Category:

その他

NETL、メキシコ湾岸の地質学的二酸化炭素貯留プロジェクトの費用試算ツールを発表

メキシコ湾岸のオフショア塩水貯留を地質学的二酸化炭素貯留(geologic carbon storage: GCS)に利用することへの関心が高まっている中、国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory: NETL)は7月22日、コストモデリング・ツールを開発した。利用者は、これを使ってオフショアエリアGCSの可能性に関する正確な技術分析を確実に行うことができる。技術的な実行可能性を判断することは、新たなオフショアGCSを実現する上で最初の課題となる。NETLの目的は、コストモデリングと分析を使って技術経済的実現可能性を評価するためのツールを作成することであった。 NETL “NETL Releases Tool To Calculate Costs of Geologic Carbon Storage Projects in the Gulf of America” (07/2225) https://netl.doe.gov/node/14918

石炭火力の利用継続 再エネ導入遅れが原因 ウッド・マッケンジー報告

ユーティリティ・ダイブ(UTILITY DIVE)は7月15日、電力需要の増加と代替エネルギーの整備遅れが石炭火力の利用継続につながると報じた。ウッド・マッケンジー社(Wood Mackenzie)によると、国内では石炭がガスや再生可能エネルギーに比べて高コストであるにもかかわらず、新たなガス発電所の建設コストが倍増しており、長時間エネルギー貯蔵技術(long-duration energy storage: LDES)も基盤電源として未成熟な状況にあるとし、2030年には石炭火力のコストが1メガワット時(MWh)あたり約230ドルに達する一方、ハイブリッド太陽光と貯蔵は80ドル程度と予測されるという。また、需要増が続けば石炭火力による発電のピークが2030年にずれ込み、2050年までにガスや再生可能エネルギーの代替が2,100ギガワット(GW)分減少する可能性があるとした。米国のガス火力発電の経済性は、液化天然ガス(LNG)輸入に依存するアジアや欧州諸国に比べて優れているものの、急増する電力需要に対応するには限界があるとし、技術やインフラへの投資の必要性を提言している。 UTILITY DIVE ” Wood Mackenzie sees extended ‘sunset’ for costly coal power” (07/21/25) https://www.utilitydive.com/news/wood-mackenzie-sees-extended-sunset-for-costly-coal-power/753568/

AI経済、ベイエリア一極集中 ブルッキングス調査

ブルッキングス研究所(Brookings Institution)は7月16日、人工知能(AI)活動の地域格差が顕著で、サンフランシスコ・ベイエリア単独でAI関連求人の13%を占めるなど一極集中が進んでいるとする分析結果を発表した。同研究所のマーク・ムロ上級研究員(Mark Muro)らが全米195の都市圏を対象とし、14の基本指標を用いて、人材、イノベーション、導入の3つの柱で評価したAI準備度(AI readiness)に基づいて「スーパースター」から「その他」まで6段階に分類した。これによると、サンフランシスコとサンノゼの2都市圏のみが最高位の「スーパースター」に位置づけられ、28都市圏が第2位の「スターハブ」、79都市圏が「初期段階」、43の都市圏が複数分野で導入が遅れている「その他」に分類された。同研究所は、AI人材の損失や研究資源の未開発、導入の遅れといった機会損失を防ぐため、強力なAI支援プラットフォームを構築する国家戦略と地域主導の開発戦略を組み合わせた取り組みが急務と提言している。 Brookings “Mapping the AI economy: Which regions are ready for the next technology leap” (07/16/25) Mapping the AI economy: Which regions are ready for the next technology leap

留学生ビザ発給数が大幅減少 大学収入への影響懸念

高等教育情報サイトのインサイド・ハイヤー・エド(Inside Higher Ed)は7月17日、留学生向けビザ発給数の大幅減少により大学の収入減が懸念されると報じた。国務省(Department of State)データによると、2025年5月のF-1ビザ発給数は前年同月比22%減の1万2,689件減となり、J-1ビザも13%減少した。トランプ政権による中国共産党関係者へのビザ取り消しや19カ国への渡航制限、ソーシャルメディア審査の導入などが影響しているとみられ、オンライン教育プラットフォームを提供するスタディポータル(Studyportal)の調査では、米国留学への関心がコロナ禍以降最低水準まで低下し、学生が英国や豪州を検討する傾向が強まっているという。国際教育研究所(Institute of International Education: IIE)によると40%の教育機関が学部レベルの国際学生数の減少を、49%が大学院レベルでの減少を予測しており、フィナンシャル・タイムズ紙(Financial Times)は10%の減少で30億ドルの収入減になると試算している。 IHE “International Student Visa Issuances Dropped in May” (07/17/25) https://www.insidehighered.com/news/global/international-students-us/2025/07/17/f-1-j-1-student-visa-issuances-dropped-may#

BIS、産業調査の負担軽減について意見募集

連邦官報(Federal Register)は6月13日、商務省(Department of Commerce)産業安全保障局(Bureau of Industry and Security: BIS)が国家安全保障と重要な技術を評価するための情報収集活動継続に伴い、調査にかかる負担軽減に関する意見を公募すると発表した。この活動は、国防総省(Department of Defense)や国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)、航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)などの政府機関の要請を受け、1995年ペーパーワーク削減法(Paperwork Reduction Act of 1995: PRA)に基づき、国内の重要産業セクターと技術の調査・評価を行うもので、年間30万8,000時間の負担が見込まれており、影響を受けるのは約2万8,000の企業や営利団体で、回答には8〜14時間がかかるという。同省は、この情報の必要性や負担時間の正確性、収集方法の改善点について意見を募る。期限については、8月12日までとし、提出されたものは公開記録として取り扱うとしている。 Federal Register “Agency Information Collection Activities; Submission to the Office of Management and Budget (OMB) for Review and Approval; Comment Request; National Security and Critical Technology Assessments of the U.S. …
Read more

トランプ政権、気候変動レポートの公開を取りやめ

共同通信(Associated Press)は7月15日、トランプ政権が、航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)が気候変動に関する報告書のウェブサイト公開を中止すると報じた。政権は、連邦法で義務付けられた気候変動の評価結果をNASAのサイトで公開する予定であったが、同局報道官のベサニー・スティーブンス氏(Bethany Stevens)は「法的義務がない」として計画を中止した。テキサス工科大学(Texas Tech University)の気候科学者キャサリン・ヘイホー氏(Katharine Hayhoe)は、同報告書について、税金で作成されており、災害が増加する中、国民が気候変動から身を守るための重要な情報を含んでいると指摘している。オバマ政権の元科学顧問ジョン・ホルドレン氏(John Holdren)も、気候変動による生活への影響を政権が意図的に検閲または隠蔽しようとしていると批判した。過去の報告書は、海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration: NOAA)の図書館に保管されており、最新の評価は同庁のサイトで確認できる。 AP “Trump administration says it won’t publish major climate change reports on NASA website as promised” (07/15/25) https://apnews.com/article/climate-change-nasa-reports-trump-hidden-doc-1ade1eb89bb4785f7cdd6e1d6ba31a21

上院・下院歳出委員会、連邦助成受給研究間接費の一律上限設定は不適切と判断

上院歳出委員会委員長のスーザン・コリンズ上院議員(Susan Collins)と副委員長のパティ・マレイ上院議員(Patty Murray)は、上院版2026年度商業司法科学関連省庁歳出法案(Commerce, Justice, Science, and Related Agencies Appropriations Bill)において、高等教育機関における連邦研究資金受給研究の間接費に関し、一律の上限を設けるのではなく、現行通りに各研究機関と連邦政府研究資金提供機関との交渉の下での決定を継続するという修正案を提出し、同案が採用された。また、学術研究コミュニティが意見の一致に基づく提案を作成中であることを、同法案に添付される報告書に付記した。一方、下院版2026年度エネルギー・水開発関連省庁歳出法案(Energy and Water Development and Related Agencies Appropriations Bill)に添付される報告書においても、エネルギー省が研究資金を提供する研究の間接費に関し、研究費全体の一律15%を上限として設定するという方針について、正しい意図に基づく提案ではあるものの、同省の研究・開発活動の独特な性質を考慮すると、完全に対応できず不適切であることを添付報告書に付記している。 American Institute of Physics “Top appropriators look to block indirect cost caps” (07/21/25) https://www.aip.org/fyi/the-week-of-july-21-2025

上院歳出委員会、2026年度商業司法科学関連省庁歳出法案を超党派で可決

上院歳出委員会は7月17日、上院版2026年度商業司法科学関連省庁歳出法案(Commerce, Justice, Science, and Related Agencies Appropriations Bill)のマークアップを行い、同法案を可決した。本法案では、2026年度大統領予算案において前年度比50%超の削減が提案されている米国科学財団(National Science Foundation:NSF)予算に、前年度予算90億6,000万ドルを僅かに下回る90億ドルを割り当てている。また、同法案に添付された報告書では、米国内2カ所に設置されたレーザー干渉計重力波天文台(Laser Interferometer Gravitational-wave Observatory:LIGO)検知器のうち1カ所を閉鎖するという大統領予算案の提案を拒否した他、「超大型望遠鏡(Extremely Large Telescope)」プロジェクト2件について、両方のプロジェクトで最終設計段階に進むようNSFに指示している。さらに、大統領予算案で約50%削減が提案されたNASA科学予算には、ほぼ前年度並みの予算を割り当て、提案されたミッション55件の中止を拒否した。NOAA予算に関しても、他部署に移行させる一部プログラム以外の廃止が提案された海洋大気研究局(Office of Oceanic and Atmospheric Research)への予算割当を継続している。なお、下院歳出委員会は、下院版同法案のマークアップを7月24日に行う予定であるが、下院版法案ではNSF予算を約20%、NASA科学予算を18%削減しており、上院版法案が超党派の支持を得て可決されたのに対し、下院版法案は民主党が反対している。 American Institute of Physics “Congress advancing budgets for NSF, NASA, Commerce” (07/21/25) https://www.aip.org/fyi/the-week-of-july-21-2025

LBL、電力網が直面する問題に対する規制のサンドボックスなどの対策を紹介

ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory:LBL)は、消費電力量の増加やインフラの老朽化などによって電力網が直面する問題を解決するために、新たな報告書「公共事業における先進電力網技術導入を促進する規制のサンドボックス及びその他のプロセス(Regulatory Sandboxes and Other Processes to Expedite Utility Adoption of Advanced Grid Technologies)」を発表した。本報告書は、規制のサンドボックス及び類似したアプローチ例の紹介、公共事業セクタにおけるイノベーションエコシステム促進に関する教訓の提供、新興ベストプラクティスの特定、及び、これらの革新的手段を通して顧客に提供する公共事業の価値の評価などを提示している。また、イノベーションの妨げとなる従来の公共事業規制及び業界の特徴を特定した他、規制のサンドボックスが如何にして重要なツールとして機能するかについて、他のイノベーション手段及び障壁の克服方法と併せて紹介している。なお、本報告書執筆者と規制のサンドボックスを展開した州の専門家らは、8月13日に公開ウェビナーを開催し、実践結果及び現場での経験について紹介する予定である。 Lawrence Berkeley National Laboratory “Regulatory Sandboxes and Other Processes to Expedite Utility Adoption of Advanced Grid Technologies” (07/15/25) https://emp.lbl.gov/news/regulatory-sandboxes-and-other-processes-expedite-utility-adoption-advanced-grid

ORNLとアトミック・キャニオン社、原子力発電所ライセンシング手続き合理化で協力

オークリッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory:ORNL)と人工知能(AI)企業のアトミック・キャニオン社(Atomic Canyon)は、原子力発電所のライセンス申請審査へのAI導入を通じて申請手続きを合理化するために協力するとした覚書を締結した。本覚書は、高性能コンピューティングを活用して高忠実度シミュレーションを作成するという両組織共通の意図を概説したもので、審査手続きを自動化するAIを活用してライセンシングの迅速化を図りながら、原子力発電所の設計の安全性を確保する。米国は、原子炉設計ライセンシング及び新規原子力発電所試運転に新たな期限を設定したが、これらの目標を達成するには、国家が必要とするソリューションを提供するために企業がエネルギー・AIの両方におけるイノベーションを主導する官民パートナーシップが必要となる。アトミック・キャニオン社は、同覚書の下でORNLのスパコン「フロンティア(Frontier)」を使用し、同社の「ニュートロン(Neutron)」AIプラットフォームに電力を提供する「フェルミ(FERMI)」と呼ばれるモデルに特化した、新しいAIモデルを開発することになる。「フェルミ」モデルに技術言語を教えるには「フロンティア」が必要で、米国原子力規制委員会(U.S. Nuclear Regulatory Commission:NRC)のデータベース「省庁内文書アクセス・管理システム(Agencywide Documents Access and Management System:ADAMS)」に含まれる5,300万ページに及ぶ原子力関連文書で使用される語彙に基づく原子力業界の技術言語を学習させることになる。 Oak Ridge National Laboratory “Oak Ridge National Laboratory, Atomic Canyon to accelerate nuclear licensing with AI” (07/22/25) https://www.ornl.gov/news/oak-ridge-national-laboratory-atomic-canyon-accelerate-nuclear-licensing-ai