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ニューヨーク大学を中心とするコンソーシアムが市の支援を受けて新たな研究所を設立へ
ニューヨーク市とニューヨーク大学(New York University: NYU)は4月23日、NYUとニューヨーク大学ポリー校(NYU-Poly)を中心とした国内外の大学と企業で構成されるコンソーシアムが、持続可能性問題に焦点を当てた新しい応用研究所を設立すると発表した。新研究所の名称は、「都市科学・進展センター(Center for Urban Science and Progress)」で、ブルックリンにある旧ニューヨーク市交通局(New York City Transit Authority)本部ビルに開設される。ニューヨーク市は、大学院レベルの科学研究を市経済に取り込もうと積極的に取り組んでおり、本件もその一例である。NYUはまた、都市科学・進展センターのディレクターとして、理論物理学者のスティーブン・クーニン氏(Steven E. Koonin)を選出したと発表した。同氏は、オバマ政権下でエネルギー省次官を務めた他、BP社の首席科学者、カリフォルニア工科大学(California Institute of Technology)の学長などを歴任している。NYUは、2017年までに施設の改築を終え、最初の講義を同年9月までに実施する計画である。 The Chronicle “New York U.-Led Consortium Wins City Backing for Research Institute” (4/23/12)
ハーバード大学の年間学術専門誌購読料は約375万ドル
ハーバード大学(Harvard University)の教員委員会の発表によれば、学術専門誌の年間購読料は約375万ドルで、委員会はこれを「財政的に維持不可能であり、学術的に制限的である」としている。学術出版社業界は、圧倒的な市場力を行使し、購読料を引き上げ、研究論文を購読者のみが閲覧できるようにしているが、こうした研究論文は、根本的には、大学から給与を受けた教員が公的資金を受けた研究を行った成果である。教員委員会は高騰する学術専門誌購読料への対策として、研究者に対し、研究成果をエルセビア社(Elsevier)などの商業出版社ではなく、オープン・アクセスの出版物に掲載するよう提案している。 Atlantic “Harvard Now Spending Nearly $3.75 Million on Academic Journal Bundles” (4/23/12)
世界90カ国以上の政府が政府間生物多様性委員会を発足
世界90カ国以上の政府は、地球の脆弱な生態系に関する最新の研究を評価することを目的に、独立科学者委員会を設立することで合意した。「気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change: IPCC)」に似た機関で、新たな政府間委員会の名称は、「生物多様性と生態系サービスに関する政府間プラットフォーム(Intergovernmental Platform on Biodiversity and Ecosystem Services: IPBES)」である。IPBESは、海洋の酸性化や受粉などの問題について国際的な科学評価を行い、生物多様性の損失や生態系の悪化に対応する政策決定者の一助となることを目指す。IPBESの年間予算はまだ確定されていないが、500万~1,300万ドルが提案されている。また、事務局はドイツが務めることが選挙で決定している。 Scientific American “World Governments Establish Biodiversity Panel” (4/23/12)
4つの環境保護団体がオバマ大統領への支持を表明
シエラ・クラブ(Sierra Club)、環境アメリカ(Environment America)、保全有権者同盟(League of Conservation Voters)、クリーン・ウォーター・アクション(Clean Water Action)の4つの環境保護団体は4月19日、今年の大統領選挙におけるオバマ大統領への支持を表明した。オバマ大統領と共和党の指名候補とみられるミット・ロムニー氏(Mitt Romney)による選挙選では、この支持表明は特に驚くものではないとみられている。オバマ大統領の環境政策は完璧ではないものの、キーストーンXLパイプライン(Keystone XL pipeline)建設計画を一時的に停止させたほか、ディープウォーター・ホライゾン(Deepwater Horizon)事故後にオフショア深海での石油掘削にモラトリアムを発するなど、一定の成果をあげている。一方、ロムニー氏については、同氏が地球温暖化でどのような見解を持っているのか不明で、その他の環境分野については米国の天然資源は開拓すべきとの見解を示している。 U.S.News “Environmental Groups Endorse Obama” (4/19/12)
IBM社のリチウム空気電池プロジェクトに日本企業2社が参加
IBM社は2009年から、1回の充電で500マイルの走行が可能な電気自動車用リチウム空気電池の開発を目的とした「電池500プロジェクト(Battery 500 Project)」を実施しているが、今回同プロジェクトに、日本の旭化成とセントラル硝子の2社が参加することが発表された。両社は電池500プロジェクトでは、リチウム空気電池の重要構成部品の開発に取り組むことになる。旭化成は、膜技術に関するノウハウを生かしてリチウム空気電池の重要な構成部品開発に、またセントラル硝子は化学分野での経験を生かして新種の電解液やリチウム空気電池の性能を強化する添加物の開発に取り組む予定である。 Daily Tech “IBM Welcomes Two New Companies to Its 500-mile Range Lithium-Air Battery Project” (4/20/12)
米政府、バイオセキュリティ国家科学諮問委員会(NSABB)の勧告を受け入れ、H5N1型鳥インフルエンザの論文発表を承認へ
米政府は4月20日、H5N1型鳥インフルエンザに関する論文(改訂版)の公開を奨励したバイオセキュリティ国家科学諮問委員会(National Science Advisory Board for Biosecurity: NSABB)の3月30日勧告を正式に受け入れることを発表した。国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)ウェブサイト上で、フランシス・コリンズNIH所長(Francis S. Collins)と厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)のキャサリーン・セベリウス長官(Kathleen Sebelius)が「両論文は全面的に発表されるべきである」というNSABBの見解に同意し、その旨を論文の掲載を検討する専門誌発行各社に伝えたことが記載されている。ただし実際の発表までには様々な問題が浮上すると考えられている。 Science Insider “U.S. Accepts NSABB Recommendation to Publish H5N1 Flu Papers” (4/20/12)
ファースト・ソーラー社、従業員数を2,000人削減
かつてはソーラー機器メーカーとして中心的存在であったアリゾナ州のファースト・ソーラー社(First Solar Inc.)は世界の従業員の約30%に相当する2,000人を削減すると共に、ドイツにあるソーラーパネル工場を閉鎖すると発表した。更に、マレーシアでの製造業務を休止し、2億4,000万ドル~3億7,000万ドルの再編費用を計上するという。同社は最近、アリゾナ州の製造施設の開業を延期し、ベトナムにおける工場建設も中止すると発表している。ファースト・ソーラー社のソーラーパネル事業は電力会社向けの大規模設備が中心で、これらは政府の助成に依存するところが大きいが、ドイツやイタリアでは、ユーティリティ規模のソーラー設備導入に対する助成が削減されており、これがドイツ工場閉鎖の主要因となった。ソーラーパネル業界では、屋上取付型のソーラーパネルシステムがトレンドとなっており、ファースト・ソーラー社が得意とする大型電力設備事業を疑問視する声もある。 Wall Street Journal “First Solar Cuts 2,000 Jobs” (4/17/12)
NIST関連の新規先端研究所が2ヵ所開設
高精度科学・測定のための先端研究所2ヵ所がコロラド州ボールダーで開設された。一つは、同地にある米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)ボールダーキャンパスに開設した精密測定研究所(Precision Measurement Laboratory: PML)で、もう一つはNISTとコロラド大学ボールダー校(University of Colorado, Boulder)による合弁事業、JILA(同校の構内にある)に開設したXウィング(X-Wing)である。両研究所とも、レーザーや原子時計、ナノテクノロジーなど、NISTやJILAの先端研究で求められる環境条件(振動や温度など)を厳密に制御できる他、特殊な研究機器の微細加工・ナノ加工を行う能力を有する。 Department of Commerce “Two New Advanced Laboratories Open at NIST Boulder and JILA” (4/18/12)
EPA、燃料用掘削の排出ガス規制を発表
環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は4月18日、天然ガスの掘削(水圧破砕)に伴う深刻な大気汚染に対する連邦初の措置として、新たな大気質基準を発表した。昨夏に基準案が発表されたが、業界団体が「提案された基準を遵守するには膨大な費用がかかり、国内天然ガス生産のブームが減速する」として反対していた。今回発表された基準は当初案が大幅に改訂され、業界には遵守までに2年半の経過期間が認められた(2015年1月に発効する)他、費用も低減された。EPAでは、「業界は既存の技術を導入することで基準に合致することができ、水圧破砕による掘削を行っている掘削井戸のほぼ半分は既に『グリーンコンプリーション(green completions)』と呼ばれる、ガスを捕獲する特殊な装置を導入している」と述べている。当初案に反対しロビー活動を展開していた米国石油協会(American Petroleum Institute)は改定基準に一定の評価を示したが、独立系の石油・ガス企業で構成される西部エネルギー同盟(Western Energy Alliance)は否定的な見解を示している。 New York Times “U.S. Caps Emissions in Drilling for Fuel” (4/18/12)
教育省、職業・技術教育を改革する計画を発表
教育省(Department of Education)のアーン・ダンカン長官(Arne Duncan)は4月19日、アイオワ州のコミュニティーカレッジを訪問し、職業・技術教育(Career and Technical Education: CTE)の改革に向けた政権計画を発表した。この計画は、①調整(労働市場の実際のニーズを反映)、②協力(大学や高等教育機関、雇用主、業界パートナーによる協力を奨励)、③CTEプログラムの説明責任、④CTEプログラムのイノベーション、の4つが柱となっている。 Ed.Gov “U.S. Department of Education Releases Blueprint to Transform Career and Technical Education” (4/19/12)