次の指名はエネルギー長官とEPA長官か

オバマ大統領が国家安全保障部門の新閣僚指名を終えた今、次なる指名としてエネルギー省(Department of Energy)と環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)の長官が注目されている。リサ・ジャクソンEPA長官(Lisa Jackson)は既に退任を表明しており、エネルギー省のスティーブン・チュウ長官(Steven Chu)は、早ければ今週中にも辞任を表明するのではと多くの観測家は見ている。エネルギー長官の指名候補としては、元コロラド州知事のビル・リッター氏(Bill Ritter、民主党)、元上院議員のバイロン・ドーガン氏(Byron Dorgan、ノースダコタ選出民主党)、センター・フォー・アメリカン・プログレス(Center for American Progress)の創立者であるジョン・ポデスタ氏(John Podesta。元クリントン政権大統領首席補佐官)などが挙がっている。一方、EPA長官の指名候補としては、ジャクソン長官辞任後に長官代理を務めるボブ・パーシアセペ副長官(Robert Perciasepe、Deputy Administrator)やEPAで大気汚染規制のトップを務めるジーナ・マッカーシー氏(Gina McCarthy)の他、多くの名前がメディアで取り上げられている。 The Hill “Energy Department, EPA nominations may be on tap” (1/7/13)

ヒト胚性幹細胞研究助成を巡る訴訟が終結

最高裁判所は1月7日、米国政府がヒト胚性幹細胞研究に助成することを禁止するよう求めた請願の審理を拒否し、3年以上に及ぶ法的論争が終結した。本件は、2人の成体幹細胞研究者が2009年8月に、「ヒト胚性幹細胞研究への助成制限を解除した国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)のガイドラインは、胚を破壊する研究への連邦助成を禁止した法に違反する」として提訴したもので、一審では暫定的差し止め命令を獲得したが、控訴審で同命令は停止された。原告は10月に上告したが、最高裁は今回、その請願を却下した。 Science Insider “Stem Cell Lawsuit Finally Over” (1/7/13)

上院、FAA新長官を含む複数の規制当局の大統領指名人事を承認

上院は1月1日、大統領府が指名していた複数の規制当局の人事を承認した。これらの中には、連邦航空局(Federal Aviation Administration: FAA)の新長官として指名されていたマイケル・フエルタ氏(Michael Huerta。任期は5年)の承認などが含まれる。フエルタ氏は、ランディ・バビット前長官(Randy Babbitt)が飲酒運転で逮捕、起訴されて辞任した後、2011年12月から長官代理を務めていた。今回は他に、連邦取引委員会(Federal Trade Commission: FTC)のジョシュア・ライト新長官(Joshua Wright。任期は7年)就任や連邦通信委員会(Federal Communications Commission: FCC)のミニョン・クライバーン委員(Mignon Clyburn)の2期目も承認されている。 Reuters “New FAA head among appointments approved by Senate” (1/2/13)

第113連邦議会の新人の顔ぶれ

1月3日に行われた議会の宣誓式で、新たに90名以上の新人議員が宣誓を行った。新人議員は、男性、女性、異性愛者、同性愛者、既婚者、未婚者、著名者、無名者など様々な顔ぶれとなる。上院では新たに12名が仲間入りし、その内訳は共和党が3名、民主党が8名、無所属が1名で、下院の新人議員82名の内訳は、共和党35名と民主党47名となっている。今年の共和党新人議員数は、記録的であった2010年に比べると大幅に少ない。また、新たに4名の女性上院議員が誕生し、上院における女性議員の数は合計20名(共和党4名、民主党16名)の過去最高に達した。 The Hill “Portrait of the 113th Congress” (1/3/13)

FDAによる新規医薬品承認が過去15年間で最高水準

食品医薬品(Food and Drug Administration)は2012年に39件の新規医薬品を承認し、過去15年間で最高件数に達した。39件のうち、11件は癌治療薬となっており、同分野は2013年も投資家にとって有望な分野となる見込みである。癌治療薬以外には、減量を目的とした処方箋薬が過去13年で初めて承認された他、複数の医薬品治療に抵抗を示す結核患者向けの医薬品が承認された。FDAによる新規医薬品承認件数は過去10年間で年間平均約23件となっており、2011年は30件であった。承認件数が増加した要因の一つとして、医薬品メーカーがFDAの安全性・有効性審査に対して支払う通称「利用者手数料(user fee)」の引き上げが挙げられている。 Bloomberg “Drug Approvals Reach 15-Year High on Smoother FDA Reviews” (1/2/13)

「財政の崖」回避策:科学予算削減の可能性示唆

1月1日に議会が可決した「財政の崖」回避策には、税制の見直しが含まれた他、今年度の裁量歳出で40億ドル(2014年度は80億ドル)の予算削減が盛り込まれており、その対象には研究分野も含まれる。ただし、科学関係者が「米国研究者にとり大惨事」と警告してきた通称「自動歳出削減措置(sequestration)」は2ヶ月先送りとなり、科学コミュニティはひとまず安堵している状況である。裁量歳出の削減は国防と民生プログラムの間で同等に分けられる。オバマ政権は、研究の保護を再三主張しているが、どのプログラムが削減対象となるかは議会に委ねられ、本件を巡って激しい論争が起こると予想されている。 Science Insider “Fiscal Cliff Deal Delays Major Budget Cuts, but Includes Reductions That Could Affect Science” (1/2/13)

原油流出事故を巡る2度目の和解金が合意

司法省(Department of Justice)は1月3日、2010年の石油掘削施設ディープウォーター・ホライゾン(Deepwater Horizon)による原油流出事故に関して2度目の和解が成立し、同施設をBP社向けに運営していたトランスオーシャン・ディープウォーター社(Transocean Deepwater Inc.)が民事及び刑事の制裁金及び流出の罰金として14億ドルを支払うことに合意したと発表した。科学アカデミー(National Academy of Sciences: NAS)は本和解金から1億5,000万ドルを受け、メキシコ湾岸における30ヵ年研究プログラム(昨年11月にBP社との間で成立した同様の和解によって設立された)の資金に充当する。また、湾岸地域における生態回復プロジェクトを行う米国魚類野生生物財団(National Fish and Wildlife Foundation)も1億5,000万ドルを受ける。 Science Insider “Second Oil Spill Settlement Adds to Gulf Coast Science and Restoration Funding” (1/3/13)

下院監査政府改革委員会が新たにエネルギー関連の小委員会を発足へ

下院監査政府改革委員会(House Committee on Oversight and Government Reform)は1月2日、次期議会で新たに「エネルギー政策・医療・給付金小委員会(Energy Policy, Healthcare and Entitlements subcommittee)」を発足させると発表した。ジェームズ・ランクフォード議員(James Lankford、オクラホマ州選出共和党)が委員長となる。下院監査政府改革委員会のダレル・アイサ委員長(Darrell Issa、カリフォルニア州選出共和党)は従来、エネルギー省(Department of Energy)によるグラントや融資プログラムに疑問を表明しており、2日に発表された声明の中で、「我々は国民に対して、無駄や悪用、乱用を追及し、不適切な管理責任者に説明責任を持たせる責務を負っている」と述べている。 The Hill “House Oversight adds energy subcommittee” (1/2/13)

風力エネルギー向け減税措置が「財政の崖」回避策の一部として延長

議会が1月1日に可決した「財政の崖(fiscal cliff)」回避策の一部として、風力エネルギー業界成長の鍵となっていた生産税控除(production tax credit)が1年間延長されることが盛り込まれた。これにより、2013年に建設が開始されるいかなるプロジェクトも同税控除を申告することが可能となる。ただし、同税控除が延長されるか否かを巡る不透明性は既に全国の風力エネルギー開発に影響を及ぼしており、これまでに数千人の工場労働者が解雇された他、新規プロジェクトが保留扱いとなっている。こうした中、わずか1年間の延長が風力エネルギー業界が勢いを取り戻すのに十分かどうかを疑問視する声もある。 USA Today “Wind energy tax-credit extension part of ‘cliff’ deal” (1/2/13)

EPA長官が退任へ

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)のリサ・ジャクソン長官(Lisa P. Jackson)が退任することが明らかになった。同長官は、11月にオバマ大統領の再選が決まった直後に、来年早々に辞任したい意向を示し、12月27日にEPAの職員向けに辞任を発表した。ジャクソン氏がEPA長官に就任した当時は、気候変動問題への抜本的対応が大きく期待されたが、在任中は業界や議会共和党、そして時にはオバマ政権からの反対に抵抗することに費やされて終わった。今回の大統領選挙では、地球温暖化に対する議論がほとんど見られず、再選が決まったオバマ大統領は雇用と経済を最優先案件としていることなどから、気候変動やその他の環境問題に対する同大統領のコミットメントは疑問視されている。ジャクソン長官の後任は今のところ決まっていないが、ロバート・パーシアセペ副長官(Robert Perciasepe、deputy administrator)が少なくとも当座は引き継ぐと見られている。 Department of Energy “Energy Department Announces Six Projects to Develop Energy-Saving Windows, Roofs, and Heating and Cooling Equipment” (12/27/12)