2022年に成立したインフレ削減法(Inflation Reduction Act: IRA)は、米国がクリーンエネルギー産業を構築する一助として、極めて大規模な政府助成金を放出したが、現在までの所、その最大の恩恵受益者は海外企業となっている。ウォール・ストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)の分析によれば、IRAがほぼ1年前に成立して以来、米国のクリーンエネルギー・プロジェクトに約1,100億ドルが拠出された。主に、韓国、日本、中国を拠点とする海外企業が、それらの支出の60%以上を占めるプロジェクトに関わっているという。そうした投資の中で20件の最大規模案件のうち、15件に外国企業が関与している(そのほとんど全てが電池工場)。日本のパナソニック社は、同社がネバダ州とカンザス州で運用もしくは建設している電池工場の生産能力に基づき、税額控除として年間20億ドル以上を得られる可能性がある。同社は米国内に3番目の工場を検討しており、それによって合計額は更に上がるとみられる。IRAは、環境に優しいエネルギー産業の国内サプライチェーンを構築することを意図したものであるが、実際には、電池及び再生可能エネルギー機器を生産する技術は海外にある。インセンティブによってこれらの企業は米国内への投資へと動いており、多くの場合、国内企業と協力している。
Wall Street Journal “The Biggest Winners in America’s Climate Law: Foreign Companies” (7/20/23)