コンクリートは建築資材として頻繁に利用されているが、コンクリートを使ったインフラが経年するのに伴い、その維持管理及び修復は、国防及び民生の双方のインフラにとり、戦略的重要問題となっている。コンクリートの亀裂や腐食による悪化は、鉄鋼を用いたコンクリート構造の劣化の最大原因となり、有用性を損なう。しかし現行技術は、表面の処理に限定されており、またすぐ劣化し、根本的な原因の対処になっていない。こうした中、老朽化したコンクリートに自己修復能力をもたせる学際的な技法が注目されつつある。国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)はその可能性を探るため、「老朽化したコンクリート構造物の生物学的修復(Bio-inspired Restoration of Aged Concrete Edifices: BRACE)」プログラムを開始する。BRACEプログラムの目標は、コンクリートに亀裂が生じた場合に、それらに早急に対処、修復し、その拡大を防ぎ、重要インフラの有用性を延長する、長期的な自己修復能力を授ける技術の開発を開発することで、これは、多細胞生物や生態系で、継続的な自己修復を手伝う血管システムにヒントを得たアイデアである。