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オバマ政権の幹細胞研究政策、控訴裁判所で審理開始
今年8月にロイス・ランバース連邦判事(Royce Lamberth)が、国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)が胚性幹細胞研究に対して助成金を給付したことは、同研究助成を制限した1996年のディッキー・ウィッカー改正(Dickey-Wicker Amendment)に違反するとして、助成金を停止するよう差し止め命令を出した(その後、控訴裁判決が出るまで保留処分が決定)件で、控訴裁判所における審理が始まった。12月6日には原告・被告側双方の陳述が行われ、原告側の弁護士は、ヒト胚が損傷あるいは破壊される幹細胞研究への連邦助成は違法であり中止すべきであると主張した。一方で、司法省(Justice Department)の弁護士は、政府は胚の破壊に助成金を給付しているわけでなく、研究に使用されている幹細胞株は政府の外部で作られたものであることから、助成は合法であると反論した。 Bloomberg Businessweek “U.S. Stem-Cell Research Attacked in Appeals Court” (12/06/10)
オバマ大統領、「スプートニク」危機再来とし研究開発投資の必要性を訴え
オバマ大統領は12月6日、ノースカロライナ州の訓練センターで演説し、「1957年の旧ソ連・スプートニク衛星打ち上げ成功を受けて、米国はイノベーションや教育への投資を強化し、その結果、米国はソビエトを追い抜いただけでなく、米国に新技術、産業、雇用を作り出した。あれから50年経った今、新たな『スプートニク』危機が訪れており、今こそ科学的研究および教育に再び力を入れる時である」と訴えた。大統領はまた、「教育などの分野への投資を削減して赤字を削減することは、過積載の飛行機をエンジンを外して軽量化しようとするようなものである」とも述べている。さらに、中間選挙で共和党が躍進したことを受け、大統領は今後政治的行き詰まりに直面する可能性があるが、これらの分野への投資のために戦い続けると誓った。 YAHOO! NEWS “Obama cites ‘Sputnik’ moment, calls for investment” (12/06/10)
共和党上院議員、オバマ大統領に「気候変動救済」を停止するよう要請
ジョン・バラソ議員(John Barrasso、ワイオミング州選出)、ジェームズ・インフォーフェ(James Inhofe)議員ら4名の共和党上院議員は、ヒラリー・クリントン国務長官(Hillary Clinton)宛てに書簡を送り、開発途上国への気候変動対策支援資金の提供を止めるよう要請した。折りしもメキシコ・カンクンでは国連気候変動会議が行われ、気候変動対策支援が議題の一つとなっている。4名の共和党上院議員らは、中間選挙の結果は政府の赤字に対する米国民の懸念の表れであるとして、「新たに大規模な支出プログラムを実施し、米国民の子孫に債務を負わせることは不可能である」としている。バラソ議員は、「政権が米国民の声に耳を傾けることに真剣であるなら、他国への気候変動救済を中止すべきである」と述べている。 Bloomberg Businessweek “Republican Senators Call on Obama to End Climate ‘Bailouts’” (12/02/10)
下院共和党、地球温暖化を議論する特別委員会を廃止か
下院共和党は、エネルギー自立・地球温暖化特別委員会(Select Committee on Energy Independence and Global Warming)を廃止する計画である。同委員会は2007年に民主党のナンシー・ペローシ現下院議長(Nancy Pelosi, カリフォルニア州選出民主党)が、気候変動の調査とキャップ・アンド・トレードの導入可能性を検討することを目的として設立したものである。次期議会で下院議長に就任するジョン・ボーナー院内総務(John Boehner オハイオ州選出共和党)の広報官は特別委員会の廃止について、「議会における無駄と重複を削減することで血税を節約できる」と述べている。 The New York Times “House G.O.P. Eliminating Global Warming Committee” (12/01/10)
NAM、商務省、フェデックスが輸出促進で提携
全米製造業者協会(National Association of Manufacturers:NAM)と商務省(Department of Commerce)およびフェデックス社(FedEx)は、製造業者による新市場への輸出と新たな顧客獲得をより容易にすることを狙いとした戦略的パートナーシップ、「新市場輸出業者イニシアチブ(New Market Exporter Initiative:NMEI)」を発表した。NMEIでは、NAM加盟企業は商務省から輸出分野の専門知識を得るとともに、商務省が実施するプログラムにアクセスすることが出来る。また、フェデックスはロジスティックに関する専門的アドバイスとサービスを提供する。NMEIはまず、小規模の製造業者から始め、その後数千のNAM加盟企業に拡大する計画である。 NATIONAL ASSOCIATION OF MANUFACTURERS “NAM Partners with Commerce Department to Boost Exports” (12/06/10)
NIH、トランスレーショナル医療研究所の新設を検討
国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の組織合理化について助言を行う科学管理見直し委員会(Scientific Management Review Board:SMRB)の作業部会は、NIH内に、トランスレーショナル医療研究に特化した新センターを設立することを提案している。新センターには、小分子スクリーニングプログラムや臨床・トランスレーショナル科学アワード(Clinical and Translational Science Awards)など、NIHにおける既存のトランスレーショナル研究支援プログラムが含まれる可能性がある。この提案について、SMRB全体の意見をまとめる会議が12月7日に行われる予定である。 ScienceInsider “NIH Considering New Translational Medicine Institute” (12/2/10)
米国大学の卓越性維持に向けた検討会議開催
米国アカデミー(National Academies)の特別委員会は11月22日から24日まで、「米国の研究大学の卓越性を最も脅かすものは何か?」「グローバル経済の中で米国が繁栄していくために必要とされる米国大学の卓越性を維持するために、議会、連邦および州政府、大学にできることは何か?」といった問題をテーマに会議を開催した。学界や財界から様々な有識者が発言し、一部の者は「一部のアジア諸国が西側諸国並みの優れた研究大学を整備するのは間近である」と考えている一方、その他の者は「米国の研究大学は依然として非常に優れており、他国の大学水準を引き上げることに協力することは全ての国にとって利益となる」との考えを示した。また、あるパネリストは、米国は研究大学に関する具体的な目標を盛り込んだ国家教育政策を策定するべきであると考えているのに対し、別のパネリストはこうした国家政策に反対を示すなど、様々な意見が発表された。本件について報告書が発表されるのは来夏の予定である。 ScienceInsider “What U.S. Universities Need to Do to Stay on Top” (12/1/10)
幹細胞政策がブッシュ前政権時の政策に逆戻りする可能性浮上
胚性幹細胞研究への連邦助成を認める法案が年末までに成立しなければ、同研究に対する連邦政府支援を厳しく制限するブッシュ前政権時の政策に戻る可能性が指摘されている。しかし残りの会期日数が少ないことや、8月に連邦判事が、「オバマ政権による新たな胚性幹細胞研究への連邦助成承認は違法である」と裁定したこと(控訴裁判所が裁定するまでは現行政策の継続が暫定的に認められている)の影響、上院の共和党議員が「ブッシュ政権による減税措置の継続に向けた何らかの対策を優先し、議論を呼びそうな法案への対応を見合わせる」としていることなどから、胚性幹細胞への支援を謳った法案が年末までに成立する可能性が危ぶまれている。 THE HILL “Bush stem cell policy may return” (12/02/10)
ハワード・ヒューズ医学研究所(HHMI)、在米の外国人若手研究者を対象とした研究支援プログラム開始
民間非営利医療研究機関であるハワード・ヒューズ医学研究所(Howard Hughes Medical Institute:HHMI)は12月1日、米国で教育を受ける外国人若手研究者が、出身国への帰国後に実施する研究活動を支援する新プログラムを開始することを発表した。中国、エジプト、インド、イタリアなど、「良質な教育システムなどのインフラ」を持つとされる18カ国出身の留学生が対象で、出身国に帰ったあと5年間で65万ドルの資金を受益することができる。このプログラムでは最大35件のグラント実施が予定されている。米国で大学院または医学部、ポスドクの教育を受け、過去7年間に研究室を立ち上げていることが応募の条件となっている。 ScienceInsider “Howard Hughes to Launch Labs of New Investigators Abroad” (12/01/10)
SEC新規則、スーパー・エンジェルに悪影響か
米国証券取引委員会(U.S. Securities and Exchange Commission:SEC)が発表した新金融規制が、いわゆる「スーパー・エンジェル」に最も影響を及ぼす可能性が指摘されている。エンジェル投資家とはスタートアップ企業に資金を提供する裕福な個人投資家を指し、スーパー・エンジェルは、自身で投資する他に、他の投資家によるエンジェル投資も取りまとめる投資家を指す。このため、スーパー・エンジェルのファンドは一般的な個人エンジェル投資家とは異なるとSECでは考えられている。今回新たに提案された新SEC規則では、ベンチャーキャピタル・ファンドに初めて情報公開義務が課せられることになるが、これにより、ベンチャーファンドと同様とみなされるスーパー・エンジェル・ファンドも同様に情報公開を行わなければならないことになる。しかし、企業化されているベンチャーファンドとは異なり、小規模な個人レベルで投資・管理活動を実施しているスーパー・エンジェルにとって、このような事務作業追加は大きな負担になると予測されている。 VentureBeat “Good heavens! SEC could take aim at super angels” (11/30/10)