報告書「バイオ燃料利用増加が2022年の米経済にもたらす影響」が発表

「2007年エネルギー自律・安全保障法(Energy Independence and Security Act of 2007:EISA)」では米国におけるバイオ燃料の生産量を2008年の90億ガロンから2022年までに360億ガロンに増加することを義務付ける再生可能燃料基準(RFS-2)が設定されたが、農務省の経済研究サービス(Economic Research Service)は、RFS-2が米経済の様々な要素にどのような影響を及ぼすかを調査した報告書を発表した。これによると、バイオ生産の発展とコスト削減技術が実現し、石油価格が予想通り上昇し続けた場合、RFS-2は経済全体に好影響を及ぼす可能性があるが、石油価格が安定するか下落し、減税が維持された場合、経済的効果は減少するという。 Department of Agriculture “Effects of Increased Biofules on the U.S. Economy in 2022” (10/21/10)

インテル、米国内工場に60億ドルの投資へ

インテル社(Intel)は今後数年間で、米国内にある製造工場の改善とオレゴン州での研究施設新設に向け、60~80億ドルを投資し、国内の雇用数を1,000人増加させる予定である。この投資は、同社がコンピュータのみならず、スマートフォンやその他の製品のチップへと拡大する中、競合他社よりもいち早く新生産プロセスを導入するという長期的取り組みを反映している。インテルでは、2009年初期より米国国内への製造業回帰が見られつつあるが、一方で、米国内工場の建設・運営にかかるコストsは高いとし、新たな税制優遇措置等を実施するよう政府に求めている。 The Wall Street Journal “Intel to Invest $6 Billion in Plants” (10/20/10)

米国科学理事会(NSB)、次世代STEMイノベーターの育成に関する報告書発表

米国科学理事会(National Science Board:NSB)は、「次世代STEMイノベーターの育成:米国人材資本の特定と育成(Preparing the Next Generation of STEM Innovators: Identifying and Developing Our Nation’s Human Capital)」 と題する報告書を発表した。国立科学財団(National Science Foundation:NSF)や教育省、外部識者の支援を受けて作成された本報告書は、「米国教育システムは、次世代イノベーターになるであろう最も有能でやる気のある学生を見つけ出すことに多々失敗している」という現実を明らかにした上で、18の政策取組みから構成される3つの主要な提言(①エクセレンスのための機会の提供、②有能な人材を特定・育成するための広範なネットワークの確立、③エクセレンスと革新的な思考を育成・奨励するエコシステムの育成)を提案している。 AIP “National Science Board Issues Report on ‘Preparing the Next Generation of STEM Innovators’” (10/20/10)

ハーバード大学、初のイノベーション・インキュベーターを立ち上げ

ハーバード大学(Harvard University)は、イノベーションおよびアントレプレナーシップに関連する研究と活動に特化した研究所を創設すると発表した。この研究所はビジネス・スクールが資金提供と運営を行うハーバード・イノベーション研究所(Harvard Innovation Lab)で、大学全体、ハーバードビジネススクール内、そしてオールストン・ブライトン近辺の革新的なベンチャーを奨励することを目標とし、2011年の秋学期にスタートする。立ち上げ後まずは、学生アントレプレナー(大学生、ハーバード・プロフェッショナル・スクールの学生、および大学院生)を対象とし、事業実施のための共有スペースや、外部アントレプレナー・大学教員・事務員によるサポート、その他、アントレプレナーシップやイノベーションの理解を深めるための活動プログラムの提供を行う。 BschoolAdmisionsFormula.com “Harvard Launches its First Innovation Incubator” (10/21/10)

GE、製造拠点を米国内に戻す

ゼネラル・エレクトリック社(GE)は2014年までに、冷蔵庫の設計と製造を行う米国内の4つのセンターに4億3,200万ドルを投資する計画である。これにより、約500件の新規雇用が見込まれ、家電製品の製造を中国などの海外に流出させるという長期的傾向が逆行することになる。GEは今回の決定の要因について、米国製品の品質、「米国製」として販売できる利点、そしてかつては安価だった海外製造国のコスト高を挙げている。また地方、州、連邦政府による税制優遇措置も一因となっており、ここ1年を見ても、GEのように製造拠点を米国内に戻す企業は非常に多い。 FT.com “GE plans return to US-made products” (10/18/10)

DARPA、10代学生のSTEMへの関心を高めるプログラム2つを開始

大統領府による科学・技術・工学・数学(STEM)教育の推進キャンペーンの一環として、米国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency:DARPA)は、10代のSTEMへの関心を高めることを目的とした2つのプログラムを開始する。1つは「製造実験およびアウトリーチ(Manufacturing Experimentation and Outreach:MENTOR)プログラム」で、3Dプリンターなど設計・製作のためのツールを高校1,000校に寄付する他、学生チームによる設計や製造を奨励するため、賞金コンテストなども実施する。もう1つはENGAGEプログラムで、これは13歳の学生にたんぱく質の折りたたみ問題の解決方法を教えるFold-Itプログラムを拡大したものである。ENGAGEはゲームやコンピュータシミュレーションを使って学習方法をパーソナライズする他、こうした学習方法について研究する研究者の支援を行う。 InfomationWeek “White House Unveils STEM Campaign” (10/19/10)

大統領府、第1回科学フェアを実施

大統領府は10月18日、第1回科学フェア(Science Fair)を実施し、オバマ大統領はホワイトハウスに招かれた学生たちとの会話を楽しんだ。参加した学生は10名ほどで、科学・技術・工学・数学(STEM)関連の各種コンテストで優勝・入賞した中から選抜された。参加者の一人、高校2年生のエイミー・チャオさん(Amy Chyao)は、インテル科学工学フェア(Intel Science and Engineering Fair)の勝者で、医薬品の浸透を高めるために投薬方法を改善する方法を考え出した。フェアで優勝した後、医薬関係者から多くの照会を受けており、今後は、プロジェクトを完了するためテキサス大学ダラス校で生物学部の研究者と共同研究に取り組むという。 The Wall Street Journal “White House Holds 1st Science Fair” (10/18/10)

NSF、日米協力50周年を祝う

東京で10月6日、国立科学財団(National Science Foundation:NSF)の東京オフィス(Tokyo Regional Office)開設50周年を祝うシンポジウムが開催された。NSFが東京オフィスを開設したのは1960年10月で、これはNSFの発足からわずか10年目で、NSFの全体予算が1億5,000万ドルという時期であった。当初の目的は、日本における科学技術の発展をモニターするというシンプルなものであったが、1961年にNSFが日米科学協力委員会(US.-Japan Committee on Scientific Cooperation)の実施機関となってからは業務が劇的に拡大した。シンポジウムの発言者達は、「日米科学外交」の意味や研究者交流プログラムの成果、より大規模な多国間プロジェクトなど、様々なトピックについて語った。 Science Insider “NSF Celebrates 50 Years of U.S.-Japan Collaborations” (10/07/10)

USTR、中国のグリーン技術の貿易・投資政策に関し301条に基づく調査を開始

米通商代表部(U.S. Trade Representative:USTR)のロン・カーク代表(Ron Kirk)は10月15日、1974年通商法の301条に基づき、グリーン技術の貿易と投資に影響を及ぼす中国政府の行動・政策・慣行に関して調査を開始したと発表した。これは、ユナイテッド・スチール・ワーカース(United Steelworkers:USW)が今年9月9日に行った申し立てを受けて決定されたものである。USWは、中国政府は風力およびソーラー発電製品の国内製造業者を不当に支援する政策を多々行っており、これらは世界貿易機関(World Trade Organization:WTO)規定に違反すると主張している。 USTR “United States Launches Section 301 Investigation into China’s Policies Affecting Trade and Investment in Green Technologies” (10/15/10)

シリコンバレーのソーラーベンチャー、中国に対抗するため戦略を練り直し

シリコンバレーのソーラー関連ベンチャー企業は、これまで、ソーラーパネル製造技術の開発や生産コストの大幅削減などのために、多額の資金を調達してきた。しかし現在、中国の競合製造業者が、政府の大型助成やその巨大な経済規模により、従来型のソーラーパネルの価格を押し下げ、予想以上のペースで市場シェアを伸ばしている。この結果、シリコンバレーのベンチャー企業は、戦略を練り直し、生き残りのためのニッチを見つけることを余儀なくされている。ある企業は市販の機械を改良して独自プロセスによるCIGSセル製造方法を開発すると共に、ソーラーセルの製造に専念することで資本コストを削減した。また別の企業は、生産自体をあきらめ、自社で開発した技術を中国企業にライセンシングという方向に戦略転換している。 New York Times “Silicon Valley’s Solar Innovators Retool to Catch Up to China” (10/12/10)