Category:その他
エネルギー省 新たな幹部人事発表
米国物理協会(American Institute of Physics: AIP)は2月19日、トランプ大統領が国家核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)の主要ポストを含むエネルギー省の幹部人事を発表したと報じた。NNSAの副長官にはスコット・パッパーノ海軍少将(Scott Pappano)、核不拡散プログラムの責任者にはマシュー・ナポリ氏(Matthew Napoli)が指名された。NNSAは核兵器の維持・近代化や核テロ対策、核不拡散分野を担う重要機関で、海軍の戦略潜水艦プログラムを監督するパッパーノ氏や、海軍の核推進プログラムでの経験を持つナポリ氏など、原子力関連や海軍の背景を持つ人材を重視したことが伺える。国際問題担当には投資会社の執行役員のデイビッド・アイスナー氏(David Eisner)、エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)の責任者にはトランプ前政権で、国家安全保障会議のエネルギー問題担当官を務めていたトリスタン・アビー氏(Tristan Abbey)が選ばれた。 AIP “Trump Picks More Leaders for the Energy Department” (02/19/25)
風力発電、トランプ関税で成長鈍化の恐れ
UTILITYDIVEは2月20日、トランプ政権による新たな関税措置により、陸上風力発電のタービンのコストが7%上昇し、プロジェクト全体のコストが5%上昇する可能性があると報じた。これにより、2028年までに毎年設置される新規風力発電容量が3~9%削減される可能性があり、このまま関税が継続した場合は、2028年以降の設備導入が最大30%減速する可能性があるという。ウッドマッケンジー社(Wood Mackenzie)の分析によると、メキシコとカナダからの輸入に25%、中国からの輸入に追加10%の関税が課されることで、風力発電の均等化発電原価(Levelized Cost of Electricity: LCOE)が今後数年で4%上昇する見通しであるという。風力発電産業は部品の41%をこれらの3カ国からの輸入に依存しているのが現状で、同社は、2025-26年の計画済みプロジェクトへの影響は限定的であるが、政策の不確実性により国内製造への投資は見込めず、長期的な成長の妨げになると指摘している。 TechTarget “Trump’s tariffs could raise onshore wind turbine costs by 7%, slow development: WoodMac” (02/20/25)
トランプ政権、NISTのAI・半導体部門で大規模人員削減へ
ブルームバーグは2月19日、トランプ政権が商務省(Department of Commerce)傘下の米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology: NIST)で約500人の試用期間職員の解雇を計画していると報じた。バイデン政権下で進められてきた半導体製造支援プログラムやAI開発基準の評価や策定を担当する部門が主な対象となる。具体的には、390億ドルの製造インセンティブ事業を実施する部門の約5割、研究開発プログラムを担当する部門の3分の2の人員が影響を受ける見通しである。トランプ政権は就任初日に、バイデン政権のリスクを重視したAI関連政策を撤回する方針を表明しており、今回の人員削減も政権のAIに対する方針転換の一環とみられる。一方で、この大規模な人員削減に対し、政府機関における人材流出や研究の停滞を懸念する声が上がっており、複数の訴訟も提起されているという。 Bloomberg “Trump Team Plans Mass Firings at Key Agency for AI and Chips” (02/19/25)
連邦政府の研究開発投資、想定以上の効果か
全米経済研究所(National Bureau of Economic Research: NBER)が1月に発表した報告書によると、連邦議会予算事務局(Congressional Budget Office: CBO)などが、連邦政府による研究開発投資の経済効果を過小評価している可能性がある。報告書は、連邦政府が資金を提供する研究開発の多くが物理的インフラなど他の投資よりも迅速かつ大きいリターンを生み出し、民間の研究開発投資を補完していることを強調している。また、基礎研究に重点を置くことが多い公的研究開発は、長期的な生産性向上につながる可能性がある点なども指摘した。さらに政府機関に対し、より正確な経済効果予測のためにモデルを改良するよう提言。これにより、議会は研究開発資金について、より多くの情報に基づいた判断をすることができるようになるとしている。 Association of American Universities “New Research Suggests Returns on Federal Investments in R&D Are Much Higher Than Current Estimates” (02/07/25)
科学促進へ「アクセラレート・サイエンス・ナウ」が始動
2月7日、AIと革新的なテクノロジーを活用することで、科学的な新発見を促進し、米国民の利益に寄与することを目指す組織が集まり、「アクセラレート・サイエンス・ナウ(Accelerate Science Now: ASN)の立ち上げが発表された。ASNでは、AI等の最新技術分野において、関係組織間でのパートナーシップ構築や研究の実施を進めるほか、政策立案者や市民の啓蒙に取り組むことになる。非営利団体のシードAI(SeedAI)が主導するこの活動には、アマゾン・ウェブ・サービス社(Amazon Web Services)、メタ社(Meta)や大学などの多数の科学技術関連組織が参加している。AI能力の支援や総合的でアクセス可能な科学データの確保、学際的かつ官民に亘るパートナーシップの促進、コンピューティング能力における米国の優位性維持に重点を置いている。 SeedAI ““Accelerate Science Now” Launches to Make Science Deliver Faster for Americans” (02/07/25)
米国科学振興協会総会、「科学への熱意を行動に」
2月13日、2025年の米国科学振興協会(American Association for the Advancement of Science: AAAS)年次総会の開会式で、AAASの幹部らは、大統領府による連邦政府コスト削減策によって米国の科学エコシステムが脆弱となる中、科学に対する熱意をインパクトのある行動に移すことの重要性を強調した。AAASのCEOらは、激動の時代における回復力と集中力の必要性を反映した総会のテーマ「科学が明日をつくる(Science Shaping Tomorrow)」に沿い、科学事業を長期的に継続し、研究や人材育成、創造的な投資を奨励するとともに、科学が社会に資するよう超党派の協力などの必要性などを主張した。 American Association for the Advancement of Science “AAAS Leaders: We Must Stay Focused Amid Turmoil” (02/15/25)
新米国安全保障センター、AIと核の結合に関する新たな報告書
2月13日、新米国安全保障センター(Center for a New American Security: CNAS)は、「AIハルマゲドンの回避(Averting AI Armageddon)」と題する報告書を発表した。報告書では、中国がAIの急速な進歩の中で核兵器の数と技術をともに増強させ、世界の核秩序は米国とロシアの2極から中国を加えた3極に移行したことを強調している。報告書ではこの現象を「AI・核の結合(AI-nuclear nexus)」と名付け、核の指揮・統制・通信、戦略的安定性、AIを活用した通常システムと核リスクのカテゴリーに分けられると指摘している。そのうえで、政策立案者に、「AI・核の結合」に関する研究や外交イニシアティブへのAIの統合、核分野でのAI活用の安全規範の確立、人的監視を維持できる政策の策定などを求めている。 Center for a New American Security “The AI-Nuclear Nexus: New CNAS Report on Managing Artificial Intelligence and Nuclear Weapons amid U.S. Rivalry with China and Russia” (02/13/25)
世界資源研究所等、世界のエネルギー転換加速へ助成1億ドル受理
2月12日、世界資源研究所(World Resources Institute: WRI)とシカゴ大学(University of Chicago)は、マイケルとターニャのポルスキー夫妻(Michael and Tanya Polsky)から、ポルスキー財団(Polesky Foundation)を通じて1億ドルの寄付を受けたと発表した。世界的なエネルギー転換を加速し、未来のエネルギー・イノベーターを育成することが目的とされている。このうちWRIへの7,500万ドルの寄付は、エネルギーに特化した寄付としては史上最高額で、世界エネルギー転換WRIポルスキー・センター(WRI Polsky Center for the Global Energy Transition)の設立を通じたエネルギー・グリッドの最新化、資金調達と展開の拡大、重要鉱物の安定的な調達、熟練労働力の育成に充てられる。さらに、シカゴ大学への2,500万ドルの寄付により、ポルスキー・エネルギー転換リーダーシップアカデミー(Polsky Energy Transition Leadership Academy)が設立される。 World Resources Institute “RELEASE: WRI and University of Chicago Announce $100 Million Gift from Michael and Tanya Polsky to Accelerate the Global Energy Transition” (02/12/25)
国務省のデータ・AI担当トップが辞任
2月11日、国務省(Department of State)で初の最高データ・人工知能責任者だったマシュー・グラビス氏(Matthew Graviss)が辞任したことが分かった。同氏は2020年に最高データ責任者として着任し、AIチャットボット「ステートチャット(StateChat)」の立ち上げなど、国務省のAI技術活用を主導した。国務省関係者によると、グラビス氏の辞任を受けて、現在はエイミー・リチュアロ氏(Amy Ritualo)が最高データ・AI責任者代理に就任した。グラビス氏は国務省入省前は、国土安全保障省(Department of Homeland Security)や民間企業における勤務経験を持つ。 FedScoop “State Department’s top data and AI official departs” (02/11/25)
2024年は仮想発電所政策にとって「極めて重要な年」
2月10日、NCクリーンエネルギー技術センター(NC Clean Energy Technology Center: NCCETC)とスマート電力連合(Smart Electric Power Alliance: SEPA)は、38州とコロンビア特別区が2024年、仮想発電所(Virtual Power Plants: VPP)と分散型エネルギー資源(Distributed Energy Resource: DER)統合に関する合計105件の政策を実施したとの調査結果を明らかにした。特に、カリフォルニア州、テキサス州、イリノイ州を含む10州では、バッテリー貯蔵と複数タイプのDERに焦点を当てた4件以上の政策が実施され、2025年もこの勢いが続くとみられている。SEPAは、民間の大規模電力会社が拠点を置いたり、大幅な負荷増加が予測されたりしている州において、さらなる政策やプログラムの実施が予想されるとしている。 Utility Dive “2024 ‘a pivotal year’ for virtual power plant policy: report” (02/12/25)