原子炉実証プログラム、5基目の先進炉が臨界達成 

エネルギー省(Department of Energy)の原子力エネルギー局(Office of Nuclear Energy)は8月6日、5基目の先進原子炉が臨界を達成したと発表した。今回達成したのは、同省認可を受けたオクロ社(Oklo)の「グローブス同位体試験炉(Groves Isotope Test Reactor)」で、同省は米国における原子力エネルギー開発進展を強調した。テキサス州の同社施設で行われたこの試みは、医療や先端製造、宇宙探査などに使用される同位体の将来的な商業生産を見据えたもので、同局は、更地からの建設開始から1年未満での臨界達成は新たな業界指針となり得ると説明している。これまでアンタレス・ニュークリア社(Antares Nuclear)、バラー・アトミクス社(Valar Atomics)、デプロイアブル・エナジー社(Deployable Energy)、アーロ・アトミクス社(Aalo Atomics)などが臨界を相次いで達成しており、同省は規制改革が技術イノベーションを加速させたと評価した。さらに、原子力産業の黄金時代到来と称し、政権のエネルギー開発推進に寄与する政策モデルと改めて強調した。 Department of Energy “Office of Nuclear Energy Celebrates Fifth Advanced Reactor Criticality” (08/06/26) https://www.energy.gov/ne/articles/office-nuclear-energy-celebrates-fifth-advanced-reactor-criticality

商務省は半導体研究助成の運用見直しを GAO勧告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は8月6日、商務省(Department of Commerce)による半導体製造・研究開発への助成制度「米国のための半導体(CHIPS for America)」の運用状況に関する調査報告書を発表した。これによると、同省は工場誘致などの設備投資助成で累計49事業に315億ドルの直接資金を提供した一方、研究開発(R&D)領域では政権の方針変更に伴い予算110億ドルのうち78億ドル分の助成を取消・中断していたことが明らかになった。トランプ政権の優先事項に沿うよう対応を大幅に見直したことが背景にあるが、国立半導体技術センター(National Semiconductor Technology Center: NSTC)や国家先進パッケージング製造プログラム(National Advanced Packaging Manufacturing Program: NAPMP)などの法定要件を満たす計画や期限が示されていないことから、GAOは半導体技術の開発遅延や他国への生産依存を懸念し、法定要件に合致する具体的策と工程を1年以内に策定・実施するよう勧告し、同省もこれに同意している。 GAO “Semiconductors: Commerce Needs Plan to Meet CHIPS for America R&D Requirements” (08/06/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-109121

国防総省は装備品調達に関する国際協定の承認遅延と連携不足の改善を GAO勧告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は8月6日、国防総省(Department of Defense)に対し、同盟国やパートナー国と結ぶ装備品調達に関する国際協定における省内伝達や監視体制の改善を求める調査報告書を発表した。これによると、同省は2021年度から2025年度の5年間に総額640億ドルに上る303件の協定を締結したが、実施件数減少に伴い、総額も減少傾向にあることが分かった。背景には人手不足や審査手順の複雑化による大幅な承認遅延に加え、コスト分担ルールの変更といった重要事項の情報共有が関連機関の間でタイムリーに行われず、複数の協定を調整・再交渉する事態となり、一部のパートナー国が協定から離脱したことにある。課題を十分に特定しておらず、時に場当たり的な対応となっている同省の現状を受け、GAOは重要な方針変更を迅速に伝える仕組みの構築や、主導的・体系的なリスク管理体制の導入を勧告した。同省もこれら指摘を全面的に受け入れ、改善に向けた具体的な対応策を進める姿勢を示している。 GAO “International Agreements: DOD Has Opportunities to Improve Internal Communication and Oversight” (08/06/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-108249

政府は炭素回収税額控除の管理改善を GAO提言

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は8月6日、二酸化炭素(CO2)の回収・利用・貯留技術を対象とした「45Q税額控除」制度の行政管理と効果検証に関する改善勧告をまとめた報告書を発表した。45Qは排出量削減に向け、炭素回収技術開発を促進するために2008年に導入された措置であるが、コンクリートや燃料など製品製造にCO2を利用する納税者が複雑な申請手続きや承認の遅延、高い確率で却下される現状を受けて。大きな課題に直面していることに加え、制度の効果を評価する担当機関が指定されていないため、議会が政策効果や費用対効果を十分に把握できないことがわかった。内国歳入庁(Internal Revenue Service: IRS)のデータによると、2019年から2023年にかけて同税額控除の申請件数は3倍以上に増加し、今後もさらに新設が計画されていることから、GAOは手続き簡素化に向け、IRSに4件、エネルギー省(Department of Energy)に2件の勧告を出したほか、議会に対しても効果検証に向けたデータ収集や分析を指示するよう提案している。 GAO “Carbon Capture Tax Credit: Actions Needed to Improve Federal Administration and Evaluation of Tax Expenditure” (08/06/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-107711

GAO、臨床判断におけるウェアラブル活用と課題を公表

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は8月6日、スマートウォッチなどのウェアラブル端末から得られるデータを臨床判断に活用する際の利点や課題、政策選択肢をまとめた評価報告書を発表した。2025年の政府による医療におけるウェラブルデバイスの利用拡大支援方針を受け、同局が調査を開始した。これによるとバイタルサイン(生きていることを示す理学的所見)などを記録するウェアラブル端末は、迅速な診断や個人の状態に応じた治療方針の策定を可能にし、遠隔モニタリングを通じて医療過疎地域の患者にも恩恵をもたらすほか、人口知能(AI)との統合により自律的な判断能力向上に期待が集まっている。一方で、製品ごとに精度や信頼性のばらつきがあり、現場の業務フローへの組み込みやプライバシー保護、責任所在の明確化などの課題があることがわかった。GAOは、現状の取り組み継続に加え、現場の基盤整備や第三者認証データベースの構築による性能評価の可視化など、課題解決に向けた3つの政策選択肢を提示している。 GAO “Wearable Technologies: Potential Benefits and Challenges in Clinical Decision-Making” (08/06/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-107847

ARPA-H、自律型手術ロボット開発を支援

厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)傘下の医療高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency for Health:ARPA-H)は、8月6日、自律型医療ロボット(Autonomous Interventions and Robotics: AIR)の開発に5年間で最大1億7,530万ドルを投じると発表した。脳卒中治療は10分遅れるごとに39日間症状が悪化する上、約1万ドルの医療費が加算される。また国民の約半数が発症から治療にかかるまで1時間以上かかっている現状から、治療遅延や後遺症軽減に向け遠隔地でも脳卒中手術を可能にする自律ロボットや超小型機器技術の開発を推進する。今回採択されたのは、シーメンス・ヘルスニア社(Siemens Healthineers)やフィリップス・ノースアメリカ社(Philips North America)、マグネンド社(Magnendo)、キットウェア社(Kitware)、スタンフォード大学(Stanford University)、カリフォルニア大学(University of California)で、2年後に予定されているベンチトップ型生物学的モデルでの実証試験を経て、5年以内に完全自律型手術実証を目指す。 ARPA-H “ARPA-H funded teams to transform life-saving stroke interventions with autonomous robotic surgeries” (08/06/26) https://arpa-h.gov/news-and-events/arpa-h-funded-teams-transform-life-saving-stroke-interventions-autonomous-robotic

大統領府、AI審査対象から「オープン型」除外

ワシントン・ポスト紙(The Washington Post)は8月4日、大統領府が最先端人工知能(AI)モデルのセキュリティリスク審査対象から、パラメータ(重みのデータ)公開(オープンウェイト)型モデルを除外する方針をIT企業に伝えたと報じた。政府や主要産業のサイバー脅威を軽減する6月の大統領令に基づくもので、審査対象をオープンAI社(OpenAI)やアンソロピック社(Anthropic)などのモデルに限定する。今回の措置は、米国企業にオープン型モデルの開発推進や新興企業の開発コストの低減を図ることが目的とし、政府は最新モデルで台頭する中国に対抗する必要があると説明している。一方で、審査手法の非公開性や透明性について疑問視する声が現場から相次いでおり、先端モデルへのアクセス権をめぐる混乱も続いている。直近では審査対象となる大手の試作モデルが自らサイバー攻撃を仕掛ける事例も報告されており、記事は、事前審査のみに注力する政府の対応には安全上の重大な抜け道が存在するとの専門家の指摘も紹介している。 The Washington Post “White House will exempt ‘open’ AI systems from security review” (08/04/26) https://www.washingtonpost.com/technology/2026/08/04/white-house-will-exempt-open-ai-systems-security-review/

連邦控訴裁、EPAによる200億ドルの気候助成金回収を阻止

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は8月5日、コロンビア特別区連邦控訴裁判所が、環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)による200億ドル規模の気候変動対策助成の撤回措置を阻止する判決を下したと報じた。インフレ抑制法(Inflation Reduction Act: IRA)に基づき非営利団体のクライメート・ユナイテッド(Climate United)などへ交付された温室効果ガス削減基金(Greenhouse Gas Reduction Fund: GGRF)をEPAが凍結し、回収しようとしていたことに対し、判事10人のうち6人が助成取り消し命令の撤回を支持した。裁判所は、政策における意見相違により助成を終了させようとしたEPAの対応について、同法に違反する可能性が高いと結論づけた。IRAによる助成はクリーンエネルギー開発や電気自動車(EV)製造、光熱費削減などの資金として活用されており、EPAは今回の判決を受けて対応を検討中であると表明したものの、受領団体側は処分に法的根拠がないことが証明されたと、判決を歓迎していると記事は伝えている。 Utility Dive “$20B in federal climate grants unblocked by appeals court” (08/05/26) https://www.utilitydive.com/news/20b-federal-climate-grants-unblocked-appeals-court/827097/

テキサス州、データセンター建設を一時停止 電力需要が急増

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は8月5日、テキサス州のグレッグ・アボット知事(Greg Abbott)が送電網への接続申請を行う全てのデータセンターを対象とした監査を命じたと報じた。同州の送電網を管理するテキサス州電気信頼性協議会(Electric Reliability Council of Texas: ERCOT)に対する接続申請が計474ギガワット(GW)に達し、その約90%がデータセンターによるもので、過去最高のピーク電力需要の5倍を超える規模に膨れ上がっていることが背景にある。州内電力の安定供給が脅かされる懸念が浮上しており、州は、データセンターの建設を事実上停止する措置に踏み切った。これを受け、ERCOTは大型負荷接続手続きの審査プロセスを一時停止し、監査で自家発電の有無や水資源を自己調達・使用状況、公的支援への依存度などを検証していくと発表した。基準を満たさないプロジェクトは不承認となることから、記事は、業界団体が投機的な事業と優良事業者を差別化するよう、州に対し迅速な対応を求めていると伝えている。 Utility Dive “Facing an estimated 474 GW of interconnection requests, Texas hits pause on data centers” (08/05/26) https://www.utilitydive.com/news/texas-hits-pause-data-center-interconnections/827046/

エンジェル投資額、2025年は増加

州科学技術研究所(State Science & Technology Institute: SSTI)は8月5日、エンジェル資本協会(Angel Capital Association: ACA)がまとめた2025年のエンジェル投資動向に関する調査レポートの分析結果を発表した。全米23州66団体から提供されたデータを基にしたもので、ベンチャーキャピタル(VC)と同様に「案件数を絞り1件当たりの投資額を拡大する」傾向が明らかになった。投資総額が12%増加した一方、案件数は3%減少しており、平均投資額は26万7,000ドルに上る。また、エンジェル投資家は将来性のある投資初期段階の企業と、実績のある後期段階の企業両方に戦略的に投資し、全資金の60%を収益化する前の企業へ、分野別では全体の47%をライフサイエンス分野へ投じていた。こうした中、SSTIは地域技術基盤経済開発(Technology-Based Economic Development: TBED)を推進する投資家に対し、資金の地域外流出を防ぐ強固な地域エコシステムの構築と、初期段階の資金ギャップを埋めるエンジェル投資家との連携強化を呼びかけている。 SSTI “Takeaways from the ACA angel capital report” (08/05/26) https://ssti.org/blog/takeaways-aca-angel-capital-report