カリフォルニア州再生医療研究所(CIRM)の活動に前向きな評価を示した報告書が発表される

カリフォルニア州再生医療研究所(California Institute for Regenerative Medicine:CIRM)に対する包括的な外部評価が初めて行われ、その報告書がCIRMのウェブサイト上で先週発表された。この報告書では「これまでのところ、CIRMの進展は素晴らしい」と、非常に高い評価が行われており、また、今後CIRMが成熟した機関として成長していくための戦略的提言もまとめられている。関係者の多くが報告書の見解に賛同しているものの、一部の者はCIRMに批判的な見解を示している。例えば、マサチューセッツ州のアドバンスト・セル・テクノロジー社(Advanced Cell Technology:ACT)のウィリアム・カルドウェル最高経営責任者(William Caldwell, CEO)は、「CIRMは商業化の実現に向けた取り組みをもっと積極的に行うべきである」と発言している。 nature.com “Positive review for California stem cell agency” (11/29/10)

エネルギー長官、クリーンエネルギー分野における中国の成功は米国にとり新たな「スプートニク・ショック」と指摘

エネルギー省のスティーブン・チュウ長官(Steven Chu)は11月29日にナショナル・プレス・クラブ(National Press Club)で行った演説で、「クリーンエネルギー業界における中国やその他の国の成功は、米国にとり新たな『スプートニク・モーメント(Sputnik Moment)』であり、米国がグローバル競争で競合するためにも米国のイノベーションをこれらの国々同様に促進する必要がある」と述べた。そして長官は米国がイノベーションを発揮しなくてはならない具体的な分野として、高圧送電、高速鉄道、先端石炭技術など7つを挙げている。チュウ長官はまた、エネルギー省の資金を受けて行われている有望な研究活動の例として、革新的な電気自動車用電池、太陽光を燃料に変換する技術などを紹介した。 U.S. DEPARTMENT OF ENERGY “Secretary Chu: China’s Clean Energy Successes Represents a New ‘Sputnik Moment’ for America” (11/29/10)

ヘースティングス下院議員、エネルギー・商務委員会の分割を提案

下院の天然資源委員会(Natural Resources Committee)の有力共和党議員であるドク・ヘースティングス議員(Doc Hastings、ワシントン州選出)は、中間選挙で再選した全共和党議員宛に送付した書簡の中で、エネルギー・商務委員会(Energy and Commerce Committee)からエネルギー部門を切り離すことを提案した。現在、天然資源委員会は掘削や採鉱、国有地およびオフショアにおける代替エネルギー開発を監督し、エネルギー・商務委員会はエネルギー省やエネルギー政策の大部分を監督しているが、ヘースティングス議員は、「エネルギー関連の政策の管轄を一つの委員会(エネルギー・天然資源委員会)にまとめることで、共和党のエネルギー政策を推進することに役立つ」としている。なお、議会で多数党が代わる際にこうした管轄争いが起きることは一般的である。下院共和党では現在、4名の議員がエネルギー・商務委員会の委員長職を争っている。 THE WALL STREET JOURNAL “Rep. Hastings: Time to Split Up Energy and Commerce Committee” (11/18/10)

PCAST、オバマ政権にエネルギーR&Dへの支出増を要請

大統領科学技術諮問委員会(President’s Council of Advisors on Science and Technology:PCAST)は11月29日にオバマ大統領に提出した報告書の中で、米国政府は軍事政策と同様に4年ごとにエネルギー政策の見直しと改定を行うよう提案した。また、エネルギー関連の研究、開発、導入への年間支出(約50億ドル)は非常に少なく、GDP比で見ても日本、韓国、フランス、中国に遅れを取っているとして、これを3倍以上の年間160億ドルに増加するよう要請している。その費用はガソリンや電力に対する新たな手数料収入や税金によって捻出できるとしているが、オバマ大統領はガソリン税の引き上げには否定的な態度を取ってきている。 THE WALL STREET JOURNAL “Scientists, Tech Advisers Urge Obama to Spend More on Energy R&D” (11/29/10)

EPA、炭素隔離に関する新規則を策定

環境保護庁(Environmental Protection Agency:EPA)は、二酸化炭素隔離に関する最終規則を取りまとめたと発表した。同規則では、炭素捕獲・隔離(CCS)技術を導入している発電所や温室効果ガスを大量に排出する施設に対して、飲料水がCCS技術利用による汚染にさらされないことを確実にすることを義務付ける他、CCS技術によって隔離される二酸化炭素量の適切な報告を要請している。オバマ大統領は8月に作業部会を招集し、CCS技術の監督に関する勧告を行うよう求めていた。 UPI.com “EPA has new rules for carbon sequestration” (11/23/10)

NIH、主要研究データベースに初めて画像データを加える

国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)は、国立バイオ技術情報センター(National Center for Biotechnology Information:NCBI)のオンラインデータベース、「遺伝子型と表現型」(Genotypes and Phenotypes、通称「dbGaP」)にデジタル研究画像を初めて加え、遺伝子および臨床に関する研究データベースの拡大を行った。今回加えられたのは、国立眼病研究所(National Eye Institute:NEI)による「加齢に関係する眼病研究(Age-Related Eye Disease Study:AREDS)」の参加者から収集した水晶体と眼底の写真7万2,000点以上である。AREDSの概要やプロトコルは一般に公開されているが、新画像データを含め一部の情報にアクセスするにはNCBIへの申請が必要となる。 NIH News “NIH adds first images to major research database” (11/22/10)

GE、オハイオ州の航空ハブに新研究開発センターを設立

GEアビエーション(GE Aviation)は11月22日、新たな電力統合システム研究開発センター(Electrical Power Integrated Systems Research and Development Center:EPISCENTER)をオハイオ州デイトンにあるデイトン大学(University of Dayton)構内に設立する計画を発表した。センターは5,100万ドルをかけて建設され、11万5,000平方フィートの施設は2012年第3四半期に完成し、2012年末までに事業を開始する予定である。オハイオ州は、「オハイオイノベーション・機会ハブ(Ohio Hubs of Innovation and Opportunity)」と呼ばれるプログラムを行っており、デイトンはその一つ(航空ハブ)である。EPISCENTERは、エンド・ツー・エンドの電力スターター、発電・配電、民間・軍事航空技術に関する研究開発を実施する。 IndustryWeek.com “GE Opens New R&D Center in Ohio’s Aerospace Hub” (11/22/10)

NIH研究者、外部企業へのコンサルティング禁止措置は厳しすぎると指摘

5年前、国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の科学者が製薬会社に対するコンサルティングから多額の報酬を得ていたことが新聞報道で明らかになったことを発端として、NIHは内部研究者による外部企業へのコンサルティング活動の多くを禁止するという措置を取っているが、NIHの研究者や管理者を対象としたアンケート調査に基づき、この禁止措置の影響を考察した報告書がアカデミック・メディソン誌(Academic Medicine)の11月号で発表された。それによると、禁止措置は科学的研究活動には影響を及ぼしていないものの、NIH研究者の実に80%が禁止措置の内容は厳しすぎると考えており、回答者の50%以上がこの措置のために新たな人材を確保することが難しくなっていると回答している。NIHは現在、NIH資金を受けて研究を行う外部科学者への規則も厳しくすることを検討している。 ScienceInsider “NIH Scientists See Crackdown on Consulting as Too Restrictive’” (10/28/10)

下院科学技術委員会委員長就任が予測されるホール下院議員、気候変動や科学的完全性分野での監督厳格に前向き

来年、下院科学技術委員会(Science and Technology Committee)の委員長に就任が予想されているラルフ・ホール議員(Ralph Hall、テキサス州選出共和党)が、中間選挙の結果、及び、来年の計画に関する声明を発表した。声明では、「連邦政府の浪費を抑制し、経済を再び軌道に乗せるべく、共和党が下院を奪回したことは喜ばしい」「気候変動や科学的完全性、エネルギー研究開発、サイバーセキュリティ、科学教育など、鍵となる分野で政権の動きを厳しく監督しなくてはならない」「私の目標は、科学政策がイノベーション、ひいては米国経済を促進することである。研究開発への連邦投資は、自由市場の促進につながるものではなければならず、これを妨害すべきものではない」と述べている。 ScienceInsider “Hall Claims Science Panel, Vows ‘Strong Oversight’ on ‘Climate Change, Scientific Integrity’” (11/3/10)

設立から6年のカリフォルニア州再生医療研究所、更なる時間と資金を必要とする

2004年の州民投票で設立が決まったカリフォルニア州再生医療研究所(California Institute for Regenerative Medicine:CIRM)は、設立から6年が経つ現在も、様々な問題に直面している。これまでにCIRMの資金提供を受けて行われた研究より、数多くの科学論文が出版されているものの、難病の治療法確立に関しては際立った成果を挙げていない。さらに、CIRMの社長が州知事の2倍以上の給与を得ている点や、CIRMがこれまでに決定した助成金11億ドルのうち約10億ドルがCIRMの理事が所属する大学や組織に提供されている点も批判の対象となっている。また、CIRMのボブ・クライン会長(Bob Klein)は、CIRMの活動を維持していくために2014年の住民投票でさらに30億ドルの州債発行を求める計画を明らかにしている。 Los Angeles Times “State’s stem cell agency seeks more time, money” (11/22/10)