国防高等研究計画局(DARPA)は、戦場における負傷に関連する心的外傷の軽減と、戦闘による死傷者数減少を目的として、安全且つ戦場での使用が可能な麻酔薬生産に向けた基礎研究に取り組む「戦場医療ケアのための麻酔薬(Anesthetics for Battlefield Care:ABC)」プログラムを立ち上げた。候補となる麻酔薬は、①投薬が容易、②迅速な効果、③大規模な監視・人命救助機器や訓練を受けた医療専門家が不要、などが要件となる。DARPAは、同プログラムの下での研究者に対し、血圧・心拍出量・呼吸ドライブに影響を与えることなく麻酔効果のみを標的とした、新たな生物学的メカニズム及び薬剤化合物・処方の特定を要請している。ABCプログラムマネージャーのマイケル・フィーゼル氏(Michael Feasel)は、負傷発生場所の近くで早期に救命介入を行うための支援を開発し、兵士・一般市民に関わらず、全ての患者の生存率向上を目指すとしている。本プログラムは、1)麻酔薬の新たな標的・メカニズムの発見と標的の立証に取り組む発見フェーズ、2)発見フェーズで特定した新薬製造に向けた化学薬品の研究、という2つのフェーズに分かれる。なお、DARPAとABC研究者は、成功及び同プログラムの下で開発された麻酔薬利用機会を最大化するために、独立検証及び妥当性確認パートナー、食品医薬品局(Food and Drug Administration)を含む規制当局などと協力することになる。