Category:その他
CATF委託の報告書、拡大する電力需要に対応するソリューションを提案
経済コンサル企業のブラッテルグループ社(Brattle Group)は、クリーンエアタスクフォース(Clean Air Task Force:CATF)から委託を受けて作成した報告書「電力需要の増大と公共政策目標を支援するための電力網インフラの適正化と先を見越した計画(Optimizing Grid Infrastructure and Proactive Planning to Support Load Growth and Public Policy Goals)」を発表した。本報告書は、データセンターの拡張、電化、製造の成長に伴う急激な電力需要増に対応するにあたり、政策決定者・公共事業体・システムプランナーを支援するために実行可能な短期戦略を特定している。同報告書が提示する主要提案事項には、①既存の電力システムの価値の最大化、②新たな電力需要・リソースへの電力網接続の促進、③より先を見越した計画の実行、④適正価格の保護、などが含まれる。 Clean Air Task Force “New CATF/Brattle report identifies untapped solutions to address rising electricity demand and avert grid bottlenecks” (07/22/25) New CATF/Brattle report identifies untapped solutions to address rising electricity demand and avert grid bottlenecks
EPA、研究開発局を廃止
環境保護庁(Environmental Protection Agency:EPA)は7月18日、研究開発局(Office of Research and Development)を廃止する計画を明らかにした。これは、トランプ政権が進める組織的人員削減(reduction-in-force:RIF)の一環で、リー・ゼルディンEPA長官(Lee Zeldin)は、RIFを通して、責任を持って税金管理を行いつつ主要ミッションである人間の健康と環境の保護を達成するとコメントしている。但し、EPAは、職員の23%を削減して7億4,880万ドルを節約する計画とする一方で、同時に、大気放射線局(Office of Air and Radiation)、水質管理局(Office of Water)、化学物質安全性・汚染予防局(Office of Chemical Safety and Pollution Prevention)の科学者・エンジニア数を増やすとともに、科学・技術・バイオインフォマティクス・情報技術専門家数百人と研究所機能を追加するとしている。さらに、応用科学・環境ソリューション局(Office of Applied Science and Environmental Solutions)を新設して研究・科学を優先する計画も発表している。EPAでは、一部職員は部署を異動したものの解雇者は現時点でゼロであるが、人員削減の次の段階として解雇者が出る見込みとしている。なお、下院科学宇宙技術委員会(House Science, Space, and Technology Committee)ランキングメンバーのゾーイ・ロフグレン下院議員(Zoe Lofgren)は、EPAにおける人員削減計画を非難する声明を発表している。 NPR “Trump administration shuts down EPA’s scientific research arm” (07/20/25) https://www.npr.org/2025/07/20/nx-s1-5474320/trump-epa-scientific-research-zeldin
米海軍長官、造船への自動化・ロボット導入拡大を奨励
米海軍省のジョン・フェラン長官(John Phelan)は7月16日、米国産業ベースの最新化を目指す「再工業化(REINDUSTRIALIZE)」会議において、造船業界は人員不足緩和と業績向上のためにロボット及び自動化に頼る必要があると発言した。フェラン長官は、造船所10カ所を視察した際に、良い研修が行われたとのフィードバックを受けたのは1カ所のみで、研修の最新化が必要とした。また、自動化・ロボット導入の拡大により労働力問題への対応に役立つ可能性があるとした他、自動化・ロボット導入が人間の仕事の代替となることはなく、労働者の仕事を支援してより効率的に働くことができるようになると主張した。大統領府は、造船を主要優先事項の1つに挙げており、米国造船業界への参加企業及び競合数を拡大し、水面・水中・無人プログラムのコスト超過・生産遅延を縮小するよう要求する大統領令を発令している。海軍造船プログラムは、特に原子力潜水艦プログラムがサプライチェーン問題及び労働力不足などにより数年遅れとなっているが、国防総省は、2026年度予算と予算調整法の下での支給を合わせて合計474億ドルを造船・改造に割り当てている。 NextGov FCW “SECNAV: Robots won’t replace shipbuilders, but they could make jobs ‘easier’” (07/18/25) https://www.nextgov.com/emerging-tech/2025/07/secnav-robots-wont-replace-shipbuilders-they-could-make-jobs-easier/406837/?oref=ng-skybox-hp
マイクロソフト社、国防総省のシステム保守に中国拠点のエンジニアの利用を中止
プロバブリカ社(ProPublica)が7月15日、「マイクロソフト社(Microsoft)は、米国を拠点とするデジタルエスコート(監視者)の下、中国の人員を使って国防総省(Department of Defense)の機密性の高い軍事システムの維持管理を行っている」との報告書を発表したことを受け、マイクロソフト社は、国防総省のクラウドサービス支援に中国を拠点とするエンジニアを使用することを中止すると発表した。デジタルエスコートは、セキュリティクリアランスを持つ米国市民で、中国を拠点とするマイクロソフトのエンジニアと国防総省のクラウドインフラの仲介者として機能する。デジタルエスコートは、直接アクセスすることが禁じられている外国のエンジニアの代わりに、軍事システムに主導でコマンドを入力する。先述の報告書によれば、多くのデジタルエスコートは、自ら入力しているコードを評価するだけの技術的専門性がなく、政府の最も機密性が高いネットワークに脆弱または悪質なスクリプトを意図せずに入力する可能性があると指摘している。 Nextgov “Microsoft ends use of China-based engineers to patch DOD systems” (07/20/25) https://www.nextgov.com/defense/2025/07/microsoft-ends-use-china-based-engineers-patch-dod-systems/406851/
NIH、AIを使ったグラント申請を懸念、年間申請件数を最大6件に限定
国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は7月17日、「NIH研究申請における公平性と独自性への支援(Supporting Fairness and Originality in NIH Research Applications)」と題する通知を発表し、この中で、AIを使った研究申請書作成への懸念から、一人の研究者が年間に提出できる申請書の件数を最大6件に限定するとした。また、生成AIを利用して申請書を執筆することも禁止している。これは、研究者が多数の申請書(特にAIを使って作成された質の低い申請書)を提出して、NIHの助成審査システムに大幅な負担をかけることを防ぐことを目的としている。助成申請件数の上限設定は、研究資金を必要とする研究者に打撃となるとの指摘がある一方で、上限は正当であり、必要とさえ言えると主張する関係者もいる。NIHの元高官によれば、一人の主任研究員が一回の提出ラウンドで40件以上の申請書を提出したことがあったという。今回の新たな方針は、9月25日から実施される。 Science “Fearful of AI-generated grant proposals, NIH limits scientists to six applications per year” (07/18/25) https://www.science.org/content/article/fearful-ai-generated-grant-proposals-nih-limits-scientists-six-applications-year
SEMI財団、マイクロエレクトロニクスプログラムの地域ノード審査を開始
SEMI財団(SEMI Foundation)は、「マイクロエレクトロニクス教育のための国家ネットワーク(National Network for Microelectronics Education: NNME)」で地域ノード(Regional Nodes)となることを目指す応募組織の審査プロセスを開始する。NNMEは、米国のマイクロエレクトロニクス部門で教育・訓練・雇用を進展させることを狙いとした全国的なイニシアチブで、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)が資金提供し、商務省(Department of Commerce)が支援する。これは、半導体及びマイクロエレクトロニクス産業で増大する人材ニーズに即した労働力開発を先導・拡張する地域エコシステムを特定・採択する審査・選出プロセスの第一歩である。SEMI財団は、NNMEの調整ハブ(Coordinating Hub)として機能し、地域ノードの活動を全国規模で策定・調整・拡張する役割を果たす。NNMEは、最大8件のノードに5年間で2,000万ドルを支援する見込みである。 SEM “SEMI Foundation Launches NSF-Powered National Call for Applicants of Regional Nodes to Meet Industry Needs for the U.S. Microelectronics Workforce” (07/21/25) https://www.semi.org/en/semi-press-release/semi-foundation-launches-nsf-powered-national-call-for-applicants-of-regional-nodes-to-meet-industry-needs-for-the-us-microelectronics-workforce
トランプ大統領、ジーニアス法に署名
トランプ大統領は7月18日、ジーニアス法(GENIUS Act)に署名し、法制化した。本法は、米国が世界のデジタル通貨革命を先導する道筋を開くもので、具体的な内容は次の通り。①デジタル市場における消費者保護(ステーブルコインに初となる連邦規制制度を創出し、準備金の義務付けを通じて通貨の安定性と信頼性を強化等)、②米ドルの準備通貨としての世界的な地位を確実にする(米国債(U.S. Treasuries)への需要を促進することで、ステーブルコインは世界の準備通貨としての米ドルの支配的地位を継続等)、③デジタル資産市場における悪質な行為への対策(ステーブルコイン発行者に対する規制と登録、規制取り締まりに関して財務省(Department of Treasury)と調整し、米国国家安全保障を強化等)。トランプ大統領は、米国を世界の暗号通貨の中心地にすると発言しており、これまでにデジタル資産の推進や戦略的ビットコイン備蓄の確立に向けた大統領令に署名している。 White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Signs GENIUS Act into Law” (07/18/25) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2025/07/fact-sheet-president-donald-j-trump-signs-genius-act-into-law/
「パワーの支柱:エネルギー安全保障と産業対応力のための戦略」 SAFE報告書
米国及び同盟国の経済・国家安全保障を推進する輸送・エネルギー・サプライチェーン政策を調査する超党派組織のSAFEは今般、「パワーの支柱:エネルギー安全保障と産業対応力のための戦略(The Pillars of Power :A Strategy for Energy Security and Industrial Resiliency)」と題する報告書を発表した。SAFEは、「米国は、産業能力とサプライチェーン安全保障の衰退により、重要鉱物や産業マテリアル、先端製造技術に関する輸入を海外に大きく依存するようになっている」とした上で、エネルギー・技術的リーダーシップを通じて、米国の産業基盤を復活させ、重要サプライチェーンを確保し、国家防衛を強化するため、調整された行動が急務であると主張する。報告書は、①鉱物とマテリアルの供給の拡大・確保、②エネルギー安全保障ニーズへの対応、③効率性と多様化を最大限にする新技術の推進、④製造能力の強化、の4つを柱に、合計30件の政策を提言している。 SAFE “Report | The Pillars of Power: A Strategy for Energy Security and Industrial Resiliency” (07/20/25) The Pillars of Power: A Strategy for Energy Security and Industrial Resiliency
デルタ航空、エアバス社製エンジンの再利用によって関税を回避
デルタ航空(Delta Air Lines)は、欧米間の関税対策として極めて非伝統的な手法を導入している。双方の規制により、欧州のエアバス社(Airbus)から特定の航空機を注文する航空会社は、輸入航空機に追加費用を支払わなくてはならず、経済的な負担が増している。このような中で、デルタ航空は、欧州で製造された新たな航空機から米国製のエンジンを取り外し、それらの米国製部品を米国へ輸送し、米国内で自社の航空機に新たなタービンを取り付けるという手法を取っている。これらの航空機は現在、本来装備されていたプラット・アンド・ホイットニー社(Pratt and Whitney)製エンジンに関する問題のために運航できずにいる機体である。さらに関税対策として同社は、欧州製のエアバスA350型機を第三国で受領し、そこから収益のある運航を開始し、米国行きの運航を行うという手法を取っている。つまり、新たな航空機を米国に直接納入するという形を取らないため、関税の対象とはならないという。 Simple Flying “Delta Air Lines Skirts Tariffs By Repurposing Airbus Engines” (07/12/25) https://simpleflying.com/delta-air-lines-skirts-tariffs-repurposing-airbus-engines/
米政府、電気自動車用蓄電池の重要マテリアルに大幅な関税を提案
商務省(Department of Commerce)は7月17日、蓄電池の重要な材料となる黒鉛に93.5%の大幅な追加関税を発表した。この発表は、電気自動車メーカーには更なる負担をもたらし、既に主要な政策変更に振り回されている同業界に新たな一撃となっている。具体的に、トランプ政権は7月17日、中国製の黒鉛について、中国の供給事業者はダンピング違反を行っているとの予備的判決を下し、93.5%の関税を課した。この決定は、フォード自動車(Ford Motor)などの自動車メーカーや、パナソニック社(Panasonic)などの供給会社にダメージをもたらす。これらの企業は、米国内に電池工場を設立するなどしており、関税は電気自動車用蓄電池の価格上昇につながる可能性が高い。その一方で、連邦政府はEVの購入やリース利用に関する最大7,500ドルの税額控除を廃止する。今回の決定は予備的なものではあるが、企業は関税を直ちに支払い始める必要がある。 New York Times “U.S. Proposes Steep Tariffs on Critical E.V. Battery Material” (07/17/25) https://www.nytimes.com/2025/07/17/business/trump-graphite-tariff-electric-vehicles.html