エネルギー省、非リチウム系長期エネルギー貯蔵パイロット公募を予定

エネルギー省(Department of Energy)のクリーンエネルギー実証局(Office of Clean Energy Demonstrations: OCED)は7月2日、非リチウム系技術で長時間(10時間以上の放電)システムで、定置型貯蔵用途に焦点を当てたパイロット規模のエネルギー貯蔵実証活動に最高1億ドルを提供する意向通知(Notice of Intent: NOI)を発表した。超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law)から資金が拠出され、商業的な実行可能性とユーティリティ規模の導入へ向け、多様な非リチウム系長期エネルギー貯蔵(long-duration energy storage: LDES)技術の進展を支援する。OCEDはこの資金提供を通じて、3~15件のプロジェクトに各5~2,000万ドルを提供する予定で、非連邦による50%以上の費用分担が義務付けられる。エネルギー省は、今夏後半もしくは初秋に公募を発表する見込みである。 Department of Energy “OCED Issues Notice of Intent for up to $100 Million for Non-Lithium Long-Duration Energy Storage Pilot Projects” (7/2/24)

CSET、AIガバナンスのための原則について報告

セキュリティ・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology: CSET)は今般、「AIガバナンスの実現原則(Enabling Principles for AI Governance)」と題する報告書を発表した。人工知能(AI)をどのように統治するかという点は、立法者や政策策定者の間で正当な関心の対象であり、かつ懸念となっている。強力な大規模言語モデルの開発における進展は、AIが社会に及ぼし得る潜在的に変革的な影響を示しており、それは機会とリスクに満ちている。CSETは、AIを効果的に統治するため、規制当局は、①インシデントを追跡し、データを収集することで、AIのリスクと有害性の領域について把握すること、②独自のAIリテラシーを開発し、恩恵とリスクについてより良い国民の理解を構築すること、③AIの進化にあわせて更新できる政策を開発することで、適応性と機敏性を維持すること、の3点が必要であると主張している。 Center for Security and Emerging Technology “Enabling Principles for AI Governance” (July 2024)

エネルギー省の融資プログラム局、ENTEKリチウム・セパレーター社に条件付き誓約を発表

エネルギー省(Department of Energy)の融資プログラム局(Loan Programs Office: LPO)は7月9日、ENTEKリチウム・セパレーター社(ENTEK Lithium Separators LLC: ENTEK)に最高12億ドルの条件付き誓約を発表した。最終的に実施されれば、この融資を通じて、同社がインディアナ州テレ・ホートに建設するリチウムイオン電池セパレーターの新工場の資金に大幅な支援が提供される。セパレーターは、主として電気自動車(EV)に使用される。これによって、米国のリチウムイオン電池セルのサプライチェーンを強化し、先端技術車両に使用される電池の開発を実現する。LPOは、借り手が、コミュニティや環境、労働関係機関と意義のある形で関与して良好賃金雇用の創出や、住民と労働者の福利向上、環境への影響の最小限化と経験に取り組むことを確実にする「コミュニティ恩恵計画(Community Benefits Plan)」の開発及び実践に、借り手と共に取り組む。 Department of Energy “LPO Announces Conditional Commitment to ENTEK Lithium Separators to Build Indiana EV Battery Separator Manufacturing Plant” (7/9/24)

エネルギー省のジェファーソン研究所の新所長が任命される

ジェファーソン・サイエンス・アソシエイツ社(Jefferson Science Associates, LLC)は7月8日、エネルギー省(Department of Energy)傘下のトーマス・ジェファーソン国立加速器施研究所(Thomas Jefferson National Accelerator Facility)の新所長に、キム・ソイヤー氏(Kim Sawyer)が就任すると発表した。就任日は8月2日。ソイヤー氏は、40年の歴史を持つ同研究所で5人目の所長に就任し、物質の性質を探求する世界有数の研究所を支えるあらゆる活動を先導する。ソイヤー氏は、エネルギー省の複合的組織において、組織的な効果と効率性を促進し、イノベーションを主唱し、力強い安全文化を構築してきた。ソイヤー氏は過去10年間に、アルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)及びサンディア国立研究所(Sandia National Laboratories)の双方で、副所長及び最高運営担当官を務めた。エネルギー省入省前は、ロッキード・マーティン社(Lockheed Martin)で勤務していた。ソイヤー氏は、最近、退任を発表したトーマス・ジェファーソン国立加速器研究所のスチュワート・ヘンダーソン所長の後任となる。 Thomas Jefferson National Accelerator Facility “NEW DIRECTOR APPOINTED TO LEAD U.S. DEPARTMENT OF ENERGY’S JEFFERSON LAB” (7/8/24)

OSTP、オープン・アクセス政策の経済分析を更新

大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)は先般、「更新版 議会への報告:連邦資金を受けた研究のオープン・アクセス出版に関する資金メカニズムについて(Updated Report to the U.S. Congress on Financing Mechanisms for Open Access Publishing of Federally Funded Research)」を発表した。本件は、連邦資金を受けた全ての研究のペイウォール(有料コンテンツの壁)を排除することの意味合いについて回答する新たな試みで、議会がOSTPに対して、予定されているオープン・アクセスの義務付けを支援するために利用可能な潜在的資金メカニズムについて作成するよう求めた報告書の3版目となる。最新の報告書は、OSTPが「論文掲載料(article processing fee: APCs)」などのオープン・アクセスに関する費用を計算する上で直面する課題について繰り返している。報告書は、「APCの真の支出記録は、それらの料金を支払う著者と、それを請求する出版社によって保管されており、それらの記録は出版社によって公に報告されることも、また研究者やその所属機関によって系統的に報告されることもない」と述べている。OSTPは、「前回の2023年11月の報告書以来、オープン・アクセス手数料のより良い計算を行うためのデータのニーズは満たされていない」としつつ、2022年に連邦資金を受けた研究に発生したAPCを試算し、「それは、3億1,800万~3億9,900万ドルの範囲であった」とした。 AIP “OSTP Updates Financial Analysis of Public Access Policy” (7/3/24)

FBI、「再生可能エネルギーやマイクログリッドは、増大的なサイバー脅威に直面している」と警告

連邦捜査局(Federal Bureau of Investigation: FBI)は7月1日、民間業界に対して、「米国の再生可能エネルギー能力の拡大は、発電に混乱をもたらし、知的財産を窃盗し、重要情報を基に身代金を要求したいと考えるハッカーの攻撃対象となるリスクを高める」と警告した。FBIによれば、住宅のソーラー・システムに対する攻撃は数少ないが、大きな影響をもたらしたいと考えるハッカーがマイクログリッドや大規模なソーラー・ファームのインバーターを標的とする可能性はある。研究者は、電流の異常な活動を検知できる受動的センサーを通じてこうした潜在的リスクに対抗しようとしているが、既存のインフラに新たな防衛措置を講じる際の問題点は、再生可能資源が適切に防御されるまでの「時間の溝」をハッカーに与えてしまうことである。FBIが勧告している対策の多くは、一般的なベスト・プラクティスである。FBIは、①再生可能業界の関係者は、ネットワーク活動に異常もしくは疑わしい流れがないか日常的に監視すべきである、②企業のネットワークは、セキュリティの脆弱性を是正するためにアップデートを行い、ファイヤーウォールやアンチウィルス・ソフトを使用すべきである、といった点を勧告している。 Utility Dive “Renewable energy, microgrids face growing cyber threats: FBI” (7/3/24)

アメリカン航空とゼロアビア社が水素のパートナーシップを強化

アメリカン航空(American Airline)は水素燃料電池航空のスタートアップ、ゼロアビア社(ZeroAvia)との間で、ゼロ排出で飛行する地域路線航空機の動力源となる水素燃料電池エンジン100基について、条件付き購入合意を交わした。アメリカン航空は、ゼロアビア社のエンジンを、地域路線航空機の動力源として画期的なものとなる可能性があると見ている。アメリカン航空は2022年以来、ゼロアビア社に投資しており、今回が初めてのエンジン発注となる。ゼロアビア社は、商業航空機向けの水素燃料電池エンジンの開発に取り組んでおり、同社は「水蒸気を除き、飛行中の排出をほぼゼロにまで削減できる」と発表した。 Axios “Exclusive: American Airlines, ZeroAvia step up hydrogen partnership” (7/2/24)

ARPA-H、新規の健康な建造指数の開発を目的とした調査テーマを立ち上げ

医療高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency for Health:ARPA-H)は7月5日、「建造環境における微生物叢のリアルタイム最適化予測(Predictions for Real-time Optimization of MICRObiomes of Built Environments: PRO-MICROBE)」を目的とした調査トピック(Exploration Topic)を発表した。住宅や病院、学校、オフィスなどの建造物における微生物の健康をモニタ―及び予測する室内環境品質指数の研究に資金を提供する。平均的な米国民は時間の90%を室内で費やしており、室内環境は個人やコミュニティの総合的な健康にとって重要である。歴史的に室内環境の質に関する研究は、物理的及び化学的データが主であり、バクテリアやウィルス、カビなどの微生物叢に関する室内環境研究は人体にもたらす悪影響に大きな焦点が当てられていた。PRO-MICROBEは、建造環境における微生物叢(microbiome of the built environment: MoBE)の健康推進機能を活用するための根本的知識や技術を模索するもので、革新的な微生物サンプリング・ツールと先端分析手法を統合して、室内微生物が人間の健康に及ぼす影響を得点付けするMoBE健康指数の開発を目指す。こうした取り組みはいずれ、有害な病原菌にし、有益な微生物を支える次世代建造物につながると期待されている。 Advanced Research Projects Agency for Health “ARPA-H launches Exploration Topic to develop a novel healthy building index” (7/5/24)

大統領府、「2023年以降の活気あるクリーンエネルギー経済の構築:6カ月後の最新報告」を発表

「米国への投資」閣僚(Investing in America Cabinet)で首席エコノミスト(Chief Economist)のヘザー・ボウシェイ氏(Heather Boushey)は、2023年12月に発表された「2023年以降の活気あるクリーンエネルギー経済の構築(Building a Thriving Clean Energy Economy in 2023 and Beyond)」報告の更新版を発表した。更新版は、クリーンエネルギー技術の導入へ向けたこれまでの6カ月間の進捗を報告し、継続的な達成について記述している。具体的には、①クリーンエネルギー製造施設建設への投資は予想以上の成果を上げている、②「米国への投資」議題はクリーン・エネルギー導入を促進している、③クリーンエネルギーの導入は米国民により良い経済をもたらしている、といった点を指摘している。そして結論として、「バイデン政権の野心的な気候目標を達成するには、米国はかつてない規模でクリーンエネルギーを導入する必要があり、そのためにはクリーン発電ならびに関連技術への世代的な投資が必要である。バイデン大統領の『米国への投資』(Investing in America)議題は、こうしたニーズに応えるもので、そのイニシアチブは民間部門の投資を促すよう丁寧に設計されている」と述べている。 White House “Building a Thriving Clean Energy Economy in 2023 and Beyond: A Six-Month Update” (7/1/24)

エネルギー省、新たな水力発電試験ネットワークに参加する試験施設を募集

エネルギー省(Department of Energy)の水力発電技術局(Water Power Technologies Office: WPTO)は6月26日、水力発電試験ネットワーク(Hydropower Testing Network: HyTN)の最初のフェーズを開始した。HyTNは、水力発電技術の開発事業者を、試験能力を有する提供事業者とつなぐことを狙いとし、WPTOはHyTNに参加し、開発事業者と共に技術を試験し、商業化へと進めることに関心のある試験施設を模索している。水力発電は米国の再生可能発電の28.7%を占め、米国の発電全体の約6.2%を占めるが、それらの資源をクリーンエネルギー移行で最も影響力のある形にするには、米国の水力発電施設を改良し、新技術が開発される必要がある。そのためには広範な試験能力へのアクセスが必要となる。HyTNは3つのフェーズで実施され、フェーズ1は試験施設(バウチャーの提供側)の選出、フェーズ2は技術開発事業者(バウチャーの受け取り側)との組み合わせ、フェーズ3はプロジェクトの実施、となっている。 Department of Energy “Water Power Technologies Office Seeks Test Facilities to Join New Hydropower Testing Network” (6/26/24)