米国科学者の外国人パートナーに全データの定期的提出を義務付けるNIHに抗議高まる

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)が、外国の研究者グループに対して、「NIHのパートナーにそれぞれのラボのメモやその他の生データのコピーを少なくとも数カ月おきに提出すること」を義務付けた新たな要件について、米国の多くのバイオメディカル研究者及びその海外の共同研究者は、警戒的な反応を示している。例えば、蚊を媒介とする疾病の研究で、米国の大学を通じてNIHの資金を受益しているブラジル人研究者は、この新たな要件は「馬鹿げている」と述べる。米政府の資金を得て中国で行われていたウィルス学研究を巡る懸念が引き金となって実施された5月19日の方針変更(10月1日施行)は、NIHのグラントに外国のパートナーがいる場合、費用高となる新たなペーパーワークの負担を強いる可能性があると、科学者やバイオメディカル研究の提唱団体は言う。現行では、共同作業者は、論文で使用された結果のみを共有し、それらを下支えするデータは、それぞれの機関で保管している。NIHによれば、今回の変更は、以前に実施された厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)による監査の結果である。監査報告は、NIHが非営利組織のエコヘルス・アライアンス(EcoHealth Alliance)へアワードを提供した件で、「その監督には問題がある」と指摘していた(エコヘルス・アライアンスは、武漢ウイルス研究所(Wuhan Institute of Virology)によるウィルス研究に資金の再配分を行っていた)。

Science “NIH mandate that foreign partners of U.S. scientists regularly submit all data stirs outcry” (6/13/23)