QED-C、セキュアな金融メッセージングで量子技術が担う役割を強調

量子経済開発コンソーシアム(Quantum Economic Development Consortium: QED-C)は今般、「セキュアな金融メッセージングのための量子技術(Quantum Technology for Securing Financial Messaging)」と題する報告書を発表した。金融部門における量子コンピューティング/ネットワーキング/通信の影響の可能性について調査したものである。報告書は、量子耐性技術について評価し、金融部門におけるセキュリティを達成するための戦略についてガイダンスを提供している。報告書には、「連邦当局は、金融機関との情報や資源の共有と、金融機関が新たなアルゴリズムを導入するための助けとなるグラントを提供することで、ポスト量子暗号アルゴリズムへの移行を支援すべきである」など3点の勧告が提示されている。 HPC Wire “QED-C Releases New Report Highlighting Quantum Tech’s Role in Securing Financial Messaging” (7/30/24)

米空軍、ドローンの僚機となるAI頭脳の契約を発注

米空軍(US Air Force)の高官が7月29日に発表したところによれば、空軍は最近、将来のドローンの僚機を制御するオートノミー・ソフトウェアの開発で5つの企業に契約を発注した。ただし、技術の機密性により、詳細は明らかにされていない。ライフサイクル産業デー(Lifecycle Industry Days)会議の円卓会議で記者発表した空軍高官は、「協調的な戦闘機(Collaborative Combat Aircraft: CCA)による初のオートノミー契約受注者は機密扱いであるが、伝統的な防衛企業と非伝統的な防衛企業で構成されている」と述べた。空軍高官はまた、オートノミー契約に伴う具体的なマイルストーンのスケジュールや契約金額についても発言を避けた。CCAの最初の航空機契約(「インクレメント1(increment 1)」として知られる)は今年初めにゼネラル・アトミクス社(General Atomics)とアンドゥリル社(Anduril)へ発注され、両社は現在プロトタイプを開発中である。 Breaking Defense “US Air Force awards contracts for drone wingman’s AI brains, but keeps details secret” (7/29/24)

200名以上のベンチャー・キャピタリストがカマラ・ハリス氏を支持

200名以上のベンチャー・キャピタル投資家や創立者、技術リーダーで構成されるグループが、7月31日、2024年の大統領選挙で現副大統領のカマラ・ハリス候補(Kamala Harris)を支持することを誓約した。「VCs For Kamala(カマラ氏を支持ずるベンチャー・キャピタリスト)」という名称の下に結集したシリコン・バレーの投資家は広く民主党寄りで、数十億ドルの資産を持ち、共和党のトランプ元大統領候補を支持する億万長者グループに対抗すべく立ち上がっているようである。VCs For Kamalaのグループには、億万長者のアントレプレナー、マーク・キューバン氏(Mark Cuban)や、リンクドイン(LinkedIn)の創立者リード・ホフマン氏(Reid Hoffman)などが含まれる。VCs For Kamalaのウェブサイトは、「我々はビジネス支持者であり、アメリカン・ドリームの支持者であり、アントレプレナーシップの支持者であり、技術的進展の支持者である」としている。イーロン・マスク氏(Elon Musk)やマーク・アンドレッセン氏(Marc Andreessen)など、業界内で新たにトランプ氏への支持を表明した人々は、技術業界の裕福なリーダーや投資家の中では依然として少数派である。 Axios “More than 200 venture capitalists pledge support to Kamala Harris” (7/31/24)

GAO、非伝統的な抽出源からの重要鉱物回収について報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は7月31日、「重要鉱物:非伝統的な抽出源からの回収に関する現状と課題と政策選択肢(Critical Minerals: Status, Challenges, and Policy Options for Recovery from Nontraditional Sources)」と題する報告書を発表した。リチウムやコバルトなどの重要鉱物の米国国内供給を強化する一つの方法は、非伝統的な抽出源から回収することで、たとえば、企業は、古い鉱山にある廃岩層から鉱物を抽出できる。しかし、こうした抽出源を利用することは、費用高や、本来の鉱山事業者による環境への被害について責任を問われる懸念など、いくつかの課題がある。GAOは、本報告書の中で、経済的インセンティブや損害賠償責任の保護など、課題への対処を検討する政策策定者向けに選択肢をいくつか提示している。 Government Accountability Office “Critical Minerals: Status, Challenges, and Policy Options for Recovery from Nontraditional Sources” (7/31/24)

ARPA-H、自宅でできる複数の癌検診検査を開発

バイデン大統領の「団結議題(Unity Agenda)」及びバイデン癌ムーンショット(Biden Cancer Moonshot)の一環として、医療高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency for Health:ARPA-H)は8月1日、「癌の早期介入と検出のための合成バイオ最適化プラットフォーム(Platform Optimizing SynBio for Early Intervention and Detection in Oncology: POSEIDON(ポセイドン))」プログラムの開始を発表した。ポセイドンは、呼吸や尿のサンプルのみを使って、30種以上の固形腫瘍について、最も感度が高く特異的なステージ1の検出を目的とし、自宅でできる複数の癌の早期検知(Multi-Cancer-Early Detection: MCED)検査の開発に取り組むことを意図している。ポセイドンは、今後発表される革新的ソリューション公募(Innovative Solutions Opening: ISO)を通じて、2つの技術分野で複数の癌の早期検出に取り組む。 Advanced Research Projects Agency for Health “ARPA-H launches program to develop at-home multi-cancer screening test” (8/1/24)

商務省、技術ハブのサミットを開催

商務省(Department of Commerce)傘下の経済開発局(Economic Development Administration: EDA)が2023年10月に、重要技術で世界的に競争的になる能力と可能性を秘めた場所として、31の技術ハブ(Tech Hubs)を立ち上げてから初めて、これらのハブのリーダーが2024年7月22-23日にワシントンDCに集結し、「革新的資本サミット(Innovative Capital Summit)」が開催された。サミットは商務省、EDA、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)、特別競争力研究プロジェクト(Special Competitive Studies Project: SCSP)、ミルケン研究所(Milken Institute)が行ったもので、31の技術ハブとNSFのエンジン(Engines)プログラムの受益者を、彼らの戦略やプロジェクトを支援する可能性がある資本と結びつけた。また、ジーナ・レモンド商務長官(Gina Raimondo)は7月2日、ネバダ技術ハブを視察して「偉大な米国技術ハブ・ツアー(Great American Tech Hubs Tour)」を開始すると共に、12の技術ハブがプロジェクトを実施するため、5億400万ドルを受益したと発表した。この他にも、商務省の高官が全米各地にある技術ハブを視察した。EDAは今年中に全ての技術ハブを視察し、それぞれにおけるプロジェクトについて学び、戦略の構築や潜在的な追加資源の特定を支援し、技術ハブの可能性や成功を祝う計画である。 Economic Development Administration “The Summer of Tech Hubs: Innovative Capital Summit and Great American Tech Hubs Road Show” (8/2/24)

NSF、2年制の機関における専門的なAI教育の強化に280万ドルを投資

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、マイアミ・デード・カレッジ(Miami Dade College)に「国家応用人工知能コンソーシアム(National Applied Artificial Intelligence Consortium: NAAIC)」を設立することを目的として、280万ドルのグラントを提供すると発表した。NSFの「先端技術教育プログラム(Advanced Technological Education program)」を通じて行われる投資で、米国内の2年制機関における倫理的で責任ある人工知能(AI)教育を強化及び拡大し、AI主導の世界を生き抜くための技術的知識とスキルを学生に提供することを狙いとしている。NAAICは全国で実践コミュニティを育成することで、教育者や業界の専門家が2年制の機関で責任ある技術者レベルのAIコースや認証プログラムを開発及び実践できるようにする。これによって学生は急速に進化するAI部門で有意義な雇用に備えることができる。コンソーシアムはまた、多様で高度なスキルを持つAI労働力を構築する上で必要な資源へのアクセスと知識とスキルを全国の教育者に提供し、こうした人々に力添えすることを目指す。 National Science Foundation “NSF invests $2.8M to strengthen technical AI education at two-year institutions” (8/2/24)

米国とガーナ、アフリカで最初の原子力エネルギー訓練ハブを開始

米国とガーナは、アフリカで初となる地域的な「クリーン・エネルギー訓練センター(Clean Energy Training Center)」を開始した。アフリカ大陸全体で民生の原子力エネルギー・プログラムの開発を支援するのが目的で、センターは、ガーナや、同じような志を持ち、経済開発やエネルギー安全保障、脱炭素化目標の一環として原子力エネルギーを検討するアフリカ諸国のための地域訓練ハブとして機能する。ガーナと米国は、2050年までに世界の原子力エネルギー能力を3倍にするという広範な誓約を行った諸国の一員であり、その目標へ向けて、米エネルギー省(Department of Energy)とガーナ原子力エネルギー委員会(Ghana Atomic Energy Commission)の原子力研究所(Nuclear Power Institute)は、ガーナのアクラで地域初となるクリーン・エネルギー訓練センターを正式に開始した。エネルギー省は今年初めに、世界初のクリーン・エネルギー訓練センターをポーランドに設立し、同国の民生原子力エネルギー・プログラムの立ち上げを支援した。エネルギー省は、アフリカやアジア、中央及び東部欧州で新規や新興の原子力エネルギー・プログラムを支援するため、同様のハブを設立する助けとして2025年度予算に更に800万ドルを要請している。 Department of Energy “United States and Ghana Launch Africa’s First Nuclear Energy Training Hub” (8/1/24)

NTIA、AIイノベーションを推進するオープンモデルを支持

商務省(Department of Commerce)傘下の米国電気通信情報局(National Telecommunications and Information Administration: NTIA)は7月30日、人工知能(AI)におけるオープンさを享受しつつ、パワフルなAIモデルにおけるリスクについて積極的な監視を行うよう呼びかける政策勧告を発表した。NTIAの「広く利用可能なモデル・ウェイトを持つデュアルユースの基盤モデルに関する報告(Report on Dual-Use Foundation Models with Widely Available Model Weights)」は、潜在的なリスクを監視する新たな能力を米政府が開発することを勧告しつつ、最大規模のAIシステムにおいて広く利用可能なオープンモデルのウェイトを即座に制限することは控えるよう提案している。「オープン・ウェイト」モデルの場合、デベロッパーは既存の取り組みを基盤とし、適応することが可能になり、AIツールの利便性が中小企業や研究者、非営利組織、個人などに拡大される。バイデン大統領の「安全でセキュアで信頼できる人工知能の開発と使用に関する大統領令(Executive Order on Safe, Secure, and Trustworthy Development and Use of Artificial Intelligence)」は、NTIAに対して、広く利用可能なウェイトを持つ大規模AIモデルのリスクと恩恵について調査し、その恩恵を最大限にしつつ、リスクを軽減する政策勧告を策定するよう指示していた。 National Telecommunications and Information Administration “NTIA Supports Open Models to Promote AI Innovation” (7/30/24)

DARPA、メモリ安全性の脆弱性を一度に排除する取り組み

メモリ安全性の脆弱性は、開示されたソフトウェアの脆弱性の中で最も一般的なものであり、主として2つの形で影響する。1つ目は、C言語のようなプログラミング言語は、プログラマーがメモリを直接操作することができ、プログラムに誤ってエラーを生じさせることが容易であるという点。もう1つは、プログラミング言語が「定義されていない動作(undefined behavior)」を示した場合に、メモリ安全性問題が生じる可能性がある。C及びC++言語におけるメモリ安全性問題と20年以上にわたって格闘してきた後、ソフトウェア・エンジニアのコミュニティでは、「バグを見つけるツールに依存するだけでは不十分である」との総意に達している。こうした中、プログラミング言語の「ラスト(Rust)」への近年の文化的シフトと、機械学習技法における最近のブレイクスルーは、新たな種類のソリューションにつながる可能性がある環境を生み出している。国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)の「全てのCをラストに訳す(Translating All C to Rust: TRACTOR)」プログラムは、こうした機会を活用し、世界的なレガシーで脆弱性の高いCコードを、本質的により安全なラスト言語へと大規模に自動翻訳することを目指す。 Defense Advanced Research Project Agency “Eliminating Memory Safety Vulnerabilities Once and For All” (7/31/24)