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下院科学委員長席を巡る争いが始まる
下院科学委員会(House Science Committee)のラルフ・ホール現委員長(Ralph Hall、テキサス州選出共和党)が下院共和党の任期制限により退任することから、次期委員長を巡る争いが始まった。現在のところ、元委員長(1997-2001年)で現副委員長のジェームズ・センセンブレナー議員(F. James Sensenbrenner Jr.、ウィスコンシン州選出共和党)が委員長職への立候補を表明した他、ダナ・ローラバッカー議員(Dana Rohrabacher、カリフォルニア州選出共和党)とラマー・スミス議員(Lamar Smith、テキサス州選出共和党)(いずれも現委員)も委員長職に関心を表明している。 Space Politics “The race to chair the House Science Committee formally begins” (11/8/12)
オバマ大統領再選が各業界に与える影響分析
企業経営者(CEO)の一部は規制の緩和や財界寄りの税制を期待して、ロムニー大統領候補を支持していたが、オバマ大統領の再選が決まった今、CEOらは議会と大統領の間の膠着状態の軟化を望んでいる。以下は、ウォールストリートジャーナル紙による、オバマ政権2期目における業界ごとの今後の予想である。 医療ケア:オバマ大統領再選は、ヘルスケア改革の継続を意味するが、問題は法律がどのように施行されるかである。2014年に始まる医療保険改革により新たに3,000万人が保険に加入すると試算されており、これは病院や在宅ケア企業に恩恵をもたらすと考えられている。 エネルギー:掘削事業が鈍化することはないものの、オバマ大統領再選は、より厳しい環境規制とコスト増を意味する。大統領は、石炭の代替として天然ガスへの支持を再三表明している。1期目の優先事項であった再生可能エネルギーは引き続き重視されるが、ソーラーエネルギーや電気自動車用電池への投資が懸念事項となったことから、これらに更なる資金が提供される可能性は低い。 製造:大手製造企業は、機器への資本投資を躊躇させる原因となっている不透明性が解消されることを望んでいる。マクロ経済面では改善が見られつつあるが、「財政面での問題が解決しない限り、景気や雇用の回復は始まらないであろう」と工業会社の幹部らは見る。 技術:技術系企業は、オバマ大統領再選を受け、米国特許制度改革の継続、及び、税制や外国人労働者政策の改正の推進を期待している。 自動車:オバマ大統領の下で自動車業界ほど恩恵を受けた業界はないが、この状況は2期目も続く見込みである。オバマ政権の救済策により、ゼネラル・モーターズ社(General Motors Co.)やクライスラー・グループ社(Chrysler Group LLC)は見事に復活したものの、政府の取り組みが全て成果を挙げたわけではなく、電気自動車用電池メーカーに投じられた数億ドルは、大統領が期待していたほどの効果をもたらしていない。 Wall Street Journal “What Obama’s Victory Means for Business” (11/8/12)
FDA長官の留任はバイオ業界にとり朗報
食品医薬品局(FDA)のマーガレット・ハンバーグ長官(Margaret A. Hamburg)は、2期目となるオバマ政権においても同職に留任すると考えられている。この点について、グリコミメティクス社(GlycoMimetics Inc.)の最高経営者(CEO)でバイオ産業機構(Biotechnology Industry Organization: BIO)の理事会メンバーでもあるレイチェル・キング氏(Rachel King)は、「ハンバーグ長官の留任は、バイオテクノロジー業界にとり朗報である」と述べた。ハンバーグFDA長官は、FDAと医薬品業界の関係修繕に多くの時間を費やしており、同長官を支持する業界関係者は多い。キング氏はまた、処方薬ユーザーフィー法(Prescription Drug User Fee Act: PDUFA)を巡り、製薬企業、バイオ業界とFDAの間で行われた再交渉においても、ハンバーグ長官の功績を認めている。 Washington Business Journal “Stability at head of FDA good for biotech, says GlycoMimetics CEO” (11/7/12)
カリフォルニア州の住民投票で遺伝子組み換生物を使った食品へのラベル表示義務付け案が却下される
カリフォルニア州で11月6日、遺伝子組換え生物を使った食品にラベル表示を義務付けることを定めた住民投票事項37(Proposition 37)の投票が行われ、53%が反対票を投じ、同事項は却下された。ラベル表示の義務付けに取り組んできた活動家は現在、ワシントン州とオレゴン州で同様の住民投票に持ち込むことに焦点を移している。住民投票事項37は、遺伝子組換えが行われた加工食品や原料にラベル表示を義務付けるもので、州内で販売されている製品の40~70%がその影響を受けると試算されている。連邦政府は、遺伝子組換え生物を使った食品はそうでない食品と比べて、味や栄養に大きな違いはないとして、情報の開示を義務付けていない。今回、モンサント社(Monsanto Co.)を中心とした農業・化学会社連合は4,500万ドルの巨費を投じて住民投票の否決に努力した。 Mercury News “Backers of GMO labels look ahead after Calif loss” (11/6/12)
SLAC国立加速器研究所の新所長が就任
SLAC国立加速器研究所(SLAC National Accelerator Laboratory)の新所長として、X線科学者で同研究所に2010年から務めるチ-チャン・カオ氏が(Chi-Chang Kao)が就任(11月1日付)することが決まり、同研究所は従来の素粒子物理学専門の研究所から、X線研究に重点を置いた多目的研究所へと変革する大きな取り組みが、ある意味で完了した。カオ氏は、2007年12月以来、同研究所の所長として研究所の転身を指揮してきたパーシス・ドレス氏(Persis Drell)の後任となる。SLACは、エネルギー省(Department of Energy)傘下で、スタンフォード大学(Stanford University)によって運営されている。カオ氏はSLACの今後について、現行プログラムの維持に加え、エネルギー関連の基礎研究の具体的な分野(エネルギー貯蔵、ソーラー技術、触媒作用など)を強化していきたいと述べているが、現状の連邦予算環境ではこうした拡大が難しいであろうとの認識も示している。 ScienceInsider “X-ray Scientist to Head SLAC National Accelerator Laboratory” (10/25/12)
下院科学委員会、大幅な入れ替えに直面
AAASの分析によれば、下院の科学・宇宙・技術委員会(Committee on Science, Space, and Technology)の現行委員の10名(全委員の4分の1に相当)が今回の選挙で落選、或いは引退するため、同委員会は大幅な入れ替えに直面している。また、同委員会のラルフ・ホール委員長(Ralph M. Hall、テキサス州選出共和党)が下院の任期規制により委員長を退くことが決まっており、新たな委員長が選出される。その候補としては、ラマー・スミス議員(Lamar Smith、テキサス州選出共和党)が有力となっている他、前委員長のジェームズ・センセンブレナー議員(F. James Sensenbrenner Jr.、ウィスコンシン州選出共和党)も委員長への復帰に関心を示しているという。 Science Insider “U.S. House Science Committee Set For Big Turnover” (11/7/12)
ヒトDNA配列解析一大プロジェクト終了により、個別化医療に一歩近づく
1,200万ドルを投じて行われた「1,000ゲノム・プロジェクト(1000 Genomes Project)」の報告書が10月31日にネイチャー誌(Nature)で発表された。それによれば、米国やカナダ、中国、日本、ナイジェリアなどの国々から700名の科学者が関与して行われた同プロジェクトにより、欧州、アフリカ、東アジア、米州における14の人種から1,000人以上の完全なDNA配列の解読が完了したという。本件は、個人化医療時代に向けた大きな一歩となる。プロジェクトに参加した科学者らは、平均的な人間の約2万3,000個の遺伝子とDNA領域を形成するゲノム配列における3,800万の変異を特定しており、これは世界の人間の変異(推定)の約98%に当たる。研究を主導した統計遺伝子学者は、「我々は個人のゲノム配列が診断の有益な一部となる時に近づきつつある」と述べている。 Wall Street Journal “Personalized Medicine Moves Closer” (10/31/12)
DARPAロボット工学チャレンジが始まる
米国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency:DARPA)による「DARPAロボット工学チャレンジ(DARPA Robotics Challenge: DRC)」が10月24日に始まった。参加チームは今後2年間にわたって、災害発生時の緊急対応支援を行うロボットのハードウェア及びソフトウェアの開発及び試験を競う。DARPAは既に、トラックA(Track A:ハードウェアとソフトウェア双方のロボットシステム開発)とトラックB(ソフトウェアの開発のみ)に提出された提案の中から前者7チームと後者11チームに資金を提供することを決定している。そして本日からトラックC(ソフトウェアの開発のみ)とトラックD(ハードウェアとソフトウェアの双方)への提案受付も開始している。参加チームは、オープンソース・ロボット工学財団(Open Source Robotics Foundation)が開発を進めるDRCシミュレーター(DRC Simulator)を使って開発に取り組む。2013年6月にはDRCの最初のイベントとして、仮想ロボット工学チャレンジ(Virtual Robotics Challenge)が行われる。 Defense Advanced Research Project Agency “Robots, Take Your Mark… The DARPA Robotics Challenge Begins Today! Will It Include You?” (10/24/12)
IBM社、スマーター・エネルギー研究所を設立
IBM社は10月25日、世界的なエネルギー及びユーティリティ市場でのイノベーションの加速を狙いとした産業共同研究モデルとして、「スマーター・エネルギー研究所(Smarter Energy Research Institute)」の立ち上げを発表した。初期メンバーとして、カナダのハイドロ・ケベック社(Hydro-Québec)、オランダのアリアンダー社(Alliander)、米国のDTEエネルギー社(DTE Energy)が参加する。本件は、企業の研究部門とエネルギー及びユーティリティ産業との新たな共同取り組みであり、予測的分析やシステムの最適化、先端コンピューティングなどを通じて有力エネルギー企業の変革を図る。また、同研究所では、①計画停電の最適化、②資産管理の最適化、③再生可能エネルギー及び分散型エネルギー資源の統合など合計5つの中核イノベーションに集中していくという。 IBM “IBM Establishes the Smarter Energy Research Institute to Advance the Utility of the Future” (10/25/12)
NSFの支援を受けてユニークな高性能スパコンセンターが開設
ニューメキシコ・コンソーシアム(New Mexico Consortium)、ロスアラモス国立研究所(Los Alamos National Laboratory: LANL)、カーネギーメロン大学(Carnegie Mellon University)は、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の支援を受け、ニューメキシコ州ロスアラモスにあるリサーチパーク(Research Park)にユニークなコンピュータ・システム研究センター、「PRObE(Parallel Reconfigurable Observational Environment(並行的再構成可能な観測環境)の略)センター」を創設した。NSFから1,000万ドルの資金と、LANLから引退した2,000台以上のコンピュータを受けて開設されたPRObEセンターは、コンピュータ・システム研究者が専用の大型スパコンを使って大規模なシステム研究を行う世界初の施設である。 National Science Foundation “NSF Supports Unique, High-Performance Supercomputer Center” (10/24/12)