Category:その他
トランプ政権、医療高等研究計画局長を解任
2月14日、医療高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency for Health: ARPA-H)の初代局長だったレネ・ウェグリン氏(Renee Wegrzyn)が、4年間の任期を1年以上残してトランプ政権によって解任された。厚生省(Department of Health and Human Services)は、「新政権では大統領の優先順位に合わせるために指導者の交代がしばしば起こる」と説明している。ウェグリン氏は退任にあたり、初代局長を務めることができて「光栄だった」と記している。政権はまだ後任を明らかにしていない。ARPA-Hは、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency: DARPA)に倣って2022年に設立された組織で、年間予算は15億ドルである。 American Institute of Physics “ARPA-H Director Fired by Trump Administration” (02/14/25)
ランド研究所、5G技術を活用した同盟国防衛の新戦略を提言
ランド研究所(RAND)は2月19日、同盟国の防衛力を劇的に向上させるための5Gエコシステム技術を活用した新たな軍事防衛システム構築に関する新戦略を発表した。同研究所は、同盟国防衛の革新的な戦略が、数的優位にある敵の侵攻を阻止する鍵であるとし、迅速な警告と増援部隊が到着するまでの間に勝利を収めるための新たな運用概念を提案している。特に信号到達時間差(Time difference of arrival: TDOA)技術を用いた空中防衛レーダーの位置特定・標的化システムが、即応性と有効性面で優れていると指摘した。また、提案された防衛コンセプトの中核は、厳しい条件下で独立して活動できる小規模なチームで、これらは主に展開先の国の人員で構成するよう提案している。また、国防総省(Department of Defense)に対し、携帯電話基地局を利用したTDOAシステムの実験開始や、人的ネットワーク、カメラ、ドローンによる情報共有システムの実験実施も提言している。 RAND “Harnessing 5G-Era Innovations” (02/19/25)
マイクロソフト、量子コンピューティング向け新超伝導チップを発表
NEXTGOVFCWは2月19日、マイクロソフト社(Microsoft)が量子コンピューティングの実用化に向けた、トポロジカル構造を持つ量子チップ「マヨラナ・ワン(Majorana 1)」を開発したと報じた。独自開発した新チップは、インジウムヒ素とアルミニウムを原子レベルで積層させたマヨラナ粒子と呼ばれる特殊な粒子を利用し演算を行うもので、従来の電子とは異なるものという。この粒子の活用により、外部ノイズに強い安定した量子ビット処理を実現し、1チップ上で100万量子ビットの処理を実現する道筋を世界に先駆けて示した形となった。一方で、実用化には冷却システムや光ファイバーケーブルなど、さらなるインフラ整備が必要という。なお同社は現在、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency: DARPA)の量子ベンチマーク・イニシアチブにも参画している。 NEXTGOV/FCW “Microsoft debuts new superconductor chip designed for quantum computing” (02/19/25)
ロスアラモス国立研究所、イオンビーム施設の解体作業開始
エネルギー省(Department of Energy)は2月19日、ロスアラモス国立研究所(Los Alamos National Laboratory : LANL)のイオンビーム施設の廃止措置および解体作業を開始したと発表した。この作業は、マンハッタン計画と冷戦時代の核兵器開発に使用された施設の処理の一環として実施される。約5,600平方メートルの同施設には、かつて世界最大級のバンデグラフ加速器2基が設置され、1950年代から1960年代にかけて核実験研究において重要な役割を果たした。解体作業は環境管理局ロスアラモス事務所(Environmental Management Los Alamos Field Office: EM-LA)の委託業者であるアプティム・フェデラル・サービス社(Aptim Federal Services)が担当し、作業員や地域社会、環境の保護を優先しながら、施設内の汚染物質の除去を進めていく。施設の管理棟の解体は2025年秋に開始される予定で、プロジェクト全体の完了までには5年以上を要する見通しである。 Department of Energy “Initial Work Begins for Ion Beam Facility Deactivation, Decommissioning and Removal Project” (02/19/25)
NREL、新イノベーション担当副所長にワトソン氏
国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)は2月19日、アンドレア・ワトソン氏(Andrea Watson)をイノベーション・連携・アウトリーチ部門(Innovation, Partnering, and Outreach:IPO)の副所長(Associate laboratory director: ALD)に任命したと発表した。ワトソン氏は2009年に研究員としてNRELに入所し、2022年から戦略的パートナーシップ室の初代室長を務め、2023年度には過去最高となる1億4300万ドルの連携事業を実現した。また組織の戦略的アジェンダの策定や、外部資金の拡大を目指す「インパクト(Impact)26」の立ち上げにも貢献しており、2024年度には新規パートナーシップ契約で1億7000万ドルを達成した。同研究所のマーティン・ケラー所長(Martin Keller)は「NRELの技術とプログラムを前進させるパートナーシップの確保に優れた手腕を発揮してきた」と同氏の実績を評価し、ワトソン氏も引き続きImpact26の推進とパートナーシップ強化へ注力していくと抱負を述べている。 NREL “Andrea Watson Named Associate Director for Innovation, Partnering, and Outreach at NREL” (02/19/25)
トランプ政権、エネルギー緊急プロジェクト承認を迅速化
The HILLは2月19日、トランプ政権が「緊急」エネルギープロジェクトを数百件特定し、その承認を迅速化する方針を示したと報じた。陸軍工兵隊(U.S. Army Corps of Engineers)は、トランプ大統領のエネルギー緊急宣言に基づき、約350のプロジェクトに関連する593件の保留案件を緊急案件リストに追加したという。このリストには、油井基地や石炭およびガス関連プロジェクト、また、ミシガン州のマキナック海峡を通る5号線パイプラインのトンネル建設やソーラーエネルギーに関するプロジェクトも含まれている。これに対し、環境団体は環境審査が省略される恐れがあると懸念を示しており、特に湿地や水域への影響を指摘しているが、トランプ氏はバイデン政権のエネルギー政策により米国が緊急事態に直面していると主張し、エネルギー生産の促進を進めている。 The HILL “Trump administration identifies hundreds of energy projects that could be fast-tracked” (02/19/25)
トランプ政権、独立規制機関への監督強化へ
The HILLは2月19日、トランプ大統領が独立規制機関(Independent Regulatory Agencies: IRAs)に対する行政府の監督権限を強化する大統領令に署名したと報じた。同大統領令「全ての機関の説明責任確保(Ensuring Accountability for All Agencies)」により、連邦エネルギー規制委員会(Federal Energy Regulatory Commission:FERC)、証券取引委員会(Securities and Exchange Commission: SEC)や連邦取引委員会(Federal Trade Commission: FTC)、連邦通信委員会(Federal Communications Commission: FCC)などの独立規制機関は、新規制案を事前に大統領府に提出し、審査を受けることが義務付けられることになった。しかしThe Hillは、この措置に対し、法的な異議申し立てを招く可能性が高いと伝えている。 The HILL “Trump signs order to expand White House control of independent agencies” (02/19/25)
AIで通信波形を生成 次世代通信の開発遅延を解消へ
諜報高等研究計画局(Intelligence Advanced Research Projects Activity: IARPA)は2月19日、人工知能(AI)を活用してミッションに応じた通信波形を生成する「エンドレス・ジェネレーティブ・ウェーブフォーム(the Endless Generative Waveforms: End-Gen、エンド・ジェン)」計画を発表した。現行の無線通信用の波形開発には数年から数十年を要し、実用化時には既に陳腐化している場合もあるため、生成AIと機械学習を用いて目的に応じた通信波形を即座に生成していくという。これによって政府機関の通信ニーズに応えるだけでなく、民間の5G以降の通信規格開発の迅速化にもつながると説明した。同計画は、42カ月に亘り3段階で実施される予定で、静的環境での実証実験から始まり、最終的には実環境での実用的なデータ通信を実現するという。なお、本プログラムの提案募集に関する説明会は、2025年2月27日に開催される予定である。 IARPA “Ending Generational Delays in Next Generation Wireless with End-Gen” (02/19/25)
宇宙軍、緊急対応衛星打ち上げでファイアフライ社と契約
DefenseNewsは2月19日、宇宙軍(Space Force)がファイアフライ・エアロスペース社(Firefly Aerospace)に緊急対応ミッション「ヴィクタス・ソル(Victus Sol)」向けに2,200万ドルを交付する契約を交わしたと報じた。ファイアフライ社の小型ロケット「アルファ(Alpha)」を待機状態で配備し、同軍からの要請に応じて速やかな打ち上げを実施することが目的という。宇宙軍は、5回目の戦術的対応宇宙ミッションとなる今回の取り組みを、緊急対応能力を実証段階から実運用へと移行させるための重要な一歩と位置付け、近年高まる宇宙空間での脅威に迅速に対応するべく、27時間という短期間での衛星打ち上げの実現など、戦術的即応能力の向上に注力していくという。打ち上げ時期は2025年末から2026年を予定し、次期ミッション「ビクタス・ヘイズ(Victus Haze)」では、ファイアフライ社とロケット・ラボ社(Rocket Lab)の2機のロケットを使用するとし、衛星の機動性実証も行われる予定である。 DefenseNews “Space Force picks Firefly to launch Victus Sol rapid response mission” (02/19/25)
西海岸の再生ディーゼル消費、急成長
エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)は2月18日、カリフォルニア、オレゴン、ワシントン州における再生ディーゼルの消費が2023年第1四半期から約2倍に増加したと発表した。カリフォルニア州のマラソン社(Marathon)とフィリップス66社(Phillips)の新規プラントが生産拡大に貢献し、西海岸での再生ディーゼル消費は大幅に増加したという。2024年第3四半期には、カリフォルニア州の輸送用ディーゼル燃料の約65%が再生ディーゼルとなり、クリーン燃料プログラムの効果が顕著に表れたことに加え、鉄道、タンカー、バージによる州間輸送が消費の約20~50%と拡大に寄与し、環境に配慮した燃料への移行が進んでいるという。再生ディーゼルは、動物性脂肪、植物油、または油脂を原料とし、従来の石油系ディーゼルと化学的に同等の燃料として注目されており、これらの州のクリーン燃料プログラムが、再生ディーゼルの消費拡大と持続可能な燃料への転換を牽引していると伝えている。 EIA “Consumption of renewable diesel continues general growth trend on the U.S. West Coast” (02/18/25)