正味ゼロ排出を目指す上での大きな恩恵とリスク

1月25日に発表された2つの報告書は共に、今世紀半ばまでに世界経済を正味ゼロ排出へ移行させるには大型先行投資が必要となるものの、気候損害の軽減と産業イノベーションという形で大きな恩恵がもたらされることを示している。報告書の一つは、デロイト経済研究所(Deloitte Economics Institute)による報告書「気候変動に関する米国の転機(The United States’ turning point on climate change)」で、向こう50年間で米経済の脱炭素化を早急に進めることで、2070年までに3兆ドルの経済効果と約100万人の追加雇用をもたらすという。ただしエネルギー移行は費用先行型で損益分岐点に達するのは2041-2050年期になるという。二つ目の報告書は、マッキンゼー・グローバル研究所(McKinsey Global Institute)による報告書「正味ゼロ移行:予想される費用と効果(The net-zero transition: What it would cost, what it could bring)」で、世界的な見解から報告している。それによれば、2050年までに正味ゼロに達するには、2,750兆ドルの世界的な累積資本支出が必要で、デロイト社の報告書と同様、費用先行型になるとしている。また、世界の正味雇用は増加するものの、その配分は不均衡となると予測している。

Axios “The huge benefits, and risks, of going for net zero emissions” (1/25/22)