国連の試算によれば、毎年、最大2兆ドルのマネーロンダリングが国境を越えて行われ、組織犯罪の資金源となったり、経済的繁栄が損なわれるなどしている。金融組織間のより良い情報共有と協調的分析によって、こうした活動の検知に変革がもたらされる可能性があるが、調査結果によれば、こうした慎重を期する情報を合同分析するには、法律・技術・倫理面での課題が障害となっている。プライバシー強化技術(privacy-enhancing technologies: PET)は、こうした金融犯罪に対処する上で変革的な役割を果たす可能性がある。このような中、米国と英国の両政府は、PETの成熟度進展に焦点を当てた賞金チャレンジ・コンペを共同で開発中である。PETの賞金チャレンジ・コンペに関する両政府の協力は、2021年12月に行われた「民主主義サミット(Summit for Democracy)」で初めて発表され、それ以来、大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)や米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)が、英国のデータ倫理及びイノベーション・センター(Center for Data Ethics and Innovation)及びイノベート英国(Innovate U.K.)と共に、コンペの計画を進めてきた。今夏、大西洋両岸のイノベーターが本コンペに応募でき、チャレンジのソリューションは、2023年初頭にバイデン大統領が招集する第2回民主主義サミットで紹介される計画である。