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米国科学特使が発表される

国務省(Department of State)のヒラリー・クリントン長官(Hillary Rodham Clinton)は11月8日、新たな科学特使(Science Envoy)の任命を発表した。新たに特使となったのは、コロラド大学ボールダー校(University of Colorado at Boulder)のバーナード・アマデイ教授(Bernard Amadei)、最近までマサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)の学長を務めていたスーザン・ホックフィールド氏(Susan Hockfield)、ワシントン大学セントルイス校(Washington University in St. Louis)のバーバラ・シャール教授(Barbara Schaal)の3名である。科学特使は、外国関連機関との既存の関係の強化や新たな関係の育成、世界的課題への対処の一助となる協力の可能性に関する協議、共通目標の実現などに取り組む。民間市民として渡航を行い、大統領府や国務省、米国科学コミュニティに助言を行うことになる。 Department of State “U.S. Science Envoys Announced” (11/8/12)

エネルギー省のESネット、世界最速の科学ネットワークを本格始動

科学的研究は、よりデータ集約型となり、世界的な協調体制や膨大なデータセットを迅速かつ信頼できる形で共有する能力が重要となっている。こうした中、エネルギー省(Department of Energy)のESネット(Energy Sciences Network)は、米国内の研究所やスパコン・センター、主要科学機関を100ギガビット毎秒(100 Gbps)で接続する世界最速の科学ネットワークを運用している。このネットワークは従来、10Gbpsであったが、米国景気対策法(American Recovery and Reinvestment Act of 2009: ARRA)から資金を得て100 Gbpsに改良された。ESネットはローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)によって管理されている。米国内の科学者は、ESネットを利用して、エネルギーや気候化学、宇宙の起源といった世界的にも重要な課題に協力して取り組むことが可能になる。 Berkeley Lab “Department of Energy’s ESnet Rolls Out World’s Fastest Science Network” (11/13/12)

カリフォルニア州でキャップ・アンド・トレード・プログラム開始

カリフォルニア州で11月14日、温室効果ガスの排出規制とクリーン技術への投資促進を狙いとした「キャップ・アンド・トレード制度」が始まり、カリフォルニア州大気資源委員会(California Air Resources Board: CARB)は同日、温室効果ガス排出機関を対象に排出枠(allowance)のオークションを行う。プログラム開始から最初の2年間は、大手工業排出機関は排出枠の90%を無償で得ることができる。排出枠はその後、2050年までに減少する。CARBでは、2012‐13年度に企業が支払う排出枠購入費用は9億6,400万ドルと試算している。一部の事業者は、プログラムによる更なる負担は電気代の高騰と失業をもたらすとして、プログラム開始を遅らせるよう請願したが、州はこれを拒否した。 Boston.com “Calif. to officially launch greenhouse gas system” (11/12/12)

NSF、国際的協力組織である研究データ同盟への参加を支援

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は11月8日、レンセラー工科大学(Rensselaer Polytechnic Institute)に250万ドルのグラントを提供すると発表した。同大学は、世界中の科学者達の間で研究データの共有を可能にし、イノベーションを加速させることを目的とした新国際組織「研究データ同盟(Research Data Alliance: RDA)」において、米国の参加を主導することになっており、今回のグラントはそのためのものである。これまで、120の米国及び国際機関が参加している。RDAにおける米国の関与を主導するのは、レンセラー工科大学のフランシーン・バーマン科学教授(Francine Berman)である。RDAの国際的立ち上げ及び総会は2013年3月にスウェーデンで行われる予定である。 National Science Foundation “NSF-Supported Research Data Alliance/U.S. Collaborates with International Partners to Accelerate Data Sharing” (11/8/12)

USAID、海外援助にDARPA的アプローチ

米国国際開発庁(U.S. Agency for International Development: USAID)は11月8日、「高等教育ソリューション・ネットワーク(Higher Education Solutions Network)」プログラムからグラントを受益する7つの大学チーム(米国内外)を発表した。同プログラムは、海外援助において科学技術が果たす役割を強化することを狙いとしたもので、受益する7大学チームは、医療の向上や貧困及び紛争の削減につながる革新的かつ低コストな手法の設計に取り組む。USAIDの科学顧問は本プログラムについて、「USAIDは開発向けの『米国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency:DARPA)』を構築しようと試みている」と述べている。USAIDでは、ラジブ・シャー氏(Rajiv Shah)が長官に就任して以来、科学技術を重視する姿勢がより顕著になっている。 Science Insider “A ‘DARPA’ Approach to U.S. Foreign Aid” (11/8/12)

NSF、地球科学局の副局長に米国大気研究センター(NCAR)のロジャー・ワキモト所長を選出

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、地球科学局(Directorate for Geosciences)の副局長(assistant director)として、米国大気研究センター(National Center for Atmospheric Research: NCAR)のロジャー・ワキモト所長(Roger M. Wakimoto)を選出した。ワキモト氏の就任は2013年2月の予定で、大気や極、地球、海洋科学における中核的研究を支援する地球科学局(年間予算約10億ドル)を主導する。ワキモト氏は、NCAR所長就任前は、NCARの地球観測研究所(Earth Observing Laboratory)で副所長を務めていた。地球物理学者であるワキモト氏は、竜巻や雷雨、その他の厳しい天候の研究を専門としている。 National Science Foundation “National Science Foundation Selects National Center for Atmospheric Research Director Roger M. Wakimoto to Lead Geosciences Directorate” (11/7/12)

再生可能エネルギー業界、オバマ政権2期目に期待

USRG再生可能ファイナンス社(USRG Renewable Finance: USRGRF)の共同設立者であるエド・フェオ氏(Ed Feo)によれば、オバマ大統領再選は、再生可能エネルギー業界に好意的な政策の継続を意味するという。同氏は、オバマ政権は、年末に失効予定の生産税控除(Production Tax Credit: PTC)の延長に取り組むと見る他、クリーン技術の最適化や戦略に特化したステラ・グループ社(The Stella Group)やソーラーエネルギー業界協会(Solar Energy Industries Association: SEIA)も、オバマ政権2期目における再生可能エネルギー政策について楽観的見解を示している。選挙結果を受けて石炭企業の株価が急落したのも、再生可能エネルギー重視政策が今後も続くと市場がみていることが原因である。 Renewable Energy World.com “Renewable Energy Industry Weighs In On Obama Victory” (11/7/12)

オバマ政権2期目:気候変動対策と更なる掘削が行われる見込み

オバマ大統領の2期目におけるエネルギー及び環境問題への取り組みは、これまでの政策の継続となる見込みである。具体的には、自動車燃費基準の引き上げなどを実施した大統領行政命令の更なる発令、石炭火力発電所を対象とした温室効果ガスやその他の大気汚染規制の継続などが考えられる。オバマ政権による包括的エネルギー戦略は続き、エネルギー省(Department of Energy)は今後もシェールガスの増大を奨励すると同時に、大規模な代替エネルギープロジェクトへの支援も継続していくとみられる。債務軽減と気候変動対策の双方につながる策として炭素税があるが、下院は共和党が支配していることから同税が実現する見込みは低い。こうした中、最も効果的な排出削減策は、旧式の石炭火力発電所を閉鎖し、天然ガスを燃焼する新型のものに置換することで、これは既に実施されつつある。 Scientific American “Climate Change Action and More Drilling Likely in Obama’s Second Term” (11/7/12)

オバマ政権2期目の中小企業アジェンダ予測

オバマ大統領再選を受け、オバマ大統領選挙陣営の広報担当者アダム・フェッチャー氏(Adam Fetcher)によれば、オバマ政権2期目の中小企業関連アジェンダは以下の通りとなっている。 減税:景気回復の促進を目的とし、中小企業を対象とした18件の現行減税の拡大を提案。 資本へのアクセス:今年4月に法制化された「起業活性化法(Jumpstart Our Business Startups (JOBS) Act)」の推進を計画。JOBS法は中小企業の資本アクセス強化支援と投資家保護の維持を狙いとする。 この他の中小企業支援として、規制の合理化、輸出と貿易の拡大、中小企業への投資などが挙げられている。 Entrepreneur “Barack Obama’s Second Term Small-Business Agenda” (11/7/12)

オバマ政権2期目の環境政策に注目が集まる

オバマ大統領の再選が決まった数時間後から、エネルギー関係者は、「第2期オバマ政権は、環境保護者が支持するリベラル派となるのか、それとも石油業界が容認する穏健派となるのか」との思案が始まっている。オバマ政権1期目は、発電所を対象とした大気汚染の新規制を推進し、環境保護派を喜ばせた一方で、国内石油・ガス開発の重要性を強調し、石油・ガス業界指導者に歩み寄ってリベラル派を怒らせるなど、リベラル派と穏健派の双方を演じた。オバマ政権2期目の環境政策を占う最初の試験は、カナダのアルバータ州から油砂由来の原油を米国湾岸地域に送る送油管「キーストーンXL(Keystone XL)」計画に、大統領がどのような判断を下すかである。同判断は、2013年早期に行われると見られている。 Politico “Obama’s green cred on the line in second term” (11/7/12)