Category:その他
宇宙軍、宇宙アクセス資源配分の判断に関する原則を発表
米宇宙軍(U.S. Space Force)は7月16日、商業宇宙戦略(Commercial Space Strategy)の付属文書1「宇宙アクセス資源配分に関する判断の原則(Annex 1 Principles for Space Access Resourcing Decisions)」を発表した。付属文書は、政府資源に対する商業宇宙部門からの要請をどのように検討・優先付けするか、また政府の投資判断をどのように行うかについて詳述している。付属文書は、「国家安全保障を目的とした宇宙アクセスを確実にする(Assure space access for national security)」「頑強かつ革新的で競争的な商業宇宙アクセス産業を育成する(Foster a robust, innovative, and competitive commercial space access industry)」など9つの原則で構成されており、宇宙軍の「確実な宇宙アクセス事業(Assured Access to Space Enterprise)」プログラムによる調達戦略や投資の優先付け、資産の配分など様々な資源配分判断に関する意思決定のガイドとなるものである。 United States Space Force “Space Force releases Principles for Space Access Resourcing Decisions” (07/16/25) https://www.spaceforce.mil/News/Article-Display/Article/4246866/space-force-releases-principles-for-space-access-resourcing-decisions/
NSF主導の国家AI研究資源パイロットにボルテージ・パーク社が参加
米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、研究者や教育者向けに最先端AI資源として重要なツールや資源へのアクセスを拡大し、米国のAIイノベーションや国家競争力などを促進する変革的な官民イニシアチブ、「国家人工知能研究資源(National Artificial Intelligence Research Resource: NAIRR)」パイロット事業の支援として、ボルテージ・パーク社(Voltage Park)との新たなパートナーシップを発表した。AIインフラへのアクセス拡大を目指すボルテージ・パーク社は、高性能のクラウド・コンピューティング資源と専門家支援を提供し、米国内の研究者による画期的なAIイノベーションの追求を支援することになる。このパートナーシップの一環として、ボルテージ・パーク社は、NVIDIA H100 GPUの100万時間分を提供し、科学、工学、医療、気候などにおける多様なAI研究プロジェクトを可能にさせる。NAIRRパイロットは2024年に開始され、NSFが主導する2年間の概念証明事業で、本格的な国家インフラ開発への情報提供となることを意図している。 National Science Foundation “Voltage Park joins NSF-led National AI Research Resource pilot to expand access to advanced computing” (07/16/25) https://www.nsf.gov/news/voltage-park-joins-nsf-led-national-ai-research-resource
NSF、ラボから実践への技術移転に柔軟な経路を提供
米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、ラボの革新的な新技術を実践へと転換するための柔軟な経路を提供する新プログラム「NSF実践への転換(NSF Translation to Practice: NSF TTP)」を発表した。3,000万ドルのプログラムで、実際の使用にヒントを得たトランスレーショナルな研究に投資を行い、特に、実践への効果的かつ効率的なトランスレーショナル研究を促進する分野横断型パートナーシップの育成に焦点を当てる。また、全ての米国民を対象とした起業教育を進展させる。このNSF TTPプログラムは、市場の洞察の入手や商業応用の始動などの機会を提供した「イノベーションのためのパートナーシップ(Partnerships for Innovation: PFI)」プログラムなど、従来のNSFイニシアチブの教訓を活用する形で行われ、発見やイノベーションの展開における様々な段階にあわせた3つのトラック(①模索(Explore (NSF TTP-E))、②転換(Translate (NSF TTP-T))、③パートナー(Partner (NSF TTP-P))を設けることで、よい柔軟な枠組みとする。 National Science Foundation “New NSF program offers flexible pathways to transition technologies from the laboratory to practice” (07/16/25) https://www.nsf.gov/tip/updates/new-nsf-program-offers-flexible-pathways-transition
大統領府、カリフォルニア州高速鉄道構築費40億ドルの支給取消を通知
連邦鉄道局(Federal Railroad Administration:FRA)のドリュー・フィーリー長官代行(Drew Feeley)は7月16日、カリフォルニア高速鉄道プロジェクトCEOのイアン・チョウドリ氏(Ian Choudri)に書簡を送付し、同州中央部のセントラルバレー(Central Valley)での鉄道構築費として割り当てられていた連邦資金40億ドルの支給取消を通知した。また、運輸省のショーン・ダフィ長官(Sean Duffy)は、FRAに対し、同プロジェクト関連の他の助成についても見直すよう要請し、運輸省は、これらの資金を回収する可能性について司法省からの助言を仰ぐとしている。カリフォルニア州のギャビン・ニューソム知事(Gavin Newsom)とチョウドリ氏は、大統領府による決定の合法性に疑問を呈している。チョウドリ氏は、プロジェクト資金提供は法的拘束力を持つ契約の下でのコミットメントとし、カリフォルニア高速鉄道公社(California High-Speed Rail Authority)は義務を充足していると主張した。これに対し、ダフィ運輸長官は、同州リーダーによる鉄道計画の管理は杜撰と批判している。高速鉄道計画は2020年完成予定であったが、予算超過・スケジュール遅延が著しく、6月に発表された現政権主導の調査結果は、同計画実現に向けて実行可能な道筋はないと結論付けている。これに対し、チョウドリ氏は、書簡を大統領府宛に2通送付しており、最新ではない不適切な情報に基づく同調査の評価結果は不正確且つ不適切と指摘し、結論は事実を偽って伝えるものと主張している。 Los Angeles Times “Trump administration pulls billions in funding for high-speed rail project; state leaders call decision ‘illegal’” (07/16/25) https://www.latimes.com/california/story/2025-07-16/trump-administration-cancels-funding-for-high-speed-rail-project
連邦政府所有地に構築する太陽・風力発電施設、今後は内務長官からの許可が要件に
内務省政策担当首席補佐官代理のグレゴリー・ウィッシャー氏(Gregory Wischer)は7月16日、同省職員にメモを送付し、内務省管轄下にある連邦政府所有地に構築する太陽・風力エネルギー施設について、今後はダグ・バーガム内務長官(Doug Burgum)からの許可が義務付けられると通知したことが内部文書によって明らかにされた。これにより、風力・太陽エネルギープロジェクトに対して更なる精査が行われ、全米において許可・建設が遅延・低迷する可能性が考えられる。この措置は、トランプ大統領から風力・太陽発電補助金削減要求を受けたことによるもので、風力・太陽エネルギー関連施設のあらゆる決定・活動・協議においてバーガム長官による審査が義務付けられることになるが、ウィッシャー氏は、様々な大統領令に準拠するために必要な措置としている。なお、連邦政府所有地は、現在、米国の再生可能電力の約4%に相当する8.9ギガワットを創出しているが、国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory:NREL)が政権交代前の2025年1月に発表した調査結果によると、2035年までに全体の12.5%を提供する可能性があり、具体的に、太陽電力は5,750ギガワット、風力発電は875ギガワットを創出する技術的可能性があるとしている。 Politico “Trump administration taking new steps to block wind and solar projects, undisclosed memo says” (07/16/25) https://www.politico.com/news/2025/07/16/interior-requires-burgum-sign-off-for-solar-wind-projects-00458999
グーグル社、ペンシルバニア州のAIインフラに今後2年間で250億ドル超を投資
グーグル社(Google)は7月15日、デーブ・マコーミック上院議員(Dave McCormick、ペンシルバニア州選出)が開催した「ペンシルバニア州民エネルギー・イノベーションサミット(Pennsylvanian Energy and Innovation Summit)」において、ペンシルバニア州を拠点とするPJMインターコネクション社(PJM Interconnection)の電力網に、今後2年間で250億ドル超を投資することを明らかにした。グーグル社は、データセンター及びAIインフラを同州内に構築する計画である。主要クラウド提供企業は、AIデータセンター能力構築を競い合っており、グーグル社は、2025年に前年比40%以上の増加となる750億ドルの設備投資を行う計画である。 Utility DIVE “Google Cloud to pour more than $25B into AI infrastructure across PJM” (07/15/25) https://www.utilitydive.com/news/google-cloud-blackstone-aws-us-ai-data-center-buildouts/753202/
国務省、組織的人員削減の下で予想以上の数の科学技術関連職員が離職
国務省は、7月11日に組織的人員削減(reduction-in-force:RIF)を敢行したが、科学・技術関連部署において当初予想以上の数の職員が離職し、当該分野における将来の外交に不安をもたらしている。特に、将来の国際科学技術協定、米国人科学者による国際研究開発施設へのアクセス、研究者データの保護などといった問題における米国の利益擁護、中国とのAI・量子開発競争に勝利するための国家の取り組みなどへの影響に関する懸念が表明されている。また、技術は世界的な繋がりのあるもので、政府は米国で最高の国際専門家を排除したとの意見もあり、科学技術関連職員の削減は同分野における国際条約・協定からの撤退の兆候である可能性も懸念されている。人員削減による影響を特に大きく受けた部署には、①科学技術協力局(Office of Science and Technology Cooperation:STC)の完全廃止、②サイバースペース・デジタル政策局(Bureau of Cyberspace and Digital Policy:CDP)及び重要・新興技術特使局(Office of the Special Envoy for Critical and Emerging Technology:S/TECH)における複数の役職の廃止、などが含まれる。なお、S/TECH、STC、及び、科学技術顧問(Science and Technology Adviser)の機能を吸収する計画が国務省から発表されていたCDPは、経済成長・エネルギー・環境局(Bureau of Economic Growth, Energy, and Environment)と改称されている。 Fedscoop “State Department layoffs cut science, tech offices deeper than anticipated” (07/16/25) State Department layoffs cut science, tech offices deeper than anticipated
INLとマイクロソフト社、原子力許可・ライセンシングへのAI・クラウド導入で協力
アイダホ国立研究所(Idaho National Laboratory:INL)とマイクロソフト社(Microsoft)は7月16日、原子力の許可・ライセンス付与関連分野に人工知能及びクラウド機能の導入に向けて協力していることを発表した。INLは、工学・安全性分析報告書作成において、アジュール(Azure)AIサービスが組み込まれたマイクロソフト社開発のソリューションを活用すると発表している。エネルギー省原子力エネルギー局(Office of Nuclear Energy)は、傘下の国立原子炉イノベーションセンター(National Reactor Innovation Center)を通して同パートナーシップに資金を提供している。INLは、「Azure」ソリューションはINL職員による審査手続きの合理化・迅速化に役立ち、提出された工学・安全関連文書の分析や、米国原子力規制委員会(U.S. Nuclear Regulatory Commission:NRC)及びエネルギー省が原子力ライセンス付与のために義務付けている文書の作成にも使用としている。 NextGov FCW “Idaho National Lab teams up with Microsoft to improve nuclear permitting reviews” (07/16/25) https://www.nextgov.com/acquisition/2025/07/idaho-national-lab-teams-microsoft-improve-nuclear-permitting-reviews/406772/
上院外交委員会民主党、トランプ政権により中国との競争に敗北する危機を警告
上院外交委員会(Senate Committee on Foreign Relations)は7月14日、報告書「後退の代価:米国による中国への世界的リーダーシップの譲渡(The Price of Retreat: America Cedes Global Leadership to China)」を発表した。本報告書は、同委員会所属民主党議員が作成したもので、トランプ政権発足後の6カ月間で他国との提携・経済パートナーシップが損なわれたため、米国による対中国競争力の弱体化を警告している。特に、米国の研究・イノベーションへの悪影響に関しては、米国科学財団(National Science Foundation:NSF)及び国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)を含む連邦研究資金提供機関の予算大幅削減に言及し、米国科学研究・イノベーションシステムに恒久的損害をもたらす可能性があるとした。また、米中2国間でのSTEM分野従事者数の格差は縮小され、中国政府による国内STEM研究及び外国からの人材採用プログラムへの投資拡大の効果が表れつつあるのに対し、トランプ政権は、連邦科学研究省庁予算の削減、留学生への弾圧、著名米国大学への攻撃を行うなど、世界中の才能ある人材の目的地としての米国の評判を著しく傷つけることになったと批判した。さらに、優秀な人材を米国内から喪失すると共に、技術イノベーションに関する中国との競争において、修復不可能な後退をもたらす可能性があると警告している。 Senate Committee on Foreign Relations “The Price of Retreat: America Cedes Global Leadership to China” (07/14/25) https://www.foreign.senate.gov/imo/media/doc/sfrc_minority_china_report.pdf
中国、科学技術を党統制下に再編 NSF報告
米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は6月、中国が科学技術(S&T)エコシステムを国家安全保障と緊密に連携させ、中国共産党(Chinese Communist Party: CCP)の強力な統制下に置く大規模な再編を進めていると発表した。この再編は、中央科学技術委員会(Central Science and Technology Commission: CSTC)などの主導により、研究開発を国家目標達成のための手段と明確に位置付けるもので、習近平国家主席(Xi Jinping)が掲げる「新たな生産力(New Productive Forces)」理論の下、技術革新を通じて世界における経済的・軍事的優位性の確立を目指すものである。中国政府によるデータ安全法(Data Security Law: DSL)や改正反スパイ法(Counterespionage Law)などの強化が、国際共同研究におけるデータ移転や知的財産(Intellectual property: IP)のリスクを増大させると指摘し、また軍民融合の増強や巧妙化する人材獲得プログラムにより、米国の研究成果が意図せず中国の国力増強に利用される危険性があるとしている。 NSF ” China Refocuses Its Science and Technology Ecosystem on Innovation and Security” (June 2025) https://risc.tamus.edu/wp-content/uploads/2025/06/NSF_ADVISORY_01_China-Refocuses_web-250626_rev-1.pdf