製造業者による炭素排出管理への取り組みが拡大

米大手調査会社のアバディーン・グループ(Aberdeen Group)が発表した報告書によると、2010年、米国の製造業120社の内、約72%がエネルギー・炭素排出管理プログラムに投資したと回答した。エネルギー管理への投資の理由は、経費削減が真意であるものの、多くの企業は炭素排出規制に準ずるためと回答している。また、同報告書では、ここ数年の炭素排出量削減傾向は、経済不況の結果による一時的なものとの見方を示しており、今後、石炭火力発電からの二酸化炭素排出は、2010年には2.1%、2011年には1.1%増加すると予想している。一方、企業の炭素排出管理は、エネルギー管理プログラム導入よりも遅れているものの、約43%の企業が、炭素排出管理プログラムを現在計画していると回答している。 Environmental Leader “Manufacturers Increasing Carbon Management Investments” (09/27/10)

商務省、i6チャレンジの受賞者を発表

ゲーリー・ロック米商務省長官(Gary Locke)は、技術の商品化や起業アイディアを競うi6チャレンジ・コンテストの受賞者を発表した。 同コンテストは、商務省の経済開発局(Department of Commerce’s Economic Development Administration)主宰、国立衛生研究所(National Institute of Health)と国立科学財団(National Science Foundation)が共催したもので、採択された6件のプロジェクトに対して総額1,200万ドルが助成されることになる。医療・バイオサイエンス分野において、より迅速に技術を市場へ送り出すメカニズムがあることが審査基準となっており、今回、メディカル・イノベーション・グローバル・センター(Global Center for Medical Innovation)、フィラデルフィアのイノベーション・ワークス社(Innovation Works, Inc)、他4チームが受賞した。これらチームは受賞金を利用して、技術の開発と上市を加速させるイニシアティブやシステムを実施することになる。 NIH News “U.S. Commerce Secretary Gary Locke Announces Winners of i6 Challenge” (09/23/10)

PCAST、STEM教育に関する報告書を発表

大統領科学技術諮問委員会(President’s Council of Advisors on Science and Technology:PCAST)は、16日、高校における科学・技術・工学・数学(Science, Technology, Engineering and Mathematics:STEM)教育に関する報告書を発表し、大統領への具体的な提言をまとめた。PCASTは、この中で、高校生に対するSTEM教育においては、女子学生や移民などについてはSTEMには関係のないテーマで関心を引いたり、教室では競争や難問を与えたり、校外でのSTEMに関わる活動に参加させたり、将来のキャリアを検討させるなどといった詳細な提言を挙げている。PCASTによると、ここで提示された提言の多くは、既存のプログラムに対する予算内で実施することができるという。 Office of Science and Technology Policy ”PRESIDENTIAL ADVISORS HIGHLIGHT PLAN FOR IMPROVEMENTS IN K-12 SCIENCE, TECHNOLOGY, ENGINEERING, AND MATHEMATICS (STEM) EDUCATION” (09/16/10)

大統領府、米国輸出イニシアティブ報告書を発表

16日に発表された「米国輸出イニシアティブに関する大統領への報告書(Report to the President on National Export Initiative)」について、ゲーリー・ロック商務長官(Gary Locke)は、「米国消費者の支出はやや減少し、貯蓄がやや増えた。輸出企業を支援することで、米国の雇用を増やし、経済を活性化できる。この報告書はそれを実行するための青写真である。」とコメントした。同イニシアティブは、輸出促進に向けて、省庁間の連携を加速する目的で作られたもので、米国初の省庁間を越えた包括的な輸出促進戦略となっている。 The White House “White House Releases Report to the President on the National Export Initiative” (09/16/10)

NIH、大急ぎでES細胞研究グラントを支給

米連邦控訴裁が9日、政府によるヒト胚性幹(ES)細胞の研究費助成再開を一時的に認めたことを受けて、NIHは10日、助成が決まっていたES細胞研究事業にグラントを早急に支給する準備に追われた。この仮差し止め命令解除は9月20日まで有効で、その後控訴裁が、先月23日に米ワシントン連邦地裁のロイス・ランバース裁判長が下した連邦政府によるES細胞研究の助成差し止め命令が有効であるかどうかを決定する。一方で、NIH内部のES細胞研究は再開されていない。 ScienceInsider “NIH Rushes to Hand Out Stem Cell Grants During Temporary Stay” (09/10/10)

米国の起業環境、世界トップから脱落

中小企業庁(Small Business Administration)が発表した報告書「世界の起業環境と米国(Global Entrepreneurship and the United States)」では、米国の起業環境は、ハイテクバブルの崩壊や、大企業による事業縮小を受けて、世界トップから脱落したことが報告された。世界70カ国を対象に実施した同調査では、起業環境総合において、米国はデンマークとカナダに続く第3位となり、イノベーションや急成長分野、グローバリゼーションを意識した起業では1位となったものの、起業と潜在的なリスクについて社会が持つ意識では6位に転落し、ハイテク分野が商機を生みだすビジネス環境については8位となった。理由として、ハイテク・バブルの崩壊の他、教養が高く、優秀で技能を身に付けた外国人が、2001年の同時多発テロ以降入国が厳しくなった米国を避け、他国へ流れている傾向が指摘されている。更に、高齢化も起業を難しくしていると分析されており、報告書の著者は、「米国は雇用を数多く増やすだけではなく、生産性の高いベンチャー企業が必要だ」と警鐘を鳴らしている。 Inc. “SBA: U.S. Slipping in Entrepreneurship” (09/10/10)

中国における特許・商標申請数が急増

世界的な経済不況を受けて各国の企業が研究開発(R&D)予算を削減している中、中国は集中的にイノベーションへの投資を増やし、特許や商標を多数取得していると世界知的所有権機関(World Intellectual Property Organization:WIPO)が発表した。これによると、2008年と2009年にかけて米国の特許申請数は伸び悩み、また、欧州(特にドイツ、英国、フランス)と日本については、2009年は前年比でそれぞれ7.9%と10.8%減少している。一方、中国の特許申請数は2008年18.2%、2009年に8.5%上昇した。2009年の商標申請も米国、ドイツ、日本でそれぞれ11.7%、7.7%、7.2%減少している中、中国は20.8%増加したという。WIPO事務局長は、「中国は製品に付加価値を付ける戦略を実践し、国内産のイノベーションを基にした技術や製品をどんどん輸出しており、中国の特許申請は記録を更新する勢いだ」と述べている。 Reuters “While world slashed R&D in crisis, China innovated” (09/15/10)

米国民の合成生物学に対する意見は賛否両論に分かれる

ワシントンDCに拠点を置くシンクタンクのウッドロー・ウィルソン国際学術センター(Woodrow Wilson International Center for Scholars)は、合成生物学の潜在的な利益とリスクに関する世論調査実施をハートリサーチアソシエーツ社(Hart Research Associates)に委託したところ、合成生物学に対する国民の認知度が高まったことが分かった。特に、合成生物学を知っていると回答したのは2008年は10人に1人であったが、これが2010年9月の今回の世論調査では4人に1人となっている。また、合成生物学の利益とリスクについての質問に対しては、19%が利益がリスクよりも高い、33%が利益とリスクは同程度、16%がリスクが利益を上回る、32%が分からないと回答している。 Nature “Americans split on risks and benefits of synthetic biology” (09/09/10)

エネルギー省、中小企業の技術商用化支援に5,700万ドル交付

エネルギー省(Department of Energy)は、中小企業が行うクリーンエネルギー技術商用化事業33件に対し、総額5,700万ドルを交付することを発表した。5,700万ドルの内、1,100万ドルは景気対策法(American Recovery and Reinvestment Act of 2009)から拠出される。エネルギー省では、SBIR・STTR支援を利用して中小企業が開発を進めた技術の商用化を支援するため「中小企業フェーズIIIエクセレータープログラム(Small Business Phase III Xlerator program)」と呼ばれる支援プログラムを実施しており、今回はこのプログラムからの交付となる。商業化できることが既に証明されている革新技術を対象としており、新たな市場と雇用を創出するのがプログラムの狙いとなっている。今回採択された技術は、再生可能エネルギー、最新車両技術、産業及び建物の省エネ化、電力網最新化、クリーン化石燃料、次世代原子力発電などで、1事業当たりの支給額は50万ドルから300万ドルとなっている。 Department of Energy Press Release “Department of Energy Announces $57 Million for Small Businesses to Support Technology Commercialization” (09/15/10)

米再生可能エネルギー理事会、各州における再生可能エネルギーの利用・政策動向をまとめたレポート発表

9月14日、米再生可能エネルギー理事会(ACORE)は、各州の再生可能エネルギーの利用状況と政策に関する報告書「米国の再生可能エネルギー(Renewable Energy in America)」を発表した。同報告書には、各州の再生可能エネルギーの開発状況、資源、投資環境、市場、政策動向が盛り込まれており、例えば、ルイジアナ州ではバイオ燃料利用が盛んであること、また、カリフォルニア州では風力・地熱・太陽光発電の電力容量がそれぞれギガワットを超えることなど、統計と共に各州の再生可能エネルギーの利用状況や特徴がまとめられている。本報告書は四半期に一度更新される予定である。 EERE Network News “ACORE Releases a State-by-State Report on Renewable Energy” (09/15/10)