NIHの大型プロジェクトが縮小・廃止に

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)では、3月以来の自動歳出削減措置を始めとした厳しい予算環境を受け、付属各研究所の所長が、大型資金を必要とするプログラム(主に予算全盛時の2000年代初頭に実施された)の見直しを図り、一部閉鎖などを決断している。例えば、8月に国立一般医科学研究所(National Institute of General Medical Sciences: NIGMS)の所長に就任したジョン・ローシュ氏(Jon Lorsch)は、2000年以来年間約7,000万ドルの予算がつけられていたタンパク質構造イニシアチブ(Protein Structure Initiative: PSI)の縮小を決定している。同所長は、「厳しい予算環境を受け、NIGMSの優先事項は研究者が提案した研究を助成することである」と述べている。また、国立神経疾患・脳卒中研究所(National Institute of Neurological Disorders and Stroke: NINDS)のストーリー・ランディス所長(Story Landis)も、非生産的あるいは時代遅れとなっている約15件のプロジェクトを終了させている。 Nature News “Large NIH projects cut” (11/12/13)

7か月に及ぶ自動歳出削減措置は既に米国の研究能力に悪影響

米国大学協会(Association of American Universities: AAU)、公共及びランドグラント大学協会(Association of Public and Land-Grant University: APLU)、科学同盟(The Science Coalition: TSC)は10月に、今年3月から始まった自動歳出削減措置が米国大学の研究に及ぼしている影響について調査を行い、11月11日にその結果を発表した。それによれば、自動歳出削減措置は既に大学研究能力を侵食しつつあり、最も一般的な影響として、「新規連邦研究グラントの削減」(回答大学の70%が指摘)や「研究プロジェクトの遅れ」(同70%)が挙げられている。その他にも、プロジェクトの中止や人員削減、学習機会の減少などが挙げられている。 The Science Coalition “SEVEN MONTHS OF SEQUESTRATION ALREADY ERODING AMERICA’S RESEARCH CAPABILITIES” (11/11/13)

ミシガン州、風力エネルギーの成長を受け、2035年までにエネルギーの30%が再生可能となる可能性

ミシガン州の知事室が発表した報告書「優れたエネルギー判断に向かうミシガン州:再生可能エネルギー(Readying Michigan to Make Good Energy Decisions: Renewable Energy)」によれば、ミシガン州は風力エネルギー業界の成長を追い風として、2015年までにエネルギーの10%を再生可能発電とする再生可能エネルギー利用割合基準(Renewable Portfolio Standards: RPS)を達成する見通しで、更には2035年までに同割合が30%に達する可能性もあるという。また、再生可能エネルギーの成長による経済効果も指摘されている。同州では、2012年に、「州内のRPSを2025年までに25%にする」という住民投票が否決されたものの、本件は今後、州議会で議論されると期待されている。 Clean Technica “Wind Energy Blows Michigan Toward 30% Renewables By 2035” (11/8/13)

OMB、連邦政府閉鎖の影響を報告

大統領府の行政管理予算局(Office of Management and Budget:OMB)は11月7日、10月の連邦政府閉鎖が、経済、予算、プログラムにもたらした様々な影響を詳述した報告書を発表した。そのハイライトとして、①連邦政府職員の総自宅待機日数は合計660万日に及ぶ(過去最高)、②閉鎖が連邦政府にもたらしたコストは数十億ドルに上る、③閉鎖は経済に大きな否定的影響をもたらした、④閉鎖は重要な連邦プログラムやサービスに依存している数百万人の米国民に影響した、⑤閉鎖は連邦政府が必要としている労働力の確保に長期的な影響をもたらし得る、の5点が挙げられている。 White House “Impacts and Costs of the Government Shutdown” (11/7/13)

エネルギー省、クリーン技術企業が倒産の危機にあることを報告せず

エネルギー省(Department of Energy)のグレゴリー・フリードマン監察官(Gregory H. Friedman、Inspector General)が最近発表した報告書によれば、エネルギー省の高官は、1億3,500万ドルの連邦助成を受益しながらも、9月に破産法の適用を申請したエコタリティ社(Ecotality)について、事前に懸念があることを報告しなかったという。報告書によれば、同省は5月の時点で、エコタリティ社が充電スタンド導入のためのグラントを受益する上で重要な達成事項を実現できる見込みがないことを知っていたが、その情報を会計監査に開示することを怠ったという。フリードマン監査官は情報が開示されなかったことに強い懸念を示している。 Washington Post “Energy Dept. failed to report concerns as green-tech firm was heading for bankruptcy” (11/7/13)

特許係争はスタートアップ企業の資金調達に悪影響

カリフォルニア大学ヘイスティングス法科大学院(University of California Hastings College of the Law)のロビン・フェルドマン教授(Robin Feldman)が、「特許係争とスタートアップ企業:ベンチャー・キャピタル・コミュニティの見解(Patent Demands & Startup Companies: The View from the Venture Capital Community)」と題する論文を発表した。本論文は、全米ベンチャーキャピタル協会(National Venture Capital Association: NVCA)のメンバー企業及びそのポートフォリオ企業を対象に行った、特許係争に関する調査の結果をまとめたものである。それによれば、ポートフォリオ企業、ベンチャー・キャピタリスト共に、「特許係争はベンチャー支援コミュニティに否定的な影響を及ぼしている」と考えている者が圧倒的に多く、その係争の殆どあるいは全ては主たる活動がライセンシングや特許訴訟である事業体によるものとなっている。 SSRN “Patent Demands & Startup Companies: The View from the Venture Capital Community” (10/28/13)

クリーンエネルギーを通じて経済開発に取り組む州政府

全国知事会(National Governors Association: NGA)は10月30日、アリゾナ州、ミネソタ州、ミシシッピー州、プエルトリコが、「経済開発のためのクリーンエネルギーを狙いとした政策アカデミー(Policy Academy on Targeting Clean Energy for Economic Development)」に参加すると発表した。本イニシアチブの目的は、経済開発とクリーンエネルギー業界の成長育成につながるエネルギー戦略の調整に取り組む州政府を支援することである。NGAによる政策アカデミーは、複数の州政府によるインタラクティブかつチーム・ベースのプロセスで、州政府は複雑な公共政策問題に対処するための行動計画の開発及び実践を行う。 National Governors Association “States to Focus on Economic Development through Clean Energy” (10/30/13)

再生するロスアラモス国立研究所

ロスアラモス国立研究所(Los Alamos National Laboratory: LANL)は、近年の連邦予算削減を受け、技術移転部門を刷新し、ニューメキシコ州北部の経済に及ぼす影響を倍増させようとしている。特に、他の政府機関との連携を強化し、業界との戦略的パートナーシップを通じてより存在感のある研究所へと変貌することを望んでいる。例として、LANLは最近、シェブロン社(Chevron)と組んでベンチャー企業を立ち上げたほか、技術移転局の名称を、初期の特許保有者の一人で1965年のノーベル賞受賞者であるリチャード・ファインマン氏(Richard Feynman)にちなみ、「リチャード・ファインマン・センター(Richard Feynman Center)」に改称している。 Tech Transfer eNews Blog “Rebranded Los Alamos Lab expands its vision of tech transfer, embraces economic development role” (11/6/13)

エネルギー省、代替燃料補給スタンド検索アプリを開始

エネルギー省(Department of Energy)は11月7日、ドライバーが代替燃料補給スタンドの場所を検索できる「代替燃料補給スタンド検索アプリ(Alternative Fueling Station Locator app)」の提供を開始した。アプリは国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory)が開発したもので無料でダウンロードができる。アプリの利用者が希望の燃料(電気、バイオディーゼル(B20)、天然ガス(圧縮及び液化)、エタノール(E85)、水素、プロパン)を選択すると、現在地から最寄りのスタンドが地図表示される。エネルギー省では、本アプリを含め、輸送燃料としての石油利用を削減することを目的として、様々なツールを開発している。 Department of Energy “Energy Department Launches Alternative Fueling Station Locator App” (11/7/13)

連邦航空局(FAA)、国内無人飛行機利用に向けたロードマップを公表

連邦航空局(Federal Aviation Administration: FAA)は、無人飛行機システム(unmanned aircraft systems: UAS)を米国内の上空に安全に統合するために今後必要とされる点を示したロードマップを初めて公表した。ロードマップによれば、将来のUASの統合に向けて5年間で3段階のステップが計画されている。米国では長年にわたり、限定的な形で様々なUASが実施されている。ロードマップで描かれている将来によれば、現在開発中の新規則の後、無人飛行機は有人飛行機と同等に扱われるようである。 Wired “FAA Releases Road Map for Future Domestic Drone Use” (11/7/13)