Category:その他
敵対国AI政府調達を禁止 下院中国特別委が超党派法案発表
下院の中国共産党特別委員会(House Select Committee on the Chinese Communist Party)は6月25日、中国共産党など敵対国が開発した人工知能(AI)システムの政府調達を禁止する超党派法案「敵対国AI禁止法(No Adversarial AI Act)」を発表した。ジョン・ムーレナー委員長(John Moolenaar、ミシガン州選出共和党)とラジャ・クリシュナモーティ筆頭理事(Raja Krishnamoorthi、イリノイ州選出民主党)が発表したこの法案は、中国共産党と結びつく企業が開発したAIの政府機関による取得や使用を禁止するものである。法案は敵対国が開発したAIシステムの公開リストを連邦調達セキュリティ評議会(Federal Acquisition Security Council)が作成・更新し、研究や対テロ、重要任務などの限定的な場合を除き、行政機関による敵対国開発AIの調達・使用を禁じている。ムーレナー委員長は「我々は新たな冷戦の中にあり、AIが戦略技術の中心にある」と述べ、中国共産党による技術の兵器化を警戒する姿勢を示した。 Select Committee on the Chinese Communist Party ” China Select Committee Launches AI Campaign with Legislation to Block CCP-Linked AI from U.S. Government Use ” (06/25/25) https://selectcommitteeontheccp.house.gov/media/press-releases/china-select-committee-launches-ai-campaign-with-legislation-to-block-ccp-linked-ai-from-us-government-use
グーグル社、CFS社から核融合電力200メガワットを購入
グーグル社(Google)は6月30日、核融合電力会社のコモンウェルズフュージョンシステムズ社(Commonwealth Fusion Systems:CFS)から電力を購入する契約を締結し、CFS社への投資を拡大することを発表した。具体的に、グーグル社は、CFS社がバージニア州チェスターフィールド郡に構築予定の原子炉から電力200メガワットを購入することになる。CFS社は、2030年代前半までに商業規模でのエネルギー創出を目指しており、本契約は、グーグル社が核融合電力会社との間で締結する初のエネルギー調達契約となる。同契約の下で、グーグル社はCFS社の他の原子炉からの電力購入権も得ることとなるが、2021年に開始した同社への投資も拡大するという。グーグル社は、2010年以降、各種再生可能エネルギー購入契約を締結しており、その後、地熱エネルギー・電池などといった他のエネルギー源にも拡大しているが、CFS社との契約で、エネルギー源を先進原子力にも拡大したことになる。グーグル社は、本件とは別に、将来の小型モジュール原子炉(small modular reactor:SMR)展開も支援している。なお、グーグル社は、6月27日に発表した年次環境報告書において、2024年に、同社データセンター及び事務所全体で使用するエネルギーの約66%がカーボンフリーエネルギーとなったことを報告している。 Axios “Google strikes fusion power deal” (06/30/25) https://www.axios.com/2025/06/30/google-fusion-power-deal
AIシステムイノベーションが経済・軍事優位性を左右 CSET提言
安全保障・振興技術センター(Center for Security and Emerging Technology: CSET)は7月、人工知能(AI)のシステムからモデルへのイノベーション(System-to-Model Innovation)が経済・軍事面での優位性を生むとする報告書を発表した。システムレベルのイノベーションは、AIの普及とともに進展、先端技術の進歩に向けた人材基盤を拡大するとし、同センターは、保護、普及、予測の3つの観点から成る政策の枠組みを提案した。特に敵対的な攻撃に対応するためのリソースと専門知識が不足している中小企業に対し、システムレベルでの安全性試験やレッドチームによる評価などを補助金で検討する必要があると指摘した。また、AIモデルをシステムに普及させるには、AIを既に導入している国の動向監視や、技術予測、供給網分析の適応が重要であるとし、電力産業の歴史的変遷に似た基礎モデルの将来は、規制独占かコモディティ化の二極化が予想されるという。これらを踏まえ、政府や産業界は、革新と安全保障、価値観のバランスを模索し、AIの進路を公共の利益に導く必要があると提言している。 CSET “AI System-to-Model Innovation” (July 2025) AI System-to-Model Innovation
トランプ政権、主要科学機関の予算大幅削減を提案
米国物理学会(AIP)は6月30日、トランプ政権が2026年度予算で大幅な削減を提案したと発表した。国防総省(Department of Defense)の基礎研究を9%削減し22億6,600万ドル、応用研究を8%削減し57億6,900万ドルとするほか、2024年度から2025年度の応用研究予算を17%削減した。また、商務省(Department of Commerce)傘下の米国海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration: NOAA)については、海洋大気研究局(Office of Oceanic and Atmospheric Research: OAR)を廃止し、一部プログラムをNOAA所内の他局に移管する。NOAA全体の約18%にあたる2,200人以上の人員削減を計画しており、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology: NIST)も約30%の予算削減で数百人の研究職を削減する。下院歳出委員会はエネルギー省(Department of Energy)、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)、NOAA、NIST、航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)の科学歳出法案を来週審議する予定である。 AIP “DOD, NOAA, and NIST detail major proposed science cuts” (06/30/25) https://www.aip.org/fyi/the-week-of-june-30-2025
NARUCとNASEO、州先進原子力エネルギー戦略枠組み策定を支援する手引書を発表
全米公益事業規制委員会協会(National Association of Regulatory Utility Commissioners:NARUC)は6月30日、米国州エネルギー担当官協会(National Association of State Energy Officials:NASEO)と共同で、報告書「州先進原子力エネルギー戦略枠組みの策定:州エネルギー担当官・公益事業委員会向け手引書(Developing State Advanced Nuclear Energy Strategic Frameworks: Guidance for State Energy Offices and Public Utility Commissions)」を発表した。本報告書は、公益事業委員会及び州エネルギー担当官が、各州における新たな原子力エネルギー事業戦略枠組み作成を主導するにあたり、その準備の支援を意図しており、州エネルギー長官及び公益事業規制機関からの先進原子力発電への関心増に対応したものである。同報告書は、州における先進原子力エネルギー導入を支援するために、戦略枠組み作成手順を概説し、州が検討すべき要因を説明している他、原子力以外のエネルギー計画との統合・政策策定・規制手続きなどに関して考慮すべき事項を提示している。州担当者は、同報告書にある助言に関し、各州での先進原子力技術導入において、その評価・計画に対する貴重なロードマップを提供するものと評価している。 National Association of State Energy Officials “New Report Supports States’ Development of Advanced Nuclear Strategic Frameworks” (06/30/25) https://pubs.naruc.org/pub/98408B60-F7B0-242B-B3F1-05BE014BA12C
米国営利企業によるR&D、2001年~2021年の20年間で地理的集中が進む
米国科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)は7月1日、国勢調査局(Census Bureau)と共同で実施した、2021年に米国営利企業が行った研究開発(R&D)活動に関する「企業研究開発調査(Business Enterprise Research and Development (BERD) Survey)」結果を発表した。これによると、2001年から2021年に行われた営利米国企業によるR&D支出の半分以上は、カリフォルニア州とワシントン州の2州におけるものであった。また、2001年に行われた企業R&Dの70%は上位10州によるもので、上位3州(カリフォルニア州、ミシガン州、マサチューセッツ州)が全体の37%を占めたのに対し、2021年実施の企業R&Dでは上位10州が全体の75%、上位3州(カリフォルニア州、ワシントン州、マサチューセッツ州)が全体の50%を占め、地理的集中度が高くなった。企業R&D支出が民間企業支出全体に占める割合は、2001年の2.2%から2021年には2.9%に増加している。さらに、自社資金を投入した企業R&Dに特定すると、上位10州のうち5州は単一産業が支出全体の50%超を占めており、具体的に、ミシガン州では自動車製造業が州全体の企業R&D支出の71%、オレゴン州では半導体製造業が62%、ニュージャージー州、ペンシルバニア州、マサチューセッツ州では、いずれも製薬業がそれぞれ全体の56%、52%、51%を占めた。この他、2021年に行われた企業R&Dの約95%は、大都市・小都市統計圏100カ所で行われたことが判明した。 National Center for Science and Engineering Statistics “Geographic Distribution of Business R&D Performance in 2021” (07/01/25) https://ncses.nsf.gov/pubs/nsf25340
Natcast、AI・HPCインフラ拡大目的でのCPOエンジン開発に関する情報提供を要請
米国半導体技術センター(National Semiconductor Technology Center:NSTC)運営を商務省から委託された非営利組織のナットキャスト(Natcast)は7月1日、コパッケージドオプティクス(Co-packaged Optics:CPO)エンジン開発に関する研究プログラムを実施する可能性に関し、一般からの意見を要請する情報要求(RFI)を発表した。これは、AIモデルの急速な拡大に従来の電気相互接続が追い付かない現状を鑑み、AI及び高性能コンピューティング(HPC)インフラ拡大に向けて、電力消費削減、シグナルインテグリティ改善、帯域幅密度強化のために、光トランシーバーをパッケージに直接統合することを目指している。本RFIでは、AI及びHPCインフラ拡大を目的とするCPOエンジンの研究開発優先事項を設定するために、企業・大学・研究パートナーからの情報提供及び、設計・統合・共同開発・技術移転での協力促進におけるNSTCの役割に関する提案を要請している、但し、オンチップワイヤの取替及びパッケージ外で運用される光コネクタ・トランシーバー技術には重点を置いていない。本RFIへの情報提供起源は7月29日となる。 Natcast “Request for Information: Co-packaged Optical Engine Development for AI Infrastructure Scale-up” (07/01/25) Request for Information: Co-packaged Optical Engine Development for AI Infrastructure Scale-up
エネルギー省、INLのDOME施設での試験は環境・健康に顕著な影響なしと判断
エネルギー省は6月30日、アイダホ国立研究所(Idaho National Laboratory:INL)にあるマイクロリアクター実験実証(Demonstration of Microreactor Experiments:DOME)施設で実施する試験について、環境・健康への顕著な影響はないと判断し、同研究所における最初のマイクロリアクター試験のスケジュール作成・準備に着手することを発表した。エネルギー省国立反応炉イノベーションセンター(National Reactor Innovation Center:NRIC)が運営するDOMEは、民間企業に対し、燃料供給済みマイクロリアクター実験を実施する安全・確実・適正価格の試験施設提供のために考案されたもので、同施設で創出されたデータは、米国のエネルギー自給自足の確保と経済成長促進のため、米国における反応炉技術の利用拡大に向けた反応炉ライセンス付与・商業化の取り組みに活用されることになる。なお、今回の「顕著な影響なし」との結果は、5月に発表されたDOME環境評価最終報告書に基づいて判断された。 Department of Energy “U.S. Department of Energy Finds No Significant Impacts for DOME Microreactor Test Bed” (06/30/25) https://www.energy.gov/ne/articles/us-department-energy-finds-no-significant-impacts-dome-microreactor-test-bed
トランプ大統領、エネルギー・重要鉱物関連助成プロセスの省庁間調整促進を奨励
トランプ大統領は6月30日、エネルギー・重要鉱物関連プロジェクトへの資金提供において、税金のより有効な利用を優先して無駄なプロセスの重複を回避するために省庁間調整を促進する大統領覚書に署名した。本覚書は、エネルギー・重要鉱物・クリティカルマテリアル関連プロジェクトの助成申請中及び助成確約案件の両方について、国家エネルギー支配会議(National Energy Dominance Council:NEDC)との情報共有を奨励している。これは、連邦政府全体において、資金の適切な活用状況確認、資金を最も必要とする領域の判断、重複の回避などについてNEDCが状況を把握し、資金提供機関への助言提供が可能になる他、助成受給候補者の評価を行う省庁間での調整機能を果たしてワークストリームの重複を排除することになる。また、エネルギー・重要鉱物分野における連邦助成機会共通の申請手順を策定し、簡略化された1回の申請手続きで複数の助成プログラムに同時に申請できるようにすることも指示している。 The White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Ensures Efficient Funding Processes and Decisions for Energy and Critical Mineral Projects” (06/30/25) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/06/fact-sheet-president-donald-j-trump-ensures-efficient-funding-processes-and-decisions-for-energy-and-critical-mineral-projects/
トランプ大統領、NEPA準拠に伴う負担軽減のため連邦政府許可制度を改革
トランプ大統領は6月30日、連邦許可制度改革を発表し、連邦政府による審査が米国経済成長失速やエネルギーインフラ構築停止に繋がらない状況を確保すると発言した。この取り組みでは、大統領府が環境諮問委員会(Council on Environmental Quality:CEQ)を通して連邦政府全体における国家環境政策法(National Environmental Policy Act:NEPA)への準拠に伴う負担を軽減し、CEQから助言を受けながら、農務省、商務省、内務省、エネルギー省、連邦エネルギー規制委員会、運輸省、国防総省、米陸軍工兵隊がNEPA施行手順を簡素化し、効率的且つ適時的環境評価を確実に実施するために更新を行うことになる。また、①インフラ開発の迅速化とコスト削減のために、現行NEPA修正法で義務付けられた環境評価に期限及び報告書ページ制限を設定、②NAPA適用事例の明確化、③適用除外行為(categorical exclusion:CE)を作成し、他省庁のCEを導入してNEPA分析重複の最小化、などを実行する。 The White House “Fact Sheet: President Trump Is Delivering Historic Permitting Wins Across the Federal Government” (06/30/25) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/06/fact-sheet-president-trump-is-delivering-historic-permitting-wins-across-the-federal-government/ Department of Energy “Energy Secretary Announces Updated NEPA Procedures to End Permitting Paralysis and Unleash American Energy” (06/30/25) https://www.energy.gov/articles/energy-secretary-announces-updated-nepa-procedures-end-permitting-paralysis-and-unleash Department of Defense “DOD Streamlines Environmental Reviews to Accelerate Infrastructure …
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