エネルギー省、横断的技術を通じた産業脱炭素化を促進

エネルギー省(Department of Energy)は10月8日、産業サブセクターにおけるエネルギー使用と温室効果ガス排出を削減する上で重要な変革的技術の開発支援として、21件のプロジェクトに4,300万ドル以上を提供すると発表した。このうち16件は、部門横断型技術に関する資金提供公募(3,800万ドル)の下で選出され、①産業熱の電気化、②産業システムにおける効率的なエネルギー使用、③有機廃水と湿性廃棄物処理の脱炭素化、の3つの分野で選出された。受益プロジェクトは、広範な適用性と高度な排出削減の可能性がある部門横断型の処理・設備技術の研究開発、パイロット規模の実証の進展に取り組む。また、「炭素を使用しない産業電気化処理研究所(Electrified Processes for Industry without Carbon (EPIXC) Institute)」とのパートナーシップを通じて5件のプロジェクトが選出された。これらのプロジェクトは、産業処理熱の電気化を通じて、費用効果のある形で排出を低減し、エネルギー効率を強化し、産業脱炭素化を迅速化することに取り組む。 Department of Energy “U.S. Department of Energy Announces More Than $43 Million in Projects To Drive Industrial Decarbonization Through Cross-Cutting Technologies” (10/8/24)

NIST、化学=バイオのAIモデルに関し情報要請

米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)の人工知能安全性研究所(Artificial Intelligence Safety Institute: AISI)は10月4日、「化学及び(または)生物学的AIモデルの安全性に関する検討(Safety Considerations for Chemical and/or Biological AI Models)」と題する「情報の要請(Request for Information: RFI)」を発表した。AISIは、化学及び生物学に焦点を当てたAIモデルの開発について情報を模索しており、具体的には、これらのモデルについて理解するための潜在的なベンチマークや評価ツール、それらによって引き起こされる可能性があるセキュリティ・リスクの軽減に関するガイダンスに関心を示している。こうした種類のAIモデルへの焦点は、AIモデルを取り巻く興奮(新しい医薬品の発見など)と懸念(技術が無数の国家安全保障リスクを創出する可能性)の中で生じている。AISIが求めている情報トピックは複数あり、その一部は具体的に国家安全保障問題に関連している。 Fedscoop “NIST narrows in on risks related to chem-bio AI models” (10/7/24)

NARUC、先端原子力エネルギーの革新的な使用事例を報告

全国ユーティリティ規制委員協会(National Association of Regulatory Utility Commissioners: NARUC)は、全国州エネルギー担当官協会(National Association of State Energy Officials: NASEO)との提携により、「先端原子炉のエネルギー及び産業使用事例(Energy and Industrial Use Cases for Advanced Nuclear Reactors)」と題する報告書を発表した。先端原子力エネルギーによる潜在的な代替使用事例について包括的な概況を示し、州ユーティリティ規制官及び州エネルギー担当官に重要な検討事項や疑問を投じている。先端原子力エネルギーは、州のエネルギー戦略の重要な一部として勢いを得つつあり、今後10年間で重要なプロジェクトの成長が期待されている。より多くの州が先端原子炉の選択肢を模索し、将来のプロジェクトにおいて州の事業体が重要な枠割を担うことを考慮すると、米国内外で実施または開発されている様々な使用事例について理解することは有益である。 National Association of State Energy Officials “New Report Explores Innovative Use Cases for Advanced Nuclear Energy, Offering Key Insights for State Regulators and Energy Offices” (10/7/24)

中小企業庁、14件の地域イノベーションクラスターを発表

中小企業庁(Small Administration Business: SBA)のイザベル・カシラス・グズマン長官(Isabel Casillas Guzman)は10月3日、SBAの地域イノベーション・クラスター(Regional Innovation Cluster: RIC)ネットワークを拡大し、新たに14件のアワードを提供すると発表した。これらのアワードは、米国内の革新的な中小企業及び起業支援組織へのSBAの取り組みと影響を強化するものである。SBAは、クラスター開発の推進と支援を目的として、2010年9月にRICイニシアチブを開始した。今回の資金提供アワードでは初めて、新興クラスターと成熟クラスターの2つの資金提供レベルで行われる。 Globe Newswire ” SBA Press Release: 25-01, SBA Announces 14 New Awards for Regional Innovation Cluster Network to Drive Nationwide Small Business Growth, Job Creation and Innovation” (10/3/24)

バークレー国立研究所、需要柔軟性プログラムと料金の現状に関し報告

ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkley National Laboratory)は、「需要柔軟性プログラムと料金の現状(The State of Demand Flexibility Programs and Rates)」と題する報告書を発表した。米国内の住宅及び商業建造物における需要柔軟性プログラムと料金に関する基礎的データを提供するもので、プログラム及び料金設定に情報を提供し、規制の意思決定を支援することを目的としている。需要柔軟性に関する出来事の構造と、提供されているインセンティブの種類とレベルについて説明している他、プログラムの成果(登録及び参加、エネルギーと需要節約、費用を含む)に関するデータも報告している。記事によれば、①需要柔軟性プログラムと料金は一般的に夏季の午後と夕方をターゲットとしている、②需要柔軟性プログラムには複数種類のインセンティブが提供されている、③需要柔軟性の料金には、ダイナミック料金(グリッドの状況に応じて設定される)と技術料金(適格の技術に応じて設定される)の双方がある、などが提示されている。 Berkley Lab “Berkeley Lab releases report on the State of Demand Flexibility Programs and Rates” (9/24/24)

NREL、エネルギー貯蔵技術による温室効果ガス排出を試算するツールを発表

国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)は、水力発電の運用事業者や開発事業者が、閉ループの揚水式発電(pumped storage hydropower: PSH)施設を建設、運用する際に温室効果ガスの排出を試算できる新たなツールを開発した。「新たな閉ループ揚水式発電施設のライフサイクル評価(Lif Cycle Assessment of New Closed-Loop Pumped Storage Hydropower Facilities)」がそれである。閉ループのPSHは、確立された技術で、現在のグリッド規模のエネルギー貯蔵の大半を占める。クリーンエネルギー移行の一環として、ソーラーや風力といった低炭素の再生可能エネルギー資源は急速に電力グリッドに統合されつつあるが、これらの発電資源は変動的であり、エネルギー需給のバランスを図る一助として、グリッド規模のエネルギー貯蔵が必要とされている。また、貯蔵技術の建設と運用が低炭素であることも重要である。PSHの場合、ディーゼルを使用する建設設備やコンクリートや鉄鋼の使用、水を上流の貯留地へ押し上げるための地元のグリッド電力混合などによる温室効果ガス排出の可能性がある。 National Renewable Energy Laboratory “New NREL Tool Estimates Lifetime Greenhouse Gas Emissions of the Most Well-Established Grid-Scale Energy Storage Technology” (10/7/24)

「ニュートロン・ネクサス」でオーク・リッジ国立研究所とフロリダ州の大学が協力

オーク・リッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory: ORNL)は、フロリダ農業機械大学(Florida Agricultural & Mechanical University: FAMU)及びフロリダ州立大学(Florida State University: FSU)と共に、FMAU-FSU工学部(FAMU-FSU College of Engineering)において、「ニュートロン・ネクサス(Neutron Nexus)」パイロット・プログラムを新たに開始した。このプログラムは、科学ユーザー・コミュニティの拡大及び多様化を図り、大学へのアウトリーチを通じて共同作業を高め、最終的には科学的進展へとつなげることを狙いとしており、この種としては全国で初めてのプログラムである。ORNLニュートロン・ネクサス・プログラムのゴールには、専門職間や個人間の関係を育成すること、ニュートロン科学の教育的機会を広げ、学生と教員によるORNL視察を計画することなどが含まれる。ニュートロン・ネクサス始動の一環として、FAMU-FSUカレッジにマテリアル科学及び工学部(Department of Materials Science and Engineering)が新設され、ORNLは、フロリダ州北部にニュートロンをもたらすことで、新たなユーザーが最先端のニュートロン散乱及び画像機能を活用し、自分達の研究に変革をもたらすことができるようになる。 Oak Ridge National Laboratory “‘Neutron Nexus’ brings universities, ORNL together to advance science” (10/4/24)

2024年クリーンエネルギーの閣僚対話に関する米豪合同声明

米国エネルギー省(Department of Energy)のジェニファー・グランホルム長官(Jennifer Granholm)と、オーストラリアの気候変動・エネルギー省(Ministry for Climate Change and Energy)のクリス・ボウエン大臣(Chris Bowen)は10月4日、ブラジルのフォス・ド・イグアスで開催されたG20エネルギー移行閣僚会議(G20 Energy Transitions Ministerial)に際して、第2回「クリーンエネルギーに関する米豪閣僚対話(United States-Australia Ministerial Dialogue on Clean Energy)」を実施した。本閣僚対話は、昨年5月に両国のリーダーによって、気候及びクリーンエネルギー協力を両国同盟の第3の柱へと高めるという共通のコミットメントを実現するための初回会合が行われて以降の進展の集大成となるものである。合同声明によれば、両閣僚は、クリーンなソーラーのサプライチェーンを支援、確実にするために共に取り組む必要性について議論し、今世紀半ばまでに正味ゼロを達成する世界のクリーンエネルギー移行に関する重要な経済的機会に認識を示すなどした。 Department of Energy “Joint Statement Between the U.S. and Australia on the 2024 Ministerial Dialogue on Clean Energy” (10/4/24)

ARPA-H、予測的な医薬品の安全性・有効性モデルを開発

厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)傘下の医療高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency for Health:ARPA-H)は10月4日、「より安全な治療薬のためのコンピュテーショナルな薬物動態・毒性及び生理学的分析(Computational ADME-Tox and Physiology Analysis for Safer Therapeutics: CATALYST)」プログラムを通じて新たな資金提供機会を発表した。CATALYSTプログラムは、人間の生理学をベースとしたコンピュータ・モデルを作成し、治験薬(Investigational New Drug: IND)候補の安全性と有効性の側面を正確に予測することを意図している。現在の臨床薬開発プロセスは、時間と費用がかかり、非効率的である。医薬品候補の90%以上が商業市場に至っておらず、その理由の約半分は有効性に関するもので、多くが適切でない投与量や身体の特定の部位に医薬品が利用できないことによるものである。CATALYSTプログラムは、人間の生理学に基づき、より正確で迅速で費用効果に優れたインシリコ(コンピューター)の医薬品開発ツールによって、予測性が不十分な臨床前動物研究の使用を低減することを目指す。 Advanced Research Projects Agency for Health “ARPA-H launches program to develop predictive drug safety and efficacy models” (10/4/24)

エネルギー省の送配電計画研究、地域間インターフェース機会を特定

エネルギー省(Department of Energy)は10月3日、地域間送配電開発の枠組みを提供する「国家送配電計画研究(National Transmission Planning Study)」を発表した。計画は、多くの筋書きで広範な恩恵をもたらす「高度な機会の送配電インターフェース(high opportunity transmission (HOT) interfaces)」を特定している。ユーティリティ機関やグリッド計画者は、開発の可能性があるプロジェクトを特定するためにこの国家送配電計画研究を活用することができる。エネルギー省のグリッド配備局(Grid Deployment Office: GDO)が、国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)及びパシフィック・ノースウェスト国立研究所(Pacific Northwest National Laboratory: PNNL)とのパートナーシップで作成したもので、電力需要や炭素排出目標、送配電技術など、様々な要素を考慮した96のシナリオが含まれている。 Utility Dive “DOE transmission planning study identifies ‘high opportunity’ interregional interfaces” (10/3/24)