に対応するため、今後3年間に年間発電量を25%以上増加させる必要があるかもしれない。ほぼ20年にわたって成長が停滞した後、2022年後半の生成AIのブレイクスルーとその結果として生じたデータ・センター・ブームは、製造業の国内回帰や産業政策、自動車の電気化による電力需要の増大とあいまって、ユーティリティ機関に驚愕をもたらした。バイン社は、「2028年までに、米国のユーティリティ機関は、予想される需要に対応するため、年間発電量を2023年水準から7~26%増加させる必要があるかもしれない」と述べる。AI及びその電力需要に関する懸念は増大しつつある。データ・センターは、2030年までに米国の発電量の9%を消費する可能性があり、これは現在の消費量の2倍である。 Utility Dive “AI, data center load could drive ‘extraordinary’ rise in US electricity bills: Bain analyst” (10/23/24)

PCAST、連邦労働力におけるSTEM人材拡大に関する書簡を発表

大統領科学技術諮問委員会(President’s Council of Advisors on Science and Technology: PCAST)は10月23日、連邦政府内のSTEM労働力を強化するために重要な措置を勧告する大統領宛ての書簡を発表した。勧告は、連邦政府がイノベーションを促進し、サービスの提供を進展させ、より明るくよりセキュアな米国へ向けて準備するために必要なSTEMの専門性を有していることを確実にすることを狙いとしている。書簡は、①人事管理局(Office of Personnel Management: OPM)によるAI人材急増(AI talent surge)プロセスなど試験的なイニシアチブを採用、拡大し、連邦政府内での既存の採用の柔軟性を最大限に活用、②リクルート活動を現代化し、採用プロセスを加速、③複数機関で行われているパスウェイ・プログラム(Pathways Program)(事前に適格と認められた人材プール及び学生を対象とした採用経路を迅速化する)など、既存のプログラムの使用を拡大・最大限化、など6つの短期的及び長期的な措置を勧告している。 White House “PCAST Releases Letter on Expanding STEM Talent in the Federal Workforce” (10/23/24)

DIU、新規応答型宇宙配達事業の助成企業3社目を発表

商業ソリューションを活用して宇宙発着の応答的な貨物配達に取り組む国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit: DIU)は、「新規応答型宇宙配達(Novel Responsive Space Delivery: NRSD)」プロジェクトを開始した。本プロジェクトは、新規の再突入機及び手法を用いて、応答的で、軌道への(または軌道上の車両間の/地球への正確な)ポイント・トゥ・ポイントの配達を実現する商業ソリューションのプロトタイプ化に取り組む。DIUは5月に、NRSDプロジェクトの最初のアワード受益者として、スペースポート社(Spaceport Company)を選出し、8月には2件目のアワード受益者として、ストーク・スペース社(Stoke Space)を選出した。 そして今般、3件目のアワード受益者として、アストラ社(Astra)が選出された。同社は、宇宙への/宇宙からの/宇宙を通る、応答的で正確なポイント・トゥ・ポイントの貨物配達を実現するソリューションのプロトタイプ作成に取り組む。 Defense Innovation Unit “Defense Innovation Units Issues First Awards Under Its Novel Responsive Space Delivery Project” (10/23/24)

アルゴンヌ国立研究所、クリーンエネルギーへの平等なアクセスに向けたツール創出

クリーンエネルギー移行で取り残される人がいないようにする上で、社会的平等の観点に基づく計画イニシアチブは重要である。エネルギー省(Department of Energy)傘下のアルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)は先般、炭素フリー・エネルギーの国内最大生産者であるコンステレーション社(Constellation)と提携し、同社のコミュニティ・レベルのクリーンエネルギー・プロジェクトに平等性を取り入れるための計画を策定する。アルゴンヌ国立研究所は、エネルギー負担や雇用創出、大気質及び水や健康への影響といった要素に関するデータを収集し、コンステレーション社のクリーンエネルギー・プロジェクトがコミュニティに及ぼす影響を判断する一助となる枠組みを構築する。アルゴンヌ国立研究所の最終的なゴールは、枠組みをオンライン・ダッシュボードに転換してコンステレーション社がプロジェクトの平等性の評価や投資に関する意思決定のガイドとして利用できるようにすることである。 Argonne National Laboratory “Argonne partners with Constellation to create tool ensuring equal access to all clean energy initiatives” (10/23/24)

エネルギー省、メタンガス排出監視ネットワーク導入に融資保証

エネルギー省(Department of Energy)は10月23日、融資プログラム局(Loan Program Office: LPO)を通じて、ロングパス・テクノロジーズ社(LongPath Technologies, Inc.)に1億6,240万ドルの融資保証を提供することを発表した。融資保証はバイデン大統領のインフレ低減法(Inflation Reduction Act)の支援を受けて行われ、リアルタイムのメタンガス排出監視ネットワークの一環として、1,000件以上の遠隔監視タワーを建設及び設置する資金の一助となる。ネットワークは、米国の主要な石油・天然ガス生産地域の拠点を網羅し、これにはカリフォルニア、コロラド、ニューメキシコ、ノースダコタ、オクラホマ、ペンシルバニア、テキサス、ワイオミングの各州が含まれる。ロングパス社の「アクティブ排出オーバーウォッチ・システム(Active Emissions Overwatch System)」プロジェクトは、メタンガスの大規模な遠隔監視を配備して、数万か所の石油・天然ガス拠点に排出の検知、位置、定量化サービスを提供することを目指す。 Department of Energy “Biden-Harris Administration Announces $162 Million Loan Guarantee to LongPath Technologies to Support Deployment of Methane Emissions Monitoring Network” (10/23/24)

地球工学研究リスクに関する倫理的枠組み発表

地球温暖化対策の戦略として地球工学への関心が高まる中、地球科学者、宇宙科学者による世界最大の組織が10月22日、責任ある意思決定及び包含的な対話のガイドとなる倫理的枠組みを発表した。米国地球物理学連合(American Geophysical Union: AGU)が進行役を務め、世界の専門家委員会の助言を受けて作成された報告書「気候介入研究の倫理的枠組み原則(Ethical Framework Principles for Climate Intervention Research)」は、研究や資金及び政策提案のガイドとなり、世界的に認識される一連の倫理的原則の確立を目指すもの。気候介入措置は、「地球工学」または「気候工学」としても知られる。枠組みは、様々な学問分野から40名以上の国際的な専門家で構成される諮問委員会のガイダンスの下、2年をかけて策定された。報告書は、「全ての新しい研究計画や資金提供の判断、政策提案は、5つの主要原則を満たすものでなくてはならない」とする。5つの主要原則とは、①責任ある研究、②ホリスティックな気候正義、③包含的な公共の参加、④透明性、⑤情報に基づくガバナンス。 American Geophysical Union “Ethical framework aims to counter risks of geoengineering research” (10/22/24)

再生可能エネルギーの電力調達協定(PPA)価格は上昇が続く

電力調達協定(power purchase agreement: PPA)市場のデータを収集するレベルテン・エネルギー社(LevelTen Energy)によれば、北米におけるソーラー発電のPPAの価格は、2024年第3四半期に5.4%上昇し、前年同期比で10.4%上昇した。風力発電のPPAの価格は第3四半期は横ばいだったが、前年同期比では14.1%上昇した。エネルギー・ソフトウェア及びコンサルティング会社のアセンド・アナリティクス社(Ascend Analytics)の予測によれば、こうした上昇トレンドは今後も続く見通しで、PPAの価格は2030年代に入ってから緩和する可能性がある。クリーンエネルギーの需要増大と、サプライチェーンの課題、プロジェクトの遅延が組み合わさり、実行可能なPPAの不足を招いていると、アセンド・アナリティクス社は見ている。 Utility Dive “Renewable PPA prices continue to rise — and may do so through 2030, say LevelTen, Ascend analysts” (10/22/24)

国防総省と中小企業庁が、中小企業投資会社重要技術イニシアチブ向けの最初のライセンス発表

国防総省(Department of Defense)と中小企業庁(Small Business Administration)は10月22日、中小企業投資会社重要技術イニシアチブ(Small Business Investment Company Critical Technology Initiative: SBICCT Initiative)の下、中小企業投資会社(Small Business Investment Company: SBIC)としてライセンスを取得した投資ファンド及び承認された投資ファンドの第一陣(13件)を発表した。この最初のグループは、その他の投資資金と合わせて、合計で1,000以上のポートフォリオ企業に合計28億ドル以上を投資する計画である。SBICCTイニシアチブは国防総省と中小企業庁による共同の取り組みで、その主たる目的は、経済及び国家安全保障にとって重要な技術分野への民間投資を引き付け、拡大することである。SBICCTイニシアチブの下でライセンスを取得したファンドは、中小企業庁が保証する融資(最大1億7,500万ドル)へのアクセスを得る。SBICCTイニシアチブは2023年秋に正式に開始され、SBICへの申請書の受付を開始した。中小企業庁は2024年7月初旬にSBICCTの最初のライセンス取得者を発表し、10月22日現在、4件のファンドがライセンスを取得し、9件が(民間資本の調達を開始することに)承認を得た。 Department of Defense “Department of Defense and U.S. Small Business Administration Announce First Licensed and Green Light Approved Funds for the Small Business Investment Company Critical Technology Initiative” (10/22/24)

米国のソーラー及び風力発電の建設費用は微増、天然ガスの建設費用は減少(2022年)

エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)が最近発表したデータによれば、2022年における米国内の太陽光発電(PV)システム及び風力タービンの建設費用は前年の数値に近く、天然ガス火力発電機の建設費用は11%減少した。ソーラー発電機の建設費用は1.7%増加して1キロワット当たり1,588ドルとなった。その主な要因は、結晶シリコン・トラッキング・パネルの建設費が13%増加したことである。一方、風力タービンの建設費用は2022年に1.6%増加して1キロワット当たり1,451ドルとなった。高費用は、名目上の能力が100メガワット以上の風力ファームの建設費用の増加によるもの。これら3つの技術(ソーラー、風力、天然ガス)は2022年に米国の電力グリッドに追加された能力の86%を占める。2022年における新たな発電能力への投資は前年から27%減少して369億ドルとなった。 Energy Information Administration “U.S. construction costs rose slightly for solar and wind, dropped for natural gas in 2022″ (10/22/24)