粒子物理学実験施設の完成が遅れる見込み

粒子物理学の実験で大幅なコスト増に直面しているエネルギー省(Department of Energy)の高官によれば、同省は粒子物理学の実験施設の建設を2段階に分けて構築することを決定した。これにより、「ロングベースライン・ニュートリノ施設(Long-Baseline Neutrino Facility: LBNF)とディープ・アンダーグラウンド・ニュートリノ実験(Deep Underground Neutrino Experiment: DUNE)という相互に絡み合う2つの取り組みで構成される巨大プロジェクトが、2020年代後半の達成を目指していた仕様に達成するのは2030年代半ばとなること、また、更なるコスト増をもたらすことを意味する。ただし、研究者は、「新たな計画の下、縮小版のLBNF/DUNEの稼働は早ければ2029年にも可能である」と述べており、その場合、主要なニュートリノ観測競争において、ライバルである日本のハイパー・カミオカンデ(Hyper-Kamiokande)に先行できる可能性はあると、エネルギー省の高エネルギー物理学担当アソシエイト・ディレクターのジム・シーグリスト氏(Jim Siegrist)は考えている。一方、現在の費用試算は30億ドルとなっており、これは当初計画のほぼ2倍であるが、今回の計画の改定で、この費用は第一段階のみに適用されることになる。

Science “Trying to stay ahead of competition, U.S. pares down troubled $3 billion neutrino experiment” (3/29/22)