国防総省、リエレメント・テクノロジーズ社へ2,500万ドル投資 重要鉱物生産を拡大

国防総省(Department of Defense)は7月13日、リエレメント・テクノロジーズ社(ReElement Technologies)に対し、レアアース(希土類元素)などの防衛重要鉱物の国内精錬拡大に向け、2,500万ドルを投資すると発表した。インディアナ州マリオンにある同社施設の生産ライン拡張に向け、機器調達や設置、運転資金を支援する。先進防衛システムや航空宇宙部品、安全な通信に必要な素材の国内確保による産業基盤強化を目指す取り組みで、回収された磁石やリサイクル素材を加工して高純度レアアース酸化物を生産する。同省は重要鉱物の国内精錬強化拡大は国家安全保障上不可欠と位置付けており、鉱山から磁石に至る国内供給網(サプライチェーン)再構築により、軍の高度防衛システムに必要な重要素材供給を確保できるとも説明した。また、懸念される外国法人との取引制限などの措置も徹底するとし、官民連携による迅速な生産能力の構築を図る方針である。 Department of Defense “Department of Commerce Announces Direct Funding Agreement with Bosch for a $225 Million CHIPS Program Award to Support Domestic Production of Silicon Carbide Semiconductors” (07/13/26) https://www.war.gov/News/Releases/Release/Article/4541423/department-of-war-announces-25-million-investment-with-reelement-technologies-t/

商務省、ボッシュ社半導体工場に最大2億2,500万ドル拠出へ

米国標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology: NIST)は7月13日、商務省(Department of Commerce)CHIPSプログラム局(CHIPS Program Office)によるロバート・ボッシュ・セミコンダクター社(Robert Bosch Semiconductor)への最大2億2,500万ドルの資金提供について発表した。同社がカリフォルニア州ローズビルで進める20億ドルの製造拠点改修投資向けで、自動車などの産業、エネルギー分野に不可欠な炭化ケイ素(SiC)半導体の最先端生産工場構築に充てられる。具体的にはクリーンルーム拡張や高度製造ライン開発を加速する計画で、既にサンプル生産を開始している。また、年内の商用生産開始を見込んでおり、今後5年で計75億ドルを投資する。同省は、このCHIPS・科学法(CHIPS and Science Act)に基づいたインセンティブが、重要なSiC技術の国内回帰を支え、電圧や温度への耐性に優れたSiC半導体生産能力の国内確保により、供給網(サプライチェーン)強化や、安定かつ強固な国内供給体制確立につながると説明した。 NIST “Department of Commerce Announces Direct Funding Agreement with Bosch for a $225 Million CHIPS Program Award to Support Domestic Production of Silicon Carbide Semiconductors” (07/13/26) https://www.nist.gov/news-events/news/2026/07/department-commerce-announces-direct-funding-agreement-bosch-225-million

サンディア国立研究所、技術実用化でVCと連携強化

サンディア国立研究所(Sandia National Laboratories: SNL)は7月13日、SLAC国立加速器研究所(SLAC National Accelerator Laboratory)と共同で、最先端科学成果を迅速に商用化する新事業「コンパス(COMPASS)」を発表した。民間投資家が初期段階から関与して企業を育成していく試みで、新たな実用化モデルを活用し、市場性の高い新興6社を創出する。既に投資家による開発ロードマップ策定や資金提供に関与する仕組みを整えており、偽造医薬品検知インクや量子コンピューター向けメモリーなどの30技術を特定、エネルギー省(Department of Energy)の技術商業化局(Office of Technology Commercialization: OTC)が3年間で840万ドルの資金提供を決定した。シリコンバレーに近いSLACの地理的優位性や、研究所の持つ大規模施設、国家安全保障の経験を融合させることで、画期的な技術を迅速に市場へ導入していく橋渡しを実現していくと説明している。 SNL “A COMPASS for driving faster commercialization of lab technology” (07/13/26) https://newsreleases.sandia.gov/a-compass-for-driving-faster-commercialization-of-lab-technology/

マイクロン社、国内投資総額を2,500億ドル超に引き上げ 国内生産拡大へ

マイクロン・テクノロジー社(Micron Technology)は7月9日、2035年までの国内投資計画を拡大し、総額2,500億ドル以上に引き上げると発表した。同社の「DRAM生産の40%を国内で行う」という長期目標達成に向けた取り組みで、人工知能(AI)によるメモリ需要急増に対応する。これに伴い、5万9,000人以上の高収入直接・間接雇用創出にもつなげていく考えも示した。また同日、当初計画を1四半期前倒しし、ニューヨーク州クレイの建設現場における生コンクリート打設を達成し、垂直建設へ移行したことも発表した。同社は「データとメモリは現代経済の基盤」と位置付けており、国内製造基盤支援に向け、半導体供給網(サプライチェーン)のエコシステム開発に最大30億ドルを投資する方針も明らかにしており、建設ピーク時には数千人の熟練職人が必要になるとも説明している。 Micron Technology “Micron Accelerates U.S. Investments, Pours First Concrete at New York Fab” (07/09/26) https://investors.micron.com/news-releases/news-release-details/micron-accelerates-us-investments-pours-first-concrete-new-york

ニューヨーク州、分散型太陽光の導入8GW達成 2030年目標を前倒し

ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事(Kathy Hochul)は7月2日、州内の分散型太陽光エネルギー導入量が8ギガワット(GW)に達したと発表した。2030年目標の10GWを前倒しで達成する見通しに加え、需要ピーク時の信頼性向上に寄与する太陽光活用拡大に向け、来年度予算ではさらに2億ドルの予算を確保した。特にコミュニティ・ソーラーや州のニューヨーク・太陽光プログラム(NY-Sun Program)などにより、恵まれない地域を含む130万超世帯や事業所への電力供給を推進中で、現在2.7GW規模の開発も推進中であるという。同州エネルギー研究開発局(New York State Energy Research and Development Authority: NYSERDA)によると、同州は全米の地域太陽光発電容量の35%を占め、国内トップの市場地位を確立、実際に6月3日正午時間帯には州全体の電力需要約29%を太陽光が供給するという過去最高の発電記録を樹立した。同州はこの取り組みにより、約122億ドルの民間投資と1万6,000人以上の州内雇用を創出していると説明している。 Governor Kathy Hochul “Governor Hochul Announces New York Has Installed Eight Gigawatts of Distributed Solar Energy” (07/02/26) https://www.governor.ny.gov/news/governor-hochul-announces-new-york-has-installed-eight-gigawatts-distributed-solar-energy

2026年上半期のVC投資、過去最高を記録 大型案件が牽引

アクシオス(Axios)は7月9日、2026年上半期の米国企業に対するベンチャーキャピタル(VC)投資額が過去最高を記録したと報じた。ピッチブック社(PitchBook)と全米ベンチャーキャピタル協会(National Venture Capital Association: NVCA)が発表したデータによると、上半期の調達総額は4,127億ドルに達した。2025年通年の実績を29%上回る規模で、2021年の記録を15%上回る大幅な増加となった。メガラウンドと呼ばれる大型案件が投資拡大を牽引し、上半期に投入された資金の81%以上が1億ドル以上の取引であったという。また、第2四半期には10億ドルを超える大型調達が7件あった。一方で、四半期別では、第1四半期が第2四半期を大きく上回ったものの、投資回収(出口戦略)活動の多くは第2四半期に集中したことが明らかになった。 Axios “Venture capital is already having a record year” (07/09/26) https://www.axios.com/2026/07/09/venture-capital-record-year

NSF、応用研究の新構想「X-Labs」に15億ドル投資へ

サイエンス誌(Science)は7月10日、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)が総額15億ドル規模の新たな応用研究構想「エックス・ラボ(X-Labs)」への提案募集を開始したと報じた。画期的な発見を商用規模で実用化し、新産業を創出することが目的で、従来の学術論文を重視した助成とは一線を画す。具体的には、チームに対しセンサーや画像などの計測機器や量子システム、光関連技術に6年間で最大3億ドルを支給する。しかし、今回、主任研究者(PI)やその他の主力研究者に対し事業への100%従事を義務付けており、この要件が大学教職兼務の事実上排除にあたるとして懸念されているほか、新興チームの研究インフラ未整備によるコスト上昇も指摘されている。NSFは、大学参加も当初から想定し、コミュニティの意見をもとに募集要項を修正したと説明したものの、大学との現在の関係性維持については今後困難になる可能性があるとの見方を示した。なお、今秋には最初の採択チームが発表される予定で、今後、生物工学など他の分野への拡大も視野に入れているという。 Science “NSF makes billion-dollar gamble on research with an economic payoff” (07/10/26) https://www.science.org/content/article/nsf-makes-billion-dollar-gamble-research-economic-payoff

DIU、イノベーション拠点誘致要件を公示

国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit: DIU)は7月10日、国防イノベーション・オンランプ拠点(Defense Innovation OnRamp Hub)の設置候補地選定に関する公募要件を発表した。2026年度国防権限法第913条(Section 913 of the National Defense Authorization Act for Fiscal Year 2026)に基づくもので、地域の優秀な人材や研究機関、起業家を結集する地域の「玄関口」として、国家安全保障上の課題に対応する体制を構築する。選定に際しては、商務省(Department of Commerce)の経済開発局(Economic Development Administration: EDA)のイノベーション・インテリジェンス指数を用いたエコシステムの強さや民間技術エコシステムへの近接性、人材の可用性などを評価するほか、既存エコシステムとの重複を避けつつ、地理的・戦略的バランスや長期的ニーズへの適合性も考慮するとした。資金調達に関しては、設立・維持コストの10%を地方、州、民間から確保し、5年以内の完全な自立化を目指す。詳細に関する質問は、7月20日に開催される60分間のウェビナーで受け付ける。 DIU “Public Criteria for Future Defense Innovation OnRamp Hub Locations Released” (07/10/26) https://www.diu.mil/latest/public-criteria-for-future-defense-innovation-onramp-hub-locations-released

トランプ政権、航空関連製品の輸入規制調整 脅威対応が急務

大統領府(The White House)は7月9日、商務長官(U.S. Secretary of Commerce)と通商代表(U.S. Trade Representative)に対し、民間航空機やジェットエンジン、その関連部品輸入に関して貿易相手国と協定交渉を行うよう指示したと発表した。1962年通商拡大法第232条(Section 232 of the Trade Expansion Act of 1962)に基づくもので、各国との交渉を推進した上で、関税規制を調整していく。主に軍用機やエンジンの供給不確実性を防ぐなど、安全保障上への対応を行うほか、民間航空宇宙産業セクターを重要産業基盤と位置付け、コスト上昇回避に向け、エコシステムを構築していく。これに伴い、商務長官に対し、安全保障を脅かす状況に関する大統領への報告義務を継続し、また、180日以内の協定未締結、あるいは実効性がないと判断した場合、大統領によるさらなる措置対応の可能性についても示した。政権は同法に基づき、これまでも鉄鋼やアルミニウムなどの重要産業保護を推進しており、今回も数兆ドルの投資を確保して産業支援につなげる構えである。 The White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Adjusts Imports of Commercial Aircraft, Jet Engines, and Aircraft and Engine Parts into the United States” (07/09/26) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2026/07/fact-sheet-president-donald-j-trump-adjusts-imports-of-commercial-aircraft-jet-engines-and-aircraft-and-engine-parts-into-the-united-states/

軍事最終判断、高度AI活用で秒単位に短縮 CSET報告

安全保障・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology: CSET)は7月、人工知能(AI)を活用した意思決定支援システム(AI-enabled decision support systems: AI-DSS)導入で、軍の作戦立案や意思決定工程を数秒にまで短縮できるとの報告書を発表した。「メイヴン・スマート・システム(Maven Smart System: MSS)」の導入により、2,000人が関わる標的設定プロセスを20人で実行可能にしたほか、弾薬補給や合同航空任務サイクル(Joint Air Tasking Cycle: JATC)などAIの適用範囲は標的設定のみにとどまらないと指摘し、JATCにおいては72時間かかる従来作戦計画タイムラインを短縮できるとした。一方で、最大障壁はソフト開発ではなく、現場部隊がバラバラに保管している必要なデータへのアクセス権にあるとし、国防総省(Department of Defense)の最高デジタル・AIオフィス(Chief Digital and Artificial Intelligence Office: CDAO)に対し、データのデジタル利用環境整備や、現場と密な連携により、全軍における開発を迅速展開するよう提言している。 CSET ” Beyond Targeting The Untapped Role of AI in Military Decision-Making” (07/XX/26) Beyond Targeting