国土安全保障省、AI駆動型脅威迅速検知ツール開発へ 

国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)科学技術局(Science & Technology Directorate)は7月22日、国家安全保障強化に向け、重要インフラのソフトウェア検証や生物学的脅威を早期検知・特定する人工知能(AI)駆動型ツールの開発に着手すると発表した。政府が推進する取り組み「ジェネシス・ミッション(Genesis Mission)」の一環で、重要システムで用いられるサードパーティ製のレガシー(旧式)ソフトウエアの安全性をAIで自律的に検証する技術を構築する。エージェント型AIを活用することで供給網(サプライチェーン)を保護していくほか、国家の資産を保護する狙いがある。また連邦機関と連携し、生物学的脅威の発生源を迅速に特定するAI基盤も配備する。国内の膨大な生物データや国立研究所の基盤を結集して脅威への対応時間を大幅に短縮することでバイオ技術の悪用を防ぐ。同省は、国家安全保障や経済競争力強化に向け、こうした一連の取り組みを通じて、高度化するリスクへの対応を徹底していく方針である。 Department of Homeland Security “News Release: DHS S&T Announces New Genesis Mission Challenges to Safeguard America’s Future” (07/22/26) https://www.dhs.gov/science-and-technology/news/2026/07/22/st-announces-new-genesis-mission-challenges-safeguard-americas-future

国防総省、AI科学研究に15億ドル超投入へ

国防総省(Department of Defense)は7月22日、人工知能(AI)を活用して科学研究を加速する政府取り組み「ジェネシス・ミッション(Genesis Mission)」に総額15億ドルを投入すると発表した。2026年度に2億ドル、2027年度に13億ドルを拠出する予定で、エネルギー省(Department of Energy)が構築した科学安全保障基盤に、同省の航空、流体力学、音響、センサーなど数十年間に亘る検証済みデータを提供する。技術革新の自動化と高速化が目的で、このデータ統合により防衛分野における革新的発見を実現させる。要はローレンス・リバモア国立研究所(Lawrence Livermore National Laboratory)と連携して開発する高性能計算環境「デジタル・バイオセキュリティ・フォージ(Digital Biosecurity Forge: DB-FORGE)」の構築で、2026年度の3,000万ドルを皮切りに2027年度には1億5,000万ドル規模へ投資を拡大する。このほか、バイオ製造やヒト健康、バイオセキュリティ政策向け研究開発支援も強化し、強固な防衛産業基盤を構築していく構えである。 Department of Defense “Department of War Partners With the Genesis Mission to Proliferate AI for Science” (07/22/26) https://www.war.gov/News/Releases/Release/Article/4551998/department-of-war-partners-with-the-genesis-mission-to-proliferate-ai-for-scien/

NSF、AI駆動型自律ラボ整備に5億8,000万ドル

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は7月22日、AIを活用した科学研究やインフラ整備に総額5億8,000万ドルを拠出すると発表した。政府の人工知能(AI)戦略「ジェネシス・ミッション(Genesis Mission)」に沿う取り組みで、非営利研究機関のアステラ研究所(Astera Institute)と提携し、4年間で4億ドルを投じAI駆動型の自律実験室「プログラムが可能なクラウド・ラボ(Programmable Cloud Lab)」の実証基盤20拠点を全国に整備する。また、次世代の科学データ・インフラ整備に8,000万ドル超、AI対応データセットの開発に最大1億ドルを拠出する計画に加え、研究者に対し、同ミッションの目的に沿った研究提案策定を促す通知を発出した。さらに、既存の「国家AI研究リソース(National AI Research Resource)」実証事業などの基盤強化に加え、エネルギー省(Department of Energy)など他機関とも連携を強化しつつ、最先端データやスパコンへのアクセスを拡大し、次世代のSTEM人材育成に役立てる考えも示している。 NSF “Statement from NSF Chief of Staff Brian Stone, performing the duties of the NSF director, on advancing the Administration’s AI priorities through the Genesis Mission” (07/22/26) https://www.nsf.gov/news/statement-nsf-chief-staff-brian-stone-performing-duties-nsf-1

エネルギー省、中小企業へ1,000万ドル拠出 先端分野の開発支援

エネルギー省(Department of Energy)の技術商業化局(Office of Technology Commercialization: OTC)は7月22日、中小企業の技術イノベーション支援に向け、1,000万ドルを拠出すると発表した。中小企業イノベーション研究(Small Business Innovation Research: SBIR)・中小企業技術移転(Small Business Technology Transfer: STTR)助成の第1弾で、約40の事業に資金を割り当てる。今回新たにOTC管理下となった同取り組みでは、主にバイオテクノロジーの推進、量子計算・ネットワーク向けAIの開発、機能予測を備えた材料設計、AI駆動型自律実験室の4分野に焦点を当て、最先端分野のイノベーションを支援する。展開にあたっては、同省と提携するコネクトワークス社(ConnectWerx)を仲介役とし、事業手続を迅速かつ簡素化したという。応募締め切りは9月10日であるが、追加募集を今秋に予定していることも明らかにした。 Department of Energy “DOE Announces $10M in SBIR/STTR Funding Opportunity Supporting the Genesis Mission” (07/22/26) https://www.energy.gov/technologycommercialization/articles/doe-announces-10m-sbirsttr-funding-opportunity-supporting

エネルギー省、AI活用の科学研究278事業を採択 エネルギーや安全保障に焦点

エネルギー省(Department of Energy)は7月22日、人工知能(AI)を活用した科学的発見を加速させる「ジェネシス・ミッション(Genesis Mission)」において、278のプロジェクトを採択したと発表した。全50州の大学や国立研究所、民間企業など342の機関が参加する取り組みで、研究チームには同省スパコンやAIツールを提供する専用プラットフォームを開放する。エネルギー、基礎科学、安全保障分野における研究プロセスを劇的に効率化するとし、なかでも3年間で6,000万ドルを投じる原子力エネルギー分野の事業が最大規模で、AIを活用した原子力施設の安全性向上と建設・運営コスト削減を両立させる。さらに、核融合エネルギーの商業化やインテリジェント半導体の設計、重要鉱物の採掘技術といった重要課題にも取り組むとし、政府は最先端技術と全米の研究能力を結集させることで、科学的生産性を倍増させるとともに、技術イノベーションにおける世界主導権を固める狙いである。 Department of Energy “Secretary of Energy Chris Wright Announces First Genesis Mission Projects Selected to Accelerate AI-Driven Scientific Discovery” (07/22/26) https://www.energy.gov/articles/secretary-energy-chris-wright-announces-first-genesis-mission-projects-selected-accelerate

OSTP長官、研究開発体制の刷新を提言

大統領府は7月12日、傘下の科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)のマイケル・クラツィオス長官(Michael Kratsios)による、研究開発(R&D)体制を刷新し、科学的発見加速を提言する報告書「科学:新たな黄金時代(Science: A New Golden Age)」を発表した。バネバー・ブッシュ氏(Vannevar Bush)による提言「科学:限りなきフロンティア(Science: The Endless Frontier)」以来、実に80年ぶりとなる科学技術体制の抜本的な再考を促す内容で、同長官は「20世紀発展を支えた制度を現代に合わせて再定義し、米国の科学者が革新的な成果を生み出せる環境を整える」と意義を強調した。また行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)との連名による優先事項勧告で、個々の研究者への支援強化や新たな研究機関の創設に加え、量子計算や次世代半導体など重要技術での主導権確保を掲げた。これに伴い、各連邦機関に対し90日以内の実行計画提出を義務付けるとともに、2028年度予算要求へ反映させるよう促している。 The White House “OSTP Director Releases Landmark Report and Recommendations for Renewing American Scientific Discovery” (07/21/26) https://www.whitehouse.gov/releases/2026/07/45470/

米国政府、「ジェネシス・ミッション」拡大に50億ドル拠出 

大統領府は7月12日、人工知能(AI)を活用して科学研究を加速させる国家戦略「ジェネシス・ミッション(Genesis Mission)」の拡大に向け、50億ドル超の追加拠出を行うと発表した。今回新たに採択された合計278のプロジェクトを通じて、医療費の軽減や産業力強化、さらに宇宙や物理分野における革新的な発見加速を支援する。この取り組みには、厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)やエネルギー省(Department of Energy)など15を超える連邦機関が参加しており、がんや慢性疾患、希少疾患の治療法に加え、次世代微小電子工学、量子システム、地質調査、生物科学、防衛分野に至るまで、様々な科学技術課題の解明に取り組んでいる。政府は、各機関が所有するデータベースやスパコンなどの研究インフラを集約し、政府を挙げてイノベーションを推進する方針で、民間企業や国際パートナーとの連携強化を継続しつつ、得られた研究開発の成果を国民生活に還元していく方針である。 The White House “Trump Administration Announces More Than $5 Billion for the Genesis Mission, a National Mission on AI for Science” (07/22/26) https://www.whitehouse.gov/releases/2026/07/45502/

2025年、エネルギー起源の国内排出量は2%増 電力需要急増による石炭使用で

エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)は7月21日、2025年のエネルギー起源二酸化炭素(CO2)の国内排出量が前年比2%増(約1億1,500万トン増)となったと発表した。猛暑による冷房需要の拡大やデータセンター、製造施設の電力需要増に伴い発電量が過去最高を記録したほか、石炭火力発電の割合が13%増加したことが影響し、電力部門の排出量が4%増加した。また、2024年に比べ厳冬となったことで、家庭・商業部門の暖房用エネルギー消費が増加したことにも起因した。一方で、産業・運輸部門の排出量増加は1%未満にとどまった。運輸部門は自動車の燃費向上や電気自動車(EV)普及が排出抑制に奏功したが、貨物輸送の活発化に伴うディーゼル燃料消費の増加と相殺される形となった。EIAは、太陽光が34%増の75テラワット時(TWh)、風力が3%増の12TWhなど再生可能エネルギーの発電拡大が、電力需要増に伴う排出量の更なる増加を抑制する役割を果たしたと分析している。 EIA “U.S. Energy-Related Carbon Dioxide Emissions, 2025” (07/21/26) https://www.eia.gov/environment/emissions/carbon/ 参照記事: Utility Dive “CO2 emissions from US power sector rose 4% last year” (07/21/26) https://www.utilitydive.com/news/carbon-dioxide-emissions-electric-power-eia/825805/

AIデータセンター急増で電力・水消費が大幅拡大 環境と地域保健へ影響

カンザス・ヘルス・インスティテュート(Kansas Health Institute: KHI)は7月、人工知能(AI)などの先端技術普及に伴うデータセンターの急速な拡大が、電力や水資源消費を押し上げ、地域環境や公衆衛生に複雑な影響を及ぼすとする報告書を発表した。2024年に国内データセンターが消費した電力は183テラワット時(TWh)と国内総電力使用量の4%超を占め、2030年には133%増の426TWhに達した。水消費量は2023年の170億ガロンから2028年には最大4倍に膨らみ、冷却用水や消費電力の増加により一部地域への影響が深刻化するという。また化石燃料がデータセンター向け電力供給の56%を占めるなど、ハイパースケール施設からの需要増が石炭火力発電所稼働延長につながり、クリーンエネ移行障害になっているとも指摘した。州政府がエネルギー報告や環境評価に注力する一方、地方自治体は区分け(ゾーニング)の厳格化や水使用制限などの規制を導入しており、KHIはコミュニティへの情報アクセスと合意形成プロセス構築の重要性を提言している。 Kansas Health Institute “The Environmental Footprint of Emerging Technology and Artificial Intelligence” (07/XX/26) https://www.khi.org/wp-content/uploads/2026/07/The-Environmental-Footprint-of-Emerging-Technology-and-Artificial-Intelligence.pdf 参照記事: Utility Dive “US data center electricity use could more than double by 2030: report” (07/21/26) https://www.utilitydive.com/news/us-data-centers-could-4x-water-use-by-2028-double-electricity-by-2030-khi/825774/

ペンシルベニア州、太陽光撤去計画策定を義務化

ソーラー・パワー・ワールド(Solar Power World)は7月21日、ペンシルベニア州のジョシュ・シャピロ知事(Josh Shapiro)が、発電出力2メガワット(MW)(AC出力ベース)以上の太陽光発電事業に対し撤去計画の策定を義務付ける法案に署名したと報じた。超党派の支持を受けて成立した上院法案第349号(SB 349)は、土地所有者と事業者間の賃貸契約において撤去計画を定めたもので、建設開始から30日以内の計画書提出、5年ごとの更新を義務付ける。また運転を停止した事業は18カ月以内に撤去・再整備を行う必要があるとも定め、計画が提出されない場合、事業者は第三者機関が算出した撤去費用相当額を土地所有者に支払わねばならないとした。さらに、同法は電力会社所有設備を除く発電設備や工事・搬入用通路の全面撤去、建設前の状態への土地復元を求めるほか、ウイグル強制労働防止法(Uyghur Forced Labor Prevention Act: UFLPA)遵守も義務化し、強制労働により製造された部品の使用を禁じる。業界団体は画期的な取り組みと歓迎の意を表明した。 Solar Power World “Pennsylvania passes law establishing solar decommissioning plans” (07/21/26) Pennsylvania passes law establishing solar decommissioning plans