サイエンス誌(Science)は7月10日、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)が総額15億ドル規模の新たな応用研究構想「エックス・ラボ(X-Labs)」への提案募集を開始したと報じた。画期的な発見を商用規模で実用化し、新産業を創出することが目的で、従来の学術論文を重視した助成とは一線を画す。具体的には、チームに対しセンサーや画像などの計測機器や量子システム、光関連技術に6年間で最大3億ドルを支給する。しかし、今回、主任研究者(PI)やその他の主力研究者に対し事業への100%従事を義務付けており、この要件が大学教職兼務の事実上排除にあたるとして懸念されているほか、新興チームの研究インフラ未整備によるコスト上昇も指摘されている。NSFは、大学参加も当初から想定し、コミュニティの意見をもとに募集要項を修正したと説明したものの、大学との現在の関係性維持については今後困難になる可能性があるとの見方を示した。なお、今秋には最初の採択チームが発表される予定で、今後、生物工学など他の分野への拡大も視野に入れているという。
Science “NSF makes billion-dollar gamble on research with an economic payoff” (07/10/26)
https://www.science.org/content/article/nsf-makes-billion-dollar-gamble-research-economic-payoff