Category:

ニュース

ソリンドラ社を支援した投資会社、今後の税制優遇措置で恩恵を受ける見込み

エネルギー省(Department of Energy)と内国歳入庁(Internal Revenue Service: IRS)は8月27日、ソリンドラ社(Solyndra)の破産訴訟に関連して提出した書類の中で、「ソリンドラ社の破産計画の一部として、同社を支援したアルゴナウト・ベンチャーズ(Argonaut Ventures)とマドロン・パートナーズ(Madrone Partners)の2社は今後、ソリンドラ社の純営業損失などを元に5億ドル以上の税制優遇措置を受ける可能性がある」ことを明らかにした。そして破産計画によれば、連邦政府がソリンドラ社に提供した5億2,800万ドルの債務保証の多くは回収できない見込みであるという。アルゴナウト社とマドロン社は2011年のソリンドラ社再編計画において、ソリンドラ社に7,500万ドルの投資を約束し、その条件として連邦政府よりも先に返済を受けることを条件としていた。 Mercury News “Solyndra’s private backers stand to reap tax gains, bankruptcy filing says” (8/27/12)

ヒト胚性幹細胞研究を巡る訴訟、NIH側の法的勝利となるものの、訴訟は継続する可能性

ヒト胚性幹細胞研究への連邦助成の法的是非を巡る訴訟で、連邦控訴裁は8月24日、同研究への連邦助成規制を緩和した国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の見解を支持し、ひとまずはNIH及びヒト胚性幹細胞研究支持者の勝利となった。しかし、担当判事の一部は、NIH勝利となった本裁定の根拠について異なる意見書を提出していることから、ヒト胚性幹細胞研究をめぐる論争が今後も継続される可能性があるとみられている。 Science Insider “A Legal Win for Stem Cell Research, but Case May Not Be Over” (8/24/12)

GE、厳しい鉄道排出規制に適合する鉄道機関車を公開

ゼネラル・エレクトリック社(General Electric: GE)は8月24日、2015年に発効となる環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)のディーゼル・エンジン排出新規制に適合する新世代鉄道機関車を公開した。EPAによる新規制は、添加尿素を使わずにディーゼル・エンジンの酸化窒素排出を76%削減することや粒子状物質の放出の抑制を義務付けている。この規制に適合するという新型エボルーション機関車(Evolution locomotive)の開発により、GE社はキャタピラー社(Caterpillar Inc.)などの競合他社の一歩先に進んだことになる。GE社の手法は、エンジンの燃焼温度を慎重に管理する点が特徴である。GE社は今後、米国の鉄道会社大手で実際の走行試験をしてEPA新規制に合致することを確認した後、EPAに機関車の承認申請を行う計画である。 Reuters “Romney seeks North American energy independence by 2020” (8/23/12)

大統領府、大統領イノベーション・フェロー・プログラムを開始

連邦最高技術責任者(U.S. Chief Technology Officer: CTO)であるトッド・パーク氏(Todd Park)は8月23日、「大統領イノベーション・フェロー(Presidential Innovation Fellows)」の第一次フェロー18名を発表した。これら18名のフェローは、全国約700人の応募者の中から選出された。今後6ヶ月間に亘り、アントレプレナーや中小企業、経済を支援し、連邦政府から国民向けの機能を大幅に向上させることを目的とした5つの重要プロジェクトに取り組む。これらのプロジェクトは、①米国のためのブルーボタン(Blue Button for America:国民が自身の医療情報を電子的に利用する能力の拡大)、②RFP-EZ(連邦政府が中小の新興技術企業と事業を容易に行えるオンライン市場の開発)、③MyGov(国民が連邦政府による情報やサービスに容易にアクセスできる合理化オンラインシステム)、④オープン・データ・イニシアチブ(Open Data Initiatives:政府データへの公的アクセスの強化及びアントレプレナーによる政府データ活用の奨励)、の5件となっている。 White House “White House Launches Presidential Innovation Fellows Program” (8/23/12)

3,000台の車が相互通信するパイロット・プロジェクト

ミシガン州アナーバー市で8月21日、3,000台の車(自動車、トラック、バス)に、スピードや位置データ、近隣のインフラ情報を相互に無線通信する機器が取り付けられた。これは、運輸省(Department of Transportation: DOT)による、より安全な運転の実現を目的としたパイロット・プログラムの一部で、3,000人のドライバーが自主的に参加している。車内に設置された小型スピーカーを通じて、運転手に近隣の危険(走行先における突然の減速や走行車線の変更など)が警告される。機器が集めたデータは全て保管され、ミシガン大学(University of Michigan)とDOTによる研究に利用される。このパイロット・プログラムは、実社会における自動車間の通信システムを1年間にわたって試験するもので、このような大規模な試験はかつて行われたことがなく、当然ながらセキュリティとプライバシーの問題が懸念されている。 New Scientist “Mass autonomous cars project lets 3000 vehicles talk” (8/23/12)

厚生省(HHS)、電子医療記録及び医療情報交換の利用を推進するための第2段階の要件を発表

「経済的及び臨床的健全性のための医療情報技術に関する法律(Health Information Technology for Economic and Clinical Health Act: HITECH Act)」により、医療専門家や病院は認証電子医療記録(certified electronic health record: EHR)技術を導入し、これを意義のある形で利用した場合、メディケア及びメディケイドによるインセンティブ報酬を受益できる。これまでに12万人以上の医療専門家と3,300件以上の病院がそのインセンティブ報酬を受け取っている。厚生省(Health and Human Services: HHS)のキャサリーン・セベリウス長官(Kathleen Sebelius)は8月23日、このプログラムの第2段階(医療専門家間の医療情報交換を促進し、患者に自身の医療情報への安全で確実なオンラインアクセスを提供することで患者をの関与を深める)にインセンティブ報酬を受けるための要件を発表した。それによれば、①2014年以降に第2ステップが開始できることを確実にする、②EHR技術の認証のための基準を概説し、システムが確実に機能することを確認する、③認証プログラムを改訂して煩雑な事務手続きを簡素化し、より効率的な認証プロセスとする、の3点となっている。 Health and Human Services “HHS announces next steps to promote use of electronic health records and health information exchange” (8/23/12)

ニューヨーク市議会、気候変動委員会を設置

ニューヨーク市議会は8月22日、気候変動の脅威について市に助言する2つの委員会(パネル)を正式に政府の一部とする法案を可決した。これにより、科学者で構成される「ニューヨーク市気候変動委員会(New York City Panel on Climate Change)」と、政府やパートナー機関(エネルギーや通信その他の民間部門)で構成される作業部会は、正式に制度化され定期的に開催されることが法制化された。両委員会は市に対して、より頻繁に発生する嵐や熱波にどのように適応すべきかについて勧告するなどの責務を負う。両委員会は、環境問題に重点を置くマイケル・ブルームバーグ市長(Michael R. Bloomberg、来年末で任期終了)により2008年に召集された。 New York Times “New York’s City Council Adds Climate Change Panels” (8/22/12)

ロムニー候補、2020年までに北米のエネルギー自立を目指す

共和党の大統領候補であるミット・ロムニー氏(Mitt Romney)は8月23日、「大統領に選出された場合、連邦用地や東海岸沖における石油・天然ガス生産を急増させ、2020年までに北米のエネルギー自立を目指す」と述べた。オバマ大統領のエネルギー政策との違いを明確にしたいロムニー氏は、「米国内に埋蔵されている石油や天然ガスを開発することで300万人の雇用を追加することができる」とその経済的効果を主張した。同氏は大統領になった場合、オフショア・リース5ヵ年計画を策定し、東海岸沖など新たな開発地域を承認する他、カナダやメキシコとの間で北米エネルギー・パートナーシップを模索するという。そしてロムニー氏のエネルギー計画の重要な点は、州政府が州内にある連邦用地のエネルギー開発管理を行うことを認める点である(現在は連邦政府の管轄となっている)。 Reuters “Romney seeks North American energy independence by 2020” (8/23/12)

NSF、「研究とイノベーションにおける新興フロンティア(EFRI)」の助成15件を発表

米国科学財団(NSF)は、2012年度の「研究とイノベーションにおける新興フロンティア(Emerging Frontiers in Research and Innovation: EFRI)」における助成事業として15件を発表した。26機関で合計68名の研究者に約3,000万ドルが提供される。受益者は今後4年間にわたり、①生体適合性がある柔軟な電子システム(受益チーム4件)、②自己集合システム型材料及び構造のための折り紙設計(同8件)、③光合成による大規模な化学生産システム(同3件)という3つの新興分野で革新的な基礎研究に取り組む。これらの研究はいずれ、健康・医療、工学設計及び製造、エネルギーの持続可能性の分野での向上につながることが期待されている。 National Science Foundation “Engineers Pursue Flexible Electronics, Self-folding Structures and Controlled Photosynthesis on a Grand Scale” (8/23/12)

NIH、多額の助成金を受益する研究者を対象に新方針を発表

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は8月20日、「直接コストとして年間100万ドル以上のグラントを受益している研究者に対して、厳しい審査を追加する」という新たな助成方針を発表した。新方針の下、過去の研究と内容が重複する場合、助成は行われない可能性があるという。NIHは、予算の横ばいとグラント採択率の低迷が数年間続いたことを受け、研究資金を十分に活用する手段を模索していた。こうした中、「研究主任(principal investigator)が受益できるグラントを制限する」というアイデアが浮上し、5月に「年間の受益金額合計が150万ドルを超える研究者からの申請には研究所の科学評議会が追加の審査を行う」というパイロットプログラムを実施した。その結果、間接的コストは研究所によって異なることなどから、「直接コストの受益額が年間100万ドルを超える研究者」に変更されるなどして、今回の新たな方針が決定した。NIHによれば、科学評議会の追加審査の対象となる研究申請は、全ての申請の1%未満であるという。 ScienceInsider “NIH’s Millionaires to Get Extra Scrutiny” (8/21/12)