NISTのTIP、現在検討されているファンディング分野へのパブリックコメントと今後の支援に関する提案を募集

米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)が運用する「技術イノベーションプログラム(Technology Innovation Program:TIP)」では、NISTが作成した6件の白書草案に対するパブリックコメントを募集している。これらの白書草案は、水、製造、エネルギー、公共インフラ、医療という5つの国家的重要ニーズについて作成されたもので、今後、資金提供実施が検討されている分野である。さらにTIPはこれとは別に、TIPの共同アウトリーチ活動や今後の支援に関する提案白書も募集しており、こちらはあらゆる国家的ニーズが対象となっている。白書草案および提案白書の提出方法などはTIPウェブサイトからダウンロード可能である。 NIST “TIP Seeks Comments on Potential Funding Area and Solicits Suggestions for Future Competitions” (11/9/10)

米中がクリーンエネルギー研究イニシアチブを開始

エネルギー省(Department of Energy:DOE)のスティーブン・チュウ長官(Steven Chu)は11月17日、米国と中国の両国は共同クリーンエネルギー・イニシアチブを開始したと発表した。このイニシアチブは、炭素捕獲や電気自動車、エネルギー効率ビルを含むクリーンエネルギー技術の共同研究開発の実現を目指すものである。本イニシアチブに対して5年間で官民から1億5,000万ドルの投資資金が用意されており、「本件は、米中両国による最大級の共同研究の一つである」とチュウ長官は述べている。物理的なセンターなどは設置されないが、両国の科学者および工学者から構成されるチームによる共同研究が行われる計画となっている。 PHUSORG.COM “US, China launch clean energy research initiative” (11/17/10)

農務省、地方の農家や中小企業経営者支援のための再生可能エネルギー・エネルギー効率分野の融資・助成実施

農務省(Department of Agriculture:USDA)のトム・ビルサック長官(Tom Vilsack)は11月9日、地方の農家や農場経営者、中小企業経営者のエネルギーコスト削減と新たな再生可能エネルギー源開発への支援を目的として、再生可能エネルギーおよびエネルギー効率に関するプロジェクト516件に対し、総額3,000万ドル以上の融資・グラントを提供することを発表した。これはUSDAの「米国のための地方エネルギー・プログラム(Rural Energy for America Program: REAP)」を通じて提供されるもので、資金は再生可能エネルギーシステム、エネルギー効率向上措置、フィージビリティ研究、エネルギー監査、再生可能エネルギー開発支援に利用することができる。 USDA “USDA Announces Renewable Energy and Energy Efficiency Loans and Grants to Help Farmers and Rural Small Businesses Reduce Energy Costs” (11/9/10)

エネルギー省支援の公共EV充電プログラムがワシントンDCに拡大

11月16日、クーロン・テクノロジー社(Coulomb Technologies)のチャージポイント・アメリカ(ChargePoint America)プログラムにより、ワシントンDCに初の公共電気自動車用充電ステーションが設置された。チャージポイント・プログラムは、米国景気対策法(American Recovery and Reinvestment Act:ARRA)を通じ、エネルギー省(Department of Energy:DOE)から1,500万ドルの助成を受けて行われているもので、商業および一般消費者向けに240Vの充電ステーションの全国各地への設置を目指すものである。クーロン・テクノロジー社では今後2年間で全国9つのパイロット地域(テキサス州オースティン、ミシガン州デトロイト、ワシントンDCなど)に合計4,600ヶ所の充電ステーションを設置する計画である。一方、DOEは今後、これらの充電ステーションの利用状況に関するデータを収集する。 EERE “DOE-Backed Public EV Charging Program Expands to Washington, D.C.” (11/17/10)

中国、米国政府によるグリーン技術企業調査に抗議

中国国際商工会議所(China Chamber of International Commerce)は米通商代表部(U.S. Trade Representative:USTR)のロン・カーク代表(Ron Kirk)に書簡(11月12日付け)を送り、米国政府が中国政府による国内再生可能エネルギー企業への助成状況について調査を行うことは、根拠がなく、米中関係を損なうものであると抗議した。これは、ユナイテッド・スチール・ワーカース(United Steelworkers:USW)労働組合が9月9日に、中国政府による国内グリーン技術企業支援には助成金や外国企業および輸入品に対する差別が含まれているとして、オバマ政権に調査するよう要請し、USTRが申し立てに関する調査開始を決定したことを受けて送付されたものである。書簡は米国で多くのグリーン技術企業が金融危機の影響を受けて苦戦していることを認識した上で、「米国政府・議会・業界はこうした問題を世界的視点および中国を含む各国との協力の強化によって克服すべきである」としている。 THE WALL STREET JOURNAL “China Protests U.S. Green-Energy Probe” (11/17/10)

GE、スマートグリッド・コンテストでエネルギーベンチャーに投資

GE社およびベンチャーキャピタル企業4社が7月に、グリッドをより効率的かつ信頼性のあるものにするためのアイデアを持つ企業に合計2億ドルを投資すると発表していた件で、GE社のジェフリー・イメルト最高経営責任者(Jeffrey Immelt)は、12のエネルギー系ベンチャー企業に5,500万ドルを投資すると発表した。今回選出されたベンチャー企業の事業内容は、エネルギーフローのよりよい管理とグリッド上の問題点を見つけ出すセンサーの開発、データセンター用のエネルギーモニター設備の開発、消費者向けエネルギー効率提言の作成、ユーティリティ企業向けのエネルギー貯蔵システムのデザインなどとなっている。イメルトCEOはこの他、リスクのより高い技術アイデアを持つ企業(5社)に10万ドルのグラントを提供すること、また、グリッド関連技術の研究開発を促進することを目的として、1,000万ドルを投じ、大学チャレンジ(University Challenge)イニシアチブを来年より開始する計画を明らかにした。 CNET “GE funds energy start-ups in smart grid contest” (11/16/10)

IEA報告書、2009年に化石燃料は再生可能エネルギーの6倍の助成金を受益と指摘

国際エネルギー機関(International Energy Agency:IEA)が11月9日に発表した年次報告書「2010年版世界エネルギー見通し(World Energy Outlook – 2010)」によると、2009年における化石燃料業界への世界各国政府の助成金は3,120億ドルで、再生可能エネルギー業界への助成金(570億ドル)の約6倍となっている。2035年までの予測をまとめた同報告書は、石油が世界のエネルギー構成の主役となり続けるとする一方、再生可能エネルギーもシェアを伸ばしており、再生可能エネルギーが世界のエネルギー供給に占める割合は7%から14%へ増加すると分析している。報告書はまた、再生可能エネルギーの導入を加速させ、気候変動防止に必要な排出目標を達成するため、各国に対して化石燃料への助成金を減らすよう要請している。 E・BOOM Finance “$312 BILLION: GOVERNMENTS GAVE SIX TIMES MORE TO FOSSIL FUELS THAN RENEWABLE ENERGY IN 2009, IEA REPORT SAYS” (11/9/10)

2009年の民間R&D支出は減少

コンサル・調査会社のブーズ社(Booz & Company)は11月3日、2009年の研究開発費が最も高い公開企業1,000社を対象に行った調査報告書、「2010年グローバル・イノベーション1000:有力イノベーターはいかにして勝利し続けるのか(2010 Global Innovation 1000 study: How Top Innovators Keep Winning)」を発表した。これによれば、2009年における企業の研究開発投資総額は調査を開始した1997年以来初めて減少したという(前年比3.5%減の5,030億ドル)。しかし、収入総額が11%減と急落する一方で、収入に占める研究開発投資額の割合は2008年の3.46%から2009年は3.75%に上昇しており、不況の中でも企業がイノベーションを重視していることが示されている。報告書はその他のキーファインディングとして、①調査対象企業の半分以上が研究開発費を削減しており、そのほぼ全てが自動車、コンピューティングおよびエレクトロニクス、工業の3業種に集中している、②国・地域別では日本における企業の研究開発費が最も減少した(10.8%減)、といった点を挙げている。 booz&co. “Corporate R&D Spending Declined During 2009 Downturn, Finds Booz & Company Global Innovation Study” (11/3/10)

起業に関する各種調査の取りまとめ結果発表

起業に最も適した国はデンマーク、女性の起業率が最も高い国はペルー、起業に最も資金の必要な国はオランダなど、世界各国における起業環境に関する各種調査を分析した結果をまとめた記事がウォールストリートジャーナル紙上に掲載された。ある調査によると、発展途上国で起業しようとすると高コストと煩雑な手続きが必要になることが分かっており、例えば、ジンバブエでは起業するに当たって政府に支払う手数料が国民平均年収の約500%にもなっている(米国は0.7%)。しかし多くの発展途上国ではこうした状況は改善されてきており、中小企業庁(Small Business Administration:SBA)による調査でも、中国、ロシア、ブラジル、インドといった国で向上が大きく見られるという。一方、全人口におけるアーリーステージ企業社長数のデータをまとめた調査によれば、ほとんどの国で男性が優位を占める中、日本では女性の5.22%がアーリーステージ企業の社長であるのに対し、男性の割合は3.47%と、女性の方が高い結果が出ている。 The WALL STREET JOURNAL “The Best Country to Start a Business…” (11/15/10)

米国アカデミー、米中の再生可能エネルギーに関する報告書を発表

米国アカデミー(National Academies)は中国科学アカデミー(Chinese Academy of Sciences: CAS)、中国工学アカデミー(Chinese Academy of Engineering : CAE)との協力の上で、米国と中国の再生可能エネルギーを巡る環境と展望に関する報告書「再生可能エネルギー:中国と米国の機会と課題(The Power of Renewables: Opportunities and Challenges for China and the United States)」を出版した。報告書では、米中両国はエネルギー源の多様化や雇用造成、エネルギー安全保障など共通する目標を抱えており、エネルギー消費大国および経済大国である両国による再生可能エネルギーの活用が世界にもたらす影響は大きいとして、両国における再生可能エネルギーの開発および導入状況を調査し、導入のための共同研究の可能性や再生可能エネルギーに関する目標のより迅速な達成のための戦略提案についてまとめている。 The NATIONAL ACADEMIES PRESS “The Power of Renewables: Opportunities and Challenges for China and the United States” (11/10)